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ポルトガルGP予選 ヘイデン「明日のレースは果たし合い」 |
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2006年10月15日
MotoGPの2006年シーズン、全17戦のうちの最後から2戦目となるポルトガル・グランプリは2日目を迎え、決勝レースのスターティング・グリッドを決定する最終予選が行われた。
この日の午後に行われたMotoGPクラスの予選開始時の気温は25度、路面温度は36度、湿度は20%だった(予選結果一覧はこちら)。
■ポールポジション)バレンティーノ・ロッシ「ポールしか考えなかった。」
年間タイトルの行方をほぼ決定づける事になりそうな日曜日のレースをポールポジションからスタートするのは、ランキング2位につけるキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだ。ロッシのポールタイムは1分36秒200。
「現状のタイトル争いの状況を考えると、今回はポールポジションしか考えられませんでした。」とロッシ。
また、1列目2番グリッドは、ロッシの最終戦での逆転タイトルをバックアップしたいロッシのチームメイトのコーリン・エドワーズ。エドワーズの記録したタイムは1分36秒478。
ロッシが今回と最終戦のバレンシアで両方1位を獲得する事になれば、ニッキー・ヘイデンは両レースで2位以外は獲得する事が許されなくなる。ヘイデンにプレッシャーを与え続けたいロッシにとって、今回のポールポジションの確保と、仲の良いチームメイトがヘイデンから2番グリッドを奪うという結果は予想以上の出来事だっただろう。
「コーリンも2番グリッドを取るなんて完璧ですね。彼とチームのためにも本当に嬉しい結果です。」と、今シーズンを通して不調だったチームメイトの嬉しい後押しを受けたロッシは続ける。
「正しいセッティングがなかなか見つからなかったので今週はすごく頑張りました。100%の力を出し切ってくれたチームの全員と、素晴らしいタイヤを用意してくれたミシュランには本当に感謝しています。」
「もちろん本番は明日です。ヘイデンも1列目スタートですから、優勝争いのバトルはすごい事になりそうな雰囲気ですね。他の多くのライダーもいいペースで走っていますが、とにかく今はポールポジションが嬉しいです。」
「予選タイヤでの最初の2回のアタックもうまくいきましたが、さらに最後のアタックは信じられない出来でしたね。M1が今回みたいに好調な時はライディングをすごく楽しめるんです。」
「明日の天気が今日と同じくらいになってくれれば、誰もが楽しめるレースになるでしょうね。」
■2番グリッド)コーリン・エドワーズ「パズルの1ピースが見つかった!」
プレシーズン以来の好調さを取り戻し、シーズン終盤に来て1列目2番グリッドを獲得した絶好調のコーリン・エドワーズは、翌日のレースでもキャメル・ヤマハのメンバーとしてロッシの優勝をサポートする意志をコメントの中にのぞかせている。
「1列目に戻ってこれるなんて最高の気分です。タイムも安定していますから、レースでもいい戦いができると思いますよ。」とエドワーズ。
「チームと、それとミシュランに大感謝です。今日は彼らには本当に助けてもらいました。」
「もてぎの後のテストで、この1年間ずっと探していたジクソーパズルの小さなピースがやっと見つかった感じです。今のバイクはすごく乗りやすいし、限界までプッシュする事ができるようになりました。もうチームのメンバーにはどうやって感謝していいか分からないくらいですよ。」
「個人的に今は絶好調です。いい走りができるという感覚がみなぎってますからね。」
「明日は本当に面白いレースになりそうですから、チームメンバーとしての役割が果たせるようにしたいですね。どうなるか楽しみです。」
■3番グリッド)ニッキー・ヘイデン「明日は果たし合いになる」
今回のエストリルで年間タイトルが決定する可能性もあるレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンは、レースの序盤を有利に運ぶ上で非常に重要となる1列目スタートを確保する事に成功した。3番グリッドスタートとなったヘイデンの予選タイムは1分36秒549だった。
ロッシから12ポイント差でポイントリーダーの座を守っているヘイデンは、彼の年間タイトルの可能性をより高める事になる翌日のレースについて、「ロッシとの果たし合い(shoot-out)」になるだろうとコメントした。
「2本目の予選タイヤですごくいいタイムが出せたんです。前のよりも少しソフトなミシュランタイヤで、とてもいい感触でした。ただ、この時は6コーナーで少し深くまで飛び込みすぎています。」とヘイデン。
「中途半端な走りでは許されない状況になったので、最後のアタックの時はかなり熱くなってました。1列目を確保するには完璧と言える走りが必要でしたからね。その時はタイヤを以前から使っていたミディアムの予選タイヤに戻しましたが、いい感じでした。納得いく走りができたと思います。」
「あともう少し速く走りたいとも思いますが、今のバイクがここ数戦の中では最高の仕上がりである事には間違いありません。今週は最近のレースウイークの中で一番ライディングが楽しいです。」
