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フィリップ合同テスト初日、頭角を現すバロス
インテリマーク編集部
2007年1月31日

今年2度目となるMotoGPメーカー合同テストが、昨日の1月30日から3日間の予定で、オーストラリアのフィリップ・アイランドにて開始された。
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今回のテストの初日をフィリップ・アイランドで迎えたのは、ヤマハ、カワサキ、イルモアの3メーカーを除く、ホンダ、ドゥカティー、スズキのワークスおよびサテライトの8チームだ。


■イルモアは2007年に1回目の単独テストをスペインで実施

2007年のMotoGP合同テストには、まだ一回も参加していないイルモアだが、彼らは先週末にスペインの南のアルメニアで単独テストを行っている。

現在が夏の今回のオーストラリアや、亜熱帯気候の前回のセパンとは異なり、アルメニアはまだ冬の真っ最中である事から、テスト中に雪が降るなど、イルモアの今年最初のテストは低温路面との戦いだったようだ。
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しかしながら、年末のヘレスで収集したデータを、冬季テスト禁止期間中にマシンに反映して臨んだこのテストで、イルモアは確実にマシンの改善が進んだ事を確認できたという。また、イルモアは次回のセパン合同テストへの参加の意思も、今回の発表で示している。

写真なお、ヘレスのテストで大怪我をして12月4日にスペインで手術を受けていたジェレミー・マクウイリアムスは、治療の結果が芳しくなかった事から年末に手術のやり直しを受けており、このスペインでのテストには参加していない。チームの発表によれば、マクウイリアムスのテスト復帰は2月のカタールからだ。

2007年はマクウイリアムスのチームメイトとしてイルモアで戦うアンドリュー・ピットは、この日のテスト後に「今回は路面が冷たすぎて攻めの走りはできなかったが、エンジンの調子が上がっており、セパンで走るのが楽しみになった。」と述べた。


■フィリップ・アイランド合同テスト、初日の結果

2005年までは路面温度が低い事で知られるフィリップ・アイランドが苦手だと言われてきたブリヂストン・タイヤだが、昨年の2006年のレースでは中野選手が、雨が降り出すレース中盤まで単独トップを走り続けた事からも分かる通り、少なくともドライ路面における苦手意識はすでに解消してきている様子だ。
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以下に、今回のフィリップ・アイランド初日の走行結果を、各ライダーのタイム順に示す。メルボルン地方は夏といえどもあまり気温は上昇しない。この日の気温は24度、路面温度は20度から30度であり、また、フィリップアイランドの名物とも言える強風もあったようだ。

1) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分30秒67(51周)
2) マルコ・メランドリ ITA グレッシーニ・ホンダ RC212V 1分30秒75(67周)
3) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分30秒78(46周)
4) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分31秒18(81周)
5) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分31秒29(78周)
6) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分31秒44(60周)
7) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分31秒50(74周)
8) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分31秒80(73周)
8) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分31秒80(56周)
10) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 1分31秒90(80周)
11) トニ・エリアス SPA グレッシーニ・ホンダ RC212V 1分32秒00(76周)
12) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分32秒03(53周)
13) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分32秒23(48周)


天候は午後3時頃から崩れだし、午後4時には完全に雨が降り出した事から、各チームは早めに初日のテストを切り上げているが、天気予報によれば、2日目と3日目の天候には問題がないようだ。
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1日目のトップを飾ったのは、今年からSBKでの1年のブランクを経てMotoGPに復帰したばかりのアレックス・バロスだ。

■前回のセパン2日目に次ぐ好位置のバロス

ダンティーン・プラマックのデスモセディチGP7とブリヂストンタイヤに好感触を年末から示していたバロスは、2005年にマルコ・メランドリが記録したフィリップ・アイランドのサーキットレコードである1分30秒332に約0.3秒差まで迫る走りを初日から披露している。

2006年末のテストでは、初のドゥカティーのマシンとブリヂストンタイヤを慎重に試し、あまりタイムを気にしていなかったバロスだが、年明け後のセパン2日目の4番手タイムに引き続き、今回もタイムシートの上位につけた。また、昨年のSBKのオーストラリア戦でも、バロスはレース1で2位、レース2で3位を獲得しており、近年の彼にとってフィリップ・アイランドは以前から相性のいいサーキットとも言える。

■上位につけるブリヂストン勢

バロスに続き、前回のセパンでベースセッティングを仕上げたというグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリが2番手、ドゥカティーのロリス・カピロッシが3番手となり、1日目は上位3番手までがブリヂストンタイヤのユーザーに占められる結果となった。


■気になる中野選手の体調

初日のオーストラリアでの順位を最後尾で終える事になったコニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手は、テスト前日の晩から胃痛を伴う発熱に悩まされており、この日はその症状が悪化した事から、他のライダーの平均周回数の約半分となる48周を走りきった時点でテストを中断している。
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チームは中野選手の体調のさらなる悪化を懸念し、残りのメニューを後日に行う決定を下し、2日目に中野選手の体調が回復する方を選択したという。

