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2007年8月30日
夏休み明けのブルノでは、他のホンダ・サテライト勢と同じ新型のシャシーやエンジンまわりのパーツをHRCから提供されたコニカミノルタ・ホンダ・チームだが、チェコの1回のレースウイークだけでは今シーズン中の最大の課題としているフロントまわりのチャタリングを解消する事はできず、念願の改良型RC212Vを手に入れたものの、中野真矢選手はチェコGPで14位という厳しい結果に終わっている。
■ブルノ合同テストでは解消できなかったチャタリング
チェコGP翌日のブルノ合同テストにおいて、新パーツのテストと改良型RC212Vのセッティング改善に終日を費やしたチームは、新しいマシンへの理解を少し深め、今週末にサンマリノGPが開催されるミサノ・サーキットで使用するベースのセッティングと作業の方向性はつかんだとしているが、依然として問題のチャタリングは解消できていない様子だ。
■日本GPまでには改善したい新型RC212Vのセッティング
シーズンが残り3分の1となった今、中野選手のランキングが17位という厳しい状況にある中、ミサノとエストリルの次に控える9月23日のツインリンクもてぎまでには、コニカミノルタ・ホンダ・チームはホンダのRC212Vを中野選手が全力で攻める事のできるマシンに仕上げられるよう、セッティングの改善に全力を尽くす構えだ。
■モンティロン「データ収集にはもう少し時間がかかる」
コニカミノルタ・ホンダのチーム・オーナーであるジャンルカ・モンティロンは、ブルノから提供されたマシンへの期待は非常に高いものの、セッティングの改善を進める上で必要なデータを集めるのにはまだ時間がかかると考えている様子だ。
「ブルノのテストはシーズン終盤に向けてデータを収集する上で、チームにとって非常に重要なものでした。」とモンティロン。
「新しいパーツ類にはかつてない程に高い期待を抱いていますが、セッティングを改善するのに必要なデータを集めるのには、まだ時間がかかります。」
「フロントまわりのチャタリングのせいで、シンヤはまだ完全に攻めて走る事ができていませんから、ミサノで同じような問題が発生しない事を祈っています。」
「今回のレースで興味深いのは、誰にとっても、またタイヤにとっても初めてのサーキットだという事です。レースのファンの方々にとっては非常に面白いレースウイークになるでしょうね。」
■中野選手「ブルノで行った作業をミサノでも継続」
中野選手は、ブルノ合同テストでチャタリングの解消はできていないものの、セッティングの改善策はいくつか見つかったので、ミサノでの初日の作業には取り組みやすくなったとコメントしている。
「ブルノの後のテストは自分たちにとって非常に重要でした。ミサノでも作業をこのまま頑張って続けたいと思います。」と中野選手。
「ブルノで発生したチャタリングの解消方法は見つかっていませんので、今でも最優先の課題はその問題を解決する事です。ただ、バイクのセッティングにいくつかの改善策は見つかりましたから、ミサノに到着した時に作業を開始する出発点と取りかかるべき内容はつかめたと思っています。」
「今回は誰にとっても初めてのコースですので、最初のセッションが面白くなりそうですね。」
■ベルナルデッレ「誰にとっても初めてのサーキット」
コニカミノルタ・ホンダの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレは、前回のブルノ合同テストでは新しいパーツの検証を進める事ができたので、今回のミサノでは新しいコースレイアウトの攻略などにも時間を使い、いい結果を狙いたいとしている。
「ミサノのレースの前に可能な限りの時間を使って新しいパーツを検証しておきたかったので、前回のブルノの合同テストは非常にチームにとって重要でした。」とベルナルデッレ。
「ここのコースは全面的に改修されましたので、以前にグランプリが開催された時とは大きく状況が異なっています。プラクティスの時間は毎回短いので、今回のミサノに向けての合同テストの中では新型マシンへの理解を深めておく事が重要でした。サーキットのデータは一切ないので、現場では新しいコースレイアウトの学習などに時間が必要ですからね。」
「金曜日にプラクティス・セッションが1つ追加されたのはいい事だと思います。誰にとっても初めてのサーキットになりますから、自分たちもいい結果を狙えるように頑張りたいです。」
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