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125cc強すぎるアスパル勢と、順調に追い上げる小山選手
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2006年5月4日
トルコのイスタンブールは、人口1千万人以上を誇る大都市である。
4月30日のトルコGP125cc決勝は、マステルMVAアスパルチームの好調さを三度証明する結果となった。
■ポールシッターは再びバウティスタ、小山選手は20番グリッド
気温は13度、路面温度は17度と、MotoGPクラス決勝と比較すると低い温度の中でレースは開始された。カタールに続き2戦連続のポールポジションスタートは開幕3連勝のかかるマステルMVAアスパルのアルバロ・バウティスタ、2番グリッドスタートはバウティスタのチームメイトのマティア・パッシーニ。
3番グリッドはアスパルチームの牙城を崩したいジレラのシモーネ・コルシ。4番グリッドにはやはりアスパルチームのエクトル・ファウベルがつけ、5番グリッドにはカタールで2位表彰台を獲得したKTMのミカ・カリオが続く。
カタールで3位表彰台を獲得していたアスパルチームのセルジオ・ガデアは、予選1でのクラッシュの影響から16番グリッド。また、左足首骨折を治療中のマラグーティ、小山知良選手は初日の予選で揮わず20番グリッドスタートとなった。
■激戦のトップ集団、順調に前に出て行くミカ・カリオ
レース序盤をリードしたのはランキングトップのアルバロ・バウティスタ、そのチームメイトのエクトル・ファウベル。それにKTMのミカ・カリオとジレラのシモーネ・コルシ、ミカ・カリオのチームメイトのフリアン・シモンが続く。
パッシーニはオープニングで順位を8番手まで落とし、さらに2周目には転倒して38番手後方まで下がった。
レース4周目、6番手を走行していたKTMのフリアン・シモンは転倒を喫し17番手まで順位を落とした。チームメイトが転倒した同じ頃、ミカ・カリオは先頭の3名に加わり2番手に。
レース中盤はアルバロ・バウティスタ、ミカ・カリオ、エクトル・ファウベルが先頭集団を形成して熾烈なトップ争いを行い、その3秒後方をジョアン・オリベとシモーネ・コルシが激しく順位を入れ替えながら先頭集団を追う。
■トップに立つミカ・カリオだったが・・・
13週目、ミカ・カリオがついに先頭に立ち、激しくアスパルチームの2名がそれを真後ろから攻撃する。
今期初優勝のかかる熾烈なトップ争いをリードしたミカ・カリオは、惜しくも17周目にマシンの電気系トラブルが発生し失速、最後の2周を残してリタイアとなった。
ミカ・カリオの脱落により、19周目最終ラップに先頭を走る3台は全てアスパルチームだ。先頭の2台はアルバロ・バウティスタとエクトル・ファウベル、7秒遅れて16番グリッドスタートからの驚異的な追い上げを見せたセルジオ・ガデアが3番手を走行している。
■強すぎるアスパルチームの表彰台独占
熾烈なチームメイト同士の戦いを制したのはエクトル・ファウベルだ。連続優勝のかかっていたアルバロ・バウティスタは0.2秒差で惜しくも2番手。3位にはセルジオ・ガデアが入り、マステルMVAアスパルチームの表彰台独占が実現した。表彰台上3本の柱には全てスペイン国旗がひるがえる。
優勝したエクトル・ファウベルは先頭に立ってから不安だったと言う。
「凄い争いでしたね。最後に勝てて凄く嬉しいです」とファウベル。
「ずっと優勝できる日を待ち焦がれていました。チームと家族、それにこれまでサポートしてくれた全ての人たちに感謝しています。」
「今日のレースは最高に面白かったですね!本当はずっと後ろにつけていたかったんですが、ブレーキングでアルバロをパスしてからは危険を冒しました。その間ずっと実は不安でした。」
「自信を取り戻せて本当に嬉しいです。次のレースに向けても励みになりました。」
惜しくも2番手となったアルバロ・バウティスタだが、常に笑顔を絶やさない彼は、今回の結果にも満足している。タイヤにトラブルが出て無理は出来なかったとバウティスタは語る。
「今日はリードを25ポイント差まで広げる事ができました。」とバウティスタ。
「序盤は逃げ切りたいと思ってましたが、タイヤに問題が出てしまい左コーナーで滑り始めました。はっきりわかったのはトップ集団が3人になった事だけでしたね。」
「しばらくしてミカ・カリオのバイクが動かなくなったのに気付き、優勝争いよりもポイントを確実に取る方に考えを切り替えましたので、2位になれて満足です。それとエクトルの初優勝と、連続表彰台のセルジオを祝福したいです。」
また、16番グリッドからスタートし、3位表彰台を獲得したセルジオ・ガデアは、激しい追い上げとなったレースを振り返る。序盤は冷静な走りに徹したようだ。
「まさか4列目からこの結果になるとは予想外でした。」とガデア。
「レース用のセッティングを昨日変更したので、序盤はそれに慣れるのに苦労しましたが、ライン取りを変えたら少しずつリズムが掴めてきました。あと、パッシーニが転んだのを見て無理するのはやめようと思いました。」
「でもカリオのバイクが止まったのを見てからは、表彰台のチャンスを絶対に逃したくなくて全力で走りました。だから本当にこの結果は嬉しいです。」
■順位を好調に挽回した小山選手
マラグーティの小山選手は順位を9番手まで挽回し、怪我に苦しんだ開幕からの3戦を全てポイント圏内で終えている。エンジンはオーバーヒート気味だったようだ。
「数周走った後に、エンジンの温度が少し高い事に気付きました」と小山選手。
「第2集団に追いついてからは、そのまま集団と走る事ができました。エンジンの温度はそのままどんどん上がり、チェッカーを抜けた時はとんでもなく熱くなってました。」
■失意のKTMミカ・カリオ
終盤近くまで好調だったミカ・カリオは、最後のマシントラブルに悔しい思いをしている。電気系トラブルによりエンジンが停止したようだ。
「今日は14周目まで本当に調子が良かったんですけど。」とミカ・カリオ。
「金曜と土曜のプラクティスではサスペンションに問題があっただけに、今日のバイクの調子はあまりに良すぎて驚いたほどです。それにレース用のすごくいいダンロップタイヤも見つけたんです。以前に試したものより少しハードを選択しました。」
「ええ、でも結局・・・ブレーキをかけて、その後の立ち上がりにスロットルを開けたらバイクは一切反応しなくなってました。」
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