|
2008年3月23日
ここでは、F1第2戦マレーシア・グランプリの2日目、3月22日に行われた午後の予選終了直後の全ドライバーの詳細コメントを、各ドライバーのスターティング・グリッド順に紹介する。
(予選開始から最終グリッド決定までの流れについてはこちらの記事を参照。また、レースウイーク1日目の各チームの作業内容についてはこちらの記事を参照)
■1列目
●ポールポジション)フェリペ・マッサ フェラーリ F2008
すごく嬉しいですね!Q2ではちょっと苦しみましたが、その後の予選終盤の2回のタイムアタックは本当にいい走りができたと思います。セッションの終わりがけに雨を数滴感じましたが、特にタイムに影響するほどのものではありませんでした。
1列目からのスタートは重要ですし、これでいいレースができる事を期待しています。自分たちの車はロングランで高い戦闘力を発揮すると思いますが、それでも明日は長くて厳しいレースになるでしょうね。
いずれにしても、レースに自信がある事だけは間違いありませんよ。
●2番グリッド)キミ・ライコネン フェラーリ F2008
もちろんポールの方が良かったですよ。でも2番グリッドも決して悪くはありませんし、チームとして最高の結果が今回残せたことに満足しています。
Q2ではいい走りができましたが、その後のQ3では特に2回目のアタックの時にタイヤがうまく機能していません。あの時はコースが少し滑りやすくなった感じがして、車の性能を最大限に引き出す事ができませんでした。
明日は厳しいレースになるでしょう。メルボルンではいいスタートができましたから、明日も同じようにうまくやりたいですね。
■2列目
●3番グリッド)ヤルノ・トゥルーリ トヨタ TF108
今週の状況にはとても満足できています。特にトラブルもなくここまで来ましたし、車の調子も良くいい仕上がりレベルだと思いますよ。去年と比べて車が大きく進化したのを今日の結果で示す事もできましたしね。
だから今回の予選結果にはとても満足ですし、明日はいいレースができる筈です。
同様にティモ(グロック)も今週を通して好調に作業が進んでいますので、彼のためにも嬉しいし、おかげでチーム全体の今後のマシン開発に向けてのモチベーションも高くなりますから本当にいい事です。
このコースでは過去にいつもいい走りができましたから、明日のレースには自信がありますし、後はトラブルが発生する事なくレースを終えられるように最終確認するだけです。今回は高いポイントを獲得できる筈ですからね。
●4番グリッド)ロバート・クビサ BMWザウバー F1.08
僅差で2列目を逃す事になりましたが(注:マクラーレン2名のグリッド降格決定前のコメント)、今日の内容にはすごく満足できています。不安定な天候のせいで、かなりスリルのある予選になりましたね。
今回選んだセッティングでは楽な予選にならない事は分かっていましたが、今週はレースに向けての準備に多くの努力を費やしてきましたので、明日にはかなりの期待感を持って挑めます。
■3列目
●5番グリッド)ニック・ハイドフェルド BMWザウバー F1.08
Q3の結果は本当に残念です。コース序盤のいくつかのコーナーではすごくスムーズに走れていたのに、インラップに入っていた何台かの車がものすごくゆっくり走っているのに出くわしたんです。彼らは明らかにまだ予選が続いている事を知らされていなかったんだと思いますね。
4コーナーに入る直前、マクラーレンの2台がレーシングラインをクルージングしていたので大きくタイムをロスする事になりました。おかげでコンマ2秒は遅れましたし、あれがなければ7位ではなく3位に入っていた筈です(注:マクラーレンの2台がグリッド降格処分を受ける前のコメント)。
自分の走行ラインが取れなくなりましたし、さらに影響が大きかったのはブレーキングが思い通りにできなくなった事です。ただ、いずれにしても予選の時の車の仕上がりには満足できていました。
●6番グリッド)マーク・ウェバー レッドブル RB4
正直、今回の結果は期待以上でしたね。昨日は車の調整作業を必死に行いましたし、その後もスタッフが頑張って改善をいくつか進めてくれたおかげで、明日のレースに向けての土台は整った感じです。
Q3は多くの車で混雑していてかなり難しい状況でしたし、グリップのレベルもQ2の時よりかなり下がっていましたが、レースを開始するには悪くないポジションを得る事ができました。
メルボルンと同じような波乱のレースになるかのどうか興味津々ですよ。
■4列目
●7番グリッド)フェルナンド・アロンソ ルノー R28
今日はQ3に進出するという第1の目標は達成しました。これからは次の目標であるレースでのペース改善に集中し、ポイント圏内での完走を狙います。
Q3は本来であればもう少しいいタイムを記録できたと思いますが、タイムアタックの時には前方にハイドフェルドがいて、同時にまわりの他の車がゆっくり走行していたのが若干走りに影響したので残念でした。
