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フィリップ合同テスト、最終日にレプソル勢が浮上
インテリマーク編集部
2007年2月2日

オーストラリアのフィリップ・アイランドにおけるMotoGP合同テスト最終日の2月1日、前日までの2日間にトップを維持していたドゥカティーのデスモセディチGP7とブリヂストンタイヤを抑えて総合トップタイムを記録したのは、ホンダRC212Vとミシュランタイヤだった。
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■最終日は前日までと比べてやや高めの路面温度

合同テスト最終日となった3日目のフィリップ・アイランドは晴天に恵まれ、気温は19度から25度、路面温度は32度から47度まで上昇するなど、前日までと比べてやや高めになっている。

路面温度の影響かどうかは不明だが、この日はブリヂストンの予選タイヤが、昨年のレースウイークと同様に不調だったと述べるライダーが、何名かいたようだ。実際、今回の最終日に予選タイヤで自己ベストタイムを記録したブリヂストンユーザーはそれほど多くない。
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■オーストラリア組は次回のセパン合同テストに不参加

なお、今回のオーストラリアに参加した全てのチームは、来週の2月5日から3日間に渡り行われるセパンでの合同テストには参加しない事をこの日までに表明している。従って、次回のセパンに参加するチームは、ヤマハ・ワークス、カワサキ、イルモア、TECH3ヤマハの4チームとなる。


■フィリップ・アイランド合同テスト、最終日の結果

以下に、フィリップ・アイランドで行われたメーカー合同テスト最終日の結果を、各ライダーのタイム順に示す。
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1) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分29秒52(101周)
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分29秒72(86周)
3) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分30秒14(34周)
4) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分30秒20(40周)
5) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分30秒21(53周)
6) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分30秒30(79周)
7) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分30秒41(47周)
8) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分30秒46(101周)
9) トニ・エリアス SPA グレッシーニ・ホンダ RC212V 1分30秒56(93周)
10) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分30秒60(55周)
11) マルコ・メランドリ ITA グレッシーニ・ホンダ RC212V 1分30秒80(100周)
12) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分30秒97(78周)
13) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 1分31秒10(83周)


3日間の総合トップタイムと2番手タイムを最終日に記録したのは、ここまで最速ラップをあまり気にせずに、マシンの調整に時間をかけてきたホンダ勢の筆頭チームであるレプソル・ホンダの2名だ。


■予選タイヤの安定性で勝ったミシュランとヘイデン

この日にレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサはミシュランの予選タイヤを装着し、2名揃って1分29秒台を記録する事に成功しており、前日まで好調だったブリヂストン勢とドゥカティーのマシンとのタイム差を一気に引き離している。この結果、2006年度チャンピオンのヘイデンが総合トップ、チームメイトのペドロサが総合2番手に躍り出た。
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2日目からあまり大幅にタイムを更新できなかったドゥカティー・ワークスのロリス・カピロッシとケーシー・ストーナーは、レプソル・ホンダの2名に続き総合3番手と4番手のポジションを確保しているが、この日は予選タイヤに問題を抱えており、最終的にレースタイヤを装着して今回のタイムを記録している。
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ちなみに、5番手タイムを記録したアレックス・ホフマンは、ブリヂストンの予選タイヤで自己ベストタイムを記録する事に成功したようだ。

■レースタイヤでの総合トップはペドロサ

なお、予選タイヤで総合2番手のダニ・ペドロサはこの日にレースタイヤで1分30秒07を記録している。これはこの3日間におけるレースタイヤでの総合トップタイムであり、ホンダ・ワークスの新型RC212Vとミシュランタイヤ、およびダニ・ペドロサ本人が、2007年シーズンに向けてレースペースでも高い仕上がり状態にある事を証明している。
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ホンダとペドロサの躍進は、今回レースタイヤではトップに立つと思われていた打倒ホンダおよびヤマハを狙うドゥカティー・ワークスにとって、あまり有り難くない事態と言えるだろう。

