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2007年5月4日
開幕からの2戦は、好調だったプレシーズン中に目標としていた毎レースでの表彰台争いとはほど遠い結果となり、焦りの見えたプラマック・ダンティーン・チームだが、前回のトルコではチーム・オーナーであるルイス・ダンティーンの念願だったアレックス・バロスの3位争いと、アレックス・ホフマンの個人目標だったトップ10フィニッシュを同時に達成しており、本日の5月4日より開催されるの中国グランプリには、再び高い意欲と目標を掲げて挑む構えだ。
■当初目標の達成を今後も狙うプラマック・ダンティーン
好調だったイスタンブールでのレース翌日の合同テストでは、アレックス・バロスは新型のブリヂストンタイヤを試し、レースウイーク中の予選とレース中の自己ベストをそれぞれに1秒上回る好タイムを記録しており、ブリヂストンタイヤへのさらなる信頼感を高めたようだ。
■上海での圧勝が予想されるドゥカティー・パワーに期待
さらには、彼らのマシンは上海サーキットとの相性が極めて高いと噂されるドゥカティーのデスモセディチGP7であり、トルコで好調だったブリヂストンタイヤとドゥカティーとのパッケージングにも、大きな期待をチームスタッフ関係者の全員が抱いている。
■肋骨の痛みの回復を願うホフマン
なお、前回のトルコの決勝レース当日午前のウォームアップで激しく転倒して肋骨を痛めたアレックス・ホフマンは、今でもその痛みに苦しめられている様子だが、彼は今回の中国でもトルコと同じトップ10圏内を目指し、体調の回復を急いでいる。
■ダンティーン「チームの実力を再認識させたい」
最終ラップで表彰台は逃したものの、バロスのトルコでの成績に盛り上がるプラマック・ダンティーンのチームオーナーであるルイス・ダンティーンは、今回の中国でもトルコに続けてチームの実力を周囲に向けて高い成績で示したいとしており、その意欲を語っている。
「まだシーズンは序盤ですし、これからの作業は山ほどありますが、前回のトルコの成績には大変に満足しています。アレックス・バロスが4位、アレックス・ホフマンが9位でしたからね。私たちはさらに高い結果を目指し、全力を出し切るつもりです。」とダンティーン監督。
「今回の中国のレースは特に重要です。チームの実力を全ての人に再認識してもらわなければなりませんからね。私たちが高い戦闘力を維持できる状態にある事をお見せできればと思います。」
「ブリヂストンとドゥカティーには、素晴らしい製品を提供していただいた事を改めて感謝したいと思います。また、チームのメンバー全員も良く頑張ってくれていますので、現在の方向性さえ維持できれば、上海でも2名のライダーは揃ってトップ10入りを狙える筈ですよ。」
■バロス「ストレート加速だけでは勝てない」
スペインまでの2戦を終えた段階では、「まだ表彰台争いの目標が達成できていない事が懸念事項」と述べていたアレックス・バロスは、トルコのレースとその翌日のテストでは高い結果を残して今シーズンへの期待を高めた様子だが、2005年の雨のレースしか経験していない上海の目標に関する発言は慎重だ。
「上海では2005年の1回しか走っていませんので予想は全くできません。このサーキットでの自分のデータはあまりないんです。豪雨の中にしてはいい走りができた事だけは覚えていますけどね。」とバロス。
「ここのサーキットは構造的に非常に良くできていますし、走っていて熱くなりますね。ただ、非常に狭くて追い抜きが難しいという問題がありますので、予選でいい成績を取り、スタートからトップ集団の中に入ってストレートを全力で攻める必要があります。」
「また、自分たちのドゥカティーGP7はストレートは得意ですが、表彰台を狙うためには窮屈なコーナーの中でもタイムを縮めなければだめでしょうね。」
「イスタンブールの結果もあり、今はかなり自信が高まっています。上海のコース状況を分析して、最良のセッティングを探るのが今から楽しみです。今回も楽しめるレースになる事を期待しています。」
■ホフマン「初日までに体調と腕力を回復しておきたい」
前回のトルコでは肋骨の痛みがなければさらに高い結果が狙えた筈だと述べるアレックス・ホフマンは、中国ではさらに高い成績が残せるように体調を万全に整えておきたいとコメントしている。
ちなみに、上海サーキットでのグランプリ初年度の2005年、当時カワサキのライダーだったホフマンは怪我のために欠場しており、自分の代役として走ったオリビエ・ジャックが豪雨の決勝でカワサキの最高位となる2位表彰台を獲得したのをテレビで見て、「凍り付く思いをした」という苦い経験がある。
「中国には100%の体調で挑める事を願っています。イスタンブールの時に転倒した影響で、今はまだ肋骨がひどく痛いんですよ。前回はいいレースができましたが、本当はもっと速く走れた筈です。」とホフマン。
「上海は年間シーズンの中で一番長いストレートがありますから、自分たちにとっては有利な状況と言えますね。その利点を有効に活用して、先頭集団との距離を早くから縮めて追いつきたいと思います。」
「早く走りたいです。でもまだレースまで何日かありますから、残りの日数を利用して体調と腕力を回復できるように頑張るつもりです。」
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