|
2008年1月10日
今週の月曜日の1月7日にドイツでお披露目したばかりの2008年型F1車両であるMP4-23を、飛行機の深夜便に積み込んでスペインのヘレス・サーキットに送ったボーダフォン・マクラーレン・メルセデス・チームは、発表式典から1日をおいた水曜日となる1月9日の早朝より、間の週末を除いて6日間の日程で開催されるプライベートテストを開始した。
ここでは、ドイツの式典からプライベート・テスト開始に至るまでのチームの動きと、サーキット・デビューをついに果たしたMP4-23の初日のテストの内容などを紹介する。
■MP4-23のサーキット・デビューを担当したのはコバライネンとデ・ラ・ロサ
今週よりスペインのヘレス・サーキットで行われている6日間のMP4-23のシェイクダウンテストには、初日となる1月9日の水曜日は2008年度の正ドライバーとして年末にチームに加わった元ルノーのヘイキ・コバライネンと、昨年に引き続き第3ドライバーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサの2名がテスト走行を担当。
■ヘレスでのテスト日程は今週から計6日間、ハミルトンの参加は2日目から
続く今週の木曜日と金曜日の2日間はマクラーレンでの活動2年目を迎えたルイス・ハミルトンと、コバライネンという2008年度正ドライバーの2名が参加し、そこから週末の2日間の休みを挟んで来週の月曜日となる1月14日はデ・ラ・ロサと今年もマクラーレンのテスト専任ドライバーを務めるゲイリー・パフェットの2名、続く火曜日の1月15日と翌日最終日の2日間は再び正ドライバーの2名がテスト走行を実施する予定だ。
■1台目はドイツの式典から空輸、2台目はイギリスから直接スペインへ移動
1月7日にドイツのメルセデスベンツ博物館のステージに華々しく登場したMP4-23は、式典が終わると同時に最寄りの空港であるシュトゥットガルト空港に運ばれ、午前2時にはドイツを離れてスペインのヘレス空港に向かった。1月8日の火曜日の朝にマクラーレンのテスト・チームはスペインでその車両を受け取り、翌日のテストを早朝から開始できるように1日を整備とセッティングを夜遅くまで続けている。
またその頃、式典の会場で展示されたのとは別のもう1台のMP4-23もスペインに輸送されている。1月8日にイギリスのマクラーレン・テクノロジー・センターから飛行機で直接スペインに運ばれたこのマシンはヘレス・サーキット近くの空港にテスト初日の朝6時に到着し、午前中はテスト・チームにより整備と初期セッティングが施された。
■デ・ラ・ロサは早朝から走行、コバライネンは午後にエンジン始動
ドイツの会場で月曜に展示されていた方の整備済み車両を早朝に受け取ったのはデ・ラ・ロサの方であり、デ・ラ・ロサは朝の9時5分にガレージを出てMP4-23のサーキット・デビューとなる初走行を開始している。
コバライネンはもう1台のMP4-23の整備が済んだ午後より走行を開始しており、午後2時19分にマクラーレンのドライバーとして初めてコースに出た。
この日のヘレス・サーキットは午前中は青空に恵まれたが、午後の空は雲に覆われている。日中の路面温度は24度、気温は19度の中、デ・ラ・ロサは177km、コバライネンは128kmの距離を走り込み、2名の周回数の合計は69周回に及んだ。
4,423mのコースであるヘレスでの初日のセッションを全て終えたコバライネンのベストラップは1分20秒559、デ・ラ・ロサのベストラップは1分19秒655だった。
■6日間の目的は新型マシンを理解する事
ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス・チームの発表によれば、今週の6日間のプライベートテストの目的は、サーキットでの走行を通じて新型車両であるMP4-23の初期調整やセッティングを繰り返し行う事で、マシンの理解を深める事にあるとしている。
なお、今回のプライベートテストを全て終了してからの翌週となる1月22日には、チームは同じくスペインのバレンシア・サーキットに移動し、そこでテストを再開する予定だ。
■コバライネン「マクラーレンのドライバーとして初走行」
マクラーレンの正ドライバーとしての走行セッションをこの日に初めて経験したヘイキ・コバライネンは、新車の第一印象には好感触が得られたとして以下の通りコメントしている。
「今日はMP4-23でサーキットを走る事ができて本当に嬉しかったです」とコバライネン。
「今回がボーダフォン・マクラーレン・メルセデスのドライバーとしての最初の走行セッションでした。新しい車で初めて走る時はいつもとても楽しいんです。まわりの雰囲気が独特なので少し緊張しますが、同時に少しわくわくもしますからね」
「車の第一印象は良かったです。これから数週間は集中的な開発スケジュールをこなす事になりますが、第一段階となる今日の時点でも車の性能はかなり励みになるものでした」
「また、テスト・チームと会うのも今日が初めてでしたから本当にいい機会でした。これから長時間にわたり今後の数週間を一緒に過ごす事になる訳ですからね」
■デ・ラ・ロサ「最も忙しい期間にこれから突入」
マクラーレンの新車のサーキット・デビューを担当するのは今回が2度目だと述べる第3ドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサは、まだ開幕までに多くの作業は残るが、テストチーム全員の意欲が非常に高い事を以下の通り述べた。
「今日はヘイキと自分で合計69周回を走り込みましたが、いいスタートが切れたと思っています。車の感触はとてもいいし、励みになる1日でした」とデ・ラ・ロサ。
「新しい車のサーキット・デビューを担当するのはこれで2回目になりますが、チームのために自分が試した車の数で言えばこれは8台目です」
「車を素早く理解する事につながるので開発初期の車に乗れるのは自分にとってすごく嬉しい事ですね。車がどういう仕組みになっているかを把握しやすいので、そこで得た知識をテストメニューの中で活かす事ができるんです」
「新車がリリースされてからシーズン最初のレースまでのこの期間は、テスト・チームにとっては恐らく1年の中で最も忙しい時期になります。MP4-23がオーストラリアに出発するまでにはサーキットでの合計18日間の走行メニューが待っていますし、その残された時間内に多くの作業を全てやり遂げなければいけませんが、ここにいるメンバー全員の意欲はものすごく高いですよ」
|