いずれにしても、ホンダワークス勢が急激に新型マシンの完成度を高めている事は事実であり、次回のIRTAテストまでにはホンダのサテライト陣営もそのマシンを手にする事が予想されるため、2月13日から始まるカタールでのテストは、年末から今回までとは全く異なるタイムシート上の戦いが展開されるかもしれない。ヤマハやカワサキなど、今回のオーストラリアには参加していないチームの2月5日から3日間のセパンでの仕上がりと併せて注目が必要だ。


■満足のいく結果が得られたレプソル・ホンダ

今回のフィリップ・アイランドの合同テストで、レプソル・ホンダ勢は最高の最終日を迎える事ができたようだ。V型4気筒になったホンダGPマシンであるRC212Vは、日々進化を続けている。
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この日に予選タイヤでの総合トップタイムを記録したニッキー・ヘイデンと、総合2番手につけたダニ・ペドロサは、揃ってレースタイヤでの走行ペースを上げる事にも成功している。

■ヘイデン「今年のテストで一番いい内容だった」

最終日に101周回という長距離を走り込んだニッキー・ヘイデンは、シャシーを中心としたマシンのバランス配分に納得のいくセッティングが得られており、タイヤとサスペンションの状態にも満足しているという。また、レースタイヤでも1分30秒45の好タイムを記録しており、本人の2日目のレースタイヤでの自己ベストも更新する事ができたようだ。
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今回予選タイヤの総合トップタイムである1分29秒52は、ヘイデンが2006年に記録した自身の持つポールポジション・レコードに約0.5秒差まで迫っており、総合的に見て、彼のマシンの仕上がりが高い状態にある事を示している。

ヘイデンは、「最終日は今回のテストで一番いい内容でしたし、今年のテスト全体を通しても最高だったと思います。」と述べ、ロングランでは1分30秒台をコンスタントに記録していた事を付け加えた。

しかしながらヘイデンは「まだいい気になるのは早いですよ。ここではミシュランの予選タイヤが高い性能を示しましたが、まだまだやらなきゃいけない事だらけです。」と述べており、開幕に向けて気を引き締める事を忘れてはいない様子だ。

また、今年のヘイデンは特にSHOWAのサスペンションの仕上がりが気に入っており、SHOWAのスタッフに対して感謝の気持ちを述べている。

■ペドロサ「今後の作業の方向性をつかんだ」

写真予選タイヤで総合2番手タイムの1分29秒72、レースタイヤでも1分30秒07という好タイムを記録した最終日のペドロサは、この日も2日目から行っているエンジンの出力特性の改善に取り組み、新型V4エンジンの性能を最大限に引き出す事に集中したようだ。

ペドロサは、「今日は昨日予定した通りにエンジンとタイヤのテストがたくさんできて嬉しかったです。」と述べ、最終日に記録したタイムにも満足しているとコメントした。

また、「今日はエンジン性能に関するいくつかのテストを行いましたが、おかげで今後の作業に向けていい方向性を見つけました。ミシュランタイヤのテストをたくさんしたのも良い結果につながりましたね。」と述べるなど、マシン開発の方向性にも自信を示している。


■予選タイヤに苦しんだドゥカティー・ワークス

サテライト・チームのプラマック・ダンティーンと共に、フィリップ・アイランドでは好タイムを連発していたドゥカティー・マルボロチームだが、最終日はブリヂストンの予選タイヤが思うように機能せずに、トップタイムの座をミシュランを履くレプソル・ホンダに明け渡している。
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ロリス・カピロッシとケーシー・ストーナーの2名は、揃って2日目のタイムは更新しているものの、今回使用したレースタイヤでは1分29秒台の壁に突入する事はできず、レプソル勢につぐ総合3番手と4番手タイムでオーストラリアでのテストを終えた。

