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2007年2月25日
MotoGPの開幕を2週間後に控えたヘレスでのIRTAテスト2日目、リズラ・スズキチームは初日に予定していた作業を雨天の影響で大量に翌日に持ち越したが、この日は前回のカタールで怪我を負ったジョン・ホプキンスの代わりに、残るレギュラー・ライダーのクリス・バーミューレンが、その膨大なテストメニューをこなしたようだ。
■秋吉選手もチームのテストを支援
また今回のテストには、開幕2戦目のスペインGPへのスポット参戦の準備を兼ねて、スズキの開発ライダーであり、全日本のレギュラー・ライダーでもある秋吉耕佑選手が、スズキの新型800ccマシンの最終テストに助っ人して加わっている。
この日にバーミューレンは、シャシーのセッティングとスペインGPで使用するブリヂストンタイヤのテストを行い、それらの最適な組み合わせを探ったようだ。
■ホプキンスは2日目もリハビリに専念
なお、この3日間は怪我の治療に専念し、テスト作業には参加しない事を表明しているジョン・ホプキンスは、初日に引き続いてチームの専任物理療法士と共に、水泳やサイクリングを含むリハビリと体力トレーニングをヘレスで行っているという。ホプキンスとチームが目指すのは、彼がカタールでの開幕戦までに、右足のつま先の骨折を含む全身に負った打撲などの怪我を、可能な限り治しておく事だ。
■バーミューレン「久しぶりのバトルが楽しみ」
午前は霧のために走行できず、IRTAテスト2日目の午後から大量な作業に着手したクリス・バーミューレンは、この日の成果には満足しており、翌日のBMWアワードでのバトルが楽しみだとコメントしている。数回のロングランも行ったというバーミューレンのこの日のタイムは、2日目の13番手となる1分41秒363だった。
「今日はこんがらかるくらいに多くの事を試しました。」とバーミューレン。
「やっと霧が消えた直後に走り出した時は、まだかなり路面が濡れていました。午後はものすごく走り込んで大量に作業をこなしています。主にシャシーとサスペンションをテストしました。」
「ブリヂストンのために何回かロングランも行いましたが、いい結果が得られたし成果もありました。今は明日のタイムアタックのセッションが楽しみです。これだけ何ヶ月にも渡るテストの後ですから、バトルができるは嬉しいですからね。」
■秋吉選手「リズラスズキを手伝えて嬉しい」
今回のIRTAテストと同じヘレスで開催される3月25日のスペインGPにスポット参戦する予定の秋吉耕佑選手は、コースの学習をかねて、スズキの開幕前のGSV-R800の最後の仕上げ作業に参加できた事を喜んでいる様子だ。秋吉選手のこの日のタイムは20番手となる1分43秒610。
「今日はいい一日でしたよ!」と秋吉選手。
「もっと速いタイムを出したかったところですけどね。ただ、ここは自分にとっては初めてですから、まだこれから良くなると思います。」
「今日は大量に周回を重ねましたが、リズラ・スズキMotoGPチームのテストを手伝う事ができて嬉しいですね。明日はさらに改善を進めていいタイムを出すのが楽しみですよ。」
■デニング監督「アキヨシサンは明日も頑張って」
膨大な作業をこの日の午後に効率良くこなした事に満足し、ライダーやチームをねぎらうリズラ・スズキのチーム監督であるポール・デニングは、開幕後のレースに向けて、セッティングの方向性は明確になったと語る。
「霧で時間をロスしたにもかかわらず、チームにとってはかなりテストの作業効率のいい1日になりました。」とデニング監督。
「大量の作業をこなす事ができました。ジョンが怪我でバイクに乗れない関係上、クリスの双肩にはテストメニューの全てを行うという重い責任がのしかかっていましたが、今回彼は順調に作業を推し進めてくれています。」
「クリスは、彼にとってはジョンよりも重要になってくるいくつかのセッティング作業を行いながら、さらに重要なタイヤのテストも開始する事ができました。私たちの来月のレースに向けてのフロントとリアのセッティングの方向性も、これで明確になってきたと思います。」
「アキヨシサンは、このプレシーズン最後のテストを経験した事のないサーキットで行う事にかなりのプレッシャーを感じていたようですが、彼はここでもいい仕事をして1つのミスも犯していませんから、もう一晩しっかり寝ればリフレッシュされて、明日のタイムはもっと速くなる筈ですよ。」
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