「明日のレースは果たし合いになるでしょうね。ファンの人たちはみんな自宅でレース観戦にしっかり備えて、電話をかけまくる準備をしておいた方がいいですよ。すごいレースになるでしょうからね。」
2列目の4番グリッドはヘイデンのチームメイトのダニ・ペドロサ、5番グリッドはホンダLCRのケーシー・ストーナー、6番グリッドはリズラ・スズキのジョン・ホプキンスが獲得している。
■難しい状況に追い込まれたメランドリとカピロッシ
最後まで年間タイトルを諦めないとコメントし続けていたランキング3位につけるフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリと、ランキング4位につけるドゥカティーのロリス・カピロッシは予選で2名とも不調だ。
初日の転倒で左ひざに打撲を負ったメランドリは5列目15番グリッドからのスタート、ポルトガルに入って以来セッティングが決まらなくなったカピロッシは4列目10番グリッドスタートが確定している。
■10番グリッド ロリス・カピロッシ「雨が降って欲しい!」
初日は改修された舗装路面を評価する発言をしていたランキング4位のロリス・カピロッシだが、ドゥカティーとブリヂストンにとってはそれが今回の悪い結果を生んだようだ。
「セッティングについてはいい仕事ができたと思います。午前中はトップタイムの近くに位置していましたからね。」とカピロッシ。
「でも、そこでタイヤの耐久性に問題が発生してしまい、タイヤの持ちが良くなるような方向性にセッティングを変更したんですが、バイクが乗りにくくなってしまったので、結局は元のセッティングに戻しています。」
「自分たちがここではあまりいい状態じゃない事は明白ですが、ブリヂストンとチームがいつも通り必死で解決策を探っています。」
「一番の問題は勝敗を左右する区間にある新しいアスファルトです。あれは自分たちにとって悪いジョークとしか思えませんね。明日が雨だっていう天気予報が当たるように祈りますよ!」
■15番グリッド マルコ・メランドリ「左コーナーで痛みが」
前回の3連戦中に1回の優勝を含む2回の表彰台を獲得し、最終戦までその勢いが止まらないと予想されたランキング3位のマルコ・メランドリだが、ポルトガル初日の転倒によって期待は大きく覆された様子だ。
「体調はだいぶ良くなりました。」とメランドリ。
「ひざの影響がまだありますね。左コーナーを曲がると痛むので速いラップタイムを出す事が難しい状況です。」
「バイクの調子は良好ですし、チームはいい仕事をしてくれています。」
「ここまでに色んな種類のタイヤを試しました。明日にはもっとバイクの感触が良くなるように祈ってます。」
■ポルトガルで予想外の苦戦を強いられる日本勢
あまりエストリル・サーキットには苦手意識のなかった日本勢、カワサキの中野真矢選手とコニカ・ミノルタ・ホンダの玉田誠選手だが、金曜日からこの日までの2日間を通して2人ともセッティングに苦しんでいる。
■中野選手がカワサキから参戦するのは今回を含む2レースのみ
なお、MotoGP公式の10月14日の発表によれば、中野真矢選手がカワサキで走るのは今回のポルトガルとバレンシアの2回のグランプリのみになりそうだ。カワサキ・レーシングのチーム監督であるハラルド・エックルは、「中野選手はカワサキを離れる意志を固めており、来期はカワサキから参戦しないだろう。現在チームは、来期に向けてのライダー探しを行っている。」とMotoGP公式に対してコメントした。
■7番グリッド 中野選手「ウォームアップで何とかしたい」
中野真矢選手は、1分36秒790の予選タイムを記録し、日曜日の決勝は3列目7番グリッドからのスタートが決定した。中野選手のチームメイトであるランディー・ド・ピュニエは6列目16番グリッドからのスタート。
「今朝はバイクのセッティングをいくらか変更しましたが、正直言ってあまり改善効果は得られていません。」と中野選手。
「午後になってもリアのグリップが不足するなどの問題がいくつかありましたが、レースタイヤで1分37秒台に入るライダーはあまり多くなかったので、どのライダーも同じ問題を抱えていたんだと思います。」
「まだレースではコンマ数秒を縮めようとしていますが、明日のウォームアップで何とかしたいですね。午後のセッションで予選タイヤに履き替えた時は明らかにグリップが良くなり、バイクのバランスもいい感じになりましたので、レースでもいいセッティングができる筈です。」
「ここではタイヤが重要です。今晩はブリヂストンと明日のレースに向けてのタイヤ選択について話し合う必要があります。」
■14番グリッド 玉田選手「レースタイヤでの走りは悪くない」
コニカミノルタ・ホンダの玉田誠選手は、多くのライダーがレース・タイヤのみで走行していた予選の序盤には4番手タイムを記録していた。しかしながら、他のライダーが予選タイヤを装着し出したセッション終盤にはタイムを上げる事ができず、最終的には14番グリッドとなる1分37秒517を記録してこの日の走行を終えている。
「予選タイヤを装着してからは、あまりいい走りができていません。」と玉田選手。
「レースタイヤでの走りは悪くなかったと思います。フロントとリアのサスペンションを変えた事でだいぶ良くなり、レースタイヤで1分38秒台を出せるようになりました。でも、予選タイヤでも速く走れないといけませんね。」
「明日はいいスタートがしたいです。」
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