しかしながら、ドゥカティー・ワークスの2名はブリヂストンのレースタイヤで3日間に収集できたデータとテスト結果には満足しており、次回のカタールでのテストに期待を示している様子だ。この日に2名はそれぞれに約20周回のレース・シミュレーションを済ませており、納得のいくペースで走行する事ができたという。

■カピロッシ「去年の予選で抱えた問題はそのまま」

セパンでマシンの調子を取り戻してからは、今回のフィリップ・アイランドでも同様の好調さを維持しているカピロッシは、「もしカタールでも今の感触をそのままキープできたら、開幕後もいい戦いができるでしょうね。」と述べ、マシンの現在までの仕上がりに高い期待を示している。
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また、この日に行ったレースシミュレーションについては、「期待が持てる結果が得られました。ブリヂストンの今回持ってきたレースタイヤはどれもかなり気に入りましたし、ロングランで貴重なデータも収集できています。」と答えており、ブリヂストンのレースタイヤの完成度には概ね満足している様子だ。

なお、今回は期待はずれな結果に終わった予選タイヤに関してカピロッシは、「去年の予選で抱えていた問題がまだ解決していないようです。ただ、改善の兆しはありますから、いずれは解消できるでしょう。」とコメントした。

■ストーナー「重要なのはレースセッティング、結果には満足」」

写真2日目の午後に仕上がったバイクのセッティング状況に納得したというストーナーは、最終日の3日目はマシンに大きな調整を加える事なく、レースシミュレーションを中心とした走り込みに集中している。

「無理することなく速いペースを維持できました。とにかく満足ですね!レースシミュレーションを繰り返したおかげで新しいブリヂストンの挙動を理解する事ができましたし、日本のブリヂストンのスタッフにも今後の開発に役立つ情報を提供できたと思います。」とストーナーは語り、マシンとレースタイヤの仕上がりの両方にとても満足している。

「バイクは最高だし、このチームと働けるなんて最高です!」と今年はより前向きな姿勢を見せるストーナーは、今回苦しんだ予選タイヤの性能についても「予選タイヤについては思い通りとは言えませんでしたが、今はレース用のセッティングを重視すべき時です。だからテスト内容には満足です。」とコメントした。


■開幕後に期待を示すプラマック・ダンティーン

前日までの2日間、連続でアレックス・バロスがタイムシート上のトップに立つなど、昨年までとは全く別のチームのような活躍を見せるプラマック・ダンティーンチームは、オーストラリア最終日のこの日も満足のいく結果が得られた様子だ。

チームオーナーのルイス・ダンティーンは、オーストラリアでの好調なテスト結果を受け、「大満足ですね。次回のテストと2007年シーズンにも自信が持てる結果です。ドゥカティーのGP7プロジェクトは素晴らしいし、今後もこの方向性を崩さないように作業を続ける必要があります。」と、2007年シーズンに向けての意気込みと期待感を示した。

写真■ホフマン「予選タイヤは初めてなので限界走りはしていない」

ブリヂストン勢が全体的に予選タイヤで苦しむ中、今回アレックス・ホフマンはブリヂストンの予選タイヤを装着し、ドゥカティー・ワークス勢に続く総合5番手タイムとなる1分30秒21を記録している。

チームの仕事内容に大満足しているというホフマンは、「予選タイヤを試したのは今日が初めてだったので、限界まで攻めるような走り方はしていません。」と述べ、今後のさらなるタイム改善に自信を示している。

また、ホフマンはレース用のセッティングにも安定感があるとコメントしており、次回のカタールでのテストにも期待を抱いている様子だ。

■バロス「ベースセッティングは仕上がっている」

2日目はブリヂストンの予選タイヤでトップタイムを記録したアレックス・バロスは、最終日は予選タイヤを一度も装着する事なく、レースシミュレーションに集中したようだ。
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レースタイヤで1分30秒410の総合6番手タイムを記録したバロスは、「昨日は予選タイヤで1分30秒01の好タイムを出しているので、今日はレースタイヤのみ使いました。今日予選タイヤを履いた他のライダーと比較しても、自分たちの進歩の幅は小さくないと思いますね。ベースセッティングはすでに仕上がっていますから、今日はレースシミュレーションに集中しました。結果には満足しています。」とコメントし、ここまでの総合的なマシンの仕上がりに満足を示している。


