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2007年11月4日
今シーズン最後の予選を、MotoGPクラスの各チームは11月3日に晴天のバレンシア・サーキットに迎えている。ここでは、予選当日に発表された来期の新タイヤルールの概要や、ロッシが転倒して骨折するという最悪の事態が発生してしまった2日目午後のMotoGPクラスの予選後の続報と各ライダーのコメントなどを紹介する。
■FIMが2008年度の新タイヤ・ルールを発表
FIMは予定通り、予選のあった11月4日に行われた臨時のグランプリ委員会で決定した来期の新しいタイヤ・レギュレーションを発表している。
今期はレースウイークの前日までにフロントタイヤを14本、リアタイヤを17本の合計31本のタイヤを事前に選択し、レースウイークに入ってからはタイヤの変更が許されないルールとなっていたが、2008年度からはこの規制は若干緩和される事になった。
なお、シングル・タイヤ・ルールを施行する案については、すでに発起人であったDORNAが10月24日に正式に取り下げており、タイヤ・ワンメイク化の動きはすでになくなっている。
■本数は42本に拡大、未知のアスファルトは走行テストも許可
FIMが今回提示した決定案によれば、2008年度のタイヤルールは、フロントは18本、リアは22本まで持ち込み本数が緩和され、今期よりも11本多い合計42本のタイヤをレースウイークまでに各チームは選択できるようになる。
さらに、初めてMotoGPカレンダーに追加されるサーキットやアスファルトが全面再舗装されたサーキットについては、全てのタイヤメーカーならびに全マシンメーカーは少なくともレースウイークの4週間前に、最長2日間の事前走行テストが義務づけられる。ただし、このテストには現役MotoGPライダーは参加できない。
■怪我人や故障者の状況
低温路面の影響により、初日のチャズ・デイビスの右手のひらの骨折に引き続き、2日目も深刻な怪我人が発生している。
■ロッシがまさかの骨折
今回の午後の予選での目立った転倒者は、セッション序盤に転倒したカワサキのアンソニー・ウエストと、セッション開始10分の時点にマシンを大破したフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ、ならびに2日間連続してタイヤが温まっていない状態でアクセルを開けすぎるという同じミスを犯し、右手を骨折した1日目と同様の転び方をしたプラマック・ダンティーンのチャズ・デイビスの3名だが、ウエストとデイビスはこの日は打撲程度で済んだものの、ロッシは右手のひらを3個所骨折するという重い怪我を負ってしまった。
詳細は先に報じた内容の通りだが、ロッシがランキング2位の確保をかけてリスクを冒してレースに出場するかどうかについては、午前の医師の診断結果と、激痛を我慢する事になるロッシ本人の決断次第となる。なお、今回地元でのポール・トゥ・ウインを狙うレプソル・ホンダのダニ・ペドロサがレースを2位以下の成績で終えれば、ロッシはレースに出場しなくともランキング2位の座は計算上維持できる。
■グランプリ最後のレースウイーク中に深刻な体調不良に陥ったチェカ
今回のバレンシアを最後にMotoGPを離れて来期はSBKでの活動を予定しているホンダLCRのカルロス・チェカは、初日のフリー・プラクティス2を終えた後に深刻な腹痛を訴え、救急車で地元の病院に搬送されている。
ホンダLCRの発表によれば、チェカはかつてのレース中のアクシデントにおいて脾臓を摘出する大手術を受けた経験を持つが、その影響かどうかは定かではないものの、腸に感染症か何らかの障害が発生している事が疑われており、初日の走行後はクリニカ・モバイルのスタッフが午前3時まで付き添い、予選のあった2日目には流動食しか取る事が許されていない状態だった。
幸いチェカは2日目の午前中には体調を回復し、午前のフリー・プラクティス3のみを欠場して午後の予選には出場して9番グリッドを確保したが、その夕方には再び病院に戻って血液検査を受けている。医師がこのまま問題ないと判断すれば本日のレースには出場できるが、彼もロッシと同様にレース出場に向けては最後の医療検診が必要だという。
■チーム・ロバーツのマシンに1万5千502名のファンの名前
オーストラリアGPの後、インターネットのチームのホームページ上で今回の最終戦のマシンのカウル(写真下:リアのKRロゴやカウル側面の白い部分)に名前を印刷して欲しいファンを募集したチーム・ロバーツは、締め切りまでに1万5千502名の応募があった事を大変に喜んでいる様子だ。
チーム・ロバーツの監督であるチャック・アクスランドは「素晴らしい事ですね。これでファンも楽しめたでしょうし、チームも同様に楽しむ事ができました」とコメントし、読み取るのが困難なほどに小さく印刷されたファンの名前が刻まれたKR212Vを、今回のバレンシアで披露している。
■来期はドゥカティー・サテライトとして2名体制か?
