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2008年5月4日
本日5月4日午後の中国GP決勝レースに向けて、2日目の予選を終えたばかりのMotoGPクラスの上位グリッド13名のライダーの詳細コメントを以下に掲載する(予選詳細レポートはこちらの記事を参照)。
■1列目
●ポールポジション)コーリン・エドワーズ ヤマハTech3 YZR-M1
チームとヤマハ、それにミシュランには本当に感謝しなくちゃいけないですね。昨日はひどく苦しみましたが、今日は本当にうまくいきました。昨晩はチームと日本のヤマハのスタッフが一緒になってバイクの調子をどうやって上げていくか必死に作戦を立ててくれたんです。おかげでバイクの感触は昨日と全く違うものになりました。
今回のセッティングは自分がヤマハに来てから一度も試した事のない種類のものでしたが、昨日の問題点を説明したところでそれを提案されたんです。最初に聞いた時には『何すんの?』って思いましたよ。昨日はトラクションの分野にひどく苦しんだんで、実際はその部分だけ改善してもらえればいいと思っていたんです。
結局、リア側の重量配分を増やすという大きな変更をマシンに施す事になったんですが、それがうまくいったんですよ。チームの大変な努力が身を結んだんです。だって今日の朝は走り出した瞬間にすぐにその時点の2番手につける事ができていましたからね。昨日抱えていたようなフロントの問題も全く見あたらなくなり、すごく楽に乗れました。50%程度だった感触レベルが一気に95%まで上昇していたんです。
最初に試した2本の予選タイヤは悪くはありませんでしたが、なんだかコンピューターゲームをやってるような気分でしたね。透明のライダーに逃げられて、ずーっとそれを追い続けているような感覚でした。要するに、自分が本来ならどんな走りをするかが分かっているのに、スロットル操作がその通りにはできないという感じだったんです。
その後、最初の区間でコンマ3秒もタイムが縮み、そこからはいい走りをする事ができましたが、取り立ててうまくいったという実感は無かったんです。だから今はすごく変な気分です。特にリスクを冒した気もないし、いつもと同じように普通の走りをしたつもりでしたからね。全ての瞬間がすごくゆったりと落ち着いた感じでした。ミシュランの予選タイヤはすごいですよ。
レースは激しい内容になると思います。まだ自分はレースタイヤで59秒台を出していませんが、ケーシーとバレンティーノは安定して59秒台のペースで走れるみたいですから、とにかく今回はスタートをうまく決めて彼らについていくだけですね。
●2番グリッド)バレンティーノ・ロッシ フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1
この順位にはすごく満足です。エストリルでは予選3位、ここでは2位ですから、次戦はさらに上を狙いたいところですね!
ここでは金曜日の午前からずっと速く走れていますし、チームやブリヂストンと一緒に予選タイヤでの最近の状況を改善できるように必死に頑張ってきましたから、その成果として自分たちはこのポジションに辿り着けたんだと思います。
今日は楽しんで走れました。ライバルたちと十分に戦う事もできましたし、おまけに、このサーキットでの最大限の走りに挑戦するチャンスにも恵まれましたね。58秒5を記録した時にはポールが狙えると思ったのに、そこでコーリンに58秒1を出されてしまいました。ちょっとそのタイムは自分たちにとっては酷な数字でしたね!
いずれにしても、特に明日は天気が雨になるのかどうかはっきりしませんから、今回重要だったのは1列目を確保できた事です。素晴らしい仕事をしてくれたメカニックたちに感謝したいと思います。今は明日の天気が最後まで持つように祈るだけですね。
●3番グリッド)ケーシー・ストーナー ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8
まず最初にチームに対して深く感謝の気持ちを伝えたいです。カタールでいい結果を残した後のヘレスとエストリルが厳しい戦いになる事は最初から分かってはいましたが、まさかあそこまで苦戦するとは思いもしませんでした。
でも、そんな状況にもかかわらず誰1人として焦る事なく、全員が落ち着いていましたから、これが素晴らしいチームである事の明かしだと思いました。そのおかげでパニックに陥る事もなく明確な目標を持ち続けて今回の結果に辿り着けましたし、抜本的な調整をバイクに加える事にも成功したんです。
昨日はこのコースに合ういいベースセッティングを見つける事ができましたし、フロントの感触がものすごく良くなったおかげで、今日はリアのグリップをさらに良くする事に作業を集中する事もできました。まだ完璧と言える状態ではありませんが、ラップタイムはすでにいいし、自分たちの競争力の高さを再認識できた事が今回は素晴らしかったと思います。
また、予選タイヤの競争力をここまで高めてくれたブリヂストンにも感謝しています。そのおかげで今シーズン最初の1列目を確保する事ができました。
今は明日の天気の様子を見る必要はありますが、ここでは2005年のウェット・レースでも250cc時代に優勝していますし、去年はMotoGPでドライでも勝ちましたから、特に何も恐れる事はないと思っています。
■2列目
●4番グリッド)ホルヘ・ロレンソ フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1