明日のレースは面白くなる筈ですし、メルボルンの時みたいにポイントを獲得できれば嬉しいですね。今は明日のレースに向けて集中するのみです。
●8番グリッド)ヘイキ・コバライネン マクラーレン・メルセデス MP4-23
2回連続で予選3位になれて満足です(注:ペナルティーによる5グリッド降格決定前のコメント)。もちろん1列目の方が嬉しかったとは思いますが、今週はレースウイークを通してフェリペとキミがすごく好調でしたから、今回はこの3番手が精一杯でしたね。
ここまでの全てのセッションを通して順調に改善が進みましたし、Q3ではすごくいいラップタイムを記録できましたから、後は戦略的にどうしていくかをレースの流れを見ながら確認するだけです。
明日は雨になりそうですから、どんな展開になっても不思議じゃなさそうですね。
■5列目
●9番グリッド)ルイス・ハミルトン マクラーレン・メルセデス MP4-23
Q3に入ってからはあまりグリップが得られなくなりちょっと苦しみましたね。おまけにウォームアップ中は路面の混雑から見通しのいい区間に抜け出す事が難しかったので、ブレーキとタイヤを温める作業に悪影響が出ました。
正直、今日は完璧な走りができたとは言えませんので、これからデータを分析して明日はもっと速く走れるようにするつもりです。
ただ、それでもいいポジションは維持できたので、変わらず気持ちはこのまま高めていきたいです(注:ペナルティーによる5グリッド降格決定前のコメント)。レースでは何が起きて不思議じゃないですからね。
●10番グリッド)ティモ・グロック トヨタ TF108
Q3に進出できたのは満足ですが、自分にとって今回は難しい予選になりました。
午前のフリー・プラクティスでは予選に向けてのセッティングでオプション・タイヤにいい感触が得られていましたが、午後に入ってからは同じような感触を引き出せずに苦しみましたね。いいセッティングを見つけるのが難しくなったんです。
ただ、次第にいいラップタイムが残せるようになり、最終区間がすごく速く走れてトップ10に残る事ができましたから満足です。
後は天気がどうなるかです。ドライの場合はタイヤの性能を使い切るのが自分にとっては難しくなりそうですし、ここはかなり広いサーキットですから追い抜きもされやすいですからね。
でも期待感は持っていますよ。トップ10以内で完走、またはポイント圏内に入る事ができれば結果としては悪くないでしょうね。
■6列目
●11番グリッド)ジェンソン・バトン ホンダ RA108
11番グリッドはレースを右側のグリッドからスタートできますし満足です。
天候が不安定で雨の心配もあったので、予選のどちらのセッションも早めに走行を開始しました。Q2での最後の周回にはオプション・タイヤを使用しましたが、ラップタイムにはとても満足できています。コンマ1秒未満の差でしたしね。
一番の課題はプライムとオプションのどちらのタイヤを選ぶかでした。オプションタイヤをうまく機能させるのに若干苦労していたので、自分は予選の大半をプライムの方で走りましたが、他のドライバーのほとんどはずっとオプションを装着していたみたいです。
おかげでオプションタイヤのゴムがアスファルトに多く付着し、Q2の最後に自分もオプションを使用した時にはタイムが0.25秒も縮まりました。あれは今日の車の最大限の速さだったと思いますし、いい周回ができていたと思いますので、今回の順位には満足です。
●12番グリッド)デビッド・クルサード レッドブル RB4
予選の時は少し驚きましたね。午前のプラクティスの時よりも第1区間のタイムが悪くなっていたんです。グリップが若干得られなくなっていたので、中央の区間でもライン取りが難しい状態でした。
今週のできごと(FIAからレッドブルに対する安全性証明の書類提出要請)については特に気にしていません。レーシング・ドライバーは車の故障に過度の不安を抱えたりはしませんし、チームの事は絶対的に信頼していますからね。
■7列目
●13番グリッド)ネルソン・ピケ ルノー R28
午後の予選結果にはほぼ満足です。午前の最後のフリー・プラクティスでは進展が得られましたし、予選の時も大きなトラブルには見舞われませんでした。
もちろんまだ改善の余地はありますが、チームメイトからも大きくは引き離されていませんから、明日のレース展開がどうなるか今から楽しみですね。
今回の自分の目標はメルボルンの時よりもいい走りをしてグランプリを完走する事です。可能であればポイントも獲得したいですよ。
●14番グリッド)ルーベンス・バリチェロ ホンダ RA108
午前中にギアの問題が発生して作業時間が制限されたのが残念でした。こういう時にはいつも予選中にそれを取り返さなければいけなくなりますからね。しかしながら、午後の努力の甲斐があり、最終的に14位を確保できたのには満足しています。
午前中に車のセッティングの時間がもう少し取れていればさらに上が狙えたかもしれませんが、この難しい状況の中では最良の結果が得られたと思っています。明日の天気が不安定でも、今回のようにトップ10から外れている場合は戦略に多くのパターンが使えますしね。