■リズラ・スズキ「ここまでで一番有意義なテスト」

ホンダのワークスチームとドゥカティーが勢いを見せた今回のオーストラリアで、マシンのセッティングに苦しんでいたのが、前回のセパンまではトップタイムを連発して絶好調と言われたリズラ・スズキ・チームだ。
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オーストラリアの初日はジョン・ホプキンスが総合8番手、クリス・バーミューレンは激しい胃腸風邪に苦しむ中野選手の手前の総合12番手、2日目はクリス・バーミューレンが総合9番手、ジョン・ホプキンスが最後尾の総合13番手という厳しい結果に終わっている。

3日目の最終日に、クリス・バーミューレンは990cc時代の自己ベストタイムを上回り、今回のオーストラリアのテストでのスズキ最上位となる総合6番手タイムの1分30秒30を記録したが、ホプキンスは2日目の自己ベストを更新できずに、総合10番手で今年2度目の合同テストを終えた。
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オーストラリアでの不調にも関して、リズラ・スズキのチーム監督であるポール・デニングは「今回のテスト期間中はGSV-R800の今後の大幅な進化を狙う上で、チームにとっては常に興味深い状況でした。」と述べており、今後の開発に必要な情報を収集する上では、前回のセパンよりも重要なテストになった事を強調している。

またデニング監督は、「クリスとジョンが激しく頑張ったおかげで、シャシーのセッティングとエンジン・マッピングのある分野に大きな進展が得られています。ブリヂストンも大量にデータを収集したので、自分たちのバイクにあった耐久性重視のタイヤを今後は提供してくれる筈です。」とコメントし、苦戦したオーストラリアのテストがスズキにとって有意義な時間だった事をアピールした。

■バーミューレン「去年のレースウイーク中と同じ問題が発生」

写真今回からクリス・バーミューレンは、GPSメーカーで有名なGERMIN社から提供された心拍数モニターの導入テストを行いながら、新しくなったシャシーのセッティングとエンジン・マッピングの調整に時間を費やしている。

初日と2日目は調子を上げられなかったとするクリス・バーミューレンは、「火曜日は本当に苦しみましたが、期待は持っていました。ここでは去年のレースウイーク中に苦しんだのと同じように、タイヤをスピンさせずに走るのが難しい状況でした。おかげでタイヤの消耗が激しくなったんです。」と述べ、フィリップ・アイランドでは昨年の990ccマシンと同じ問題が発生した事を明かしている。

しかしながら、バーミューレンは最終的には990cc時代の自己ベストとレースペースにおける平均ラップタイムを上回る結果を残しており、3日間を通して行ったシャシーとエンジンの調整が、正しい方向性に向かった事を証明している。

■ホプキンス「ちょっとした現実との直面」

オーストラリアでは3日間を通して苦しんだというジョン・ホプキンスは、マシンとタイヤの両方の安定性強化と耐久性テストに取り組んだという。
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今回の総合順位とタイムにひどく落胆しているジョン・ホプキンスは、「とにかく多くの周回を走り、明るい結果も得られましたが、ここで期待していた内容とはほど遠い状況です。エンジン・マッピングや出力伝達の課題に取り組みましたが、今回はちょっとした現実との直面ってやつでしたね。この3日間は相当に苦しみましたが、まだ今年の10月にここに戻ってくるまでには、やるべき事がたくさんありますよ。」と述べ、マシンの問題がまだ完全には解決の方向に向かっていない事を伝えている。

