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| ＳＢＫバレンシア最終予選、ヤマハトップはノリック、加賀山選手は転倒
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２００６年４月２３日
ＳＢＫ第３ラウンド２日目となる４月２２日は２回目の予選が行われ、その上位１６人のみが出場を許されるスーパーポールによって最終グリッドが決定する。
初日の予選では今シーズンの予選最高位となる８位のポジションにつけた阿部典史選手のスーパーポール出場や、初日暫定ポールのトロイ・コーサーが2日目もベイリスを抑えて逃げ切れるかが注目されるところだ。
■予選２
予選２日目の気温は１８度、路面温度は初日よりも１４度低い１９度。湿度は８３％でドライ・コンディションと認定されたが、殆どのライダーが初日のタイムを更新できなかった。心配された天候は曇りで雨は免れたものの、路面はセッション直前までの不安定な天気で湿っており、無理をするライダーは少なかったようだ。
トップの順位は初日と変わらず、１位がアルスター・スズキのトロイ・コーサー、２位はドゥカティーのトロイ・ベイリス。二人とも予選１のタイムは更新していない。
初日からの順位変動が最も大きかったのはカワサキのクリス・ウォーカーだ。セッション途中でセッティングに成功したウォーカーは初日のタイムを１秒ほど短縮し、予選１の順位である１５番手タイムを大幅に挽回して３番手タイムとなる1分35秒522を記録した。この結果、ヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手とアルスタースズキの加賀山就臣選手は順位をひとつずつ落として５番手と６番手に。
初日はタイムアタック中に転倒して思うようにタイムを伸ばせなかったドゥカティーのロレンツォ・ランチは、僅か0.07秒ほど１日目のタイムを更新し、ヤマハ・フランスのノリックこと阿部典史選手と順位を入れ替えて８位。ノリックは９位となり今期初のスーパーポール出場が決定した。
セッション中盤、アレックス・バロスはグラベルに飛び込んだがそのまま走行を続けている。昨日のタイムは更新できずに１３番手となった。
チーム・ドゥカティーSCのロベルト・ロルフォは初日の順位である１８番手を１６番手に挽回し、スーパーポール出場をぎりぎり手にした。この結果、DFXトリームでホンダCBR1000RRを駆るミッシェル・ファブリッツォがスーパーポール圏外に押し出されている。
尚、予選総合７番手となったルーベン・チャウスは第二予選の走行をキャンセルしている。
 初のスーパーポール出場を意欲を燃やしていたヤマハ・フランスの中冨伸一選手は自己ベストを初日から約0.135秒挽回したが、２１番グリッドとなりスーパーポール出場はならなかった。
「今朝は路面が濡れていたので昨日のタイムを大きく更新できなくてガッカリです。」と中冨選手。
「明日はスタートを成功させて、とにかくポイントが稼ぎたいです。バレンシアのコースはよく理解できましたし、バイクのセッティングが進んだのは良かったと思います。」
■フリー・プラクティス
加賀山選手はスーパーポール前の午後のフリー・プラクティスで1分34秒754を記録し、ベイリスとコーサーを抜く今回のトップタイムをマークしていた。しかしながら、セッション終盤に転倒して頭と右手を強打し、残念ながらスーパーポール出場を断念している。検査の結果、幸い骨折などの重傷は負っていないようだ。
トロイ・ベイリスも同じくセッション終盤にフロントを滑らせて転倒しているが特に怪我はない。
■スーパーポール
午後には路面状況が改善され、スーパーポール時の気温は２４度、路面温度は３５度となった。湿度は４７％。
スーパーポールを制したのはアルスター・スズキのトロイ・コーサーだ。コーサーにとって、これは３５回目のスーパーポール制覇となる。
 「スーパーポールでは第１区間が少し遅くなった事は分かっていました。第１コーナーで大回りしてロスしましたからね。」とコーサー。
「でも第２と第３区間は速く走れる自信があったので、集中してベストな走行をする事だけを考えました。第３区間は完璧でしたが勝てるとは思ってなかったのでこの結果は嬉しいです。」
「午後のフリー走行ではロングランを行い、予定より数周回多く走行したので予選に入るのが遅れてしまいました。明日のレースは去年より厳しくなると思いますが、まあ天気次第ってところです。雨だと路面が滑りやすいので難しいレースになるでしょうね。本当に氷の上を走ってるみたいですから。」
ドゥカティーのトロイ・ベイリスは２番グリッドとなり、開幕からの３連続ポールポジションを逃している。フリー・プラクティスでの転倒が少し影響したようだが、１列目スタートには満足している様子だ。
「今日は一日グリップが得られず苦しんだ上にフリーでも転倒してしまいましたから、スーパーポールに少し影響が出ました。」とベイリス。
「新しいフロントでプッシュしなければいけなくなり、ちょっとタイヤを使いすぎました。コースの半分くらいはいいペースで走れて１列目ですから結果には満足ですが、以前に自分が出したタイムより1.5秒ほど遅いですね。」