午前の時間不足を考慮すればいい予選でしたし、14番グリッドはポイントを狙う上でも悪くない場所だと思います。
■8列目
●15番グリッド)セバスチャン・ベッテル トロ・ロッソ STR2B
今日はQ3には手が届かない状況でした。メルボルンのようなサーキットとは違ってここは高速コーナーがたくさんありますから、自分たちとの相性はあまり良くありませんからね。
いずれにしても、可能な限りの最大限の走りはしたつもりですが、残念ながら最後のタイムアタックの時に14コーナーでミスをしてしまいました。当然、Q3進出が可能なポジションに上がろうと激しく攻め込んでいたんですが、このミスでコンマ2秒ほどロスしています。
ただ、今回の結果には十分満足していますし、レースに向けてはいいセッティングも仕上がったと思っています。
●16番グリッド)ニコ・ロズベルグ ウィリアムズ FW30
今日の内容についてはちょっと信じたくない気分です。何日か前に表彰台を獲得したばかりなのに、今回の予選は16番手ですからね。最後のタイムアタックの時はいい感じで走れたと思ったんですが。
自分たちの車は新しいアスファルトとの相性がものすごく悪い気がします。表面がなめらかすぎてタイヤが正常に機能してくれませんから、あちこちで滑りまくりでした。
このスターティング・ポジションからだと明日のレースは厳しそうです。ただ、車はレースならもう少し調子が上がる筈ですし、雨の可能性もあるので自分たちにとってはチャンスかもしれないですね。
■9列目
●17番グリッド)ジャンカルロ・フィジケラ フォース・インディア VJM01
100分の5秒差でQ2への進出を逃しました。本当に僅差でしたね!ただ、Q2に行けなかったのは少し残念ですが、自分の全力は尽くしたつもりですし、いいラップ周回ができたとは思っています。
Q2進出が可能な16位までたった100分の5秒差ですから、この結果を励みにするべきでしょうね。それにあのセッション中のトップとの差も1秒未満でしたから、今後に向けてはとてもいい兆候が得られていると思います。
ここまでのチームの活躍も素晴らしいです。もちろんまだやる事だらけですが、確実に正しい方向に進めているのはとてもいい事ですよ。
●18番グリッド)セバスチャン・ブルデー トロ・ロッソ STR2B
2回目のアタックの時には15番手につけていたし、車の感触も良かったのでQ2への進出は可能だと思っていましたが、次の2コーナーでブレーキに問題が発生したんです。ブレーキを何度も踏み直しましたが、4コーナーでまたペダルが沈んだまま戻ってこなくなり、どうする事もできなくなりました。
昨日はあまり走れていないし、厳しい週末になりましたね。希望していたような場所からもスタートできなくなりました。できれば明日はもうちょっと運に恵まれたいと思っていますが、天気が崩れたらそれもあり得ますよ。
■10列目
●19番グリッド)佐藤琢磨 スーパーアグリF1 SA08A
この状況下においてもチームの仕事ぶりは今回も素晴らしかったですよ。午前中は予選のシミュレーションを行う中でいいタイムを残す事ができましたし、車のバランスにも満足できました。
予選の最初の周回の時はグリップ・レベルがものすごく低く、おまけにコース上の混雑にも巻き込まれましたが、最後のアタックの時は全力走行を維持できましたし、楽しんで走る事ができました。
明日は必ずいいレースができるようにしたいですね。
●20番グリッド)エイドリアン・スーティル フォース・インディア VJM01
いい予選とは言えませんでしたね。ただ、午前中のプラクティスの時もあまり調子が良くなかったので、予想通りの結果だったというのが正直なところです。
今回もソフトタイヤの使用時に問題が多く、ソフトタイヤと組み合わせると車が正しい挙動を示さなくなるんです。車の感触は良くなっていますが、あのタイヤでは他の車とまともにレースを戦う事ができません。
レースで長距離を走り込んだ後なら少しはましになるとは思いますが、メルボルンの時の方が車の感触は良かったです。
■11列目
●21番グリッド)アンソニー・デビッドソン スーパーアグリF1 SA08A
今日の予選も自分たちにとっては難しい状況でしたが、前回のレースの時よりはほんの少しだけ改善されたと思っています。
セッション中盤での走行はいい感じでしたが、終盤は車のバランスを探るのがうまくいかずに苦労しました。
●22番グリッド)中嶋一貴 ウィリアムズ FW30
ラップタイムの差が少ない難しい予選でしたね。1回のミスでQ2への進出がだめになりました。いずれにしても明日はグリッド降格のペナルティー(注:開幕戦でのクビサへの追突)が課せられるので、レースでは安定した走りを心がけて完走を狙うつもりです。
性能面を考慮した上でどんな戦略がいいのかこれから検討する予定ですが、難しいレースになる事は間違いないでしょうね。
|