またホプキンスは、マシンの問題のみではなく自身のライディングスタイルについても、「自分のここでの走り方についても、まだ改善しなきゃいけない部分がいくつかあります。でもこれは一晩で直るような問題じゃありませんから、フィリップ・アイランドの攻略は今後も続けなきゃなりません。バイクの問題だけじゃないんです。」とコメントしており、サーキットそのものへの苦手意識も自身の課題としてあげている。


■ホンダLCRはレースタイヤで2日目の自己ベストを更新

課題としていたベースセッティングの方向性を2日目につかみかけたというホンダLCRは、オーストラリア3日目の最終日は予選タイヤを装着する事なく、レースタイヤで今回の総合8番手タイムとなる1分30秒46を記録している。
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■バイクの感触を探り続けるチェカ

写真3日目はリア・サスペンションの調整を行う事でバイクの感触を高めようと試みたカルロス・チェカは、「良い結果は得られましたが、まだフロント・サスペンションにも解決すべき問題がありますので、次回のテストではそれを行います。」とコメントしており、今後も開幕に向けてコンパクトなRC212Vのベースセッティングを探り続ける姿勢だ。

「マシンに乗る度に感触は良くなるので、カタールとヘレスのテストを経てシーズンを迎えるのが楽しみです。」とチェカは語っている。

また、この日に彼は年末のセパン合同テストでも訴えていたエンジン出力の改善にも取り組んでおり、有益なデータが得られたようだ。


■ラップタイムをまだ重視しないグレッシーニ・チーム

グレッシーニ・チームの2名のライダーは、最終日にはそれぞれに100周と93周という長距離を精力的に走り込み、今シーズンから使用するブリヂストンタイヤと、ホンダのRC212Vの相性を確認すべく、多くの貴重なデータを収集する事に努めている。
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■あえてセッティングを変更したメランドリ

初日にホンダのワークス勢を抑えて2番手タイムを記録し、セパンで見つけたベースセッティングの仕上がりをアピールしたマルコ・メランドリは、最終日の午前中にはあえてセッティングを以前とは異なるものに組み替えての試行錯誤を行い、午後のレースシミュレーションに挑んでいる。

最終日は予選タイヤを使用せず、レースタイヤでの走り込みを続けたメランドリは、2日目のタイムを更新する事なく1分30秒80の11番手タイムでオーストラリアでのテストを終えた。
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メランドリは、「今日はシャシーとサスペンションとタイヤについて、多くの事を学んだ重要な1日でした。RC212Vはまだ本当に新しいマシンですし、以前の1000ccのRC211Vとはかなり違いますから、今回はセッティングを変えてバイクの挙動を理解するよう努めたんです。」と語り、また、「マシンのバランスはだいぶ良くなりました。予選タイヤを履かなかったのでタイムはあまり良くありませんでしたが、レースペースの改善に時間を使いたかったんです。」と述べ、ラップタイムにとらわれる事なく、貴重なプレシーズン中の走行時間を新型バイクへの理解に費やした事を伝えている。

■エリアス「今はレースセッティングが先」

メランドリのチームメイトのトニ・エリアスは、この日にサスペンションとタイヤのテストに取り組み、最後には予選タイヤを装着してブリヂストンのスタッフに提供するデータを収集している。
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2日目のタイムを約1秒削る1分30秒56を記録し、オーストラリでの総合9番手タイムを記録したトニ・エリアスは、3日間のテスト内容には満足しているとしながらも「今回のラップタイムはあまり嬉しくありませんが、今は順序立ててバイクを理解しながら、いいベースセッティングを見つけるのが先です。」とコメントした。


■テストメニューを全てこなしたコニカミノルタ・ホンダ

フィリップ・アイランドの初日は、中野真矢選手の体調不良のために、他のチームよりもやや早めにテストを切り上げたコニカミノルタ・ホンダチームは、2日目と3日目には体調が回復しつつあった中野選手が多くの周回を重ねた事で、当初予定していたテストメニューは全て終える事ができたようだ。
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最終日にコニカミノルタ・ホンダチームは、リアタイヤのテストとサスペンションの調整に集中し、よりグリップが得られるセッティングを探っている。

