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2007年2月27日
チームのオーナー自らが述べる通り、過去2年間の暗黒の時代からようやく抜け出す事ができそうなかつての名門プラマック・ダンティーンMotoGPチームは、2月25日にスペインのヘレスで開幕前の最後の走行テストを終えた。
■暗黒の時代を抜け出すダンティーン・チームとホフマン
ドゥカティーのデスモセディチで今期も戦うダンティーン・チームは、タイヤを昨年に使用していたダンロップから、ドゥカティー・ワークスと同じブリヂストンに変更し、ここまでの冬季テストを通して好感触を得ている。チームが今年は好調な事は、昨年までは常に低位置でレースを戦っていたアレックス・ホフマンの今年のプレシーズン中のタイムを見れば明らかだろう。
アレックス・ホフマンは2月のフィリップアイランドでは13人のライダー中の総合6番手、前回のカタールのIRTAテストでは22人中の総合5番手に位置しており、SBKからMotoGPに復帰したグランプリのベテランであるチームメイトのアレックス・バロスと僅差または上位につけている。
■バロスを上回るプレシーズン中のホフマンと、不満をもらすバロス
ホフマンは今回のヘレスでの開幕前最後となるIRTAテストでも好調にタイムを伸ばしており、前日の2日目までは、食中毒による腹痛にもかかわらず23人のライダー中の4番手につけていた。最終日はBMWアワードの予選タイヤによるアタック合戦で16番手までポジションを落としたが、タイムは1分40秒台の中間付近であり、ペースそのものは他のライダーと全くひけを取らない。それどころか、この最終日にも17番手となったチームメイトのアレックス・バロスのタイムを上回っている。
また、年末から年始にかけてはブリヂストンタイヤの性能の高さを評価していたアレックス・バロスだが、冬季テストを全て終えたこの日、開幕シーズンに向けて高い期待をチームメイトのホフマンが示す中、思い通りに進まなかったマシンのセッティング状況に今回は不満をもらしている。
■開幕を待ちわびるホフマン
3日間を通して様々なセッティングを試したアレックス・ホフマンは、最後の3日目だけはセッティングに苦戦した様子だ。シャシーとサスペンションのセッティングは悪くない状態だが、エンジン出力(パワーデリバリー)の調整がまだ完全ではないという。この日のホフマンのタイムは総合16番手の1分40秒681だった。
しかしながら、このプレシーズン中の高い結果に満足しているホフマンは、開幕を指折り数えて待ちわびている様子だ。
「ヘレスは自分たちにとっては厳しいテストになりましたね。」とホフマン。
「来月のレースに使うセッティングを何種類も試しましたから、今週末はそれを整理して検証します。午後から夕方にかけてはレースシミュレーションを行い、いいペースで走ることができましたが、完全には満足できていません。」
「今日はレース用と予選用の両方のセッティングを試しましたが、どちらも悪くはない感じでした。ここはあまり自分にとって好みのサーキットじゃありませんが、来月ここに戻ってきても、できる限りベストを尽くしたいですね。」
「冬季テストは楽しめましたし、開幕に向けての自信もあります。今シーズンへの意欲はものすごく高いので、自分の過去最高の成績を今年は収めるつもりで開幕を楽しみにしていますよ。」
■バロス「まだ問題は多いが開幕後は勝利を狙う」
3日間の総合17番手タイムの1分41秒038を記録したアレックス・バロスは、今回のヘレスでのテストを通してレースタイヤにも予選タイヤにも納得のいく結果が得られず、レースペースも安定した速さでは走れていない。マシンの感触があまり良くないというバロスは、コーナリング速度を上げるのに苦労しているようだ。バロスのメカニックによれば、マシンそのものは良いが、シャシーのセッティングにまだ問題が残っているという。
しかしながら、レース中のコーナーの奪い合いに定評のあるバロスは、開幕後は常に表彰台を狙うと述べ、勝利への高い意欲を示している。
「もっといい成績も狙えた筈ですから、今日の結果にはあまり満足していません。」とバロス。
「今日は予選用とレース用のタイヤの両方にコンパウンドの問題を抱えていました。レースペースが安定しませんし、自分の思うように作業が進みませんでした。」
「カタールとフィリップ、それにセパンではバイクの改善策を見つけましたが、ここでは同じようには作業がはかどりませんでした。バイクからいい感触が得られていませんし、コーナリングスピードも不十分です。」
「いずれにしても、冬季テストはいい内容でした。まだ戦うレベルに到達するには大量の作業が残ってはいますが、チームと行ってきた作業には満足できます。」
「高い意欲で今シーズンの戦いには挑みますよ。安定して何度も表彰台争いに参加するつもりです。」
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