これについて中野選手は、「テスト中断の決定が雨が降り出す30分前だったので、時間を大きく浪費する事がなくて良かった。」と述べている。

体調が悪い中でこの日、中野選手はエンジン制御システムのマッピング(ソフトウェアのデータ調整など)やフロントサスペンションの変更、およびマシン全体のバランスを見直し、前回のセパンに引き続きベースセッティングの改善を行ったようだ。


■ダンティーンの希望を担うバロス

初日にトップタイムである1分30秒67を記録し、過去2年間の低迷を全て拭い去りたいと願うプラマック・ダンティーンのチーム監督であるルイス・ダンティーンの望みを現実へと近づけそうなアレックス・バロスは、この日の序盤はこれまでに仕上げたベースセッティングとサーキットとの相性に苦しんだようだ。
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しかしながら、セパンのセッティングに微調整を施し、エンジン制御システムのソフトウェアを調整した直後、バロスはマシンとタイヤに好感触を示し、最終的にこのベテランライダーはタイムシート上のトップに立って見せた。

午後はブリヂストンタイヤのテストに集中し、あまり周回数を増やさなかったというバロスは、プラマック・ダンティーンのパッケージが非常に良いものである事を述べ、2日目もセッティングの改善を続けたいとコメントした。

■今年はより前向きな姿勢を見せるホフマン

また、昨年はタイヤへの苦情ともとれるコメントが多かったバロスのチームメイトであるアレックス・ホフマンだが、今期は前向きなコメントから開始する事が多くなりそうだ。
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初日の総合7番手につけたホフマンは、セパンで苦しめられた胃痛は今回までに完治しており、万全な体調でテストに臨んだという。1日目はマシンの安定性を重視したセッティングを探り、リアのグリップが良好な乗りやすい状態に仕上げたが、まだフロントの接地感には納得が得られていない様子だ。これを改善する事で、2日目はさらにタイムを縮める自信があるとホフマンは述べている。


■初日から好調のグレッシーニ・ホンダとメランドリ

写真今年からはブリヂストンタイヤに履き替えてMotoGP最高峰クラスを戦うグレッシーニ・ホンダチームのマルコ・メランドリは、昨年末のヘレスでの合同テストの総合3番手に次ぐ好位置に今回は初日からつけた。

前回のセパンではマシンのセッティングに納得がいかず、初日と2日目はタイヤテストを少なくして、念入りにマシンの根本的な調整を行ったというメランドリだが、今回はセパンで苦労して仕上げたベースセッティングの完成度の高さを確認する結果になったようだ。

この日はシャシーとサスペンションのセッティングに集中したメランドリは、「マレーシアで使用したセッティングを調整して、すぐにいい方向性を見つける事ができた。」と述べている。バイクのベースセッティングが良好な事を確認した後、チームは電子制御システムの調整に入り、さらにはブリヂストンタイヤのテストも続けて行おうとしたようだが、降り出した雨のためにタイヤのテストは2日目に持ち越す事になったという。

■エリアスの課題はフロントまわり

メランドリのチームメイトのトニ・エリアスは、フィリップ・アイランドには毎回苦手意識があるようだが、今回のテスト初日も例外ではなかった様子だ。この日の1分32秒00の自己ベストは、今回参加した13人中の11位番手だ。
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方法論に従い、落ち着いてマシンの熟成を狙いたいと述べるエリアスは、フロントまわりのセッティングに現在は改善の必要性を感じているという。まだ自分のライディング・スタイルに適したタイヤが見つかっていないと語るエリアスだが、マシンの仕上がり状況は彼の目標にそれほど遠い状態ではなく、IRTAテストまでにブリヂストンが用意する新しいタイヤもあるので、特に心配はないとコメントした。


■順調な仕上がりを見せるドゥカティーとカピロッシ

昨年のレースではレインタイヤに履き替えてから調子を落とした傾向にあるドゥカティー・マルボロチームだが、ドライ路面でのマシンの仕上がり状況は、今年のオーストラリアでも上向きにあるようだ。
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2006年シーズン終了後の年末の合同テストでは、電子制御システムを含むマシンの刷新箇所の調整に戸惑っていた感のあるロリス・カピロッシとドゥカティーだが、前回のセパン最終日には新型マシンの良いベースセッティングを見つけたと自信のコメントを残しており、今回のオーストラリア1日目からその言葉をタイムで証明している。

途中の雨にもかかわらず、順調に1日目の全てのメニューをこなしたとカピロッシは語り、セパンで仕上げたベースセッティングの完成度に自信を示した。初日は2006年仕様のブリヂストンタイヤしか履いていないカピロッシは、800ccマシン専用に作られた新型タイヤのテストを2日目から開始するという。

■ストーナーの体調は完治

また、カピロッシのチームメイトであり、地元オーストラリア出身のケーシー・ストーナーは、セパンの2日目から訴えた激しい痛みを伴う腕の筋肉のけいれんは完治しており、地元のコースを気分良く走れたとコメントしている。
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初日の6番手タイムを記録したストーナーは、この日はマシンのコーナー脱出時の安定性を改善すべく、リアまわりを中心としたセッティングに集中しており、カピロッシと同様に新しいタイヤのテストは2日目から行う予定だという。