総合順位的には13人中の12番手と高くはないが、ベースセッティングを安定させる事で、まだ身体が本調子ではない中野選手は最終日に1分30秒台に突入しており、確実にマシンの改善は進んでいるという。

■モンティロン「マシンの性能は引き出せる」

コニカミノルタ・ホンダのチームオーナーであるジャンルカ・モンティロンは、「今日の中野選手のペースには満足です。また、自分たちのマシンの性能は確実に引き出せる方向にあります。今はレース用のセッティングでペースを上げる事が重要ですし、この観点さえ見失わなければ、最終的にホンダRC212Vの持つ性能を最大限に引き出す事ができるようになる筈です。」と述べ、3日間のテスト成果を喜んでいる。

写真■中野選手「次のテストまでには体調を万全にする」

体調を崩して厳しいフィリップ・アイランドでの3日間を終えた中野選手は、「体調は月曜日の時と比べたら格段に良くなりましたが、まだ100%の状態とは言えません。でも、少なくとも今日はミシュランタイヤのテストを全て終えました。明日は日本に飛んで、その後の6日間は身体を休めて体調を万全にしておきたいですね。」とコメントしている。

また、最終日に行ったセッティング内容について中野選手は、「今日は今までとは違うリアタイヤのセッティングを探ってみましたが、この結果バイクのバランスは全体的に良くなりましたので、次のカタールでもこのセッティングを使ってみたいと思います。」と述べ、次回のテストへの期待を示した。

■ベルナルデッレ「セパンの時よりもコーナー進入時の性能は良い」

なお、コニカミノルタ・ホンダの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレ監督は、現在のマシンの改善状況に関して「改善しなければならない部分はコーナーからの脱出速度を得るためのハンドリング性能です。コーナー進入時のブレーキングに関してはセパンの時よりも良くなりましたし、いくつか進展が得られています。」とコメントしている事から、前回のセパンで抱えた振動の問題は解決の方向にあるのかもしれない。
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また、ここまでのタイヤテストに関しては、「フィリップ・アイランドではいいフロントタイヤをいくつか見つけましたので、次のテストでそれを再検証する予定です。今回、中野選手はリアタイヤの性能の良さに大変驚いています。特に長時間走行した時の安定性ですね。」と述べている。


■チーム・ロバーツ、急激な進化を遂げるKR212V

今回のフィリップ・アイランドにおける3日間の総合順位は13人中の13番手となったチーム・ロバーツだが、テストの内容については大変に満足している様子だ。
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前回のセパン合同テストで、製作したばかりのKR212Vの本格的なテストを初めて開始したロバーツ・ジュニアは、ここまでの2回きりの合同テストで広範囲にわたるマシンの改善を達成できたとしている。

■ロバーツ・ジュニア「カタールまでにパーツを間に合わせたい」

まだ自前のマシンで6日間しかテストをしていないと語るロバーツ・ジュニアは、「まだ大量に試さなければいけない事を抱えてはいますが、ここでは限られた時間内にできる全てのテストをする事ができました。今回のラップタイムはレースタイヤで記録しましたし、なんとなく快適に走った状態で1分31秒台の前半も出せています。」とコメントしており、前回のセパンの初日と2日目には作業の方向性を見失い途方に暮れたというマシンが、短期間に急激な進化を遂げた事を伝えている。
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ロバーツ・ジュニアは「レースで前を走るにはタイムをかなり上げる必要はありますが、まだそれは今からだいぶ先の話です。現時点で重要なのは、カタールに焦点をおいてパーツを間に合わせる事でしょうね。」と述べ、部品が十分に揃わなかったセパンの時の二の舞は避けたいといった様子だ。


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