「ヘアピンでのクラッシュは大したことはなく、そのままピットに戻れましたが、最後までいいタイムは出せませんでした。明日のレースは天気だといいですね。以前にバレンシアでテストした時はずっといい天気でしたが、今回の天候は今ひとつですね。」
ベイリスのチームメイト、ロレンツォ・ランチは３番グリッドを確保し、喜びを隠し切れない。
 「１列目に来れたのはカタールの時くらい嬉しいし大満足です！」とランチ。
「ダブルトロイの横ですからね。今回は開幕戦の時のようにはなりたくありませんし、全力でいけると思いますよ。１列目からスタートできるのを待ち望んでいました。明日の天気が少なくとも今日くらいの感じだったらいいのですが。」
「雨が降ればみんなにとっては同じ条件ですが、冬季テスト中は雨でも調子良かったので自分たちは心配していません。999の仕上がりはいいですよ。午後には気温が少し上がったので苦労しましたが、ウォームアップで変更を加える予定なので問題はないと思います。明日の２レースではいい結果が出せそうです。」
フォギー・ペトローナスのスティーブ・マーチンは前回のオーストラリアに続き１列目４番グリッドを確保した。本人は２回連続のフロントローに興奮気味だ。
 「いやー、ほっとしました！」とマーチン。
「チームのみんなが本当に100％努力している事を証明しました。レースではまだ挑戦すべき事がありますが、とにかくスタートを成功させないといけませんね。セッティングがうまく行けばレースでもついていけるでしょうし、ポイントを多く取りたいです。」
「スーパーポールでは、ポールポジションとまでは言わなくとも、数箇所でグリップの問題が発生しなければもう少し速く走れたと思います。今晩はその問題を解決できるように頑張るつもりですよ。」
「気象予報だと明日もあまりいい天気じゃないみたいです。誰もウェットでは走りたくないでしょうから、天気が宝くじみたいになってますね。でもここでは以前に雨のレースでも調子が良かったので、どっちてもＯＫですよ。」
前回のミサノでの公式テストと同様に、上り調子のカワサキ勢３人が２列目５番グリッドから７番グリッドを独占している。
地元スペインの観衆を沸かせたカワサキのトップは、決勝５番グリッドスタートとなるフォンシ・ニエト。
「あとちょっとで一列目だったのにね！」とニエト。
「ちょっとだけ問題が発生してたんですが、それが２列目スタートになった原因です。明日のウォームアップではスタートの練習をしますよ。２レースとも前に抜け出したいですからね。」
「いいリズムが掴めていますし、優勝は難しくてもいい結果は出せるでしょう。スタートさえうまくいけば前に出て行けると思いますよ。」
続くカワサキはレジス・ラコーニの６番グリッド。ラコーニは「予選は良かったがレースタイヤでのチャタリングが解決していない」として、決勝に向けてはまだ課題が多い事を明らかにしている。
予選２では３番手タイムを記録していたカワサキ男のクリス・ウォーカーは、スーパーポールのタイムアタック中にタイヤを使い果たして７番グリッドスタートとなったが、それでも今期の予選最高順位にウォーカーは上機嫌だ。レースに向けての不安も特にないらしい。
 今期初のスーパーポール出場を果たしたノリックは２列目８番グリッドを確保。ノリックは今回の順位に大変満足しており、決勝ではトップ争いに加わるとの意気込みを示している。
「今週はチーム全員がやる気ですよ。」とノリック。
「今回から投入した新エンジンは好調ですし、お陰でチームもいい雰囲気です。今日は午後のプラクティスではグリップが得られてたのに、スーパーポールでタイムアタックした時はバイクが簡単に滑ってました。」
「８番グリッドには満足です。走行には集中できてますから、明日は先頭集団で戦いたいですね。」
９番グリッドには、ミサノの公式テストをキャンセルし、今回は初日からパーツ選びやセッティングに多くの時間を費やす事となりやや出遅れた感のあるテン・ケイト・ホンダのジェームス・トスランドだ。レースタイヤでの走行には自信を示し、２列目スタートを逃した事を悔しがっている。
「スーパーポールの結果は本当に残念です。でもベストはつくしました。」とトスランド。
「２列目スタートだったら良かったんですけど、明日は厳しくなりそうです。でもまだスタートが大成功する可能性だってありますし、レースタイヤの調子もいいですから後はいつものように頑張るだけです。」
ヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手は予選用リアタイアのトラクション不足に悩み、３列目１０番グリッドスタートという結果に終ったが、レース用タイヤのグリップレベルはかつてない程の高さが得られているという。本日の決勝は期待ができそうだ。
 「もちろん１０位にはがっかりですよ。」と芳賀選手。
「今月序盤のここでのテストは調子良かったのに、今週はトラクションに問題が出てしまいました。スーパーポールのタイムも悪かったですね。ミスを１回してしまいましたし、リアタイアのトラクションも予選の時ほど良くありませんでした。」