なお、チーム・ロバーツは今回、来期はあるメーカーからマシンまたはエンジンのみの供給を受け、2名体制のチームでMotoGPに参戦する意向を正式に明かしており、ヨーロッパで噂されるドゥカティーとの2008年度からの協力体制が、どうやら現実味を増してきた事がうかがえる様子を見せている。
■バレンシアGP予選結果
以下に、晴天の気温21度、路面温度26度、湿度34%のドライ・セッションとなったMotoGPクラスの午後の予選結果を示す。
1) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分31秒517
2) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分31秒603
3) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分31秒903
4) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分31秒963
5) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分32秒074
6) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分32秒151
7) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分32秒165
8) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分32秒261
9) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分32秒273
10) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分32秒367
11) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分32秒617
12) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分32秒714
13) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分32秒730
14) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分32秒790
15) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分33秒021
16) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分33秒231
17) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分33秒290
18) カーチス・ロバーツ USA チーム・ロバーツ KR212V 1分33秒431
19) チャズ・デイビス GBR プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分34秒436
バレンシアのサーキットレコード(990cc)は2006年にロリス・カピロッシが記録した1分32秒924、ベストラップレコード(990cc)は2006年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分31秒002。
■125ccクラスワイルドカードの中上選手は20番グリッド
なお、今回レッドブルMotoGPアカデミーから125ccクラスにワイルドカード参戦を果たしている中上貴晶選手は、5列目20番グリッドから自身初のグランプリ決勝レースをスタートする。
■ペドロサが4戦連続のポールポジションを獲得
この日の予選でポールポジションを獲得したのは、日本GPからの4戦連続ポールを達成したレプソル・ホンダのダニ・ペドロサだった。
ポールポジションからスタートしたここまでの3戦におけるペドロサの表彰台獲得数は前回のセパンでの3位1回のみであり、これを悔しがるペドロサは、今回は地元でのポール・トゥ・ウインを確実に狙いたいとして非常に高い勝利への意欲を示している。
■BMWを勝ち取ったストーナー、すでに新車に傷?
一方で今回も2番グリッドとなった2007年度チャンピオンであるドゥカティーのストーナーは、今期のBMW杯の年間予選賞をこの日に受賞しており、その賞品であるBMWのM3クーペを同時に受け取っている。
なお、新車のBMWを獲得して喜ぶストーナーだが、アドリアーナ夫人がすでにその車にひっかき傷をつけてしまった事をストーナーは予選後に明かしている。
■フリー・プラクティスの総合トップは予選タイヤのギュントーリ
なお、初日の2回とこの日午前の1回のフリー・プラクティスにおけるFP総合順位の上位者は、トップがFP3でも予選タイヤを使用したTECH3ヤマハのシルバン・ギュントーリ(1分32秒670)、2番手がドゥカティーのケーシー・ストーナー(1分32秒968)、3番手がレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ(1分33秒150)、4番手がプラマック・ダンティーンのアレックス・バロス(1分33秒239)5番手がグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリ(1分33秒240)だった。
■予選本番でも好調だったギュントーリと玉田選手
