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2008年5月10日
2008年F1グランプリの第5戦目となるトルコGPが、5月9日のイスタンブール・サーキットにて初日のプラクティス・セッションを迎えている。ここでは、多くのドライバーが想像以上の低温路面に苦しむ事になったトルコGP初日のプラクティスの総合結果と各チームの概況、ならびに各ドライバーのコメントなどを紹介する。
■スーパーアグリのF1撤退により参加チームは10チームに
今シーズンに入っても財政難に苦しみ続けたきたスーパーアグリF1チームが、F1からの完全撤退表明を5月6日に正式に行った事から、今週のトルコGPからは全10チームにより2008年シーズンのF1グランプリは争われる事となった。
■低温と湿ったアスファルトのイスタンブール・サーキット初日
トルコGPの初日のイスタンブール・サーキットは全体的に雲が多く、午前のプラクティス1開始時の気温は15度、路面温度は23度と低かった。また、正午には一時的な雨に見舞われ、その後の午後のプラクティス2の気温は13度とさらに下がり、路面温度も20度と午前中よりも低くなった事から、1日を通して多くのドライバーは低温の濡れたアスファルトでのグリップ・レベル確保に苦労した様子だ。
また、今回のイスタンブール・サーキット初日のアスファルトも例年通り砂が多く、朝のセッション開始直前に清掃車が3コーナーから9コーナーまでの区間を水をまいて清掃した事から、午前の走行開始時も雨に降られた午後のセッション開始時と同様のウェット路面となり、一部のチームはこの中をウェットタイヤで走行している。
■スピンする車両が多発、午後にはウェバーがバリアに衝突して赤旗提示
この日は終日湿った部分の残る難しい路面コンディションとなった事からスピンする車も多く見られ、午前中には中嶋選手、スーティル、トゥルーリ、ハミルトン、マッサ、ベッテル、フィジケラ、クビサなどがスピンなどによりコースオフを喫している。
午後にはセッション開始直後に濡れた人工芝にはみ出したレッドブルのマーク・ウェバーがバリアに衝突、車両がコース上に留まり破片も散乱した事からセッションは一時赤旗中断となり、その後のセッション再開後にもロズベルグ、ピケ、ハイドフェルド、ハミルトン、ブルデー、バトン、グロックなどが軽いスピンを起こした。
■フィジケラに3グリッド降格のペナルティー
午前のセッション開始時、フォース・インディアのジャンカルロ・フィジケラはレッド・シグナルが点灯している事に気がつかずにピットレーンからコースに進入しており、この結果、フィジケラには信号違反のペナルティーとして3グリッド降格処分が日曜日に課せられる事となった。
■トルコGP初日のプラクティス総合順位
以下に、5月9日に行われたトルコGP初日の2回のプラクティス(P1とP2)を通しての総合順位とタイムを示す(各セッション単位の結果はこちらの一覧表を参照)。
1) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1分27秒323
2) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分27秒456
3) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1分27秒543
4) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1分27秒579
5) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1分27秒763
6) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1分28秒284
7) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1分28秒431
8) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1分28秒619
9) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1分28秒664
10) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1分28秒817
11) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1分28秒826
12) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1分28秒849
13) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1分28秒907
14) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1分29秒008
15) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1分29秒024
16) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1分29秒082
17) セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ STR2B 1分29秒462
18) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR2B 1分29秒630
19) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1分29秒633
20) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1分29秒756
■各チームのトルコGP1日目の概況とコメント
以下に、トルコのイスタンブール・サーキットでの初日の各チームの作業内容、ならびに走行を終えた直後の各ドライバーのコメントなどを紹介する。
■初日総合トップはフェラーリのマッサ
トルコGP初日の総合トップタイムとなる1分27秒323を記録したのは、今期の初勝利を飾ったバーレーンGP以降は好調な戦いぶりを見せているフェラーリのフェリペ・マッサだった。また、前回のスペインGPの勝利者であるチームメイトのキミ・ライコネンは、午前中はギアボックスのトラブルのため3周回しか走行できなかったが、午後にはこの日の総合3番手タイムとなる1分27秒543を記録している。
■ライコネンはギアボックストラブルに見舞われ半日作業に
この日のフェラーリ勢は通常の金曜日に行う作業に徹し、車のセッティングとブリヂストンから提供された2種類のタイヤの比較検証作業を行ったが、計画通りに初日の作業を終えて満足するマッサとは異なり、ライコネンは午前の作業時間をギアボックスのトラブルにより丸ごとロスした事から午後のセッティング作業にはやや苦戦した様子だ。
■マッサ「今週はいい戦いができそう」
初日のトップタイムを記録したマッサは「全体的に良好だった。路面は少し汚れていたがそれでも非常に速く走れるので、ミスを誘発しやすい状況だったと言える。路面温度が低く、特にハードタイヤを装着した直後はタイヤが温まりにくかった。今日は多くの種類のセッティングを試したので、これから今日の3時間分のデータを検証して今後の準備を十分に進めておきたい。非常にここでは気分良く走れているので明日と日曜日のレースでは非常にいい戦いができると思う」と述べ、翌日以降のセッションに向けての自信を示した。
■ライコネン「路面温度が低く午後はセッティングに苦戦」
その一方、午前中のほとんどの時間をガレージで過ごす事になってしまったライコネンは、「今日は理想的な金曜日だったとは言えない。午前中はギアボックスが壊れる前の1回しかタイムアタックができず、昼過ぎまでコースに出る事ができなかった。午後はいいセッティングを見つけるのに少し苦しんだが、これはタイヤが適切な温度に温まらなかった事が最大の原因だった。でも明日は路面のグリップ・レベルが良くなるだろうし、車のセッティングも改善される筈だから状況は変わると思う。午前は時間を大きくロスしたが分析に必要なデータは十分にあるので残りのセッションに向けての準備は大丈夫」とコメントしている。
■マクラーレン、大事故からの復帰直後のコバライネンが初日の総合2番手
この日のプラクティス総合2番手タイムの1分27秒456を記録したのは、前回のスペインGPでは高速走行中の左フロントタイヤの破裂から130km/hの速度でタイヤバリアに正面衝突し、その後はヘリコプターで病院に搬送されるという大きな事故に見舞われたが、衝突直後に意識は失ったものの幸い骨折などの致命傷は負わず、今回のトルコGPからは無事に初日からの走行に復帰したボーダフォン・マクラーレン・メルセデスのヘイキ・コバライネン。チームメイトのルイス・ハミルトンはこの日の総合4番手となる1分27秒579を午後に記録している。
■コバライネン「復帰できて嬉しい」
前回の事故の影響は全くなく順調だと述べるコバライネンは、「走行に復帰できて嬉しかったし、何も問題なく好調だった。すぐにペースをつかむ事ができたしラップタイムも安定していた。午前のセッションの終盤にオプションタイヤを履いてコースに出たが、ブレーキが適温にならなかったので全力走行はできなかった。午後のセッションもとても順調に進み、この時はロングランを通してタイヤの評価とセッティングの改善に集中している。仕事がはかどるいい1日を過ごす事ができた」とコメント。
■ハミルトン「初日の状況はそれほど悪くない」
