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ドイツGP初日、またもポールレコードを初日に破ったストーナー
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インテリマーク編集部
  2008年7月12日

2008年MotoGPシーズン第10戦目となるドイツGPが、7月11日(金)にザクセンリンク・サーキットにおいて初日のセッションを迎えている。ここでは、終日ドライ・コンディションに恵まれ、午後には路面温度が急激に上昇したドイツGP初日のMotoGPクラスにおけるフリー・プラクティスの概況と総合結果を紹介する。
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■アリーチェがドゥカティー・ワークスとほぼ同仕様のGP8を入手

ドイツGP初日の新着トピックとしては、ヤマハ・ワークスがロッシのマシンの電子制御システム用に新しいソフトウェアを持ち込んだ事、ならびにアリーチェ・チームがドゥカティー・ワークスと同等仕様の改良型マシンを今回のザクセンリンクから投入している事などがあげられるが、ロッシについては今回のドイツではどうやらその新しいソフトウェアの使用は見送る構えだ。
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■MotoGPクラスのドイツGP出場ライダー数は17名

なお、前回のオランダGP予選中の高速転倒により左足に重傷を負ったジョン・ホプキンスが今回のドイツGPと次戦のアメリカGPを欠場する事が決定しており、カワサキは次戦のアメリカではホプキンスの代役ライダーとしてAMAライダーのジェイミー・ハッキングを起用する予定だが、今回のドイツでは特に代役を立てずにアンソニー・ウエストの1名体制となっているため、今回出場のレギュラー・ライダー数は17名となっている。
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リズラ・スズキのロリス・カピロッシは予定通り今回のドイツGP初日から走行に復帰している。


■ドイツGP初日の転倒者や怪我人の状況

昨年と同様に今年のドイツGP初日も転倒者が相継いでいる。午前中はセッション序盤にジェームス・トーズランド、セッション終盤にアンソニー・ウエストが転倒、午後にはセッション開始直後にペドロサとドヴィツィオーゾ、セッション終盤にはストーナーとエドワーズが最終区間で転倒している。
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トーズランドはグラベル内で両腕にあざを何ヶ所も作り、ウエストは背中と左腕を打撲、ストーナーは右足首を痛めたが、2日目の走行に影響がでる程の深刻な怪我を負ったライダーは幸い1名もいなかったようだ。なお、昨年も一部のライダーから苦情が出ていたが、今年のザクセンリンクもグラベル内の砂利のサイズが大きく、今回のトーズランドやウエストがその例だが、転倒後に石などで怪我をするライダーが目立っている。


■MotoGPクラスの初日のフリー・プラクティス総合結果

以下に、7月11日に行われたドイツGP初日の2回のフリー・プラクティス(FP1,FP2)の総合結果を示す。午前のセッション(FP1)開始時の気温は23度、路面温度は25度、湿度は47%、午後のセッション(FP2)開始時の気温は30度、路面温度は41度、湿度は31%だった(両セッション個別の結果はこちらの結果表を参照の事)。
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1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分21秒582
2) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分21秒993
3) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分22秒463
4) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分22秒617
5) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分22秒759
6) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分22秒894
7) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分22秒922
8) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分22秒975
9) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分22秒999
10) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分23秒116
11) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分23秒209
12) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分23秒274
13) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分23秒366
14) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分23秒411
15) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分23秒452
16) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分23秒698
17) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分23秒864

ザクセンリンクのサーキットレコード(レース中)は2007年にダニ・ペドロサが記録した1分23秒082、ベストラップレコードは今回ケーシー・ストーナーがFP2で記録した1分21秒582。旧ベストラップレコード(予選タイヤ)は2006年にダニ・ペドロサが記録した1分21秒815。


■ドイツGP初日の各チームの概況ならびに各ライダーのコメント
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以下に、ドイツGP初日のセッションを終えたMotoGPクラス各チームの状況、ならびに各ライダーのコメントなどを紹介する。


■ドゥカティー、またも初日にポールレコードを上回ったストーナー

ドイツGP初日のフリープラクティス総合トップタイムとなる1分21秒582を記録したのは、またもドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。前回のオランダGPに引き続き、ストーナーは今回も初日から過去の予選タイヤにおけるポールポジションレコード(2006年にダニ・ペドロサが990ccマシンで記録した1分21秒815)をレースタイヤで0.233秒も上回っている。
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■午後の終盤に転倒したストーナー「予想外の転倒、何一つ対処できなかった」