また今回はダンロップタイヤを履くギュントーリと玉田誠選手のTECH3ヤマハコンビは、2名揃って予選で2列目を獲得するという快挙を成し遂げており、ダンロップタイヤが本格的な2年間の4ストローク・グランプリ向けのタイヤ開発を経て、当初は全くミシュランやブリヂストンに歯が立たなかった状況を、ここに来て大きく改善している事をアピールした。
■カピロッシに謝罪を表明したバロス
今回の予選でドゥカティーのロリス・カピロッシは2本目の予選タイヤでの走行中、レーシングラインを低速走行していたアレックス・バロスに前をふさがれる形となり、激しく首を振り続けながら失望の仕草を見せていたが、これに対してアレックス・バロスが謝罪のコメントをレース後に発表している。
この中でバロスは「彼をペースダウンさせてしまった事を謝罪したいと思います。ロリスは最後のタイムアタック中でしたから、彼の重要なグリッド位置を下げる事になってしまい残念です」と述べ、全面的に自身に非があった事を認めている。
これに対し、8番グリッドを確保するに終わったカピロッシの方は「よくある出来事なので特に問題ないよ」とコメント。
■連続のポイント獲得が難しくなったウエスト
イギリスGPからMotoGPクラスに参戦を開始し、その後の全てのレースでポイントを獲得し続けてきたカワサキのアンソニー・ウエストだが、今回のバレンシアではタイムに伸び悩み、予選序盤には転倒するなど、バレンシアのコースレイアウトには大変な苦しみようだ。
フリー・プラクティスでは総合17位、予選では16番グリッドに終わったウエストは「バレンシアの小さいコースをMotoGPの大きなマシンで走るのは小排気量のバイクに比べて本当難しいです・・・セッティングにも苦しんでいます」とコメントしており、今回はコースの攻略が進まず苦しい状況に陥っている気持ちを明かしている。
■トップ10入りを狙うコニカミノルタ・ホンダ
今回の予選では13番グリッドと、初日の期待よりもやや低い予選結果に終わったコニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手は、レースに向けてのマシンの仕上がり状態は悪くないとコメントしており、決勝では序盤から激しく攻めていきたいとの姿勢を示した。
■中野選手「120%攻めたが最終区間でコンマ5秒をロス」
「予選の最後のアタックの時には第1区間と第2区間ですごくいいリズムがつかめていましたし、第3区間の最後の部分では激しく攻めて120%の力を出し切っていました。すごく順調だったんですが、バックストレートのブレーキングでフロントを滑らせてしまい、そこでコンマ5秒をロスしています」と中野選手。
「今日良かったのは路面温度が昨日よりも少し上がってグリップのレベルも上がった事です。おかげで昨日よりも激しく攻める事はできました」
「金曜日にバイクのいいバランスを見つけたので、今日はそれほどバイクに多くの変更は加えていません。それにレースに向けていいタイヤを見つける事もできています」
「ここのレースは1コーナーでライダーが密集しますし、オープニング・ラップを通して混戦の状態が続きますから、明日はスタートがすごく重要です。レースの序盤から激しく攻めていく必要があります」
また、コニカミノルタ・ホンダの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレは、今週は路面温度が上がればトップ10入りを狙える状況にあるとコメントしている。
■上位4列のライダーの詳細コメント
以下に、予選で上位4列以内のグリッドを獲得したライダーの予選後の詳細コメントを紹介する(TECH3ヤマハの2名を除く)。
■1列目
●ポールポジション)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ・チーム RC212V
そうですね、またポールポジションが取れて本当に嬉しく想います。特にここは地元のファンの前ですし、みんなの前でいい結果が残したくて仕方がないんです。すでに多くのファンがここではスペイン勢の活躍を楽しんでいるようですが、明日はそれをさらに盛り上げたいです。
マシンのセッティングにはもっと大きな改善策がいりますし、それにレースに向けてはかなり特別な調整方法を見つけないとだめです。タイムの接近の仕方が尋常じゃないんで、全然リラックスできていませんからね。
30周のすごく長いレースですから、最後までいいペースを維持して走りきるには今回も当然ですがいいタイヤの選択が不可欠ですが、今日の午後はレースタイヤでも予選タイヤと同様に好調な走りができていました。
今回もミシュランの予選タイヤの調子はものすごく良かったです。2本目で走った時にはものすごく大きくタイムを縮める事ができたので、ポールポジションを獲得するのに必要十分でした。
ここまでを通してレースウイークはすごく順調ですから、明日はいいスタートを決めて優勝を狙いたいと想います。
●2番グリッド)ケーシー・ストーナー ドゥカティ デスモセディチGP7
また1列目に並べたのですごく満足しています。今回はレース用のセッティング作業に集中していました。
今年は予選での2位獲得の最高数を記録してるんじゃないでしょうか。今回もまたポールを1000分の1秒単位で逃す事になりましたし、今シーズンは常にポールぎりぎりという結果が多かったように思いますね。
レース用のセッティングは上々ですし、レースの距離を走り込んでの耐久性にも満足できています。レースタイヤについては午前に8周走ったタイヤのまま午後のセッションを最後まで走りきりました。
ただ、レース終盤までいい戦いができるのを検証するためにも、もう少しラップタイムが上げられるような努力を最後までするつもりです。コーナリングや他の状況はすごくいいので、後はもう少しトラクションを上げられればと思っています。それにまだレースで使うリアタイヤを決定していませんが、これは明日の天候次第です。
賞品の車(BMW年間予選賞)を獲得できて嬉しいです。アドリアーナがすでにひっかき傷をつけちゃったみたいですよ!
