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セパン合同テスト2日目、絶好調のスズキに迫るヤマハ
インテリマーク編集部
2007年1月24日

マレーシアのセパンで行われている2007年初のMotoGP冬季合同テストが、1月23日に2日目を迎えた。
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セパンでは先週は雨が続いており、今回のテスト期間中もあまり有効な時間が取れないのではとチーム関係者を悩ませていたが、この日の2日目も初日に引き続き終日ドライ路面が保たれ、それどころか強い陽射しのために午後には路面温度は53度まで上昇している。ちなみに気温は34度、湿度は66%だった。


■セパン合同テスト2日目の走行結果

以下にセパンでのMotoGP合同テストの走行結果を、各ライダーの最速ラップ順に示す。この日も初日と同じく、今回のセパンに不参加のイルモアを除く全チームのレギュラー・ライダーが、時間を惜むように走行を繰り返している。
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1) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分01秒806(60周)
2) コーリン・エドワーズ USA ヤマハ・ファクトリー・レーシング YZR-M1 2分01秒930(60周)
3) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分02秒275(67周)
4) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 2分02秒538(54周)
5) バレンティーノ・ロッシ ITA ヤマハ・ファクトリー・レーシング YZR-M1 2分02秒619(57周)
6) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 2分02秒793(58周)
7) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分02秒806(-周)
8) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分02秒948(82周)
9) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分03秒098(70周)
10) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 2分03秒190(42周)
11) マルコ・メランドリ ITA グレッシーニ・ホンダ RC212V 2分03秒253(76周)
12) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 2分03秒633(70周)
13) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 2分03秒681(86周)
14) 伊藤真一 JPN ブリヂストンMotoGP デスモセディチ GP7 2分03秒700(-周)
15) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 2分03秒800(-周)
16) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 2分03秒895(26周)
17) トニ・エリアス SPA グレッシーニ・ホンダ RC212V 2分04秒124(75周)
18) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分04秒171(-周)
19) 玉田誠 JPN ヤマハ・TECH3 YZR-M1 2分04秒350(-周)
20) シルバン・ギュントーリ FRA ヤマハ・TECH3 YZR-M1 2分04秒892(-周)
21) 吉川和多留 JPN ヤマハ YZR-M1 2分05秒646(-周)
22) 藤原儀彦 JPN ヤマハ YZR-M1 2分06秒737(-周)


2日目のこの日は路面温度が1日目よりも高くなったが、TECH3ヤマハの玉田誠選手を除く全員が、初日のタイムを更新している。


■2日目も最強のホプキンス、着実にスズキに迫るエドワーズ
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2日目にタイムシート上のトップに立ったのも、リズラ・スズキのジョン・ホプキンスだった。昨年末のテストでもジョン・ホプキンスは2006年シーズン中のロリス・カピロッシがデスモセディチGP6(990cc)とブリヂストンタイヤで記録したサーキット・レコードの2分2秒127を上回ったが、今回の2日目にもすでにそれを0.3秒上回っている。
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また、無視できないのがコーリン・エドワーズの存在だ。エドワーズはヤマハの800ccマシンではセパンで初めてとなる2分1秒台にレースタイヤで突入しており、この日のレースシミュレーションではほぼ昨年のレースペースを新型YZR-M1(800cc)で再現する事にも成功している。トップに立ったホプキンスとの最速ラップ差は僅かに0.1秒だ。
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■セパンでのブリヂストンの優位性に迫るミシュラン?

なお、スズキのホプキンスとバーミューレンは、はブリヂストンが持ち込んだ新型レースタイヤをリアに装着し、その中で今回の最速タイムを刻んだようだ。同じく、ヤマハのコーリン・エドワーズはミシュランが持ち込んだ新型レースタイヤでこの日の2番手タイムを刻んでおり、昨年までセパンでは圧倒的に優位と言われたブリヂストンが、ミシュランに背後から迫られた形にも見える。
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ちなみに、エドワーズのチームメイトであり、この日の4番手につけたバレンティーノ・ロッシは、エドワーズがテストしたミシュランの新型レースタイヤは装着せずに、別の16インチタイヤをテストしていたようだ。


■ブリヂストンの得意なサーキットこそ制覇したいミシュラン

写真どのサーキットても安定して速いミシュラン勢の実績に対し、初期のブリヂストンは、得意なサーキットでの圧倒的な性能の高さと、苦手なサーキットでの低迷ぶりの差が極端に激しかった。

しかしながら、昨年までの数年間にブリヂストンにとっての苦手なサーキットは確実に減少しており、今年は数チームが望んでブリヂストン・タイヤに履き替えるなど、安定したミシュランの優位性をブリヂストンが脅かし始めているのは事実だ。