この日のストーナーは終日フロントまわりのセッティングに時間を費やし、ブリヂストンタイヤの性能を最大限に引き出す事に作業を集中している。また、ストーナーは午後の最後の周回において転倒を喫しているが、その時までに予定の作業は全て完了していたため、特に2日目以降の作業への影響はない様子だ。
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「今日の転倒に関してはかなり幸運だったと思う。右の足首が少し痛むが、特に深刻なものではない。フロントは何も不安な挙動を見せなかったのに、突然はじき飛ばされるような形で転んだので、全く心の準備ができていなかった。バイクを限界まで倒し込むような事はしていなかったし、フロントを失うような状況ではなかったので、ひざを立てて転倒を防ぐような対処を取る暇もなかった。そもそも転倒する事など予想もしていなかった」とストーナー。

「少し奇妙な状況だった。ただ、たまにはそんな事も起こるし、今日は他の面では非常に良好だった。午前中はフロントタイヤの耐久性に少し苦しんだが、午後までにバイクのセッティングを全て変更してその問題は解決する事ができた。その後はさらに速く快適に走れるようにする事に力を注いだが、それもうまくいき今のバイクの調子は本当にすごく良好」

■メランドリはストーナーから2秒遅れの総合16番手
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今週もチームメイトのストーナーが好調なスタートを切る一方、マルコ・メランドリは初日のフリープラクティス総合16番手となる1分23秒698という、ストーナーから2秒以上遅いタイムを記録して1日目の作業を全て終えている。

午後に少し前進が得られたというメランドリは、一部の区間では午前中よりもタイムを若干削る事に成功しており、改善の兆しを維持するために2日目以降も安定した路面状況に恵まれる事を望んでいるようだ。

「高速区間でのバイクの調子は午前の時よりも良くなった。ただ、低速区間に関しては今も戦えるレベルにはないので、今後も第1区間と第2区間に焦点をあてて、バイクを曲がりやすくする作業を進めていく必要がある。残りの2日間はコーナー進入に向けての改善作業を進めたいので、ドライであろうとウェットであろうと路面状況が不安定にならない事を願っている」とメランドリ。

■今週はドゥカティーと共にパドックで過ごすシェル石油の研究チーム
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なお、今回ドゥカティー・チームのパドックにはシェル石油の研究機材を積み込んだトラックが停車しており、ドイツのレースウイークを通してドゥカティー・チームと共に潤滑剤やガソリンのテストを行う予定だという。このテストを通してシェルは燃料やオイルをデスモセディチ用に最適化し、さらには市販製品にその成果を反映する事が最終目的のようだ。シェル石油が研究機材を持ち込んでレースウイーク中の作業に参加するのはMotoGP史上これが初めての事だという。


■サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ、デ・アンジェリスが総合2番手タイム
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この日の2回のセッションを通してストーナーに次ぐ2番手につける好調な走りを見せたのは、1分21秒993の初日総合2番手タイムを記録したサンカルロ・ホンダ・グレッシーニのアレックス・デ・アンジェリスだった。チームメイトの中野選手も初日の総合7番手タイムとなる1分22秒922を記録しており、グレッシーニ勢は順調なグランプリ初日を過ごす事に成功している。

■デ・アンジェリス「さらに大きく改善は進む」
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この日は終日一貫して速いペースを維持し、ストーナーと共に初日から1分21秒台に突入したデ・アンジェリスは「ザクセンリンクは自分と相性のいいサーキットなので、ここでは最初からいい結果を期待していた。ただ、午前の最初のプラクティスからここまで速く走れるとは正直思っていなかったし、午後についても予想以上だった。さらに大きく改善を進める上でまだいくつかアイデアもあるし、この結果には本当に満足している」と述べ、2日目以降の走りにも自信を示した。

■中野選手「明日はさらにコンマ数秒削りたい」
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最高峰クラスのデビューイヤーにザクセンリンクでは2番グリッドからスタートして3位の初表彰台を獲得するなど、ドイツを得意とする中野選手は「初日のフリープラクティスの内容にはとても満足。いいペースで走れているし、走り込んだ後のタイヤでもラップタイムは良かった。上位のライダーたちが若干速いのであとコンマ数秒は削れるようにしたいが、明日にはその目標に到達できるよう頑張りたい」とコメント。