昨日の感覚では、まさか今日この結果を残す事ができるなんて想像すらできませんでした。実際、今日バイクに乗れると信じる事以外には何もできない状態でしたからね。
この順位は自分にとっては本当にすごい結果ですし、もう1回ポールポジションを取ったのと同じくらいの感覚です。痛みはありますが、それでもかなりの自信につながりましたね。
今からは身体に気をつけて、明日は自分の最善を尽くすまでです。レースがどうなるかなんて事は誰にも分かりませんよ。両方の足首に激しい痛みがあり、左足はギアを押し下げるのが難しいし、右側に方向転換するのも大変な状態ですが、それでも、やればできる事を今日は証明しました。
昨日の転倒は本当に大きかったです。恐らく自分のレース経歴の中でも一番激しい事故だったと思いますが、まだ最悪な怪我にならなかっただけ運が良かった方だと思っています。クリニックの医師の方たちは本当に頑張って自分を助けてくれているので、これからまたあそこに戻ってさらなる治療を受けてくるつもりです。
明日はもっと体調が良くなる事を祈っています。雨でも晴れでも、自分のできる限りの走りをするだけですよ。
●5番グリッド)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ・チーム RC212V
午前から午後にかけて改善を進める事ができています。ただ、レースタイヤではいいペースで走れますが、残念ながら予選タイヤではいつもの調子にまで到達する事はできていません。少しグリップが不足している感じでしたね。理由は分かりませんが午後には多くのライダーが転倒していました。
全体的な状況を考えれば、明日のレースを2列目からスタートできるのはそんなに悪い結果ではありません。ドライになればもう少し走行リズムを改善できると思いますが、最新の天気予報によれば明日は雨なので、今はレースをドライで戦える事を願うばかりです。
雨なら午前の20分間しかウェットの準備をする時間がありませんからね。
●6番グリッド)ロリス・カピロッシ リズラ・スズキMotoGP GSV-R
今日の結果には本当に満足できました。予選がうまくいったのは今回が初めてですからね。バイクのセッティングを正しくできるように頑張りましたが、今はレースタイヤを装着した時の調子がすごく良くなりました。
まだ明日のレースで使うタイヤの選択肢が2種類ほどありますが、それを午前中には決めたいと思います。予選タイヤとレースタイヤの両方がうまく機能してくれたし、レース用パッケージでの走行ペースもいいので、1列目に近いところからスタートできるのは有り難いですね。
天気予報通り雨になるとここまでの必死の作業が水の泡なので最悪ですが、仮にそうなっても勝利と表彰台を狙い続けるという自分たちの目標に何も変わりません。ここでそれを狙うのが大変なのは分かっていますが、全力で攻めの走りをする事だけは間違いありませんよ!
■3列目
●7番グリッド)ジェームス・トーズランド ヤマハTech3 YZR-M1
ここはポルトガルよりもかなり大変なサーキットですから、今週はもっと色々深く考える必要があったんだと思います。レースタイヤだけでは学習が不十分でしたね。予選タイヤに履き替えた途端にものすごいグリップが得られるようになり、全く別の知らないサーキットを走っているように感じるくらいのすごい速さが出たんです。
1本目の予選タイヤはセカンドバイクの方で試しましたが、クラッチを交換した後だったのでギアシフターに問題が出てしまいました。次の2本目のタイヤはメインバイクに装着して走りましたが、その時には連続左カーブではじき飛ばされそうになってしまい、足がステップから外れてスクリーンに頭から突っ込むというとんでもない目に遭いました。そこで2回目のアタックは終わりです。
それで残りのタイヤは1本のみになってしまいましたが、前の2本では予選タイヤでの攻め方を学習する事すらできなかったので、最後のアタックもあまりスピードを出す事ができていません。あるコーナーではブレーキを少し早めにかけすぎて大回りになったりもしました。まあ、初めて走るサーキットでは良くある事ですが。
今回の自己ベストを記録した瞬間は5番手でしたが、残念ながら最終的には2列目から押し出されました。初めてのサーキットでこのクラスを戦う時には簡単にそういう目に会いますね。
明日は雨でも晴れでも自信はありますが、まずはコーリンとチームを祝福したいと思います。彼の走りは素晴らしかったし、自分にとしてもコーリンがあれだけすごい走りを見せてくれるとパッケージの性能の高さが分かるので嬉しいですね。
そういう訳で、また自分が良く知っているサーキットを走れる時が待ちきれませんよ。
●8番グリッド)クリス・バーミューレン リズラ・スズキMotoGP GSV-R
今日は状況がかなり改善されました。ここまでの数々のテストや各セッションでの努力がだいぶ報われましたね。ブリヂストンが今回持ち込んでくれたタイヤの戦闘力もかなり上がっていましたし、そのおかげでいい走りができましたから、彼らには本当に感謝しています。
チームのクルーが今週は本当に良く頑張り、各セッションの中で主要な課題を解消してくれました。本当に泣きながら仕事している感じでしたけどね!予選中のレースタイヤでの戦いの時にはずっとトップ5内の位置を安定して維持できましたから、本当に彼らの努力が実を結んだんだと思います。予選タイヤでもかなりの結果が出せました。
3列目からのスタートですから色々忙しくはなるでしょうが、スズキは去年の上海でいい結果を残していますし、自分たちが高いレベルで戦える事は分かっていますので、明日のレースが楽しみです。当然全力で戦いますよ!