この傾向の中で、ブリヂストンの得意とするセパンのようなサーキットをターゲットに、性能の高いタイヤをミシュランが躍起になって研究開発しているのは容易に想像がつく。マシンの仕上がり状態において高いレベルにあるリズラ・スズキ(ブリヂストン)と、ヤマハ・ワークス(ミシュラン)の、3日目のタイムには要注意だ。

なお、スズキ勢は本格的なレースシミュレーションを3日目に予定しているが、ヤマハ・ワークスは最終日の雨を警戒し、この日のうちに必要なレースシミュレーションを終えている。

■現段階おいては今年もセパンで目立つブリヂストン・ユーザー

プレシーズン中のデータにすぎないのは事実だが、2日目の結果を見る限りでは、まだブリヂストンがセパンでは優位を誇っているようだ。2番手と5番手につけたヤマハワークスの2名を除き、トップタイムのホプキンス、3番手のバーミューレン、MotoGPに復帰後いきなり4番手につけたバロス、6番手のカピロッシ、および7番手のド・ピュニエまでの全員がブリヂストン・ユーザーだ。

ただし、ここまでブリヂストンが目立つのには、ミシュラン・ユーザーの多いホンダ勢が、年末のセパン合同テスト時の不調に引き続き、今回もタイムが伸ばせていない事が原因の1つにあると言えるのかもしれない。


■想像以上に800ccマシンへの乗り換えに苦しむホンダ勢

ミシュランを履くレプソル・ホンダ(ホンダ・ワークス)のニッキー・ヘイデンが総合8番手、そのチームメイトのダニ・ペドロサは9番手につけているが、この2人は2日目のホンダ勢の中では1番手と2番手だ。ここまでのホンダ勢は特にサテライト・チームを中心に、何かと苦戦する声が漏れ聞こえてくる。
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昨年末のセパン合同テストでのホンダ勢の苦しみは、他のメーカーと比較してエンジン出力が不足していた事だが、今回クローズアップされているのは小型化されたマシンに多くのライダーが乗り換えられていない問題らしい。

■ポジション調整に苦しむチェカ

2日目の13番手となったLCRホンダのカルロス・チェカをはじめとする数名のライダーはこの問題を認めており、一刻も早くマシンに慣れようと、年末から何度もポジションに変更を加えながらの走行を繰り返している。
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もちろん、ダニ・ペドロサやこの日12番手の中野真矢選手、およびグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスなど、比較的小柄なライダーはポジションの問題をそれほど大きな問題とは捉えていないため、ホンダの新型マシンであるRC212Vの全体のパッケージバランスにおいて、セパンのような高速サーキットで性能が発揮しにくい何らかの問題を、現段階で抱えている可能性もある。
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なお、グレッシーニ・ホンダの場合は、今年初めて使用するブリヂストン・タイヤに合わせた足回りのセッティングに2日目は作業を集中しており、まだ本来の走りを見せる状況には至っていないようだ。


■ヘイデンはフロントまわりを、ペドロサはシャシーを調整

そのホンダ勢の筆頭であるレプソル・ホンダの調整状況だが、2日目にヘイデンはミシュランのフロントタイヤとフロントフォークのセッティングを色々組み合わせながら、フロントまわり中心の調整を行ったようだ。また、セパンにおけるホンダの現在の課題とも言えるパワー特性に関する改善調整も、彼のチームは同時に行っている。
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ヘイデンのチームメイトであり、年末には800ccとなったRC212Vのサイズが自分の体格に合う事を喜んでいたダニ・ペドロサは、2日目から新型マシンの本格的なセッティングに乗りだし、シャシーとサスペンションの調整を忙しく行ったようだ。この日、ペドロサは低速の9コーナーでブレーキングをミスして転倒したが、怪我は全く負っていないという。


■2日目の中野選手はフロント足まわりのチャタリングに苦戦
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写真苦しむチェカとは異なり、初日にポジションの問題はほぼ解決したというコニカミノルタ・ホンダの中野選手だが、2日目はフロントまわりのチャタリングに苦しみ、セパンでタイムを縮める上での課題としていたコーナリング速度が思うように得られていないようだ。

中野選手にとっては3年降りのミシュランタイヤだが、フロントの足回りのセッティングにこの日は苦労している。

しかしながら、振動の問題は徐々に解決の兆しにあるようだ。前日に中野選手が目標として掲げていた2分3秒台に無事にこの日は突入できており、彼のメカニックも、3日目に向けてのフロントのセッティングには自信を示している。


