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2008年開幕レース終了直後のMotoGPクラス全ライダーの詳細コメント |
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2008年3月13日
ここでは以下に、3月9日に行われた2008年MotoGPカタール開幕グランプリ終了直後のMotoGPクラス全ライダー、およびチーム関係者の詳細コメントを紹介する(カタールGPの決勝レース内容はこちらの記事を参照の事)。
■優勝)ケーシー・ストーナー ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8
素晴らしいレースでした。それにものすごく楽しかったですよ。なんだか125cc時代に戻ったような気分でしたね。
序盤の数周はかなり忙しい戦いでした。何人かはフェアリングをぶつけてくるし、その時はとにかく自分の走行ラインを維持する事だけを心がけていたんです。前に抜け出せるチャンスがあったので、そこでうまくすり抜けて、後は自分のペースで走る事に集中しました。
ホルヘの走りがすごかったし、特にスタートの時からそうでしたが、今回はどこをとっても楽とは言えないレースでしたね。
序盤の何周かはグリップが得られずに苦しみましたが、その後にタイヤの温度が上がってからは調子が良くなってきました。自分たちがレース用にパッケージをうまく仕上げていたのは分かっていましたが、あの調子で最後までうまく走りきれるという確信は今回持っていませんでした。
ドゥカティーとチーム、それにブリヂストンのメンバー全員の素晴らしい仕事ぶりに感謝するばかりです・・・。全員に感謝します。
■ブリジストン・モータースポーツタイヤ開発総括責任者 浜島裕英氏
技術的な観点から見て、今回のカタールはかなり厳しい挑戦でしたね。ですから、わたしたちのタイヤを履くケーシー・ストーナーとドゥカティーの勝利を今回再び見ることができたのは、もちろん素晴らしい事でした。
ただ全体的に見れば、レースタイヤと予選タイヤの両面において、わたしたちはライバルよりも性能面で苦しんだのは事実です。
レースタイヤでのフルレース周回を通して高い戦闘力を維持できたブリヂストンのライダーはケーシーのたった1人きりでした。彼は非常に素晴らしいラップタイムを記録していますが、わたしたちのタイヤを使用したその他のライダーの結果を見れば、まだ低温路面のコンパウンドに関しては多くの課題があるのは明らかでしょう。
また、なぜクリス・バーミューレンがフロントタイヤに問題を抱えたのか、わたしたちはこの問題に関する調査を継続して、スズキ・チームが原因を把握できるようにしたいと考えています。レースウイークやテストを通して、今回のような問題は他に例がありませんでした。
■2位)ホルヘ・ロレンソ フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1
デビュー戦でこれ以上にすごい結果なんて当然予想もしませんでしたから、今はとにかく今回の表彰台にものすごく興奮しています。2位は驚くべき成績ですよ。それにレースがとても楽しかったですね。
スタートと序盤の数周は狂ったような雰囲気でしたから、自分にとってはちょっと恐ろしくさえ感じましたね。でも、いずれにしても何人かのライダーを交わす事ができて何とか2番手に辿り着く事ができました。
その後はストーナーについて行こうとしましたが、しばらくしたらとても疲れてしまい、ひどい圧迫感と痛みを腕に感じたので、あれ以上激しく攻める事はできませんでした。
いずれにしても彼が誰よりも速かったです。今晩の勝利に値するのは彼ですので、彼を祝福したいです。
もう少しスタートがうまくできていれば、恐らく後半にあそこまで疲れる事もなかったし、最後までいいリズムが維持できた筈ですが、いずれにしても今夜以上の結果を望む事なんて無理だったと思いますね。
自分をこの位置に押し上げてくれたヤマハとミシュラン全員の冬季シーズンを通しての必死の努力に心から感謝しています。もちろん自分のチームのメンバー全員の頑張りにもです。
まだ最初の1レースが終わったにすぎませんから年間ランキングについては考えたくありません。今はこれからヘレスに向かってまた全力を出し切り、その後どうなるか様子を見ていくだけです。
■フィアット・ヤマハ(ミシュラン側)チーム監督 ダニエーレ・ロマノーリ
すごい週末になりましたね!
