|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2006年5月2日
トルコGP250ccクラスはオープニングラップにポールポジションスタートのホルヘ・ロレンソが転倒するという波乱の幕開けとなったが、その後は予想もしなかった白熱のレース展開となった。
■1コーナーでの波乱後、熾烈なトップ争い
ロレンソがレースを離れた後、レースを最後までリードしたのはヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドビツィオーゾとチームメイトの高橋裕紀選手、フォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラ、KTMの青山博一選手、チームトース(アプリリア)のロベルト・ロカテリ、マステルMVAアスパル(アプリリア)のアレックス・デ・アンジェリスの6名。
6名の戦いは最後まで熾烈を極め、最終ラップまで誰が優勝してもおかしくない接近戦となり、めまぐるしく順位が入れ替わった。
レース序盤はチームメイトのロレンソ不在時に優勝したいフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラとヒューマンゲストホンダのアンドレア・ドビツィオーゾがやや先頭集団をリードしたが、中盤に入るとMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリスが先頭に立った。最初から6人の差は僅かしかない。
■目まぐるしく変わる順位、好位置をキープする日本勢
レース後半、やや優勢に見える二人のアプリリア勢に対し、ドビツィオーゾと高橋選手の2台のホンダが順位を入れ替えながら割り込みをかける。さらにホンダ勢の前後にKTMの青山選手が滑り込む中、突然ベテランのロカテリが5人とは全く異なるラインを使って先頭に立っては後退するなど、全くレースの先が読めない。
終盤になると、ホンダのドビツィオーゾが先頭に立ち、3番手と6番手の間を移動していたKTMの青山選手が2番手につける。高橋選手は遅れ気味となり、バルベラは青山選手につける。
■最終ラップにデ・アンジェリスがバルベラに激突
バトルは最終ラップまで持ち込まれ、さらに先のシケインを抜ければチェッカーの待つ高速右カーブ(11コーナー)に全員が飛び込み、バルベラとデ・アンジェリスのアプリリア勢二人が先頭でコーナーを抜けた。ぴたりと後ろにつけるドビツィオーゾと青山選手。
最後のシケインに向かう途中、予想外の事態が発生する。真っ直ぐ加速するバルベラのマシンのわき腹にバランスを失いかけて加速するデ・アンジェリスが追突した。
バランスを崩して時速200km/hのまま小刻みに暴れるマシンにデアンジェリスはしがみつきコースアウト。この瞬間、追突をあまり気にせずに加速するバルベラの真横に青山選手が飛び出す。
■青山選手、強豪を抑えての勝利
最終コーナーをオレンジのKTMマシンが先頭で抜け出し、青山選手はGP2度目となるトップでのチェッカーを受けた。KTMにとっては250ccクラス初となる勝利だ。
2位にはフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラ、ヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドビツィオーゾは3位でコントロールラインを抜ける。
4位は今期好調のロベルト・ロカテリ、高橋選手は表彰台を逃し5番手でレースを終えた。
KTMチームは「HIRO OUR HERO(ヒロがヒーロー)」と青山博一選手の快挙を称えている。
「はい、最高のレースでした!」と青山選手。
「正直言って、今日は優勝できるとは思ってませんでした。トップ集団は誰が勝ってもおかしくありませんでしたからね。」
「序盤はずっと激しくプッシュしてたんですが、周りも速くて抜かれました。もし最終ラップでも抜かれるようなら最終コーナーまで待って仕掛けようと思ってましたが、それで本当に勝てるなんてラッキーでしたね。」
2位はフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラ。優勝は逃したものの今期初となる表彰台を心から喜んでいるようだ。
「250ccの表彰台を待ち続けましたが、やっと実現しました。レースをやってて最高の瞬間ですよ。」とバルベラ。
「ロレンソが転んだって事はタイトル争いに差がなくなり、振り出しに戻ったって事ですよね。トップに立つ計画は最終ラップのデ・アンジェリスとの接触で、ダメになりました。厳しいレースだったけど面白かったですよ。」
「いくつか危険な賭けもありましたが、今日のチャンスは絶対に逃せないと思ってました。ロレンソが大丈夫だといいですね。前の2戦で自分も転んでるので、ロレンソも同じように元気になる事を祈ります。」
3位に終ったアンドレア・ドビツィオーゾは、前回のカタールに引き続きマシンのパワー不足を訴えている。連続3回の表彰台を獲得し、ポイントランキングの1位に立ったものの、今回の順位には満足できないらしい。
「ポイント争いでトップに立てたのは嬉しいですが、今日の3位には満足できません。」とドビツィオーゾ。
「初めは逃げ切れるかと思ってましたが、バイクの調子が完全じゃなくてプラクティスの時と同じ感覚が得られませんでした。多分今日はペースが遅かったと思います。」
「最初の2周は集団をリードしましたが、その後に抜かれたんです。馬力で負けてる時に正しい戦略を立てるのは難しいですよ。それに、今朝のウォームアップで初めて試したタイヤを使ったので、終盤に少し滑り始めました。」
「成績は安定してますし、先頭で走れる事もわかってますが優勝がしたいんです。でも今はそれが出来る状態にありません。」
「デ・アンジェリスとバルベラの衝突には目を疑いましたね。デ・アンジェリスが自分の前で斜めになったので思わず目をつぶりブレーキを握って何も起きないように祈るだけでした。運よく右にそれたから良かったものの、普通じゃないですよ。あのスピードで方向を変えるなんて絶対無理ですから。」
ドビツィオーゾのチームメイトである5位の高橋裕紀選手は惜しくもレース終盤にペースを落としている。リアのグリップ不足に苦しんだと高橋選手はコメントする。
「スタートに成功して、先頭集団のまま行こうとしたんですがタイムが今いちでした。」と高橋選手。
「レース中盤にリアタイヤがグリップしなくなり他を抜くのが難しくなりました。最終ラップで小さなミスをして差が広がってしまい、追いつこうとしたんですが結果は5位です。」
「次のレースではもっと上位を目指せると思います。」
|
|
|
|
|
|
|
|
|