■グレッシーニ監督「チームを誇りに思う」
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サンカルロ・ホンダ・グレッシーニのチーム監督を務めるファウスト・グレッシーニは初日の結果について「今日はアレックスが2回のセッションを通して素晴らしい結果を残したので非常に満足。彼の自信にもつながった事と思う。真矢もまた本当にいい走りを見せてくれたし、彼の作業内容についてもとても満足している。今日のこの場を利用してチームのメンバー全員と、わたしたちを支えてくれているサンカルロやブリヂストン、それにホンダなどの協力企業の方々全てに深い感謝の気持ちを述べたい。今回の結果はその全員が一緒に努力してきた事の成果であり、わたしはこのチームを誇りに思う」と述べ、深い喜びの気持ちを表明している。


■ヤマハTECH3、エドワーズは総合3番手、トーズランドはコース攻略に苦しみ最後尾
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ドイツGP初日の総合3番手タイムとなる1分22秒463を記録したのは、今期は好調な成績をシーズン序盤から持続し現在のランキング5位につけるヤマハTECH3のコーリン・エドワーズだった。一方、チームメイトのジェームス・トーズランドは初のザクセンリンクの独特な低速レイアウトに苦しみ初日の自己ベストは1分23秒864、総合タイムは17番手に沈んでいる。

なお、この日は2名が揃って転倒しており、トーズランドは午前の序盤に転倒、エドワーズは午後のタイムシート上の2番手につけていた時点の最終コーナーで転倒しているが、揃って特に大きな怪我はなかった。

■エドワーズ「ザクセンリンクの初日としては過去最高の仕上がり」

この日の午前中はフロントの感触を改善できずに苦しんでいたエドワーズだが、午後に入ってからはマシンの感触が大きく改善し、フロントとリアの両方に自信が持てる状態になった事を以下の通り説明している。
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「午前中はあまりフロントの接地感が得られなかった。グリップに少し問題があると思ったのでセッティングをあちこち調整したが、午前はあまり大きな改善が得られず、フロントとの一体感が感じられなかった。午後にタイヤを変更して少し硬めのものを選んだら感触は良くなったが、それは以前に一度も試した事がないタイヤだった。ここはフロントに厳しいサーキットなのでミシュランは通常とは異なるレースタイヤを持ち込んでいた訳だが、ちょっと自分には馴染みのない感触だったし、数周走っていいラップタイムを刻んだ直後に転倒してしまった。特に焦って攻め込んでいた訳でもないのに、何の前触れもなく転んだ」とエドワーズ。

「ただ、その後はミシュランとチームがいくつかのアイデアを試し、フロントの感触が良くなって楽に22秒台が出せるようになったので、ミシュランと自分のクルーには本当に感謝している。いつもここでは初日は悪夢のような思いをするが、金曜日にここまでバイクの調子が良くなった事はかつてなかったし、ミシュランがリアタイヤに施してくれた仕事は魔法のように素晴らしかった。フロントの感触も良くなってきたし今はすごく自信がある」

■トーズランド「結果表で見るほど状況は悪くない」
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初のザクセンリンクのコース攻略とマシンのセッティングに苦しみ、タイムシート上の最後尾でドイツ初日のセッションを終える事になったジェームス・トーズランドは、結果で見るほど状況は悪くはないと述べながらも、いくつかの点で課題を抱えている事を以下の通り説明している。

「ここは本当にテクニカルなサーキットだし攻略が難しい。ブライドコーナーが多い上にそれらを通過する時にはスロットルを開けっ放しにしなければいけないので、先がどうなっているのか正しく知っている必要がある。今日は2種類のセッティングを同時に試したが、少なくとも今後の作業の方向性をつかむ事はできたし、結果表で見るほど自分の状況は悪くない」とトーズランド。
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「タイムシート上では最後尾だが明るい兆しは見えてきたので、明日もドライになる事を祈っている。一番の問題はホイールベースが短くなったバイクのセッティングに苦しんでいる事。ロングホイールベースの時よりセッティングは見つけやすいが、いくつか問題点がある。以前にもショートホイールベースのバイクで同様の問題を抱えたが、荷重の移動が大きすぎてコーナー進入時のブレーキング中にリアから感触が得られなくなる。午前中の3ラップ目の転倒は自分のミス。左コーナーへの進入時に白線に触って一度トラクションを失ってからアスファルトに戻ったのが転倒の原因。グラベルの石が大きいので両腕が黒と青あざだらけになってしまった」