長い冬季シーズンを終えてやっとレースが始まり最高です。また、チームの全員がホルヘのこんなにすごいデビュー戦を見る事ができて本当に楽しんでいました。これ以上の結果など到底望めませんし、今回の彼は本当に素晴らしかったとしか言いようがありません。
彼にとって今後はもっと戦いやすくなるでしょうね。なぜなら、彼はこれでMotoGPのレースではどんな事が必要か実際に学ぶ事ができた筈ですし、またチームとしても今回のレースを通して彼のレース中の有益なデータをいくつか収集できましたから、パッケージの改善も進めやすくなりますからね。
チームとヤマハ、それにミシュランの冬季シーズンを通しての素晴らしい仕事ぶりと今晩の活躍に感謝します。そしてまた改めて、今夜のロレンソの走りを称えたいと思います。
■フィアット・ヤマハ・チーム・ディレクター 中島雅彦氏
ここの最大の問題点は路面温度でしたが、ミシュランは難しい課題を素晴らしい仕事ぶりで解消していましたし、彼らのタイヤは本当に高い性能を発揮しました。
ホルヘに向けていいセッティングを見つける事ができた事と、彼の最初のレースの内容には本当に満足しています。
こんなに若いルーキーが今回の激しいレース展開の中でここまで素晴らしい活躍を見せるのは本当に驚きですね。彼の2位表彰台という素晴らしい成績を心から祝福します。
■3位)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ・チーム RC212V
今夜の結果は信じられないですね。ここまでうまくいくとは思ってもいなかったので、すごく満足です。
1週間前のここでのテストの時はほとんど最後尾でしたが、チームがあれから本当に真剣に頑張ってくれて、2007年型と2008年型の両方のバイクを持ち込み、多くの調整を加えてくれたんです。彼らの仕事ぶりは本当に素晴らしかったですよ。
今回初めてHRCの真価とその伝説の意味を理解しました。自分がその一員でいられる事を本当に誇りに思います。彼らは高い戦闘力のマシンを提供してくれましたし、ミシュランタイヤもすごく良かったです。今回は自分の全力を出し切る事ができましたが、彼らの存在なくしてそれは不可能でした。
手の調子はレースの中盤から終わりにかけてものすごく悪くなり、手がずっと震えた状態になったので完璧なブレーキングをする事ができなくなりましたが、それでも今回はレースを完走できた事が一番大きかったです。次戦までに手の調子はもっと良くなっている筈ですからね。
スタートは自分でも驚くほどうまくいきました。あんなスタートができるなんて想像すらしていなかったし、1コーナーまでに全員を追い抜く事ができたので、その後はひたすら激しく攻めて走りました。
ロレンソとストーナーについて行く事はできませんでしたから、まだ改善を進めなければいけませんが、先週のテストの事を思えばかなりの進歩を達成できたと思っています。
これで次回のヘレスまでは数週間ありますので、手の力を完全に取り戻すために時間を使えます。
■4位)アンドレア・ドヴィツィオーゾ JiRチーム・スコット RC212V
今回の初めてのレースにものすごく感動しています。トップとここまで僅差のまま速いペースで走りきれるとは夢にも思わなかったし、イタリア人の中ではトップですから本当に嬉しいですね!
スターティング・グリッドの位置があまり良くなかったので、表彰台の事は本当に全く考えていませんでした。
スタート直後から激しく攻めて、トップ集団に残るを考えながらながら、レース中は前のライダーについて行く事だけに集中していました。ミシュランにはタイヤの組み合わせについて色々注文しすぎたかもしれませんが、おかげでレース中のタイヤの挙動はものすごく良かったですよ。
このレースウイークを通して素晴らしい仕事を見せてくれたチームに感謝したいと思います。予選では少し苦しみましたが、そこからレースまでの流れはものすごくいい方向に向かいました。
MotoGPクラスでもホンダとうまくやっていけるのを示す事ができたので、今は次のレースが楽しみです。
■JiRチーム・スコット・ディレクター ジャンルカ・モンティロン
レースウイークを通して素晴らしい仕事を成し遂げ、非常に高いプロ意識を示してくれたアンドレア・ドヴィツィオーゾとチームの全員に、私から最大級の感謝の気持ちを贈りたいと思います。
これ以上に素晴らしいデビュー戦などあり得ません。また、アンドレアは最終ラップに彼の意気込みを見せつけましたね!
