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2008年6月7日
2008年のF1シーズンが、第7戦目となるカナダ・グランプリの初日をモントリオールのサーキット・ジル・ヴィルヌーヴにて6月6日に迎えている。ここでは、カナダGP初日に行われた2回のフリー・プラクティスを通しての総合順位と、それらセッションの概況などを紹介する。
■カナダGP初日のフリー・プラクティス総合順位
以下に、カナダGP初日の2回のフリー・プラクティス(P1/P2)を通しての各ドライバーの総合順位を示す。
1) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分15秒752
2) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分16秒023
3) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分16秒093
4) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分16秒331
5) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分16秒413
6) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分16秒589
7) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分16秒604
8) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分16秒767
9) セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ STR3 1分17秒019
10) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分17秒068
11) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分17秒242
12) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分17秒334
13) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分17秒462
14) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分17秒508
15) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分17秒549
16) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR3 1分17秒559
17) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分17秒644
18) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分17秒813
19) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分17秒842
20) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分18秒076
この日の午前に行われたP1セッションの開始時は軽い雨により路面はウェットとなったが、セッション終了直前にアスファルトはほぼ完全に乾いている。P1セッション中の気温は17度から18度、路面温度も気温と全く同じ17度から18度だった。また、完全なドライ・セッションとなった午後のP2開催中の気温は19度から21度、路面温度は21度から25度に上昇している(各セッション単位の結果一覧はこちらを参照)。
■カナダ1日目の概況
カナダのサーキット・ジル・ヴィルヌーヴはブレーキへの負担が激しく、且つ各チームがダウンフォースを低く設定して走行ペースを上げる傾向の強いサーキットだが、今回のグランプリ初日は例年通りの不安定な路面条件に見舞われ、午前はドライタイヤで走行する時間があまり取れず、低いダウンフォース設定の上に午後に入ってもアスファルトのグリップ・レベルは低かった事から、車のセッティング調整に苦しむチームが多かった様子だ。
■初日の総合トップはハミルトン、2番手はクビサ、3番手はライコネン
そんな中、午後に入り順調にマシンの調子を上げ、特にオプションタイヤで速く走れたとするマクラーレン・メルセデスのルイス・ハミルトンがこの日の総合トップタイムを記録し、まだグリップレベルが十分ではなく車の挙動も過敏すぎると述べるBMWザウバーのロバート・クビサが総合2番手、朝から車のバランスが良かったというフェラーリのキミ・ライコネンが総合3番手を記録している。
■午前中のトップに立っていたマッサは午後にマシン・トラブル
ウェットタイヤでの走行が大半を占めた午前中にはドライタイヤでP1のトップタイムを記録していたフェラーリのフェリペ・マッサは、午後のセッション終盤には走行中にシステムが全てシャットダウンするというテクニカル・トラブルに見舞われており、車をコース脇にとめて早めに1日目の作業を終える結果となった。
■トロ・ロッソのベッテル「STR3の調整方法が見つかった」
この日の総合9番手タイムを記録し、好調な走りが目立ったトロ・ロッソのセバスチャン・ベッテルは、今回が今年2戦目の実戦投入となる2008年型車両のSTR3の感触が前戦のモナコ初日の時よりも良くなっているとしており、これは新車の正しい調整方法を見つけた証拠だと自信のコメントを残している。なお、チームメイトのセバスチャン・ブルデーは終日グリップが得られず、サーキット・ジル・ヴィルヌーヴの攻略には苦戦し初日の総合16番手タイムだった。
■トヨタとホンダは初日のセッティング作業に苦戦
トヨタの2名はこの日は揃ってマシンのセッティングに苦戦しており、総合10番手のヤルノ・トゥルーリは午前中から最適なバランス・セッティングが見つからずに苦戦、総合15番手で初日を終えたティモ・グロックは午後のセッション終了30分前にバリアに激突し、その後は作業を中断した。
ホンダの2名もセッティングには苦戦しており、初日の走行を13番手タイムで終えた直後のルーベンス・バリチェロはリアの安定性が得られていないとコメント、初日の19番手に低迷したジェンソン・バトンは午前と午後のセッションを通して最後まで車のバランスが見つからなかったと嘆きのコメントを残しており、2日目午前のフリー・プラクティスまでにデータを調査して解決策を探りたいとしている。
■テスト・ドライバーの時にカナダを経験している中嶋選手は11番手
昨年はテスト・ドライバーとしてカナダGP初日のP1セッションをウィリアムズで走った経験を持つ中嶋選手は、1年ぶりに走るモントリオールでの初日を総合11番手で終えている。「今日は好調だった。去年もここを走らせてもらっているので、コースレイアウトを学習する時間があまり必要なく、すぐにセッティング作業を開始する事ができた。午前は湿った難しい路面コンディションだったが、午後はセッティング作業に有効な時間が取れてタイヤの比較検証も効率良く進める事ができた」と中嶋選手。
■カナダ初日に絶不調のルノー勢
フェルナンド・アロンソが総合17番手、ネルソン・ピケが最後尾の20番手とカナダ初日は2名のドライバーが揃って低迷したルノーF1チームだが、この日の午後にアロンソはスピンを喫するなどしてタイムをロス、不完全燃焼のまま作業を終えており、ピケは午後にギアボックスのトラブルに見舞われて走行時間をロスしているが、いずれにしてもカナダでのルノーのマシンの感触は今ひとつといった様子だ。
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