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2008年1月8日
前回のキミ・ライコネンのフェラーリF2008発表当日のインタビューに引き続き、ここではそのチームメイトとして2008年シーズンを戦うフェリペ・マッサへのインタビューの内容を紹介する。
■マッサインタビュー「家族に新しい男の子が加わったみたい」
F2008のお披露目会場にライコネンと共に姿を現した新婚のフェリペ・マッサは、開口一番に「新車を初めて見る時は家族に新しい男の子が加わったような気分になります。彼が最高の形で成長できるようにしてやる必要がありますからね」とコメントした。
フェラーリ社が1月6日に公開したフェリペ・マッサのコメント全文は以下の通り。
●新型車両にはどのような印象を持ちましたか。
第一印象としては、他の全てのフェラーリと同様に本当に綺麗な車だなと思いました。ただ、それだけでは十分とは言えません。ルックスも大事ですが、さらに重要なのは性能と信頼性ですからね。
チームは大至急この車を早くて信頼性の高い車に仕上げていかなければなりません。開幕レースの前までに皆と頑張って作業をこなしながら、性能面の確認をしていく必要があります。さらにコメントをつけ加えるとしたらその後ですよ。
●トラクション・コントロールがなくなる事により、ご自身のドライビング・スタイルを変更していく必要が生じますか。
今はまったく状況が異なります。アクセラレータに気を配る必要がありますし、ブレーキング時にはさらに配慮が必要です。だからドライビング・スタイルは以前よりもソフトにして、アグレッシブな操作はやや控え目にしなきゃいけませんね。
●キミ(ライコネン)の車両ナンバーが1番になる事について、何か気持ち的に負担を感じますか。
車両ナンバーから影響を受けるような事は何もありませんよ。一番大切な事は1年を終える時にどこまで到達できているかですからね。
2007年はレースで多く優勝できましたし、本当に素晴らしいシーズンでした。ただ、何回かトラブルに見舞われて貴重なポイントを失う事になったので、その経験で学んだ事を活かし、再び勝利を狙えるように頑張るだけです。このチームは本当に素晴らしいし、自分のモチベーションは本当に高いですよ。
それに結婚もしましたので、男としてさらに真剣な姿勢で戦えるようになりました。以前にも増して戦いに向けての準備は万端です。
●以前にもトラクション・コントロールのない車での走行を他のシリーズへの参戦中に経験されていますが、今年の新レギュレーションに向けてそれらの経験は有利に運ぶとお考えですか。
他にも多くの事が変更されていますから、それが有利になるとは考えていません。
特にエンジンの回転数から来る違いは大きいでしょうね。V8エンジンはV10と比べて挙動が激しく扱いがより難しいし、その状況下においてさらにアグレッシブに限界性能を追求するには、より高いマシンの安定性やグリップ性能が欲しくなるんです。
ただ、グリップ性能が低ければタイヤは長持ちしますから、その点が重要になるんです。もうトラクション・コントロールに頼る事はできない訳ですからね。
●新しい予選ルールについての意見を聞かせて下さい。
古いタイヤを使用するための3〜4周回がなくなりますが、正直なところ全く何も変わらないと思っています。
新しいタイヤを装着して、いいタイムを狙えるのに適した量の燃料を積んで走行を開始する訳ですが、これに関して言えば自分にとっては以前との大きな違いは何も生じません。
●チームの新体制をどう見ていますか。
ジャン・トッドはまだ一緒にいますし、今後も多くのイベントに参加してくれる筈です。また、重要な任務を引き継いだ後任のステファノ・ドメニカリはこのチームで長年の経験を積んできた人物ですから、彼と一緒に仕事ができて本当に嬉しいです。
チームが今までと変わらない雰囲気であって欲しいと思っています。まわりの状況が変わらない事も心理的には重要ですからね。
●2007年シーズン中の騒動についてはどうお感じになられましたか。
自分にとってはちょっとした勉強でしたね。どんな選手権のどのチームも、ああいう状況に陥る事を決して繰り返してはいけないと教えられました。このスポーツは皆が守るべきルールに基づいて成り立っているのですから、それを自分たちもしっかりと心に留めて仕事を進めていく必要があると思います。
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