彼はこの戦いににかける情熱をファイティング・スピリットをもって示してくれましたから、チームのモチベーションはさらに高まっていますし、次回のレースでは今回以上の結果を狙っていける事でしょう。
■JiRチーム・スコット監督 チラーノ・ムラローニ
今夜のアンドレアの戦いを見られて本当に素晴らしい気分です。予選では少し苦しみ期待通りとはいきませんでしたが、レースでは上位のライダーと共に戦えると信じていました。
ウォームアップでは新しいセッティングを試してフロントタイヤも選び直しましたが、それがうまくいった事でアンドレアは素晴らしい走りへの意欲と実力をレースでも発揮してくれました。非常に攻撃的な走りでしたが、その限度を超す事がないように彼は意識していましたね。
■5位)バレンティーノ・ロッシ フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1
ここでは難しいレースを予想していましたが、それでもここまで難しいとは思いませんでしたね!先週のカタールのナイトテストの時からあまり速く走れていなかったにしても、表彰台は狙えるんじゃないかと思っていました。
でも今夜は本当に難しい内容でしたから、この結果の原因をこれから理解していく必要があります。5ラップ目か6ラップ目の時に56.4秒とか56.5秒のペースになってきて、そこからは最後までペースを上げる事ができませんでした。ブレーキングはとても良かったのに、その後のコーナリングがあまり速く走れていませんでしたね。
今回の状態よりもブリヂストンタイヤをしっかり機能させられる事は分かっています。昨年を制したタイヤですし、今夜もそれを再び証明していますからね。冬季シーズンを通してどのサーキットでも自分たちはすごく速かったんですが、たった1つの例外がこのサーキットでした。
今の自分たちの課題は、なぜこの結果になったのかを理解する事です。いくつか試したい新しいアイデアはあったんですが、最終的にはここまでに理解している調整方法に固執する事になりました。この理由は、速く走れるようにするための改善の進め方や手順についての理解を深める上で、もう少し時間をかけておきたかったからです。
今回よりも調子を上げられるのは分かっていますので、今は全ての情報を寄せ集めて次回のレースに向けて最大限に活用するだけです。
最後に、ロレンソの今夜のデビュー戦での素晴らしい走りに祝福の言葉を贈りたいと思います。正直に言えば、彼が速くて才能のあるライダーである事は知っていたので、それほど驚いてはいませんが、今夜の彼は激しいレースの中でもすごくうまかったし、本当にいい走りだったと彼に伝えたいです。
■フィアット・ヤマハ(ブリヂストン側)チーム監督 ダビデ・ブリビオ
非常に今日は興味深い1日でした。自分たちにとってはブリヂストンで戦う初めてのレースでしたし、厳しい状況にあるのは分かっていましたからね。
今回は多くのデータを収集する事ができましたし、これからチームのエンジニアと技術者がそれを解析しますので、金曜日のヘレスにはまた新しい素材をいくつか持ち込む事になるでしょう。
ブリヂストンはレースに勝ちましたし、ヤマハ勢も昨年に比べて大きく改善が進み好調でした。他の3台のM1はバレンティーノと同様に非常に速かったですからね。ですから、この2つの要素を活用できるわたしたちには非常に大きな可能性があると言えます。
今のわたしたちの目標は、次回のレースからはパッケージの性能を最大限に引き出せるようにする事です。
■フィアット・ヤマハ・チーム・ディレクター 中島雅彦氏
今回はナイトレースという初めての経験でしたし、低い路面温度のせいでタイヤの扱いが非常に難しくなる事は明白でした。それに加え、気温が非常に低くなるという事は燃費の面でも不安が生じます。
ブリヂストンと共に長時間をかけていいパッケージに仕上げようと努力を重ねましたが、残念なが今夜は十分と言える状態ではありませんでした。
チームはこれから何が問題だったのかを厳密に調査し、次回のレースまでにアクションを起こしたいと考えています。
■6位)ジェームス・トーズランド ヤマハTech3 YZR-M1
この成績でシーズン始められるのは自分にとってはすごい事ですよ。それにここまでにTECH3チーム、ヤマハ、それにミシュランのメンバー全員の応援を肌身に感じていますから、高いレベルで戦う事が可能ですしね。
MotoGPに来て最初のレースをバレンティーノのすぐ後ろで終えられるなんて、なんか現実離れした気分になります。