■フィアット・ヤマハ、新型ソフトウェア実戦投入は見送り
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この日の総合4番手となる1分22秒617を記録したのは、2005年と2006年にはヤマハで2年連続の勝利を記録したザクセンリンクにおいて、昨年は無念の転倒ノーポイントに終わっているフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだった。また、中国GP以降の度重なる怪我の影響からやっと解放され、通常のトレーニングがやっとできるようになったというチームメイトのホルヘ・ロレンソは、総合6番手タイムとなる1分22秒894を記録し初日の2回のセッションを終えている。

なお、今回のドイツにヤマハ・ワークスは新型の電子制御用ソフトウェアを持ち込んでいるが、ロッシのコメントによれば今週中に試す機会はなさそうだという。

■ロッシ「今日の午後は作業の方向性を間違えた」
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ホンダ時代からザクセンリンクを苦手なサーキットとしてあげるロッシは、この日の午前中は好調だったものの、午後に入ってからはセッティングの方向性を誤り、最終的に午前の自己ベストを午後に更新する事ができていない。

「今日のプラクティスの内容には当然満足できていない!午後はバイクに変更を施し柔らかめのセッティングを試したが、期待通りの効果が得られず午前のタイムを更新できなかった。高速コーナーで十分に速度が得られず、常に少し大回りになってしまうので、今日の午後は自分の思い通りに走る事ができていない。午後の作業が正しくなかった事は間違いないので、明日の午前はセッティングを元に戻してケーシーとの差を縮められるように頑張るつもり」とロッシ。

「今日は新しい電子制御システムは試していないし、どうやら今週中に試す機会はなさそう。ブリヂストンの新しいタイヤは試したが、レースに使えそうなものが1本見つかっている。いずれにしても自分たちの本来の実力が今日の結果よりも高い事は間違いないので、明日は全力を尽くしたい」

■体調はほぼ回復したロレンソ「問題はストーナーのタイム」
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今年に入ってからの怪我はほぼ完治する方向にあるロレンソだが、チームメイトと同様に小排気量時代からザクセンリンクは苦手としており、一度もドイツでは過去に勝利を経験していない。午前中にロレンソは低温路面の影響からリアのグリップが得られずに苦しんだが、午後に入って路面温度が30度以上に上昇してからはコンマ5秒近く自己ベストを更新する事に成功し、最終的には6番手に浮上している。

「過去の数レースの時よりも今回は自信が持てるように感じている。さらに攻めの走りをする上でこの感覚が得られたのはいい傾向だと思う。午前中はリアのグリップに問題を抱えたが午後に改善できて嬉しかった。ただ、バイクのセッティングはまだ完璧とは言えない状態だし、本来はもっと速く走れる筈。一番の問題はストーナーとのギャップの大きさ。彼がどうして自分たちよりもここまで速く走れているのか理解に苦しむ!」

「この状況から考えて、いくら走りの感触が良くてもマシン本来の性能が出し切れていない事は明らか。もっとパッケージ全体を調整していく必要があると思う。もちろん自分自身がもっと自信を回復して走りのレベルを上げていく必要もあるし、このコースをMotoGPバイクで走る事にさらに慣れていく必要もある。明日は上位とのタイム差を縮められる事を願っている」


■レプソル・ホンダ、ペドロサは午後の転倒でメインバイクを失い総合5番手
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初日2回のフリー・プラクティスにおける総合5番手につけたのは現在のポイントリーダー、午前中に1分22秒759の自己ベストを記録し午後にはそのタイムを更新できなかったレプソル・ホンダのダニ・ペドロサだった。チームメイトのニッキー・ヘイデンは初日総合8番手の1分22秒975を記録。

■ペドロサ「セカンドバイクでは思い通りに走れなかった」
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ペドロサは午前中にはタイムシート上の4番手につける好調さを見せていたが、午後はセッション開始10分後に高速12コーナーで転倒を喫し、セカンドバイクに乗り換えている。メインバイクとは異なるセッティングに苦しんだペドロサはその後にタイムを更新する事ができなかった。

