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2007年2月27日
MotoGPクラスにおける開幕前の最後のプレシーズンテストとなったヘレスでのIRTAテストが、2月25日に3日目の最終日を終えた。これで各チームは来月3月8日に迫った初の800cc最高峰クラスの開幕を迎えるのみとなる。
■冬季テスト解禁から開幕までに日本列島を1.5回縦断
2007年のセパンで開始されたメーカー合同テストから今回のヘレスでの最後のIRTAテストまでに、殆どのライダーは1人当たり4500キロメートル近くの距離を走行しており、これは日本列島(沖縄を除く)を1.5回縦断した距離に相当する。
■3分割された最終日のテスト
ヘレスでのIRTAテスト3日目のセッションは、エキシビションマッチとなった予選形式のBMWアワードの他に、午前と午後の2回に分けて、通常通りのフリー・プラクティス形式のテストセッションが行われている。
10時からの開始が予定されていた午前のセッションは、2日目と同様に深い霧のために1時間開始が遅れたが、それ以降は一時小雨はあったものの終日ほぼドライ路面が保たれ、どのチームも開幕前の最後のサーキットでのマシン調整に集中し、路面が冷え切る午後6時のセッション終了間近まで走行を繰り返した様子だ。
■夕方はレースシミュレーションを中心に行った各チーム
白熱のBMWアワードを終えた後、全チームはそのまま夕方までテストを継続し、多くのチームがロングランを行って開幕を目前に控えての最後のレースシミュレーションを実施している。
なお、3日目の走行条件だが、午前のテスト開始時の気温は17度、路面温度は24度、湿度は42%。BMWアワード開催時の気温は19度、路面温度は34度、湿度は28%。午後から夕方にかけての気温は18度、路面温度は29度、湿度は35%だった。
■ヘレスIRTAテスト3日間の総合タイム
以下に、今回のヘレスでの3日間の走行における総合順位と周回数の合計を、各ライダーの自己ベスト順に示す。
1) バレンティーノ・ロッシ ITA ヤマハ・ファクトリー・レーシング YZR-M1 1分38秒394(194周)
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分38秒527(215周)
3) コーリン・エドワーズ USA ヤマハ・ファクトリー・レーシング YZR-M1 1分39秒300(192周)
4) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分39秒556(237周)
5) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分39秒832(208周)
6) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分39秒873(144周)
7) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分39秒887(167周)
8) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分40秒043(195周)
9) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 1分40秒083(211周)
10) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分40秒100(211周)
11) トニ・エリアス SPA グレッシーニ・ホンダ RC212V 1分40秒202(212周)
12) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分40秒242(200周)
13) 玉田誠 JPN ヤマハ・TECH3 YZR-M1 1分40秒307(174周)
14) マルコ・メランドリ ITA グレッシーニ・ホンダ RC212V 1分40秒383(194周)
15) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分40秒541(181周)
16) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分40秒681(164周)
17) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分41秒038(169周)
18) 秋吉耕佑 JPN リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分41秒805(179周)
19) シルバン・ギュントーリ FRA ヤマハ・TECH3 YZR-M1 1分42秒215(190周)
20) ヴィットリアーノ・グアレスキ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ 1分43秒008(168周)
21) アンドリュー・ピット AUS イルモア・GP イルモアX3 1分43秒026(156周)
22) 伊藤真一 JPN ドゥカティ・ブリヂストン・チーム デスモセディチ GP7 1分43秒073(167周)
23) ジェレミー・マクウィリアムス GBR イルモア・GP イルモアX3 1分43秒202(121周)
■年末に続き、今年のプレシーズンテスト最終日もヤマハとホンダ
年末のヘレスでのメーカー合同テストにおいてトップタイムを最終日に争ったのは、レプソル・ホンダのダニ・ペドロサとヤマハ・ワークスのバレンティーノ・ロッシだった。この時は1人だけ1分39秒台に突入したダニ・ペドロサ(1分39秒910)が、2番手タイムのバレンティーノ・ロッシ(1分40秒123)を抑えて2006年最後に有終の美を飾っている。
今回のヘレスではその順序が逆転し、ペドロサとロッシのみが1分38秒台の前半という39秒台の他のライダーを圧倒するタイムでのバトルを見せ、最終的にロッシが1分38秒394の総合トップタイム、ペドロサが1分38秒527の2番手タイムを記録している。
最速の2名に続いたのは、ロッシのチームメイトであり昨年度プレシーズン・チャンピオン(2006年BMW獲得)のコーリン・エドワーズが3番手、ペドロサのチームメイトであり昨年度チャンピオン(2006年度タイトル獲得)のニッキー・ヘイデンが4番手であり、ここまでの冬季テスト中に2大ワークスがマシンを順調に仕上げてきた事を証明している。
■大健闘のド・ピュニエとストーナー
ミシュランユーザーの筆頭4名がトップ4を独占する中で、健闘したのがブリヂストンを履く若手の2名だ。
2大ワークスの後ろの5番手につけたカワサキのランディー・ド・ピュニエは、タイムアタック中の最終ラップにギアぬけのミスを犯さなければ、39秒台の前半は狙えたとしており、この冬季テスト中のレースぺースのみならず、予選タイヤでも高いレベルの走りができる事を見せつけている。
また、ドゥカティーに乗り換えてからほとんど履いた事のなかった予選タイヤでこの日のタイムアタックに挑んだケーシー・ストーナーも、先輩のチームメイトであるロリス・カピロッシがセッティングに苦しむ傍らで、最終日に総合の6番手タイムを記録した。
■ブリヂストンの若手は好感触、ベテランは不満
なお、全体的に今回のヘレスでは予選タイヤに苦しむ傾向のあるブリヂストン勢だが、バロスやカピロッシをはじめとするベテラン勢が今回のタイムアタックセッションで前に出なかったのは、勢いで走りきる若手2名と比較して転倒のリスクに敏感だったのか、単にセッティングの問題だったのかどうかは、開幕後の予選ではっきりするだろう。
いずれにしても、ストーナーは初めて本格的に使用したブリヂストンの予選タイヤの性能を「衝撃的な性能」と表現しており、高い好感度を示している。
■冬季テストを通してタイムに伸び悩むホンダのサテライト勢
年明けの当時のセパンに比べれば大きく進歩はしているが、他のチームの大幅な改善状況の中では色あせて見えるのがホンダのサテライト勢だ。
ただし、今回のホンダのサテライト各チームは新しい事へのチャレンジが多いのも事実であり、エンジンレイアウトが昨年と異なる事から制御系システムが刷新されている影響も含め、ライダーのみならず各チームのエンジニアも試行錯誤を重ねながらのテストを過ごしたという印象もある。なお、ホンダの総合力を持ってすれば、冬季テスト中盤以降に好調となったレプソルホンダを通してHRCが入手したデータが、各サテライトチームのマシンに開幕までに反映されてくる可能性は十分にある。
■ホンダのサテライトの中では軌道に乗りつつあるチェカ