序盤の数ラップはかなり激しい争いになり、一度ホルヘとの争いの中では接触すれすれでしたが、これはあのメンバーとレースした経験が不足しているせいでしょうね。過去7年間は同じメンバーとばかりレースをしてきましたから、誰がどんな時にどんな動きを見せるかは手に取るように分かっていたんです。
あの時は抜きに入ろうとしたんですが、ホルヘは彼のバイクをこっちの鼻先ぎりぎりの所に押し込んできました。今後はもっと安全に抜きに入れるように、誰がどういう感じでコーナーを奪いにくるのかを見極められるようにしたいです。
彼は少し隙間をあけていたので、そこに自分は飛び込んだんですけどね。まあ、特に何も危害は被らなかったし、その後はアンドレアとバレンティーノを交わす事に全力を注ぎました。
毎周回、一瞬も気を緩める事なく彼らとの差を縮めようとしました。ただ、最終コーナーで追いつきかけても、次のストレートでは2人に一気に引き離されるんです。ブレーキングが甘いライダーなんてどこにもいないので、本当に追いつけないんですよ。
時間をかけてほんの少しずつ差を削り、やっと彼らに追いついたら今度そこで2人はサイド・バイ・サイドの攻防を始めてしまったんです。あれは自分にとっては壁も同然でした。
それで2人を抜く手だてもないまま、自分の最初のMotoGPでのレースを6位で終えましたが、それでも感無量でしたね。このメンバーとの22周回はすごい勉強になったし何事にも代えがたい価値があったと思います。今は次のヘレスが待ちきれない気分ですね。
■7位)コーリン・エドワーズ ヤマハTech3 YZR-M1
今夜は何1ついいところがありませんでした。仮に100万ドルの賞金がかかっていたとしても、今日はあれ以上速くは走れなかったでしょうね。
自分の最大限の走りをしたつもりですが、結局最後まで十分な速さが得られなかったし、正直、自分でも理由が良く分かっていません。これからコンピュータでチェックはしますが、昨日と同じような感触が全然得られなかったんです。
昨日は本当に最高な1日でしたから、今日はそのままの勢いでレースに入り、表彰台を狙う自信があったんです。でも2ラップ目に突入したらタイヤの感触が全く別ものに変わってしまい、その後はそれに順応するためのレースになってしまいました。
集団の一番最後になり、それほど急激に差が開く事はありませんでしたが、みんなとの差を縮める事はできなくなりした。攻め込んで走る自信がなくなった時にジェームスとの差を広げないように頑張ろうとしたら最終コーナーで大回りになったんです。そこでタイムをロスしてしまい、それ以上は集団についていけませんでした。
チームのメンバー全員の頑張りには深く感謝しています。ヘレスではもっとトップに迫れるよう頑張ります。
■ヤマハTECH3チーム監督 エルベ・ポンシャラル
最高の形でシーズンをスタートする事ができましたね。今週の最大の見せ場はチームの2名のライダーが揃って1列目を確保した事です。非常に感動的な瞬間でしたし、シーズンを開始する上では夢のような光景でした。これはわたしたちにとって、2002年のザクセンリンクにおけるオリビエ・ジャックと中野真矢以来の出来事です。
ですから非常に高い期待も抱きましたが、表彰台がそう簡単ではない事は承知していたつもりです。
ジェームスはものすごいファイティング・スピリッツを見せて、ホルヘに果敢に攻撃を仕掛けましたね。レース全体的には一部でタイムを少しロスしてしまい、バレンティーノを最後まで追い続ける事になりましたが、彼を打ち負かすまであとほんの少しのところまで迫っていました。
コーリンもまた非常に素晴らしく安定したレースを見せてくれたので、チームとして開幕戦を6位と7位で終える事ができています。
新型エンジンはエストリルから提供される事になりますが、次のヘレスにはロングストレートがないので、エンジンはそんなにハンデにはならない筈です。また、ここでミシュランは素晴らしい性能を発揮してくれたので、ヘレスに向けても大きな期待が持てますね。
■8位)ロリス・カピロッシ リズラ・スズキMotoGP GSV-R
当然あまり満足はできていませんよ。表彰台または優勝を狙って戦うつもりでしたが、現時点ではあともう少し足りない状況ですからね。ただ、全員でベストを尽くしましたし、先週のテストや今週のプラクティスの時に比べれば、今回のレースでは確実に走行ペースを上げる事はできていました。
トップ集団に加わるためにはまだ今後もパッケージ全体の改善を続ける必要はありますが、今回用意してもらったバイクのおかげで全力を出し切って戦う事ができましたから、チームには深く感謝しています。まだこの先17レースありますし、彼らと一緒なら間違いなく大きく改善を進める事ができますよ!