●3番グリッド)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ・チーム RC212V
予選タイヤを履いたらバイクの調子がすごく良くなって走るのが楽しくなりました。今週に入りやっと楽しめたって感じでしたね。それでラップタイムを2.5秒も短縮できたんです。
ただ、正直言って今のところ今週の状況はちょっとした悪夢って感じです。理由は色々あるにしても、ここではレースタイヤの性能を引き出す事ができていないんです。ここまでの数戦でリアに16インチタイヤを履くようになってからは運にもすごく恵まれていましたが、バレンシアはかなり厳しい状況です。
でも自分のまわりには優れたスタッフが何人もいますし素晴らしいチームですから、明日は絶対に大きく改善が進められるように頑張るつもりです。ここで1列目に並べるのはすごく有利ですよ。もちろんまわりは強敵ですから、すごく厳しい戦いになるとは思いますけどね。
決勝レース本番はいつもレースウイーク中の流れとは全く別物ですから、何が起きても不思議じゃないですよ。だから一歩でも前に出られるように頑張って、シーズンの最後をいい形で終えられるしたいです。
今回のレースはすごく楽しみですから、レースタイヤでも速く走れる事を願っています。スタート・シグナルが変わってからその先どうなるかは、まだ誰にも分かりません。
レースの内容がどうであれ、今回の自分の走りをAMA時代からの自分のメカニックであり、先週がんで亡くなったマーリン・プラムリーに捧げます。彼が亡くなってしまうなんて本当に悲しいです。今は彼や、家族の方たちの事を想っています。
■2列目
●4番グリッド)ランディ・ド・ピュニエ カワサキ・レーシング ZX-RR
自分のカワサキでの最後のレースは1列目からスタートしたいと思っていましたがそれはだめでした。でもこの結果もすごくいいポジションだと思います。ここは追い抜きが難しいコースですからね。
今日はレース用のセッティングが飛躍的に改善されたので、おかげで安定していいタイムをセッション中にずっと維持できていました。ただ、最後の予選タイヤを履いた時にはコーナーに向けてのブレーキング中に大きくマシンを滑らせてしまい、そこでコンマ何秒かをロスしてぎりぎり1列目を逃しています。
今でも十分に好調ですが、明日のウォームアップでもさらに改善が進む事を願っています。
●5番グリッド)シルバン・ギュントーリ ヤマハTech3 YZR-M1
●6番グリッド)玉田誠 ヤマハTech3 YZR-M1
■3列目
●7番グリッド)ジョン・ホプキンス リズラ・スズキ GSV-R
少なくとも2列目には入りたいと思っていたので、今回の予選結果には満足できていません。
今日の午後のセッションは今週の中では一番調子が良かったと思います。マシンの改善もいくらか進みましたしね。
レースで一貫性を維持できるタイヤをブリヂストンと一緒に頑張って探しました。今はかなり好感触が得られているので、明日はうまくスタートを決めてスズキでの最後のレースをいい結果で終えられるように頑張ります。
表彰台を狙いますよ。それが今回の究極の戦略です!