苦しむサテライト勢の中では比較的好調な仕上がりを冬季テスト中盤に見せているのがホンダLCRのカルロス・チェカだ。年始に訴えていたポジションの問題を解決し、現在の開幕に向けての主な課題は、HRCと共に取り組んでいるストレート加速時などの出力向上策のみのようだ。
■ブリヂストンとRC212Vの相性合わせに苦戦を続けるグレッシーニ
今年はミシュランからブリヂストンに履き替えたグレッシーニ・ホンダチームはプレシーズンの最終日まで苦戦続きだった様子だ。今回のヘレスでは初日から2日間の連続トップを記録したマルコ・メランドリだが、最終日には2日目のタイムを更新する事が出来ずに終わっており、予選タイヤ装着時のセッティングにまだ課題があるとコメントしている。
メランドリのチームメイトのトニ・エリアスは、今回のヘレスでやっと自分のライディングスタイルにあったブリヂストンタイヤが見つかった事を喜んでいたが、最終日はその新しいタイヤに合わせたシャシーとサスペンションのセッティングに苦しみ、思うようにはタイムが上がらなかったという。
■予選タイヤ装着時にチャタリングが再発した中野選手
初めてのホンダでの活動となる今年、コニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手は、冬季シーズン中を通してフロントのチャタリングに悩まされている。
カタールで問題は解決の兆しを見せ、今回のヘレス前半はほぼマシンの仕上がりは問題のないレベルに到達したと自信を示したコニカミノルタ・ホンダチームだが、今回のタイムアタックで本格的に予選タイヤを800ccマシンで初めて試した結果、チャタリングの問題が再発しており、中野選手はコーナリング速度を思い通りに上げる事ができなくなっている。夕方までに試したレースタイヤでのペースには問題がないため、予選用セッティングの改善策を開幕に向けてチームは検討するという。
■安定してタイムを伸ばし続けるチーム・ロバーツはホンダの3番手
年明けのセパンでのプレシーズン直前に組み上がった新型KR212Vを、今回のヘレスまでの短期間にテストしたチーム・ロバーツは、ここまでのマシンの仕上がりには高い好感触と満足が得られているという。実際に、同じホンダのエンジンを搭載するマシンで今回のロバーツ・ジュニアのタイムを上回ったのはレプソル・ホンダの2台だけであり、予選タイヤでもレースタイヤでも安定して速いKR212Vの独自シャシーの仕上がりにチームは大きな自信を示している。
■スズキは密かに好調
さて、年末から年明けのセパンまでは絶好調と言われ、ヤマハとホンダを抑えてのトップタイムも連発していたリズラ・スズキだが、2月のフィリップ・アイランドには苦戦したものの、前回のカタールではジョン・ホプキンスが総合の2番手タイムを記録するなど、忘れられがちだが現在でも非常に好調だ。
カタールではトップタイムを記録した直後にホプキンスが高速走行中にハイサイドを起こして転倒、右足のつま先の骨折と右手首を痛めるという残念なアクシデントがあったために、今回のヘレスにはレギュラー・ライダーはクリス・バーミューレンのみが参加しているが、バーミューレンはこの最終日に990cc時代の予選タイヤでの自己ベストを上回り、ホンダのサテライト勢を全て抑える8番手タイムの1分40秒043を記録している。
なお、バーミューレンが800ccマシンで予選タイヤを装着したのは今回が初めての事だ。
■TECH3ヤマハ、昨年の課題だった予選タイヤも順調
今年から玉田誠選手を開発の中心に迎えたダンロップ・ヤマハTECH3チームは、開幕に向けてのタイヤ開発の状況に満足のいく結果が得られている様子だ。今回の予選タイヤでのタイムアタック合戦において、玉田選手は古巣のコニカミノルタ・ホンダのマシンから0.065秒しか離されていない。
2007年からの新しいタイヤレギュレーションに唯一縛られないダンロップタイヤを使用するだけに、今年のTECH3チームは少しでもレースウイーク中に優位となる材料が欲しいところだが、予選タイヤの性能アップは十分にその期待に沿うものだろう。
玉田選手はフロントタイヤの性能についてはセパンでのメーカー合同テストの時から満足だとするコメントを発しており、ヘレスではリアまわりの作業に集中していた様子だ。また、さらにマシンを傾けられるようにタイヤ側面のグリップ力強化にも焦点をおいて開発を進めているという。