■9位)ランディ・ド・プニエ ホンダLCR RC212V
先週のテストの時も、昨日のレース・シミュレーションの時もいいペースで走れていたので、今回はもっと上の結果を期待していました。
正直、スタートはあまりうまくいきませんでしたが、そんな事よりも最初の2ラップがまるで氷の上を走っているような状態だったんです!フロントの感触にものすごく不安があり、倒れないように走るだけで精一杯でした。
最初の1コーナーでフロントが大きく滑り、次の2コーナーでも全く同じようになったので不安になり、3周目までは攻め込まずに走ったので何人ものライダーに追い抜かれる羽目になったんです。
ただ、それからは状況が改善されてきて、安定して速く走れるようになったので2〜3人のライダーを交わしました。リズムを取り戻した時には1分56秒台の中盤のペースで走れるようになりましたからね。
残り5ラップのところではカピロッシを交わそうと全力で走り続けましたが、彼のバイクの加速力の方が自分のマシンよりも優れていました。
レース終盤にはリアタイヤがひどく滑り出しましたが、何より今回の一番の問題は最初の2ラップでした。あのフロントタイヤの横滑りさえなければ6位入りは可能だったと思います。次回のヘレスではトップ6入りを狙いたいです。
いずれにしても、今回トップテンに入れたのは自分としてはいい結果だったと思います。ここで完走できたのは今回が初めてですからね。
■10位)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ・チーム RC212V
今ひとつだったのは事実です。単にトップテン入りを狙っていた訳ではありませんからね。
ここではテストで初めて走った時からずっと苦しんでいましたが、あれからあまり進歩が得られていません。チームは必死に頑張ってきたので、決して努力が足りない訳ではありませんが、今日は完敗ですし、今後もやるべき事が山ほどあるのは確実です。
スタートはかなりうまくいったんですが、思い通りに攻め込む事ができないし、攻撃的な走りもできず、そのまま何も起きない状態が続き、なんとなく後退して、最後に少しだけ順位を戻した・・・そんな感じのレースでしたね。
ホイールスピンがひどくてリアタイヤは全く思い通りに扱えない状態でした。セッティングが本当にうまくいっていないのと、タイヤを酷使しすぎたのがスピンがひどくなった原因だと思います。
正直言ってあまり面白くないレースでした。でも、まだこれから多くのレースが残っていますから、今の状態を克服できるように頑張り、ヘレスでは上位が狙えるようにしたいです。
■11位)マルコ・メランドリ ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8
スタートはすごくうまくいったんですが、数名のライダーに自分のラインに入り込まれてしまいポジションを落としました。まあ、スターティング・グリッドがここまで低ければ当然そうなっても不思議ではありませんが。
序盤の数周はフロントの感触があまり良くなくて、エリアスを交わした時にはものすごい大回りになってしまいました。でも、時間がたつにつれてマシンの感触は段々良くなり、安定して快適に走れるようになってきたんです。
今週の中ではレース本番の走りが一番光っていましたから、かなり今後に向けての励みにはなりましたね。
■ドゥカティーMotoGPプロジェクト監督 リビオ・スッポ
ケーシーは独自の道を行ってますよ・・・、他に何かをつけ加える必要性なんて全く見あたりません。今日の彼はどんな些細なミスも犯しませんでした。なぜ彼のバイクナンバーが#1なのかを、今回もしっかり見せつけてくれましたね。
マルコはどうやったらプラクティスの時よりもレースの後半にペースを上げられるか分かっていましたし、今日のレース結果が彼にバイクをはじめとする機材について、より深い自信を与える事になるだろうとチームは最初から確信していました。ですから、今後は彼にとって色んな改善が進めやすくなる事を願っています。
いつも通り、特にShell(シェル石油)をはじめ、全てのパートナーの方々に感謝の気持ちを伝えたいと思います。
■12位)ジョン・ホプキンス カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR
レースの前半の感触はすごく良かったですよ。とても快適でしたし、トップテン圏内を走れていました。
ところがレースの後半に突入した途端にフロントタイヤの性能が下がり始め、コーナーで滑り始めたんです。バイクをひざで支えて走る以外に方法がなくなり、そこで怪我の部分にかなりのストレスがかかりました。
急激に痛みが増し、残り3分の2のところでは耐え切れないような激痛でしたね。痛みだけなら普通はそのまま走り続けますが、負傷している部分の筋肉の力を使い果たしてしまったので、そこからラップタイムを維持する事はできなくなったんです。