「今回のレースはすごい厳しそうですよ。でも少しでもいい成績が残せるように、バイクの改善作業を今晩も続けます。」
１１番手は芳賀選手のチームメイト、アンドリュー・ピットが続いた。
加賀山就臣選手はスーパーポール出場を断念した事から順位を１２番手に落としている。怪我の状況が少し心配される。転倒で脳震盪を起こした加賀山選手はあまり今日の記憶が無いらしい。
 「今日の事をお伝えしたいんですけど、あんまり覚えてないんですよ。」と加賀山選手。
「午後の転倒で頭を叩きつけたんで、今日の出来事を忘れちゃったんです。それに右手もぶつけたんですが、骨折はしてないので明日のレースは出れると思います。今晩寝れば回復する筈ですよ。」
クラフィ・ホンダのアレックス・バロスは終日サスペンションのセッティングに苦しみ、最後まで満足のいく結果が得られなかったようだ。バロスは１６番グリッドからのスタートとなる。
以下に、SBKバレンシアでの第二予選結果とスーパーポール結果の一覧を示す。
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SBK バレンシア 予選（２日間総合）
1. トロイ・コーサー [AUS] [Team Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分34秒920]
2. トロイ・ベイリス [AUS] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [1分34秒963]
3. クリス・ウォーカー [GBR] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [1分35秒522]
4. スティーブ・マーチン [AUS] [Foggy Petronas Racing] [Petronas FP1] [1分35秒653]
5. 芳賀紀行 [JPN] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [1分35秒658]
6. 加賀山就臣 [JPN] [Team Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分35秒670]
7. ルーベン・チャウス [SPA] [Sterilgarda - Berik] [Ducati 999F05] [1分35秒721]★第二予選走行せず
8. ロレンツォ・ランチ [ITA] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [1分35秒926]
9. 阿部典史 [JPN] [Yamaha Motor France-Ipone] [Yamaha YZF R1] [1分35秒974]
10. フォンシ・ニエト [SPA] [PSG-1 Kawasaki Corse 2] [Kawasaki ZX10R] [1分36秒004]
11. ファビアン・フォーレ [FRA] [Team Alstare Engineering Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分36秒026]
12. ジェームス・トスランド [GBR] [Winston Ten Kate Honda] [Honda CBR 1000RR] [1分36秒116]
13. アレックス・バロス [BRA] [Team Klaffi Honda] [Honda CBR 1000RR] [1分36秒130]
14. レジス・ラコーニ [ITA] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [1分36秒161]
15. アンドリュー・ピット [AUS] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [1分36秒262]
16. ロベルト・ロルフォ [ITA] [Team Ducati SC - Caracchi] [Ducati 999F05] [1分36秒348]
（以下はスーパーポール出場圏外）
17. マックス・ノイキルヒナー [GER] [Team Pedercini] [Ducati 999RS] [1分36秒480]
18. ミッシェル・ファブリッツォ [ITA] [D.F.X. Treme] [Honda CBR 1000RR] [1分36秒534]
19. ホセ・ダビィ・デ・ヘア [SPA] [Honda BQR] [Honda CBR 1000RR] [1分36秒569]
20. マルコ・ボルチアーニ [ITA] [Sterilgarda - Berik] [Ducati 999F05] [1分36秒638]
21. 中冨 伸一 [JPN] [Yamaha Motor France-Ipone2] [Yamaha YZF R1] [1分36秒659]
22. ビットリオ・イアンヌッツォ [ITA] [Celani Team Suzuki Italia] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分36秒975]
