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2007年2月24日
悪天候となったヘレスでのIRTAテスト初日、ヤマハ・ワークスのコーリン・エドワーズとバレンティーノ・ロッシは、路面が濡れていた午前中にはほとんどコースには出る事なく、乾いたアスファルトが現れた午後のセッションの序盤から走行を開始している。
■マシンを微調整するに留めたヤマハ・ワークスの2名
午後もコース上に点在する湿った箇所が最後まで乾かなかったこの日、2名は転倒のリスクを嫌って終日タイムアタックを行う事なく、ここまでのプレシーズン中に仕上げたマシンのセッティングに微調整を施しながら、1日の作業を終えている。
■エドワーズ「今日はリスクを冒したもの勝ち」
ヘレスでのIRTAテスト初日を11番手タイムの1分43秒845で終えたコーリン・エドワーズは、この日はカタールで使用したセッティングに、ヘレスのでこぼこが多い路面でも使えるような調整を加えながら、まったくタイムを意識する事なくテストを続けたようだ。
「今日は結構有意義な1日でしたよ。天気の割にはね!」とエドワーズ。
「タイムは出ていませんが、それは心配していません。今日は速く走ろうにもかなり路面コンディションに影響を受けましたからね。あちこちが湿った路面で走るのは気分が悪いし、それに危険ですよ。今日は最もリスクを冒したライダーが一番速くなる日だったのは間違いありませんよ!」
「今日はカタールで使った『平らな路面専用』のセッティングを試しましたが、かなりガタつきましたね。今回良かったのは、でこぼこの多い路面でこのセッティングがどうして役に立たないか、その原因を突き止めた事です。だから明日はセッティングに手を加えて、どんなところでも使えるように調整する予定です。」
「そんなとこが明日の作業の目標です。異なるタイプのサーキットでセッティングの調整に戸惑わないようにするためにも、うまくいって欲しいですね。」
「今日は去年の12月のタイムからほど遠い状態でしたが、バイクは確実に当時よりも進化していますから、路面が完全に乾いて温度も上がれば、すぐに十分速く走れるようになる筈です。」
■ロッシ「陽射しが待ち遠しい」
また、エドワーズのチームメイトのバレンティーノ・ロッシも、この日は本気のタイムアタックをする事なく、13番手タイムの1分44秒494を記録するに留めている。悪条件の中で一部のライバルたちがあまりに速いタイムを出すので驚いたとロッシは語る。
「今回のテストで一番重要なのは、去年の12月からここまでのテストで、どれだけ自分たちのマシンが進化したかを確認する事でしょうね。」とロッシ。
「前回までにテストは3回行いましたし、マシンの状態も大きく変わりました。それにエンジンの新しいパーツも導入していますから、バイクは少し速くなっています。」
「今日は路面状態が良くなかったですね。終日完全には路面が乾かなかったので、あまり速く走るのは無理でした。ただ、それにしても今日の何人かのライバルたちの速さには驚きましたね。この悪条件ですからね!」
「自分も序盤のウェット路面では結構速く走れましたが、それでもウェットセッティングをテストするのには十分な濡れ方ではありませんでした。今日の状況では、自分たちがここまでにどれだけマシンの改善を進められたかを確認するには至っていませんから、明日は天気が良くなって欲しいです。」
「もちろん、今週の目標はここにレースに戻ってくる時のための準備をする事ですから、昨年末の時よりも今回は速く走りたいですね。前回と比較して最も大きく変わった部分はサスペンションです。特にフロントまわりですが、今日はその効果を試す事ができていません。」
「もし路面温度がもっと上がってくれれば、このコースに合ったいいタイヤを探したいと思います。陽射しが待ち遠しいですね!」
■ブリビオ監督「いくつか発見はあった」
ヤマハ・ワークスのチーム監督であるダビデ・ブリビオ監督は、悪天候のせいで当初予定していたテストメニューをこなす事ができずに残念だとしながらも、悪くないデータは採取できているとコメントした。
「今日は大量に作業をこなす気でいましたからちょっと残念な天気でしたね。ただ、予定は遅れましたが、2名のライダーはこの悪条件の中でもバイクに関して興味深い情報を見つけていますし、データもいくつか採取できました。」とブリビオ監督。
「明日が天気なら、去年のテストからどれだけマシンが進化したかを確認する事ができます。まだ1年のこの時期のヘレスは寒いですけど、明日は太陽に期待して、いい仕事ができるように願いたいです。」
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