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2007年1月17日
チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラの2名のライダー、加賀山就臣選手とマックス・ビアッジは、開幕前最後の合同ピレリタイヤテストを1月15日に終えた。
■新型マシンの調整を進めるスズキは2種類のエンジンをテスト
前回のカタールの合同テストでは、2007年仕様の新型マシンであるGSX-R1000K7のセッティングに、ライダーのみならずチームのエンジニアも、学習を兼ねる形で試行錯誤を重ねた印象がある。今回のフィリップ・アイランドの3日間においても、アルスター・スズキチームは新しいマシンの調整を繰り返し、開幕までに必要となる多くの情報を収集する事に成功したようだ。
今回、スズキは2種類の仕様のエンジンをオーストラリアに持ち込み、それぞれの感触を交互に試しながら、約1ヶ月後に迫った開幕レースに向けて様々なセッティングを忙しく試したという。
■2日目に転倒したビアッジは無傷
3日間を通してのテストの結果は、ドゥカティーのトロイ・ベイリスが1分30秒台という驚異的とも言えるタイムを記録する中で、アルスター・スズキの加賀山就臣選手は総合6番手タイムとなる1分32秒3、チームメイトのマックス・ビアッジは総合8番手タイムとなる1分32秒4を記録し、今回のピレリタイヤテストを終えた。
マックス・ビアッジは2日目に低速コーナーで1回の転倒を喫したが、幸いビアッジは無傷であり、それ以外は両ライダーともに転倒する事なく無事に全ての走行を完了している。
■加賀山選手「今回は転ばなかった!」
忙しい3日間を過ごしたという加賀山就臣選手は、今回のフィリップ・アイランドで収集する事ができた大量の情報にとても満足している。今後のテストと開幕戦に向けて、データの分析を進めたいと彼は語る。
「3日間を通して一回も転ばなかったのが嬉しいですよ!」と加賀山選手。
「新しい2007年仕様のバイクに対して多くの検証を行いましたから、今回のテストはすごく忙しかったですね。期待したほどタイムは伸びませんでしたが、それでもとても役に立つ内容ばかりでしたよ。」
「この3日間に本当に多くの仕事をやりとげましたし、有益な情報を大量に集める事ができました。これからチームに戻って集めたデータを分析すれば、次のテストではさらに一段階進んだ作業ができる筈です。」
「(コースレイアウトが)バラエティーに富んでいるので、フィリップ・アイランドはいつきてもテストに最適の場所です。次回のテストではもっと改善が進んで、カタールでの開幕戦の準備が整うように期待しています。」
■ビアッジ「フィリップ・アイランドは面白かった」
2日目には低速コーナーで転倒し、3日目の午後のタイムもあまり伸びずに総合8番手タイムに終わったマックス・ビアッジだが、オーストラリアでのテスト内容についてはほぼ満足している様子だ。
フィリップ・アイランドでもマシンの理解を深める事に集中したというビアッジは、開幕までの今後のテストで、今回収集したデータが役に立ち、良いタイムにつながる事を期待するとコメントしている。
「フィリップ・アイランドはとても面白かったですよ。ここではバイクの理解を深めるために多くの作業をこなす必要がありましたしね。」とビアッジ。
「数回はロングランを行いましたが、少しバイクに振動があって全体的なタイムに影響が出てしまい、結果はあまり良くありませんでした。それに最終日の午後の路面はかなり熱くなったので、普通こういう時にはあまり速くは走れないんです。」
「2種類の仕様のエンジンを試しましたが、ここでは日本仕様の1つが良くて、自分にとってはそっちが乗りやすく感じました。いいエンジンパッケージだと思います。」
「これでチームは多くの情報や、今後の作業に必要なデータを収集する事ができましたから、これらを元に次回のテストでは頑張りますよ。今回のオーストラリアでの作業成果が、次回のテストでいい結果につながって欲しいですね。」
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