レースを走りきるだけでも本当に厳しい状態でしたし、もっと高い位置で完走できなかった事は残念ですが、少なくともああいうタイヤの問題さえ発生しなければ、怪我のせいで走りが制限されるような心配がない事だけは分かりましたから、おかげで次戦のヘレスにはさらに自信をもって挑めると思いますね。
■13位)中野真矢 サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V
フリー・プラクティスと予選を終えた後で、今回が厳しいレースになる事は分かっていました。
スタートの時にポジションを2つほど落としましたが、数周回のうちにそれは挽回できました。レースの終盤には自分の前の集団とバトルになり、最終的には13位でレースを終えています。
今回の結果は自分たちが望んでいたものでは決してありませんし、次回はさらに上を狙えるようにしたいと思いますが、ヘレスは冬季テスト中に使えるデータを多く収集できているので自信があります。
■14位)トニ・エリアス アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8
この結果には満足できません。難しいレースでした。
フロントに多くの問題が見つかりましたが、まだ何が起きたのかははっきり分かっていませんので、これからデータを分析して、どうしてウォームアップの時より1秒近くもペースが落ちる事になったのか、その原因を理解できるようにしたいと思います。
ウォームアップの時のペースで走れていたらトップテン入りも可能だったと思いますが、今回は3ラップ目から期待外れの状況に陥りました。
今は必死に頑張るしかありません。チームも努力を続けていますので、近いうちにいい結果は出せる筈です。
■15位)シルバン・ギントーリ アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8
高速コーナーでは限界まで攻めて走る事ができませんでした。それにひどい風邪のために汗もすごくて、今はもうくたくたです。
バイクのフロントはレースを通してずっと好調でしたが、終盤はリアのグリップが少し足りなくなりました。それにレース中のラップタイムはレースウイーク中とほとんど同じだったので、あまり高い期待はできない状態でしたね。
今は次のレースウイークに向けて気持ちを集中し、もっと高いポジションが狙えるようにバイクのセッティングを改善したいと思います。
■アリーチェ・チーム・テクニカル・ディレクター ファビアーノ・ステルラッキーニ
今回はもう少し上を狙える可能性もあっただけに、後味の悪いレースになりました。
トニがバイクのフロントに問題を訴えているので、これからデータの分析に入りたいと思います。今回はレースウイークを通して同じような問題に悩まされていましたが、ここまで走りに悪影響を及ぼすとは考えてもいませんでした。
今夜のウォームアップの時にはレース中よりも0.8秒速いペースで走れていたんです。レースでも同じペースを再現できていたら、もっと上の順位が狙えていたでしょうね。
■16位)アンソニー・ウエスト カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR
言葉が見つかりませんが、今日の成績にものすごく落胆しているのは事実です。最後尾で完走するためにここに来ている訳ではありませんからね。
プラクティスと予選の時に抱えていたのと同じ問題にレースでも苦しみましたし、まだバイクが完全に快適だとは言えない状態です。
レースが中盤に入った頃には少し自信が持てるようになり、いくつかの区間では自分の前を走行していたギントーリやエリアスよりもかなり速く走れるようになりましたし、最終区間では彼らに並びかけることもできましたが、追い抜くのに十分なスピードは得られず、その直後のストレートでは再び引き離されました。
今週の事はもう忘れるべきだと思いますし、今は頑張って次戦のヘレスに気持ちを集中したいです。
■カワサキ・コンペティション・マネージャー ミハエル・バルトレミー
今回はチームにとって難しい週末となり、全てのプラクティスを通して路面コンディションに苦しむ結果となりました。
ジョンの今夜のウォームアップでの4番手タイムは、わたしたちにレースに向けての期待を抱かせるものでしたが、順調に見えたにもかかわらず、ジョンのフロントタイヤが終わってしまった事で、結果的に彼は負傷している内股の筋力でそれを補うのにひどく苦しむ事になりました。
ですが、それでも彼は最後まで諦めようとしませんでしたね。ここまでの激痛に耐えながらレースを走りきり、最後にバイクから抱え降ろされたライダーを私は見たことがありませんでした。彼はとんでもないライダーですよ。