23. ジャンルカ・ナンネッリ [ITA] [D.F.X. Treme] [Honda CBR 1000RR] [1分37秒019]
24. イヴァン・クレメンティ [ITA] [Team Pedercini] [Ducati 999RS] [1分37秒308]
25. ノリーニョ・ブリグノラ [ITA] [Team Guandalini] [Ducati 999RS] [1分37秒443]
26. ジョバンニ・ブッセイ [ITA] [Winston Ten Kate Honda] [Honda CBR 1000RR] [1分37秒520]
27. クレイグ・ジョーンズ [GBR] [Foggy Petronas Racing] [Petronas FP1] [1分37秒623]
28. ハビエル・デル・アモール [SPA] [Honda BQR] [Honda CBR 1000RR] [1分37秒665]★第二予選走行せず
29. セルジオ・フエルテス [SPA] [Coronas Suzuki Motorrad] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分38秒155]
30. フランコ・バッタイニ [ITA] [Team Bertocchi Kawasaki] [Kawasaki ZX10R] [1分38秒273]
31. ルーチョ・ペデルチーニ [ITA] [Team Pedercini] [Ducati 999RS] [1分38秒668]★第二予選走行せず
32. ジョセップ・モンヘ [SPA] [Yamaha Factory] [Yamaha YZF R1] [1分39秒082]
33. ロレンツォ・アルフォンシ [ITA] [Yamaha Motor France-Ipone] [Yamaha YZF R1] [1分39秒117]
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SBK バレンシア スーパーポール
1. トロイ・コーサー [AUS] [Team Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分34秒992]
2. トロイ・ベイリス [AUS] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [1分35秒175]
3. ロレンツォ・ランチ [ITA] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [1分35秒203]
4. スティーブ・マーチン [AUS] [Foggy Petronas Racing] [Petronas FP1] [1分35秒255]
5. フォンシ・ニエト [SPA] [PSG-1 Kawasaki Corse 2] [Kawasaki ZX10R] [1分35秒351]
6. レジス・ラコーニ [ITA] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [1分35秒410]
7. クリス・ウォーカー [GBR] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [1分35秒452]
8. 阿部典史 [JPN] [Yamaha Motor France-Ipone] [Yamaha YZF R1] [1分35秒701]
9. ジェームス・トスランド [GBR] [Winston Ten Kate Honda] [Honda CBR 1000RR] [1分35秒784]
10. 芳賀紀行 [JPN] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [1分36秒115]
11. アンドリュー・ピット [AUS] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [1分36秒214]
12. 加賀山就臣 [JPN] [Team Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分35秒670]
★スーパーポール走行せず
13. ルーベン・チャウス [SPA] [Sterilgarda - Berik] [Ducati 999F05] [1分36秒362]
14. ファビアン・フォーレ [FRA] [Team Alstare Engineering Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分36秒502]
15. ロベルト・ロルフォ [ITA] [Team Ducati SC - Caracchi] [Ducati 999F05] [1分36秒786]
16. アレックス・バロス [BRA] [Team Klaffi Honda] [Honda CBR 1000RR] [1分36秒887]
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