■年末から好調だったスズキの2名は8番手と12番手

「オーストラリアでの結果が良ければ開幕が楽しみになる」と述べ、年末からの800ccマシンのテストでは他を圧倒する仕上がりを見せていたリズラ・スズキのジョン・ホプキンスとクリス・バーミューレンは、8番手と12番手でオーストラリアの初日を終えている。
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■ホプキンス「フィリップでもGSV-R800は990cc時代よりも好感触」

800ccになってからの合同テストでは、トップタイムを争う事が多かったジョン・ホプキンスだが、今回の初日は8番手タイムとなり比較的ペースは遅かったようだ。。しかしながらホプキンスは、GSV-R800はフィリップ・アイランドでも990cc時代よりも良くなっており、残りの2日間でどれだけタイムを伸ばせられるかが楽しみだと語ったという。
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■地道なセッティング改良に取り組むバーミューレン

ホプキンスのチームメイトであり、今回13人中の12番手となった地元オーストラリア出身のクリス・バーミューレンは、2006年シーズンの波乱の白旗ルール適用となった悪条件のレースで2位表彰台を獲得しており、彼にとってフィリップ・アイランドは決して相性の悪いサーキットではない。
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初日にバーミューレンは、マシンに最良のセッティングを施すべくチームと順を追っての作業をこなしており、2日目以降のタイム改善に向けていくつかの課題に取り組んでいる様子だ。


■ミシュラン勢のトップはレプソル・ホンダチーム

先日のセパンでは常にホンダのトップに立っていたレプソル・ホンダの2名だが、今回のテスト初日は、フィリップ・アイランドを得意とするグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリが総合2番手タイムを記録したため、ニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサの2名は揃って、ホンダの先頭から名を連ねる事はできなかった。しかしながら、今回のミシュラン勢のトップは彼ら2名だ。

■マシンの急速な進化を喜ぶヘイデン
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初日は2006年チャンピオンのニッキー・ヘイデンが総合4番手、2006年ルーキー・オブ・ザ・イヤーのダニ・ペドロサは総合5番手タイムにつけており、これは今年のミシュラン勢の中では1番手と2番手のタイムだ。

ヘイデンは初日の1日をかけてマシンバランスの調整を行い、その中でハイペースを維持しながら、ホンダのV型4気筒となったRC212Vのセパンからの急速な進化の度合いを確認できたという。初日の走行を終えたヘイデンは「マシンの感触はとても良い。チームのためにデータも多く収集できたから明日も楽しみ。」と語った。

■初日から好印象を得たペドロサ
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また、この日のダニ・ペドロサのタイムは、昨年のレース中の自己ベストを約0.14秒上回っており、すでに基本的なセッティングは仕上がってきた事をアピールした。前回のセパンとは異なるフィリップ・アイランドのコースレイアウトにあわせたセッティングを探りながら、セパンでの問題点を検証したというペドロサは「初日から印象が良かった」と述べている。


■チェカ「早く封印を解きたい」

初日の8番手タイムとなる1分31秒80を記録したホンダLCRのカルロス・チェカは、この日はシャシーとサスペンションのセッティングから開始し、その後はミシュランのフロントタイヤをテストしている。
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セパンでは昨年の990cc時代よりも全体的にコンパクトとなったマシンのポジション設定に苦しんでいたチェカだが、現在までのテストの進み具合には満足だという。

前回までとはサーキットの特性が異なるので、安全に速く走る方法を3日間のうちに見いだしたいとチェカは述べると同時に、まだホンダRC212Vの本来の性能を引き出せていないので、早くその封印を解けるように頑張りたいとコメントした。


■ロバーツ「問題のないレベルに到達」

前回のセパンでは、念願かなってホンダLCRのRC212Vを試乗する機会に恵まれたチームロバーツとケニー・ロバーツ・ジュニアは、その時の感触を参考に、ホンダから212Vエンジンの供給を受けているKR212Vのシャシーまわりのセッティングを大幅に改善する事に成功している。
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年明けのセパンではマシン1台分のパーツしか持ち込む事ができず、思い通りのテストができていない様子だったチームロバーツだが、今回は午前中と午後にそれぞれ別の2台のマシンを走らせており、納得のいくテストができた様子だ。

この日、チームロバーツは両方のKR212Vに基本的なシャシーセッティングを施し、主にフロントまわりのバランス配分とリンケージの調整に集中している。特にサスペンションの改善を意識して多くの事を試したというロバーツ・ジュニアは、コーナーへの進入とその中間付近での性能に改善すべき点は残るものの、マレーシアで確保したマシンの安定性はフィリップ・アイランドでも有効だったと述べている。また、ジュニアは「チームは問題のないレベルにあるようだ」と付け加えており、今後は順を踏んで改善を進めるのみとしている。


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