イスタンブール・サーキットは楽しんで走れると述べるハミルトンは「今日はタイヤの評価とセッティング作業に集中したが、それほど悪い状況ではない。午前中は路面が清掃作業の水で濡れていたので、ほぼ全員が走行時間を少し失った。このサーキットは常に改修を続けているので挑戦のしがいがあるし走っていて楽しい。今日の最後は新品のタイヤに履き替えたが、少しミスをして時間を若干ロスしてしまったが、自分の走行ペースは安定しているので全体的には満足できた」と述べ、午後はタイヤ交換直後のコースオフが作業時間に影響を与えたものの、初日の内容にはほぼ満足できたとしている。
■レッドブル、ウェバーが午後のセッション序盤にバリアに衝突して赤旗中断
トルコGP初日、レッドブルのデビッド・クルサードは特に大きな問題に見舞われる事なく順調に1日目の作業を終え、この日の総合5番手タイムとなる1分27秒763を記録したが、チームメイトのマーク・ウェバーは正午の雨があがった直後の湿った縁石にタイヤを乗り上げて6コーナーでスピン、そのままバリアに衝突しており、これにより午後のセッションは一時赤旗中断している。
ウェバーに怪我はなかったものの、車の修復作業のためにその後のセッションには復帰できずに午後は4ラップのみの周回となり、この日のウェバーの総合順位は19番手、自己ベストタイムは事故直前に記録した午後の1分29秒633だった。
■クルサード「いたって順調な1日」
初日の作業を順調に終えたクルサードは、「今日はスペインGPの時の金曜日とよく似た状況だった。特に大きな問題もなく、コースの改修部分の学習と車のバランス確認に終始する1日だった。ここは高速コーナーが多くコースオフをしやすいので、フロントのセッティングが正しくしておく必要がある。明日の作業についてはこれからデータを確認してから決定する予定」とコメントしており、ほぼ予定通りに1日目の作業が進んだ事を明かしている。
■ウェバー「自分のミス、チームのスタッフに申し訳ない」
午後はこの日の自己ベストを記録した直後の5ラップ目にスピン、車のダメージからその後の作業を断念する事になったウェバーは、「今回の6コーナーでのコースオフは完全に自分のミス。コース脇の緑の人工芝の事をあまり考えていなかった。少しコースの外側にはみ出しすぎて濡れていた人工芝に乗り上げてしまうミスをした。チームのみんなに謝りたいし、明日は挽回して見せたい」と、翌日の朝のセッション開始までにマシンを修理する事になったチームのスタッフに謝罪している。
■車のバランスに若干の課題は残るがほぼ満足のルノーF1チーム
この日のルノー勢は、2台が揃ってマシン・トラブル無しの1日目を過ごし、予定していた全ての作業を計画通りに終える事ができたとしている。この中で、前回のスペインGPでは完走はならなかったものの、最新パーツを多く搭載したR28で高い競争力を示したフェルナンド・アロンソは初日の総合6番手タイムとなる1分28秒284、ネルソン・ピケは総合16番手タイムの1分29秒082を記録した。
■アロンソ「明日も車のバランス改善が必要」
「今日の路面コンディションは全く理想的とは言えなかったが、全てのチームにとって条件は同じなので仕方がないし、それが作業に悪影響を及ぼすような事もあまりなかった。今回もいつも通り多くの事を検証したが、自分の車に関する多くの興味深い情報を収集する事ができた。明日もまだ特に車のバランスについて数点の改善作業を行う必要はあるが、今日の結果は週末の残りのセッションに向けてのいい励みになった」
■ピケ「乗り心地は良くなった」
「今日はとても普通な1日だった。午前中はとても慌ただしくセッティング作業を行い、午後はタイヤの評価に着手している。今日の作業目標は車の乗り心地を良くする事とバランスの改善だったが、2回のセッションを通して何も問題なく順調に作業が進んだので、この目標は達成する事ができた。午後の最初に少し雨には降られたが、全体的に路面の状態は安定していた。総合的に見て作業はうまく進んでいるので、明日の最終プラクティスの時間も最大限に活用したい」
■パット・シモンズ「低すぎる路面温度」
INGルノーF1チームのエンジニアリング・ディレクターを務めるパット・シモンズは、この日の作業について「シーズンの序盤は低い路面温度を最初から想定してはいるが、今日は予想外に低い温度だった。グリップ・レベルが常に低く、そのせいで初日は多くの事故が発生している。2名のドライバーはまだ共に車のバランスを改善する必要はあるが、今日はタイヤの評価といくつかの種類のセッティングを試す事ができたので、ここまでの内容には満足している」とコメントしており、他のチームと同様に低い路面温度に初日は苦労した事を明かした。
■低温路面に苦しむBMWザウバー、クビサは午前中にメカニカル・トラブル
今期は好調な成績を残し続け、フェラーリのキミ・ライコネンとマクラーレンのルイス・ハミルトンに次ぐドライバーズ総合ランキングの3位につけるBMWザウバーのロバート・クビサは、この日の午前中はリア・サスペンションのメカニカル・トラブルにより7周回しか走行できなかったが、午後には調子を戻し初日の総合7番手タイムとなる1分28秒431を記録している。チームメイトのニック・ハイドフェルドは初日の総合10番手の1分28秒817だった。
