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2007年5月25日
フランスGP翌日の5月21日からの2日間、MotoGPクラスの多くのチームはそのままルマンサーキットに残り、6月1日からイタリアのムジェロで再開するヨーロッパ・ラウンドに向けての公式合同テストを行っている。
■シーズン前半戦における最後の合同テスト
夏休みの直前となるアメリカGPまでのMotoGPシーズン前半は残り6レースとなるが、次戦のイタリアからアメリカまでの期間は2回しかオフウイークが挟まれないという過密スケジュールとなっており、今回のルマンでの2日間が上半期に取れる最後の合同テストとなる。
なお、次回の合同テストには、夏休み明けのチェコGP翌日のブルノでの2日間が予定されている。
■レースウイーク中だけでは作業が間に合わない2大タイヤメーカー
今期の2007年シーズンからはダンロップを除くタイヤメーカー、ミシュランとブリヂストンの2社には、各レースウイークの前日までという厳しいタイヤの持ち込み本数制限がかけられている。これはすなわち、レースウイーク初日の金曜日に入ってから新型タイヤを試し、日曜日に向けての是非を検討するというような、現場に入ってから新しい試みへの決断を下すという作業アプローチが今年は取りにくくなった事を意味する。
■大きな意味を持つ今年のシーズン中合同テスト
従って、今年はシーズン中の合間に行われる今回のような合同テストが、タイヤメーカーにとっては昨年よりも次戦以降に使用するタイヤを検証する上で非常に重要な時間となっており、これは同時に、後戻りのできないタイヤ選択を木曜日に迫られる各チームやライダーにとっても、タイヤメーカーが持ち込む新しいタイヤの感触や、それに合わせたセッティングを探っておく上でより貴重な時間になったと言えるだろう。
今シーズンはレースウイークの初日に出遅れたチームは迅速な挽回に苦しむ傾向も強くなってきている。
■初日の参加チーム
今回のルマン合同テストは2日間の日程で行われたが、1日目のテストには殆どのMotoGPチームが参加しており、ワークスチームではレプソル・ホンダ、フィアット・ヤマハ、リズラ・スズキ、ドゥカティー・マルボロの4チーム、サテライトチームではグレッシーニ・ホンダ、ホンダLCR、ダンロップTECH3ヤマハの3チームの合計7チームが不安定な天候の中での走行を重ねた。
■フランス人のレギュレー・ライダー3名はルマン合同テストに不参加
ワークスチームの1つであるカワサキ・レーシング・チームは、ランディー・ド・ピュニエが前日のレース中に転倒して肩を痛めている事や、中国GPで負った右腕の怪我のためにオリビエ・ジャックがフランスGP自体を欠場している事もあり、今回のテストには参加しなかった。
また、ダンロップTECH3ヤマハチームのシルバン・ギュントーリも、カワサキのド・ピュニエと同様に前日のレース中に転倒している事から、同チームから今回のテストに参加しているのは、そのチームメイトの玉田誠選手の1名のみであり、結果としてルマンでのテストには3名のフランス人レギュラー・ライダーが怪我のために地元での合同テスト参加できていない。
■コニカミノルタ・ホンダは今回のテストも見送り
なお、前回のトルコ合同テストに不参加だったコニカミノルタ・ホンダチームは今回のルマンにも不参加。その他にはプラマック・ダンティーンチーム、チーム・ロバーツがこの日のテストを見送っている。
■午前は小雨降る不安定な天候となった1日目
レース当日の雨はその晩も降り続き、合同テスト初日の5月21日の朝には一度止んだが、午前の空は分厚い雲で覆われており、路面は所々が湿った状態で時に小雨が降るという不安定な状況となっている。
ウェット・セッションとなった午前中も、多くのライダーはインターミディエットなどのタイヤで走行し、レインタイヤのテストと並行してさらなるウェット用セッティングの調整をマシンに加えたようだ。
■午後4時には完全ドライに
午後には雲が薄くなり路面は乾き始めたものの、再びコースの一部に小雨が降ったりとやや不安定な状態が続いたが、午後4時近くに路面はほぼドライとなり陽射しにも恵まれ、その後全てのライダーは先を争うようにスリックタイヤを装着して、貴重なドライ路面でのテスト走行を行っている。
■1日目の走行結果
以下に、各チームの1日目の走行結果を各ライダーの自己ベスト順に示す(リズラ・スズキのクリス・バーミューレンのラップタイムは不明)。
1) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分35秒0(70周)
1) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分35秒0(-周)
3) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分35秒037(44周)
4) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分35秒2(58周)
5) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分35秒3(66周)
6) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分35秒401(53周)
7) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分35秒44(76周)
8) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分35秒6(59周)
9) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分35秒7(66周)
10) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分35秒9(43周)
11) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分36秒5(67周)
-) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R -分-秒-(-周)
■1日目の各チームの動き
テスト内容を公式発表している各チームの1日目の主な動きや、関係者のコメントなどを以下に紹介する。
■揃って雨の中を走り込んだレプソル・ホンダ勢
2日間の参加を行ったレプソル・ホンダのダニ・ペドロサとニッキー・ヘイデンは、1日目は午前中のウェット路面をレインセッティングで走行している。
前日のレースでは雨の中での走りに自信を持つことができたというダニ・ペドロサは、午前中はインターミディエットのタイヤをテストし、ミシュランに有益な情報を提供する事ができたようだ。
ペドロサは午後にドライ路面が得られてからは、レースウイーク中に行っていたRC212Vの新型エキゾースト(排気管など)のテストをこの日も引き続き行っており、1日目のトップタイムである1分35秒0をこの時に記録している。
また、前日のレースで激しく転倒して胸を強打したニッキー・ヘイデンは、クリニカ・モバイルの医師たちと相談の上、胸の痛みにもかかわらず朝から走行に参加しており、この日の10番手タイムとなる1分35秒9を記録した。
■ペドロサ「ムジェロに向けて改善が進んだ」
「今日はバイクのセッティング改善にいくらか取り組み、できる限りドライの時間を有効に使おうと心がけました。ヘレスでのIRTAテスト以来、あまりドライでテストする時間が長く取れていませんからね。」とペドロサ。
「今日は改善が進んだので嬉しいです。中国と今回のレースでは少し苦しみましたから、次回のムジェロに向けて進歩が得られたのはすごく貴重でした。ここの天気はいつも予測が大変ですが、明日もテストがしやすい1日になって欲しいです。」
■ヘイデン「今は休めない時」
「昨日の事があったので、今日はバイクに乗れて嬉しかったです。」とヘイデン。
「仮にバイクに乗って痛みがあったとしても、今以上に症状が悪化する心配はないと医者は言ってくれましたし、今がチームと自分にとって大至急課題に取り組むべき重要なタイミングですからね。」
「あまり気分良く走れる1日ではありませんでしたが、今日はコーナーでのチャタリングをなくす事に時間を費やしました。ここではずっとその状況に悩まされましたし、昨日の雨の中でさえも少し発生していたんです。」
「明日はもっといい感触で乗れるようになりたいし、チームにもさらに有益な情報を提供したいと思っています。」
■4時までドライ路面になるのを待ったドゥカティー
1日目のみの参加となるドゥカティー・マルボロチームのケーシー・ストーナーとロリス・カピロッシは、この日は路面がドライになる4時頃まではあまり走行を行わなかったようだが、予定していたテストメニューは全て消化する事ができたようだ。
ブリヂストンに有益な情報を提供できたと述べるストーナーは44周回を走行してこの日の3番手タイムとなる1分35秒037を記録、カピロッシは53周回を走行して6番手タイムの1分35秒401を記録している。
■ストーナー「ウェットのテストは昨日で十分」
「午前中はまた天気に翻弄されるのかと思いました。雨ならもう昨日だけで十分でしたからね!」とストーナー。
「最終的には路面が乾いたので、計画していたテストメニューは全てこなす事ができました。今日はタイヤのテストに集中し、ブリヂストンの技術者に提供したかった情報を収集する事ができたので、ムジェロに向けての準備は最大限に整う筈です。あそこは自分の大好きなコースの1つなんですよ。」
■カピロッシ「テストに満足。ムジェロで頑張りたい」
「今日のテストには満足です。」とカピロッシ。
「フロントとリアの両方をいくつか試し、とても面白い情報が得られています。」
「それ以外にはエンジン・マッピングやトラクション・コントロールについても作業しましたが、ムジェロに向けて役に立ちそうな進歩が見られましたから次戦には自信が持てそうです。」
「ムジェロはルマンよりもずっと自分のライディング・スタイルに合ったサーキットだから大好きですね。イタリアGPでは常にいい成績を残してきましたから、今年もその流れを再現したいです。」
■マシンの調整内容に満足するグレッシーニ・ホンダ勢
2日間を通してテストに参加したグレッシーニ・ホンダチームは1日目、マルコ・メランドリはウェットとなった午前中にテストを開始しているが、チームメイトのトニ・エリアスは路面が乾き始めた午後から本格的な走行を開始している。
この日に58周回を走行したエリアスは1日目の4番手タイムとなる1分35秒2を記録、66周回を走行したメランドリは1分35秒7の9番手タイムを記録した。