「午前はいつも通りマシンのセッティングとタイヤのテストに着手したが、タイヤは29度の路面温度でもうまく機能していたし感触は良かった。午後に12コーナーで転んだのはブレーキをかけるのが遅すぎたからだと思う。特に怪我はなかったので、その後はセカンドバイクに乗り換えたが、そこまでのいい感触が見つからなくなり、思い通りの速さで走る事ができなくなった。明日はセッティングをさらに改善してタイヤをロングランで試したい。ここは路面温度がすごく高くなるので様子を見ていく必要がありそう。今日の午後は40度以上に達していた」

■ヘイデン「ラップタイムだけ見れば去年の予選タイム以上」
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従来型のスプリング・バルブ・エンジンで戦うペドロサとは異なり、イギリスからは新型ニューマチック・バルブ・エンジンを実戦に投入しているニッキー・ヘイデンは、この日の午前と午後の両方共に8番手タイムを記録している。2日目以降のさらなる改善に期待したいとヘイデンは語る。

「今日は平均的な内容だったが、もちろん両方のセッション共にもっと上位が狙いたかった。午後にはハンドリングを若干改善する事ができたのでタイムを削る事はできたが、それでも結果は8番手だった。このサーキットは1周が短いのでコンマ数秒が大きく影響する。明日の改善に向けてアイデアはいくつかあるが、良い結果に反映するには大幅な改善が必要なのは確実。過去にここではいい成績を残しているが、常に初日は苦しみ、その後に調子が上がっているので、今年も同じ事が期待できるか見ていきたい。最近はどのサーキットでもラップタイムだけなら去年の結果をかなり上回る傾向にある。実際、今日のタイムはすでに去年の予選タイムを上回った」


■午後は路面温度の上昇に苦しんだJiRチームスコット
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初日の総合9番手タイムとなる1分22秒999を記録したJiRチームスコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、午前中はタイムシート上の5番手につけていたものの、午後のセッション序盤には最終区間の高速コーナーで転倒、その後は路面温度の上昇の影響もあり他のチームと比較して改善が大きく進まずポジションを4つ落とす結果となった。

■ドヴィツィオーゾ「転倒による作業への悪影響はなし」

初日の順位はあまり高くなかったドヴィツィオーゾだが、この日の作業内容には満足しており、転倒による作業への悪影響もほとんどなかったと以下の通り説明している。
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「ザクセンリンクでの初日の内容は良好だったと言える。午後には路面条件の変化と転倒の影響はあったものの、午前中は5番手につけていた。転倒は予想がつかず、何の前触れもなかったが、幸い怪我は全くなかった。それで時間をロスしたが、いずれにしても路面温度がひどく上がっていたのでタイムの改善は難しかったと思う。午前の作業内容にはとても満足できている。午後の転倒後はバイクの感触を取り戻すのに時間がかかったが、サスペンションのセッティングを比較する事はできたし作業の方向性も正しくつかめたので何も問題はない」とドヴィツィオーゾ。


■ホンダLCR、特に問題を抱えず順調な1日を過ごしたド・プニエ

午後のセッション中盤には2日目の予選に向けてのセッティングの方向性を探ったというホンダLCRのランディ・ド・プニエの初日のフリー・プラクティス総合順位は10番手、タイムは1分23秒116だった。
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■ド・プニエ「レースペースはすでに悪くない」

この日に試したリアタイヤが気に入ったというド・プニエは、「特に今日はバイクのセッティングに大きな問題は見つかっていないし、午後には自己ベストを更新する事ができた。総合4番手のロッシとのタイム差はコンマ4秒以内だが、上位のライダーとの差をもっと削るにはいくつか調整を施す必要がある。ここはコースが狭いのでタイムを改善するのは楽ではないが明日に向けては自信が持てる。今日試したリアタイヤはとても調子が良く、1分23秒台を安定して維持する事ができているので、今のレースペースはすでに悪くない」と述べ、調子は特に悪くない事を説明している。


■マシンがドゥカティーワークスと同等レベルになったアリーチェ・チーム
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ドゥカティーからデスモセディチGP8用の新型パーツを今回のドイツから提供されたアリーチェ勢の初日の総合順位とタイムは、シルバン・ギントーリが総合11番手の1分23秒209、トニ・エリアスのタイムは総合13番手となる1分23秒366だった。