●8番グリッド)ロリス・カピロッシ ドゥカティ デスモセディチGP7
バイクのセッティングがいい状態に仕上がったのですごく満足です。もっとトラクションが得られるように全体の重量配分を少しだけリア側に寄せましたが、おかげで感触がかなり改善されています。
まだレースに向けては2種類のコンパウンドを選択する必要はありますが、恐らくウォームアップで硬い方のコンパウンドを試してからレースに使えるかどうかを検証する事になるでしょうね。いずれにしてもすでに満足はできています。安定して1分33秒5近辺のペースで走れていますから、悪くない状態です。
予選タイヤについては1本目にミスを犯してしまい、2本目の時は遅いライダーに足止めされてしまいました。まあ、こういう事は時々ありますから問題はないですよ。
今回重要なのはいいセッティングを見つけられた事です。いいレースができると思いますね。
●9番グリッド)カルロス・チェカ ホンダLCR RC212V
腸に何らかの障害か感染症の疑いがあり、昨日の晩は耐え難い腹痛に苦しみましたが、午前にはマシンに乗れるくらいにまで体調が回復して本当に良かったと思いますし、この9番グリッドにも大変に満足できています。
今晩も病院に戻って2回目の血液検査を受けますので、医師による検査はさらに進む筈です。今は流動食のみ食べる事が許されていて、軽い下剤などの薬品を飲み続けていますが、明日はなんとか30周を走りきれるように祈っています。
今回は自分の最後のグランプリですから、自分にとってもファンの方々や友人たちにとっても非常に重要なレースなんです。
サーキットで自分を診てくれて、午前3時まで病院に付き添ってくれたクリニカ・モバイルのスタッフの皆さんには本当に感謝しています。
■4列目
●10番グリッド)マルコ・メランドリ ホンダ・グレッシーニ RC212V
ロングランで使い込んだレースタイヤでも、今日はいいペースで走る事ができています。
残念なが予選タイヤの装着時には今ひとつグリップを引き出せずにチャタリングを悪化させてしまったので、その時にはいいタイムを出す事が難しい状態でした。ここでの4列目スタートは大きなハンデになりますのでこの結果にはがっかりです。
ただ、ここはレースの序盤にタイヤの右側を温めるのが難しい場所ですので、今回はそれを自分たちの有利な点として活用し、早めにトップ集団のライダーたちとの差を縮めておきたいと考えています。
まわりのライダーは自分よりもレースペースが遅いので、今回はいいスタートを決める事が不可欠になりますし、できる限り早いうちにポジションを挽回しておく必要があります。
表彰台も不可能だとは思っていません。狭くてコーナリングが多く、長くて体力が要求されるレースですからね。
●11番グリッド)クリス・バーミューレン リズラ・スズキ GSV-R
今日は予選タイヤに苦しんだので、すごく難しいセッションになってしまいました。追い抜き個所が少ないここでの4列目スタートはかなり辛いでしょうね。
午後のセッションが始まってからレースタイヤで15周走りましたが、ラップタイムは安定していましたしタイヤの耐久性も上々なので、明日のレースでは最初から最後までいい走りができそうですよ。
バイクも好調ですから、後は自分がスタートしてから1コーナーまでにどれだけ周りをかき分けながら前に抜け出せるかにかかっています!
●12番グリッド)アレックス・バロス ダンティーン デスモセディチGP7
明日のレースに向けては良くないグリッド位置である事は分かっていますが、全ては十分に順調です。いいセッティングがありますし、レースに向けていいタイヤも見つけています。それに今回は2回のセッションをトップ5以内の順位で終えていますし、自分の大好きなサーキットですからね。
今回の問題は予選タイヤでした。今回のポジションは予選タイヤの性能を使い切れなかった事が原因です。明日はレースは、スタートをうまく決めて序盤の短い期間にどれだけたくさんのライダーを交わし、前に出られるかどうかにかかっています。
最後に、ロリスの走行の障害となり、彼をペースダウンさせてしまった事を謝罪したいと思います。ロリスは最後のタイムアタック中でしたから、彼の重要なグリッド位置を下げる事になってしまい残念です。
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