アンソニーの今週の走りが非常に残念な内容だったのは確かですが、彼には自分を殴りたい気持ちをここで我慢してもらい、その代わりに次戦のヘレスに集中して本来の調子を回復して欲しいと思います。彼の実力がもっと高い事は分かっていますので、次戦からは彼がその能力をフルに正しく発揮できるようになる事を祈っています。
■17位)クリス・バーミューレン リズラ・スズキMotoGP GSV-R
シーズンの最初としてはあんまり嬉しくない内容ですよね!スタートはすごくうまくいって、グリッドから飛び出した時点ではいいポジションを確保していたんですが、1周目にいきなりフロントタイヤに問題が発生したんです。
全然タイヤが機能しなくなり、5周目をすぎたところでほとんど完全に壊れてしまったので、そこでピットに戻って新しいタイヤに交換せざるを得ませんでした。これからブリヂストンと調査して、なぜこうなったか原因を突き止める必要があります。
最初と全く同じ種類のタイヤに履き替えてコースに戻り、その後は他のライダーの進路を妨害しないように気をつけて走りました。
最終的にはロリスとド・プニエがバトルしている後ろを最後まで走り続けましたが、ちゃんとしたフロントタイヤに交換してからはラップタイムも良く、快適に走れていたんです。
だから本当に残念ですよ。仮にトップ集団と一緒に走れるペースではなかったにしても、今回の結果よりはずっと高いポイントを獲得する事はできた筈ですからね。
■リズラ・スズキ・チーム監督 ポール・デニング
まず何よりも最初に、ロリスの初のGSV-Rでのグランプリ参戦を見る事ができたのは、スズキとチームの全員にとって本当に誇らしい瞬間であった事をお伝えしなければなりません。
先週のここでのテストが非常に難しい状況だった事は隠しようもありませんし、今回のロリスの13番グリッドからのスタートは高いレース結果を容易に望めるものではありませんでしたが、彼がものすごい攻めの走りを見せながら我が道を突き進んでいくのを見る事ができて本当に素晴らしかったと思います。
残念ながら時間切れとなり、トップグループが逃げ去った後の8位という結果でしたが、これ以上の結果を彼に求める事など今回は到底不可能でした。彼はチームに対して、レースの後に今回の成績について謝罪しましたが、どこにそんな必要があるんでしょうか。彼は最大限の走りを見せていましたし、今日よりもずっといい週末はこれから何回でも訪れる筈です。
クリスの結果については、本当に言葉にするのが難しいくらいがっかりです。今日の彼がトップ集団を狙えるレベルにあったのは疑いようもない事実でしたからね。素晴らしいスタートを決めて1ラップ目の中盤はいいポジションにつけていたのに、通常では考えにくいような問題をフロントタイヤに抱えて走行を続ける事さえ難しい状態に陥ってしまいました。
彼がプロに徹し、ポイント獲得の可能性にかけて再びコースに戻ってくれた事を感謝しています。
これで次回のヘレスにはより高い意欲を持って望める事になります。1週間前よりも前進した位置からの再出発ですからね。ヘレスでは自分たちの本来の力をさらに発揮できる事を非常に楽しみにしています。
■DNF)アレックス・デ・アンジェリス サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V
今日のレース内容には本当にがっかりです。ストレートでは他のバイクよりも遅いし、自分のスリップストリームから抜け出したライダーたちが次々と前に出て、トップスピードの差を使って抜いていくんです。
レース全体を通して今回のレースウイーク中や一週間前の冬季テスト中のここでのペースを取り戻す事ができませんでした。確実にトップ集団の近くで戦えると思っていただけに本当にがっかりです。
結果を残せなくてとても残念でしたが、少なくとも自分たちにはもっと実力がある事だけは確かです。
■サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ監督 ファウスト・グレッシーニ
今日は自分たちが予想していたよりも幾分か難しい1日だったと言えます。
アレックスはレース中にチャタリングの問題をいくらか抱えてマシンが思い通りにならず、レースウイーク中に見せていたような走りが今回はできませんでした。彼がプラクティスの時の走行ペースをレースで再現できなかったのは本当に残念です。
その難しい状況が今回の転倒を誘発しましたが、これは彼の成長にもつながりますし、今後も戦いを諦める事などないでしょう。
真矢のマシンの状況はもう少し良かったようですが、彼もまた、わたしたちの希望からは大きく離れた結果に終わっています。
次戦のヘレスに向けては前向きに挑みますよ。わたしたちにはもっと上を狙える力がありますからね。
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