アリーチェ・チームはイギリスGPでは新型のトラクション・コントロール、今回のドイツでは新型の吸気装置などをドゥカティーから提供されており、現時点においてほぼストーナーとメランドリが乗るワークス・マシンと同レベルの性能になったとアリーチェ・チームは説明している。

■好感触を示すギントーリとエリアス「乗りやすくなった!」
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今回から導入された新型パーツについてシルバン・ギントーリは「新しいパーツのおかげでバイクはすごく乗りやすくなった。マシンのレスポンスが良く、一貫したペースで走りやすい」と述べ、またエリアスは「今後に期待が持てる。改良パーツのおかげでバイクは大きく進化したので、明日はもっといい走りができると思う」とコメントしており、2名揃って初日から好感触を示している。


■リズラ・スズキ、復帰を喜ぶカピロッシ、改善が進まず苦しむバーミューレン
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ファンのためにチーム・カラーの巨大な旗(20メートル×10メートル)を用意し、それをグランプリ初日に集まったドイツのファンにプレゼントしたリズラ・スズキ勢のこの日の総合順位とタイムは、ロリス・カピロッシが総合12番手の1分23秒274、クリス・バーミューレンは総合14番手の1分23秒411だった。

■カピロッシ「今日は自分自身との格闘だった」
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イギリスGPでは右の手のひらを骨折、前回のアッセンでは右前腕部に大きな傷を負ったロリス・カピロッシは、縫い合わせた傷口の痛みに苦しみながらも今回のドイツGP初日から予定通り無事にセッションに参加している。カピロッシはこの日の夜には医療センターでさらなる治療を受け、翌日の予選と日曜日のレースに向けて体調を整える構えだ。

「体調の問題から、今日はバイクだけではなく自分自身との格闘になってしまったので、何よりも先にチームには本当に申し訳なかったと言いたい。ただ、体調と戦いながらもここに戻って来られた事が本当に嬉しい。ここでのバイクの調子は悪くないので、今は自分の体調を100%に戻したいだけ。チームは午前中に素晴らしい仕事をしてバイクの調子を大きく改善してくれた。明日も同じ調子で作業を進めたいし、もっと戦闘力を高められるのは間違いない」とカピロッシ。

■バーミューレン「まだやる事だらけ」
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バーミューレンは午前のマシンの調子には満足する事ができたとしているが、午後に入ってからはセッティングの改善作業に苦しんでいる。午後のセッション中、バーミューレンは何度もセッティングに変更を施したが、最後まで期待通りの効果は得られず、最終的にはマシンを午前の時の状態に戻す結果となってしまったようだ。

「今日は午前中が好調だったにしても、全体的に見てあまりいい1日だったとは言えない。午前に路面温度が低かった時のタイヤの耐久性はとても良かったが、午後に入って路面温度が上がってからは調子が下がってしまい、いくつかの事を試したが、結局は午前の時のセッティングに戻す事になった。今日は改善を進める事ができなかったので、明日に向けて今晩はまだ多くの作業が残っている」


■ホプキンスが欠場のカワサキ、ウエストが午前中に高速転倒を喫し背中を負傷
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ジョン・ホプキンスが前回のアッセンの怪我の影響により夏休み前のグランプリを全て欠場する事となったため、カワサキ・レーシング・チームは今回のドイツGPにはアンソニー・ウエストの1名ライダー体制で挑む事となった。この日のウエストのタイムは総合15番手となる1分23秒452だった。

ウエストは午前中にストレートでのブレーキング時の安定性に問題を抱えた事からその問題解決に取り組んでいたが、その中で高速左カーブの6コーナーに230km/hで進入した際にフロントを失い転倒、グラベル内で背中と左前腕部を負傷している。

■午後には走行に復帰したウエスト「高速区間では背中が痛かった」
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午後にウエストは走行に復帰し、その後はセッティング全体の改善が進んだ事から午前に抱えていたブレーキング時の問題は良くなったが、負傷した背中が痛む事から高速コーナーでは方向転換をするのが難しい状況だったという。

「グラベルを転がり始めた時に背中を痛めたので、グラベルに何かが埋まっていたんだと思う。午後のセッション中にも少し痛みがあり、特に高速区間ではバイクの向きを変える際に体重移動が必要なので辛かった。今晩に背中の治療を受けるが、明日への影響は特にないと思う」とウエスト。

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