■カワサキとドゥカティーの状況とコメント
以下に、冬季の全てのプレシーズンテストを終え、ヘレスでの最終日にはヤマハとホンダのワークス勢に次ぐ総合5番手と総合6番手にそれぞれつけたカワサキとドゥカティーのコメントなどを紹介する。
■さらに乗りやすいマシンを目指すカワサキ
冬季シーズンを通して常にトップ5からトップ10あたりの好位置につけているカワサキ・レーシング・チームは、今回のブリヂストン勢の中でのトップタイムを記録したヘレスでのIRTAテストの結果に満足している様子だ。
新型Ninja ZX-RRのエンジンはヘレスではよりスムーズな特性となったようだが、開幕に向けて、さらに乗りやすいマシン特性の追求をカワサキのスタッフは狙うという。
■ド・ピュニエ「ギアミスさえしなければ・・・」
BMWアワードのタイムアタックセッションにおいて、1分39秒832の総合5番手タイムを記録したランディー・ド・ピュニエは、順位には不満はないものの、自分のシフトミスによりタイムを少しロスした事を悔やんでいる。
「今日は少しがっかりしてます。公式セッションの順位についてではなくて、今日のラップタイムにです。」とド・ピュニエ。
「試したどの予選タイヤでもタイムを上げる事ができたのに、最後のアタック中に誤ってギア抜けをおこしてタイムを少しロスしてしまったんです。おまけにその時は雨も降り始めたので、気にしないように目をつぶって最後まで激しくプッシュしましたが、あのミスさえなければ、1分39秒台の前半にはいけたと思います。」
「今回のセッション中にできたテストと3日間の作業内容については全体的に満足しています。サスペンションを何回か調整したら、今朝からすごく感触が良くなりました。今日はエンジンも以前よりスムーズになったので、これはレースの距離を走りきる上で重要な事です。」
「開幕戦のカタールが待ちきれませんよ。」
■ジャック「トップ5との差はそれほど開いていない」
また、この日の総合15番手タイムの1分40秒541を記録したオリビエ・ジャックは、タイムアタックのセッション中は雨が降り始めたために最後のアタックを中断し、その後に行われた夕方のテストセッションにおいて、この日の自己ベストタイムを記録している。
「ここまでにブリヂストンの予選タイヤを試したは今日の午後のタイムアタックが初めてです。」とジャック。
「レースタイヤと比べてあんまりグリップがすごいんで最初はびっくりしました。要するに、1回目はリアの予選タイヤの威力を発揮する事ができなかったって事ですけどね。」
「2本目を履いた時にタイムが1秒縮まったのでかなり自信がついて、3本目を試した時にはさらにタイムが上がりました。でもその時にヘルメットのバイザーに雨の水滴が見えたので、最後のタイムアタックは途中で断念してピットに戻りました。」
「今から思えばアタックを続けておくべきだった事は明白ですが、まだあの時はサーキットの他の部分がどのくらい激しく雨が降ってるか分かりませんでしたしね。それに開幕を目前に控えたタイムアタックで、大きなリスクを冒しても意味がないと思ったんです。」
「いずれにしても、全体を通してかなり満足しています。トップ5と比べてもそれほどタイム差は開きませんでした。」
「今日は特にバイクの調子が良かったです。それと予選タイヤのグリップ力のおかげで、まだセッティングに必要ないくつかの対策も見えてきました。バイクのバランスはまだ完璧とは言えませんが、重要なのは毎日進化が続いているという事ですよ。」
■依田一郎監督「トップスピードと乗りやすさの向上」
カワサキ・レーシング・チームの依田一郎レーシング・ディレクターは、ここまでの冬季テスト中における高い成績に満足すると同時に、2名のライダーをねぎらいながら、開幕に向けてのさらなるマシン改善の方向性について語った。
「今回のテストへの評価はとても高いですよ。チームの力を発揮する事ができました。」と、今年からカワサキ・レーシング・チームの全指揮権を握る依田レーシング・ディレクター。
「ランディーとオリビエは、まだ予選タイヤに慣れていなかったにもかかわらず、午前のセッションと午後のタイムアタックで見せてくれましたね。夕方のセッションでもそれを再確認できました。」
「前回のカタールのテストの時と比べて、タイヤに関してはかなり前進できたと思います。レースに向けてのタイヤ選択にも明確な方針が得られました。ただ、エンジンの性能については、トップスピードや乗りやすさの向上を狙うためにはもっと改善を進めなければいけません。」