■クビサ「午後が忙しくなった」
メカニカル・トラブルにより午前のセッションの大半をロスした事から、午後の作業が忙しくなったというクビサは「残念ながら今日の午前中は小さなテクニカル上の問題が発生してあまりコースに出る事ができなかった。それで午前中に予定していた作業を凝縮して午後のメニューに組み込む事になったが、結局タイヤ評価とセッティングに時間を費やす事になり本格的な走り込みは4回しかできていない。まだ車のバランスには問題を抱えているが、セッティングは何種類か試したので、これからその結果を分析して最良のものを選びたい。明日には自信が持てる」と述べ、この日は2日目以降に向けてのデータ収集に重点を置いた事を説明している。
■ハイドフェルド「タイヤが温まらない」
初日は予想外の低温路面に苦しんだというハイドフェルドは、「一番の問題はタイヤが十分な早さで温まらない事だが、ロングランの結果はそれほど悪くなかった。タイヤが正しく機能するようになれば大丈夫だが、そこに到達するまでに時間がかかりすぎるので、今後はその部分に作業を集中していきたい」とコメント。
■イスタンブール初日午前のコンディションは想定済みのトヨタ
この日のパナソニック・トヨタ勢のフリー・プラクティス総合順位は、ヤルノ・トゥルーリが1分28秒619の8番手タイム、ティモ・グロックが1分28秒849の12番手だった。イスタンブール・サーキットの初日午前の路面の汚れを最初から想定していたチームは、当初の計画通り走行開始時間を遅らせた事から午前中の一部が湿った路面も特に問題にはならなかったとしており、初日の作業メニューを2名のドライバーは2回のセッションを通して問題なく終わらせる事ができたとしている。
■トゥルーリ「ハンドリングの改善を今後も続ける」
初日は順調に作業を終える事ができたというトゥルーリは、「今日は午前中のアスファルトに砂が多く、午後は序盤に少し雨に降られたので路面コンディションが難しくなったが、悪くない1日だった。タイヤ評価とセッティング作業を終日行ったが特に問題は発生していない。車の状態も悪くないが、ハンドリング性能を改善するにはもう少し作業を続ける必要がある」と、2日目以降に向けてのセッティングの課題を説明した。
■グロック「イスタンブールはGP2時代から得意」
GP2時代からイスタンブール・サーキットに好感触を示しているグロックは、「2回のセッションはどちらも順調だったし車の感触もいい。ロングランでもかなり高いレベルのラップタイムを記録する事ができた。今日はグレーニングとアンダーステアが課題の1日だった。午後の終盤の走行では止まりきれず縁石にぶつかりフロント・ウイングにダメージを与えてしまったが、これは自分のミス。そこで最後の5分間を無駄にしてしまったが、いずれにしても今日は良好な初日だったと言える。ここではGP2時代にいい成績を残しているが、追い抜きが難しいサーキットなので明日の予選が重要になる。予選では今シーズン序盤の2戦と同様にトップ10入りを果たしたい」とコメント、予選での好位置獲得に向けての意欲を示している。
■ウィリアムズは午前と午後のセッション開始時にウェットタイヤを装着
開幕戦に引き続き前回の4戦目のスペインGPでもポイントを獲得し、ランキングは11位となったウィリアムズの中嶋一貴選手は、トルコ初日のこの日はプラクティス総合9番手となる1分28秒664を記録している。ランキング7位のニコ・ロズベルグの初日のタイムは総合13番手となる1分28秒907だった。
午前と午後のセッション開始時はそれぞれウェットタイヤで走行を開始したウィリアムズ勢は、午後の雨や赤旗などの影響により1日目の作業メニューを全てこなす事はできなかった様子だが、2日目以降の予選とレースに向けてのセッティングを仕上げる上で有益となるデータをこの日は収集できたとしている。
■中嶋選手「少なくともいいデータは収集できた」
「今日は自分にとってはいいプラクティスだった。午前中は路面が滑りやすくグリップレベルの低さに苦しんだが、午後にそれは改善された。午後の序盤の雨などの影響により作業メニューを全てこなす事はできなくなったが、少なくともタイヤ評価の結果から有益な情報を収集する事はできている。明日の予選にはいい仕上がりで挑みたい。まだ今晩もセッティング作業を進める必要はあるが、今日の内容には満足できた」
■ロズベルグ「路面温度が低くても大丈夫そう」
「今日は特にエアロ関連の作業に時間を費やしたが、まだ100%と言える状態ではないにしても、確実に進歩といい方向性が得られている。今日はすごく路面が滑りやすくて車をコース上にキープするのが簡単ではなかったが、路面温度の低さがそれほど多くの問題を引き起こす訳ではなさそうなので、それが分かって良かった」