■エリアス「正しい方向性が得られた」
「今日は天候が不安定でした。」とエリアス。
「ドライ路面でのテストが今回は必要だったので、タイヤのテストは路面が乾くまで待っていました。その他には、シャシーとサスペンションのセッティングなど、バイクの調整も行っています。」
「正しい方向性を持って作業が進められたので今日は満足です。ブリヂストンのスタッフにはすごく助けてもらいました。」
■メランドリ「フロントまわりの改善に集中」
「午前中はウェットの中で20周ほど走り込みました。午後には路面が乾き始めたので、別のフロントフォークを使用してフロントまわりの感触をあげる作業を行っています。」
「テストの内容には満足です。明日は今日の作業内容を確認してからタイヤのテストを何本か行う予定です。」
■ムジェロに向けて新型シャシーを投入したフィアット・ヤマハ
2日間の参加を行ったフィアット・ヤマハチームのバレンティーノ・ロッシとコーリン・エドワーズは、1日目はミシュランタイヤのテストにそれぞれ集中し、2名それぞれに全く異なる方向性でのテストを行ったという。
タイヤテストと同時に、2名は次戦のムジェロで重要となる安定性が強化された新型シャシーのテストも並行して行い、ロッシは66周回を走行して1分35秒3の5番手タイム、エドワーズは59周回を走行して1分35秒6の8番手タイムを1日目に記録した。
■ブリビオ監督「新型シャシーがパッケージ全体の性能改善に貢献」
フィアット・ヤマハのチーム監督であるダビデ・ブリビオは、「バイクの安定性強化を狙い、いくつかシャシーの新しいパーツ類をテストしましたが、パッケージ全体の性能改善に若干の効果を得る事が今回はできています。」とコメントしている。
■ホンダLCRはムジェロに向けてのタイヤテストが中心
1日目のみの参加となるホンダLCRのカルロス・チェカは、不安定な天候にもかかわらず午前と午後を通して精力的に76周回を走り込み、この日の7番手タイムとなる1分35秒44を記録している。
午前中は前日のレースで使用したウェットセッティングで走行したチェカは、ドライとなった午後にはマシンのリアまわりの安定性強化を重視したテストを次戦のムジェロに向けて行っており、ミシュランが用意した異なる形状のリアタイヤを何種類か試したようだ。
■チェカ「自分のマシンの仕上がりの高さを再認識した」
「路面はレースの時ほど濡れてはいませんでしたが、午前中はレインタイヤを何種類かとウェット用のセッティングを試しました。」とチェカ。
「午後には3本の異なるタイプのリアタイヤをミシュランのデータ収集のためにテストし、同時にサスペンションの調整も何種類か試しましたが、良好な結果が得られたのでバイクへの自信をさらに高める事ができました。」
「ミシュランはリアの安定性を向上させる何かをムジェロには導入してくるようですが、その分野は非常に重要になってくる筈です。」
「ここでのレースがドライじゃなかったのは本当に不運でした。今日のテストでも自分たちのドライ用セッティングの戦闘力の高さを再認識する事になりましたからね。」
■2日目の参加チーム
ドゥカティー・マルボロ、リズラ・スズキ、ホンダLCRの3チームが1日のみでテストを完了したため、2日目の5月22日のルマンではレプソル・ホンダ、フィアット・ヤマハ、グレッシーニ・ホンダ、ダンロップTECH3ヤマハの4チームが初日に引き続きテストを行っている。
■再び不安定な天候となった2日目
この日は初日よりも比較的に気象条件は良くなったものの、やはり午前中は雲が多く、時折小雨に見舞われて路面は非常に滑りやすかったようだ。午後には雲が晴れて陽射しがのぞき、数時間は路面がドライに保たれたので、その間に各チームは一斉にテストを実施している。
2日目の午後の気温は20度、路面温度は30度、湿度は63%だった。
■2日目の走行結果
以下に、各チームの2日目の走行結果を各ライダーの自己ベスト順に示す。
1) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分34秒61(-周)
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分34秒63(86周)
3) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分34秒7(65周)
4) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分34秒86(83周)
5) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分35秒1(72周)
6) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分35秒52(-周)
7) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分36秒11(-周)
■2日目の各チームの動き
1日目と同様に、テスト内容を公式発表している各チームの2日目の主な動きや、関係者のコメントなどを以下に紹介する。
■ロッシに新型エンジンパーツを投入したフィアット・ヤマハ
2日間総合してのトップタイムとなる1分34秒61を2日目に記録したのは、フィアット・ヤマハ・チームのバレンティーノ・ロッシだった。