●9番グリッド)ランディ・ド・プニエ ホンダLCR RC212V
昨日はテクニカル・トラブルのせいで速く走れませんでしたが、やっとレースタイヤでもいいペースをつかめるようになりました。状況は大きく改善されましたから、今はさらに自信を持って走る事ができます。
今朝は午前のフリー・プラクティスの前にエンジン・マッピングを調整してブレーキング時の安定性を改善し、パワー特性もよりスムーズになるよう修正しました。他にはシャシーのジオメトリやサスペンションのセッティングなども調整しています。
予選タイヤでの最後の周回時に軽く転倒してしまいましたが、今回重要なのはレースタイヤでいいペースが得られている事です。まだ明日のウォームアップ・セッションでも調整する部分は残っていますが、すでに安定して速いペースで走れるようになっています。
2個所のコーナーでのフロントの感触をまだ改善する必要はありますが、今週の作業内容にはとても満足できています。チームの全員の大変な努力に深く感謝します。
■4列目
●10番グリッド)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ・チーム RC212V
予選はあまり計画通りに進みませんでした。序盤はレースタイヤでも上位に食い込めていたので悪くはなかったんですけどね。
最初の予選タイヤを履いた時には即座にトップに浮上しましたが、2本目のアタックの時には11コーナーで気安くフロントから攻め込んで転倒してしまい、あそこまではすごく速かったのにタイムを残す事ができていません。ここはコースがすごく長いので歩いたりスクーターに乗ったりしてピットに戻っている最中は時間が永遠に続くくらいに長く感じましたよ。
そこからは別のバイクに乗り換えてもう1回アタックしましたが、タイムを更新するには至りませんでした。午前中はフルレース周回をレースタイヤで走った時にものすごく調子が良く感じていたので、この結果は本当に残念です。午後のコースは少しだけ粘つくような印象がありましたね。だから多くのライダーが転ぶ事になったんだと思いますよ。
結局10番グリッドからのスタートというナイスな状況に陥りました。去年のバルセロナから今までずっと2列目以内のグリッドを逃した事はなかったんですけどね。明日は最初に何人かを交わして前に出るために最高のスタートが必要です。
●11番グリッド)アンドレア・ドヴィツィオーゾ JiRチーム・スコット RC212V
明日もまだ作業を頑張る必要はありますが、レースに向けての走行ペースはかなり高いレベルに到達できていると思っています。同じくらいのラップタイムで走れるライダーが多くいる事は分かっているので、その集団の中でいい戦いを見せる事ができるでしょうね。
予選序盤には転倒しましたが、すごく低速だったので怪我は全くありません。思い切り深く倒し込んだところでフロントを失いましたが、走行時間を少しロスした事以外には作業に大きな影響はなかったので良かったと思います。
予選タイヤ装着時のアスファルトのグリップレベルはものすごく高く、レースタイヤの時よりもラップタイムは大幅に縮みました。自分の走行ペースがものすごく安定していたのはいい兆候だと思っています。
このグリッドからだと明日はスタートがすごく重要になります。ここの1コーナーはカーブが長く、ブレーキを遅らせて順位を挽回できるような場所ではないので、今回のスタート位置はあまり理想的とは言えませんからね。
だから今回のレースで一番重要になるのはレース中のいい走行リズムです。過去2日間にチームが頑張って仕上げてくれたレース・セッティングを最大限に活用したいと思っています。
予選でも高い順位が狙えるようにする事の必要性を今のチームの誰もが認識しています。
●12番グリッド)マルコ・メランドリ ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8
やっと満足できたと発言できますよ!色んな理由からここまでの3回のフリー・プラクティスはうまくいきませんでしたが、今日の午後に入ってやっと全てが正しく機能してくれました。
ホイールスピンを減らすための重量配分の変更など、かなり重要な内容の調整を加えましたが、今回はうまく作業を進める事ができたと思います。おかげでかなり快適に走れるようになりましたからね。
予選タイヤ装着時には少し苦労しましたが、重要なのはレースペースです。明日の事については天気だろうとその他の何についても一切予想はしたくありませんね。今はこの調子をレースに入っても維持する事ができるのかどうか、それを知りたいだけです。
いつも通り、チームは常に今後を信じ続けて楽観的に構えてくれていますから、今回はレースでも今の調子を結果に結びつけられるよう願っています。
■5列目
●13番グリッド)中野真矢 サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V
フリー・プラクティスでは一貫して速く走れていたので、今日の予選の結果には本当にがっかりです。残念ながら高いグリッド位置が狙えた筈のラップ周回中に転倒してしまい、その後はセカンドバイクに乗り換えましたが以前の好感触は得られず自己ベストを更新する事ができませんでした。
5列目からのスタートは厳しいですね。ただ、自分の走行ペースは悪くないので自信はありますし、今は明日のレースの事だけを考えています。速い集団についていけるよう、スタートが成功するように気持ちを集中していきたいです。
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