■週末のレースが通算257戦目のF1最多出走記録となるホンダのバリチェロ
今回のトルコGPが通算257戦目のレース出場となり、F1最多出走記録を日曜日には更新する事になりそうなホンダのルーベンス・バリチェロは、前回のスペインGP終了後にその祝賀イベントである「ルーベンス・バリチェロ257ゴルフトーナメント」に参加しており、ゴルフの名門コースである「Real Club de Golf El Prat」において、現在までに最多出場記録を保持してきたリカルド・パトレーゼの他、ジャッキー・スチュワート、ロス・ブロウン、ルイス・ハミルトン、デビッド・クルサードなどのメンバーと共にゴルフを楽しんだという。
■ホンダは今回も新型エアロパーツを導入
そのルーベンス・バリチェロのトルコGP初日のタイムは総合15番手となる1分29秒024、チームメイトのジェンソン・バトンは総合11番手となる1分28秒826を記録している。今回から投入するホイールカバーなどの新型エアロパッケージがイスタンブールでうまく機能する事に期待して初日のセッションに挑んだというホンダ勢は、それらの新型パーツに良好な結果をこの日に得る事ができたとしており、予選ではトップ10入り、レースではポイント獲得を現実的な今週末のターゲットにしたいとしている。
■バトン「昼食時のセッティング変更が大成功」
午前中はグリップ不足により思い通りに走れなかったというバトンは、「午前中はこのサーキットでは不可欠となるグリップが不足して苦労したので、その後は多くの変更をセッティングに施したが、午後に入ってからは最初から調子良く走れるようになった。今日は多くの種類のセッティングを試したが、週末の残りのセッションに向けていい作業の方向性が得られたと思う」とコメントしており、この日の午後にはセッティングの改善を進める事ができた様子だ。
■バリチェロ「昼食時のセッティング変更が大失敗」
午前中は新型パーツを装着したマシンの感触に大きく満足していたものの、昼食時に加えた変更が裏目に出て午後はうまく走れなくなったというバリチェロは「午前中は車のバランスがとても良かったので、今回の進歩には本当に満足できた。ただ、昼食後にはメカニカル面での変更を加えた事でバランスの状態が変わってしまった。時間内に元に戻すにはあまりに大きな変更を加えてしまっていたので、今晩中にその原因を分析したい。午前中の感触に車を戻す事ができればQ3に進出できるチャンスはある筈」と、2日目以降のセッションに向けてはこの日の午前に近い感触を取り戻しておきたいとしている。
■フォース・インディア
トルコGP初日はベース・セッティングの調整とタイヤ評価に取り組んだフォース・インディアの2名のドライバーのこの日のタイムは、ジャンカルロ・フィジケラが1日目の総合14番手となる1分29秒008、エイドリアン・スーティルが総合20番手となる1分29秒756だった。
■フィジケラは朝のセッション開始時に信号無視、3グリッド降格のペナルティー
今回フィジケラは午前のセッションの開始時、進入禁止のレッドシグナルがまだ解除されていない事に気がつかずにピットレーンからコースに進入してしまい、3グリッド降格のペナルティーを受ける事となってしまった。従ってフィジケラは、2日目の予選結果よりも3つ低いスターティング・ポジションから日曜日のレースを戦う事になる。
■スーティルは午後にクラッチ・トラブル
朝の信号無視の問題を除けばフィジケラは順調にこの日の予定の作業を進める事ができているが、その一方でスーティルは午後の9周目を走行した直後にクラッチトラブルに見舞われており、その後はコースに復帰する事ができなかった。
■トロ・ロッソはSTR3の投入をスペアパーツ不足を理由に今回は見送り
今週のトルコGPからは2008年型車両のSTR3を実戦投入する予定だったトロ・ロッソだが、チームはスペア・パーツの準備が十分に間に合わなかった事を今回発表しており、前戦のポルトガルGPまでと同じく2007年マシンベースのSTR2Bを今回のイスタンブールにも持ち込む事になってしまった。
■新車は第7戦のカナダから投入?
なお、トルコGPの翌戦は通常のサーキットではなく公道レースとして有名なモナコGPとなる事から、新車の開発に向かない特性のモナコには今回と同じSTR2Bを投入し、その翌戦のカナダGPからSTR3を投入する事も検討しているとチームは同時に発表している。
■ベッテルは初日の内容にほぼ満足、ブルデーはタイヤの調整に苦戦
今週もSTR2Bでの戦いを開始したトロ・ロッソ勢のトルコGP初日のタイムは、この日の車の仕上がり状況にはほぼ満足できたとするセバスチャン・ベッテルが総合17番手となる1分29秒462、初めて走行するイスタンブール・サーキットではタイヤまわりのセッティングに苦しんだというセバスチャン・ブルデーのタイムは18番手の1分29秒630だった。
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