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2008年10月4日
フランスのタイヤメーカーであるミシュランは10月4日、今シーズンをもってMotoGPから撤退する事を正式に発表した。
■ミシュランが入札を辞退、長期に渡るグランプリ活動に終止符
日本GPの決勝当日だった9月28日の午前、MotoGPの協議ルールを制定するグランプリ・コミッションは、来期となる2009年シーズンからはタイヤルールを大幅に変更し、これまで行われてきた複数のタイヤサプライヤーによる自由競争形式を取りやめ、タイヤメーカーを一社に絞るシングル・タイヤ・ルールの導入を正式に決定している。
今週末に行われているオーストラリアGPの初日となった10月3日は、そのシングル・タイヤ・ルールに対応できる世界のタイヤメーカー各社に対する来期のMotoGP参戦に向けての入札締め切り日だったが、ミシュランはその翌日の10月4日にMotoGP理事会に対する入札手続きを行わなかった事を明かしており、同時に今期をもってMotoGPから撤退する事を正式に発表した。
■濃厚になったブリヂストンの2009年度採用、正式発表は10月18日
なお、MotoGPにおけるタイヤメーカーとしての年間勝利を、老舗であるミシュランを抑えて2007年度から今シーズンの2008年度までの2年間を通して獲得してきた日本のタイヤメーカーであるブリヂストンは、MotoGP最高峰クラス参戦8年目に向けての入札手続きを既に済ませている事から、ミシュランが来期からの参戦撤退を今回表明した事で、2009年シーズンにおけるMotoGPクラスのタイヤサプライヤーはブリヂストンが担当する事に事実上決定した可能性が高いが、最終的な決定内容はマレーシアGP直前の10月18日にグランプリ・コミッションより公表される予定だ。
■ミシュランがMotoGPからの撤退理由を説明
ミシュランはMotoGP撤退を決断した理由を、10月4日付けの公式声明文の中で以下の通り説明している。
「ミシュランはMotoGP理事会に対する入札手続きは行わない決断を下しました。この旨を今回公式発表すると同時に、わたしたちは今後のライダーの安全性向上や費用高騰の抑制に向けての活動に参加できない事を大変に残念に思っています」
「ミシュランは常に競争理念に基づく活動に重点を置いてきました。モーター・スポーツの分野における非常に高いレベルの戦いに身を投じる事は大変に有益な事であり、複数のタイヤメーカーが高性能タイヤの開発競争にしのぎを削る事は、一般消費者に向けての製品の性能向上を図るという意義があります」
「タイヤは乗り物にとっての要であり、その性能が全てを左右する存在ですから、タイヤメーカー間の争いが激しくなれば、結果としてレース自体も白熱する事になります」
「ラジアルタイヤはミシュランが開発し、レースでの活動を通してその性能の向上を推進してきました。また、オートバイ用にミシュランが開発したデュアル・コンパウンド・テクノロジーが最初にテストされたのはMotoGPの現場であり、現在この技術はミシュラン・ブランドを愛用する一般顧客にとっての最高級製品になっています。わたしたちの成果の全ては、一般のタイヤ消費者に向けて還元されいます」
「MotoGP選手権の主催組織は、シングル・タイヤ・ルールの導入を来期から施行する決定を下しましたが、これはMotoGPが、競争による飛躍的な発展が得られる環境ではなくなる事を意味します。来期のMotoGPに割り振られる予定だった研究開発費用は、顧客を主眼においたミシュランの信念に基づき、今後の新たな技術革新に向けて投入して参ります」
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