「2名のライダーのここまでの仕事内容には満足しています。また、すでに彼らにはカタールで期待する内容を伝えてありますよ。」
■レースセッティングに満足のドゥカティー
予選タイヤをここまでの冬季テスト中に800ccマシンではあまり試してこなかったドゥカティー・ワークスの2名だが、ヘレスでのIRTAテスト最終日の公式セッションでは僅かに0.014秒差の6番手と7番手タイムを、予選タイヤでそれぞれに記録している。
プレシーズンを通してレース用のセッティングには自信を示すドゥカティー勢だが、今回のヘレスでロリス・カピロッシはブリヂストンの予選タイヤについてはまだ課題が大きいと感じたようだ。また、それとは対称的に、ケーシー・ストーナーはほとんど初めて本気で走ったブリヂストンの予選タイヤの性能には感動しているという。
■ストーナーが今年2度目の転倒
夕方にはレースに向けてのロングランを開始した2名だが、この時にストーナーは散々な経験をしたようだ。エンジンがロングランの途中でトラブルを抱えてピットインし、その後は路面温度が冷えても走行を続けていたストーナーは激しく転倒して頭を強打、一時的に脳震盪を起こして意識を失っている。
クリニカ・モバイルで左目の焦点があわないという症状を訴えたストーナーは、クラウディオ・コスタ医師の勧めで近くの総合病院でCTスキャンによる頭部の検査を受けたが、幸いどこにも異常は見つからなかったようだ。
■ストーナー「もともと車なんて狙ってません」
夕方はいくつかセッティングにもトラブルを抱え、今までで最悪のテストになったと述べるケーシー・ストーナーだが、前日までの2日間とこの最終日の午前中までは調子が良かったので、問題は解決できる筈だとコメントしている。
「今日は1日の最初からすごくいい感じで始まりました。セッティングがいい方向に進んだんです。」とストーナー。
「BMWをかけてのタイムアタックの後にレースシミュレーションを行いましたが、それはあまり調子が良くなかったです。エンジンに少し問題が発生して途中でピットインをする事になり、別のリアタイヤを試そうとしていたのにだめになりました。」
「その後には転倒する事にもなりましたしね。普通は5時30分をすぎてからコースに出たくはないんです。あまり激しくプッシュはしていなかったんですが、残念ながらものすごい速さのマシンから吹っ飛びました。」
「ここでのレースに向けては別の方針を立てなきゃいけませんので、これから色々情報を見直す必要があります。ここまでのテストでは最悪の状況になりましたが、前日までの2日間や今日の午前中は好調だったので、なんとかなると思いますよ。この状態で一番最悪ならすごく嬉しいですしね。」
「予選形式のセッションにはそれなりに満足してます。もともと車なんて狙っていませんでしたから。」
「あの時は予選タイヤを何本かテストしましたが、ものすごい好感触でちょっと衝撃的でしたよ。もっと使い慣れればさらにいいセッティングが出せる筈ですし、かなり前のグリッドが狙えると思いますね。」
■カピロッシ「予選に向けての課題は大きい」
2007年の新レギュレーションによりタイヤの使用本数が制限される事を懸念するロリス・カピロッシは、レースウイーク中に優位を確保するには、予選タイヤなどの分野に関してまだブリヂストンと進めるべき作業が多いと述べた。
「重要なのは昨日まで抱えていた問題を解決するいいセッティングの方向性が午前中に見つかった事です。」とカピロッシ。
「今はレースペースには満足しています。41秒台の前半で走れますし、悪くないタイムですから、高い目標をこれで設定できるようになりました。」
「予選タイヤに関しては少し難しい状況になるだろうとは思っていました。いくつか改善は進みましたが、より戦えるレベルにするには、まだブリヂストンと一緒にこの分野を煮詰めていく必要があるのは間違いありません。現時点では多くのサーキットでグリップ不足に苦しめられていますからね。」
「開幕を迎えるにあたりもう1つ難しくなるのが新しいタイヤのレギュレーションです。レースの度に自分たちが使用できるタイヤの数が制限されるようになります。ただ、これは誰にとっても同じ条件である事に違いはありませんが。」
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