■チーム・ロバーツ、進化するKR212V

2日目の結果の中で注目しておきたいのが、完成したばかりのKR212Vで、今回が初となる800ccマシンでの合同テストを行っているチーム・ロバーツのタイムだ。

初日はマシンのシェイクダウンから開始し、3種類のスイングアームを試しながら、1日目のマシンの状態では2分4秒台の壁がどうしても越えられなかったと述べていたロバーツ・ジュニアだが、2日目に入って初日とは異なる2つ目のシャシーを導入した途端に2分03秒800を記録している。
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今回導入したシャシーは初日と全く同じ形状のものだが、製造方法が1日目のものと異なるという。マシンから好感触が得られるようになった事から、課題としていたコーナーへの進入速度が増し、午前中には今回の自己ベストラップをロバーツ・ジュニアは記録している。

午後にはさらなるタイムの更新をチーム・ロバーツは期待していたようだが、路面温度が上がりすぎた事から、その後は思うようにタイムを上げる事はできていない。なお、シャシー以外にも、KR212Vのエンジン・ブレーキ制御システムの調整を進める事ができたようだ。


■徹底的に納得のいくセッティングを追求するメランドリ

初日はクラッチまわりの感触が好みにあわない為、ブリヂストンタイヤのテストの多くを2日目以降に延期して、その改善に取り組んだグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリだが、どうやら2日目の早い段階で解決策を見つける事ができたようだ。
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その後、メランドリはブリヂストンのテストを再開する前にマシン全体のバランスを見直し、満足のいく結果が得られたという。彼が本格的にタイヤのテストに集中するのは3日目の午前中からになりそうだ。

■エリアスはタイヤテストに集中

その一方で、メランドリのチームメイトのトニ・エリアスは、2日目は午前中からブリヂストンのリアとフロントの両方を何種類も組み替えて試し、ホンダのマシンとブリヂストンにとって最も相性の良いセッティングを探している。
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エリアスはこの日の結果には満足しており、この調子で今後も着実に新しいマシンとタイヤの理解を深めていきたいとコメントしている。


■エンジンまわりのセッティングが仕上がったドゥカティー

2006年シーズン終了後の年末合同テストからは、ドゥカティーの新型マシンであるデスモセディチGP7の基本セッティングに苦戦していた様子もあるドゥカティー・マルボロのロリス・カピロッシだが、年明けのテスト2日目に入るとペースを上げ、この日の6番手タイムとなる2分02秒793を記録した。
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エンジン制御システムの仕上がりにようやく満足したとコメントするカピロッシは、さらにはハンドリング性能を高める為に、断面積のより小さいタイヤを選んで走行をしているようだ。これにより、ブレーキング時の性能は上々だという。

■ストーナーは腕の痛みを訴え、午後にテストを中断
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また、今年からカピロッシの新チームメイトとなったケーシー・ストーナーは、テスト状況には満足しているものの、午後の遅くに両腕のひじから手首にかけての部分が激しい痛みを伴うけいれんを起こした為にテストを中断し、セパンに来ていたクリニカ・モバイルで診察を受けている。
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2006年序盤のレース中には足がつり、シーズン後半には背中がつるというトラブルに見舞われたストーナーだが、今回はクリニカ・モバイルで適切な処置をすぐに受けた事で、翌日のテストには参加できるようになるだろうと希望を述べている。


■好調のバロスと腹痛に苦しんだホフマン

昨年はチーム全体が低迷していたダンティーン・プラマックチームだが、タイヤをダンロップからブリヂストンに変更し、今年から1年ぶりにMotoGPに復帰したアレックス・バロスを迎え入れた事で、2007年シーズンは一気に上位のポジションにはい上がりそうな雰囲気を、年明け2日目のセパン合同テストで見せている。
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2日目はサスペンションとベースセッティングの調整を中心に行い、この日の4番手という好位置につけたバロスは、マシンの改善が進んだ事で、より激しく攻める走りができるようになったとコメントしている。

また、バロスのチームメイトのアレックス・ホフマンはこの日に胃痛を訴えており、それが原因で全く納得のいく走りができなかったと嘆いているが、「体調は悪かったけど基本セッティングが良かったおかげで初日のタイムは更新できた」とコメントしている。
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■初日のタイムを更新できていない玉田選手

初日は全体の9番手タイムを記録し、昨年のチェカがダンロップタイヤで記録したタイムに迫るなど、好調な滑り出しを見せていたTECH3ヤマハの玉田誠選手だが、2日目に記録した自己ベストタイムは初日のタイムを0.565秒下回っている。この日に前日のタイムを更新できなかったのは玉田選手一人だけであり、この結果、初日のタイムシート上のポジションを10落として、2日目の19番手まで後退した。

なお、玉田選手のチームメイトであり、昨年末に鎖骨を骨折した影響が若干出ている様子のシルバン・ギュントーリは、2日目には初日のタイムを2.5秒も更新しているが、ここまでの総合順位はレギュラー・ライダーの中では最後尾の20番手だ。


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