ロッシとチームメイトのコーリン・エドワーズは、2日目も初日に引き続きミシュランタイヤと新型シャシーのテストを継続しているが、ロッシのマシンには出力特性の強化に向けた改良型エンジンパーツがこの日には導入されていたようだ。
■ブリビオ監督「新エンジンパーツはムジェロから投入」
「昨日は天候のせいで少し時間をロスしましたが、いずれにしても今回は非常に効率良く作業がはかどり、有意義な2日間になりました。」とフィアット・ヤマハのブリビオ監督。
「多くのミシュランタイヤのテストを、2名のライダーがそれぞれ異なる方法で実施し、その結果として2つの良い開発の方向性を見つける事ができています。」
「バレンティーノは新しく調整の加えられたエンジンも試し、若干の効果を得る事ができましたので、次回のムジェロでは今回のものを使用する事になりそうです。」
「全体的に見て、このテストは私たちにとって非常に有意義なものでした。しかも今回のテスト以降は8月の2日間のブルノまで合同テストはありませんからね。」
「これからはシーズンの最も忙しく最も重要な期間に突入する事になりますが、今回のような機会はレースウイーク中のようなプレッシャーを感じる事なく作業ができるので本当に助かりますよ。」
■シャシーのセッティング改善を中心に行ったレプソル・ホンダ勢
ミシュランタイヤのテストメニューをこなす中、2日間総合の2番手タイムとなる1分34秒63を記録したのは、ルマンでのレースウイークから継続してホンダの新しい排気系システムを試しているレプソル・ホンダのダニ・ペドロサだった。
この日のペドロサは、エンジンや排気系まわりのテストの仕上げを行うべく、シャシー全体のセッティング調整を86周回の走行の中で行っている。
ペドロサのチームメイトのニッキー・ヘイデンは、レース中の転倒による胸の痛みがあるにもかかわらず、クリニカ・モバイルの医療スタッフの見守る中、2日目は83周回の走行の中でシャシーのセッティングを行ったが、マシンに希望していたほどの大きな進展は見られなかった様子だ。この日のヘイデンのタイムは2日間総合の4番手タイムとなる1分34秒63だった。
■ペドロサ「トルコではテストに参加できなかったので嬉しい」
「今日はミシュランのためにタイヤを何本かテストしながら、基本的にはシャシーのセッティングに集中しました。」とペドロサ。
「ラップタイムを上げる事ができましたので、今後のレースに向けて役に立つ情報をいくつか集める事ができたんだと思います。」
「走行条件は昨日よりは幾分か良くなり周回数も多く走り込めましたが、バイザーに水滴がつくくらいの小雨が途中にあったりしたので、グリップに頼るような走り方は難しい状況でした。」
「トルコの翌日のテストは前日のレース中に転倒した影響でキャンセルしていたので、今回のテストは自分にとってはとても有り難かったです。2日間も作業ができてすごく満足でした。」
■ヘイデン「貴重なデータを収集できた有益なテスト」
「午後には晴れて数時間はドライ路面が得られたので、そこでペースを上げる事ができました。」とヘイデン。
「今日は基本的なマシンのセッティング作業に時間を費やし、いくつかの点で改善は進みましたが、自分たちが必要とするだけの大きな進歩は得られていません。チームのためには、どの方向から作業を進めるべきかの指針を見つけるためのデータを多く収集しました。とても有益なテストだったと思いますし、次戦のムジェロに向けて必ず役に立つ筈です。」
「ここ何日も面倒を見てくれたクリニカ・モバイルの医療スタッフと、頑張ってくれたチームのスタッフに感謝の気持ちを伝えたいと思います。イタリアには準備万端整えて挑みますよ。」
■セッティングの課題解決に取り組むグレッシーニ・ホンダ
テスト2日目のこの日、グレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスは65周回の中で2日間の総合3番手となる1分34秒7を記録、チームメイトのマルコ・メランドリは72周回の中でこの日の5番手タイムとなる1分35秒1を記録した。
レースではウェット路面で転倒する結果に終わったエリアスだが、この日はレースシミュレーションをドライ路面で行った事により、ドライ用のマシンの仕上がりの高さを再認識する事ができた様子だ。
またメランドリは、現在までに抱えているチャタリングの問題を解消を行うべく、サスペンションまわりのセッティングに1日を費やしたようだが、この日は思い通りの結果が得られなかったという。
■エリアス「レースウイーク中はうまくいっていた」
「小雨のせいで路面がすごく滑りやすかったです。」とエリアス。
「いずれにしても、午後には完全なレースのシミュレーションができましたし、すごくいい感触が得られました。走行中にはいいリズムがつかめましたから、レースウイーク中のドライでの作業がうまくいっていた事を再確認できました。」
■メランドリ「チャタリングは解消できなかった」
「今日はチャタリングの問題が解決できるように、サスペンションの調整作業に多くの時間を費やしました。」とメランドリ。
「色んな方法を試したんですが、結局自分たちが望むような解決策は見つかりませんでした。他にはブリヂストンのために何本かタイヤのテストを行っています。」
「今は自分のホーム・グランプリのムジェロが楽しみです。」
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