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２００７年１１月４日
フィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、11月3日に行われたMotoGP最終戦バレンシアGP午後の予選においてセッションの開始10分、１コーナーからの脱出加速中にバイクのリアを滑らせて激しく転倒、右の手のひらの骨の３個所を骨折する大きな怪我を負っている（予選全体の流れはこちらの記事を参照）。
■ロッシは右のてのひらを骨折、強打した背骨は問題なし
フィアット・ヤマハ・チームの予選後の公式発表によれば、ロッシはクリニカ・モバイルで右手のレントゲン検査を受けた結果、小指の付け根、ならびに手のひらの２個所の合計３個所を骨折している事が判明している。なお、ロッシは腰の付近を強打して激しい痛みを訴えていた事から背骨のレントゲン検査も受けているが、幸いこの部分の骨や脊椎などには深刻なダメージは見つからなかった。
■過去１１年間１度もレースを欠場していないロッシ
 ロッシはグランプリでの過去１１年間に１度もレースを欠場した事がなく、さらにはこの間に一度も年間ランキングで２位以上の成績を逃していない事から、今期の年間ランキングの２位を最後まで維持し、全てのレースに出場するためにも、翌日11月4日の決勝レースにロッシ本人は出場する意欲を強く示している。
■ロッシが欠場の場合、ペドロサがランキング２位に浮上する可能性も
ちなみに現在ランキング２位のロッシはランキング３位のペドロサからは24ポイントのリードを保っているが、仮にロッシがレースを欠場し、今回ポールポジションを獲得しているペドロサがレースでも優勝して25ポイントを獲得する事になれば、ロッシは１ポイントの差でペドロサにランキング２位の座を譲らなければならない。すなわち、ロッシは１ポイント以上（レースで１５位以上）を日曜日のレースに出場して獲得しなければ、ペドロサにランキングを逆転される可能性がまだ残っている。
■最終決定はレース当日午前の様子を見てから
なお、ロッシが希望通りに決勝レースに出場するためには、日曜日の午前中に怪我の状態をクリニカ・モバイルとスペインのレース担当医師に相談し、出場許可をもらう必要がある。またそれ以前に、アクセルワークやブレーキングで多用する右手を負傷した状態のまま酷使する以上、年間タイトルの可能性がすでにないロッシ本人に、それだけのリスクを負う意志が最後まで保てるかどうかにも決断の流れは左右されそうだ。
■ロッシ「去年のアッセンとは若干状況が異なる」
現在も右手と背骨に痛みを訴えるロッシは、昨年のアッセンで骨折したままレースに出場した時と同程度の痛みだとして今回の怪我の状況を説明しているが、年間タイトルを狙って戦っていた当時と、ランキング２位を争う今回とは若干状況が異なるとのコメントを残している。
「今は大丈夫ですよ。ただ、転ぶ前の方がずっと体調は良かったですけどね！」とロッシ。
「すごく調子良く走れていて1分33秒3のタイムが楽に出せていたんですが、加速していたらリアが滑ってしまい、バイクを立て直そうと頑張りましたが遅すぎました」
「転んだ瞬間に手のひらの骨が折れた事は分かりましたが、どのくらいひどい折れ方なのかは分かりませんでした。腰のあたりもひどく強打したのでものすごく痛みますが、運良くその部分には深刻なダメージがなくて良かったです」
「明日の朝に怪我の状態を確認して、クラウディオ（クリニカ・モバイルのコスタ医師）やスペインの医師たちとにしっかり相談してから出場についての決断をするつもりです。自分のレース経歴の中では過去に一度も欠場をしていないので、明日そんな事になったら本当に嫌ですが」
「去年のアッセンの時の痛みを覚えていますが、あの時とそれほど痛みの具合は変わりませんし、同じくらいだと思います。ただ、あの時は年間タイトルを争っている最中でしたしね。明日はランキング２位を狙う戦いなので状況が全く同じとは言えませんが、いずれにしてももちろんレースには出たいです」
■ブリビオ監督「レース出場はロッシと医師の最終決定次第」
フィアット・ヤマハのチーム監督であるダビデ・ブリビオは、レース出場に関する最終決定は、ロッシ本人と午前の診断結果次第だと予選後にコメントしている。
「バレンティーノはセッション序盤から好調な走りを見せていましたが、不幸にしてシーズンの最後に転ぶ結果となってしまいました」とブリビオ監督。
「今は彼の怪我の様子を見る必要があります。彼は現在治療を受けていますが、レースに参加するかどうかは彼と医師たちの最終決定次第です」
「転倒の正確な原因はまだ分かっていませんが、チームのエンジニアたちが転倒時の状況を把握できるように現在データを分析している最中です」
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