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イギリスGP初日のトップはストーナー、新エンジンのヘイデンも好調
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インテリマーク編集部
  2008年6月21日

6月20日(金)、2008年MotoGPの第8戦目となるイギリスGPが、ダビーシャー地区の田園地帯に位置するドニントン・パーク・サーキットにてレースウイークの初日を迎えている。ここでは、イギリスでのMotoGPクラス初日のフリー・プラクティス総合結果とライダーのコメント、ならびに1日目の作業を終えた各チームの状況などを紹介する。
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■イギリスGP恒例のチャリティー・オークションが今年も開催

初日のフリー・プラクティスの結果について触れる前に、まずはイギリスGP恒例のチャリティー・イベントについて少し紹介したい。
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今回のグランプリの舞台となるイギリスはリズラ・スズキ・チームのホームであり、ライダーではTECH3ヤマハのジェームス・トーズランドにとっての地元だが、それと同時にMotoGPやSBKなどのチームの多くが参加している慈善団体「ライダーズ・フォー・ヘルス(Riders For Health)」の活動拠点でもある。
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ライダーズ・フォー・ヘルスは2015年までに医療にかかわる輸送をアフリカ全土に行き渡らせる事を目的としたチャリティー活動であり、有名トップライダーたちの協力の下、現在までに十数万人以上ものアフリカの患者を救っている。

■MotoGPクラスのオークション収益額は1,628万円
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毎年のシーズンを通して多くのライダーはこの慈善活動に協力しているが、そのホームのイギリスでは大規模なチャリティー・イベント「デイ・オブ・チャンピオンズ(Day of Champions)」が毎年の恒例としてグランプリ前日の木曜日に開催されており、今年もMotoGPライダーたちの多くがステージに登場、サイン入りのライディング・ギアなど貴重なグッズをオークションに出展している。デイ・オブ・チャンピオンズは今回で18回目の開催となる。
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なお、木曜日の6月19日には小排気量カテゴリを含む多くのジャンルに渡るオークションが行われているが、その中の4時間を使って行われたMotoGPクラスのオークションだけでも収益金額は9万7千537ユーロ(日本円にして1,628万円)に及び、全体では約4,000万円に達したようだ。
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■トーズランドは自分のバンドで熱唱

また、このイベントの一環として地元ライダーのジェームス・トーズランドは、彼が以前からボーカリストとして所属するロック・バンドの「CRASH」と共に登場、チャリティー・ライブでピアノと甘い歌声を披露している。
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■MotoGPクラス初日のフリー・プラクティス総合結果

以下に、6月20日のドニントン・パーク・サーキットにて行われMotoGPクラス2回のフリー・プラクティスの総合順位を示す。今年もレースウイーク中の雨が心配されるイギリスGPだが、この日は幸い午前と午後の2回のセッションを通してドライ・コンディションが保たれている(写真下の中央はカピロッシの代役を務めるAMAチャンピオンのベン・スピーズ)。
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1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分28秒253
2) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分28秒829
3) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分28秒909
4) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分28秒969
5) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分28秒992
6) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分29秒207
6) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分29秒207
8) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分29秒341
9) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分29秒410
10) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分29秒433
11) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分29秒441
12) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分29秒666
13) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分29秒718
14) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分29秒856
15) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒268
16) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分30秒290
17) ベン・スピーズ USA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分30秒766
18) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒931

この日の2回のセッションの温度条件などは、午前のFP1の気温が18度、路面温度は26度、湿度は46%、午後のFP2の気温が19度、路面温度が28度、湿度は33%だった(各セッション個別の走行結果は結果一覧表を参照の事)。なお、午後のセッション中に午前のタイムを更新できなかったのはJiRチーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾのみ。

過去のドニントン・パークの記録としては、サーキットレコード(レース中)が2006年にダニ・ペドロサが記録した1分28秒714、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2006年にダニ・ペドロサが記録した1分27秒676


■悪名高いアスファルトが一部改善
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ちなみにアスファルトの表面がなめらか過ぎてグリップが得にくく、低温路面がそれに拍車をかける事で悪名高いドニントン・パーク・サーキットだが、今年は一部の区間はアスファルトの表面仕上げが少し粗めに変更されており、この日のトップタイムを記録したケーシー・ストーナーをはじめとする一部のライダーは路面の改善状況に満足している様子だが、ほとんどのライダーは昨年と同様にすり減った部分のアスファルトについては不満を述べている。


■転倒者やアクシデント、ペドロサが背中に再び打撲
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この日の目立った転倒者は1名のみであり、レプソル・ホンダのダニ・ペドロサが午後にメインストレートを通過した直後の1コーナーで転倒、前回のカタルーニャ合同テストで強打した背中から再び落下したが、幸いペドロサに深刻な怪我はなく、背中の痛みは増したもののすぐにセカンドバイクに乗り換えてからこの日の自己ベストを記録している。

■エリアスは午後にマシントラブル
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バイクのトラブルなどについては、アリーチェ・チームのトニ・エリアスの乗るマシンのラジエーターに小さな穴があいた事から、エリアスは午後の作業をしばらく中断している。チームは小石があたった事がトラブルの原因ではないかと発表している。


■初日の総合トップはドゥカティーのストーナー
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この日のフリー・プラクティスの総合トップにつけたのは、先週のカタルーニャ合同テストで試した電子制御まわりのセッティングがドニントンでもいい効果を発揮したと述べるドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。いきなりサーキットレコードを更新する1分28秒253のトップタイムを記録し、ドニントンの路面の改善状況にも満足できたというストーナーの詳細コメントは以下の通り。

■ストーナー「悪くはないが、まだ少し不足感がある」

「今日の結果にはすごく満足です。前回までの数戦は加速をしようとスロットルを開ける度に路面にパワーが伝わらなくなって苦労していましたからね。その影響から、シャシーの性能まで実際の状況よりもはるかに悪いと思っていたくらいです」とストーナー。
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「最近はバイクが遅く感じる事は全くなくなりましたし、表彰台もいくつか獲得しましたから、悪くない状態にあるとは思います。ただ、何かがまだ不足しているという感覚は今も否めません」

「カタルーニャ合同テストではビット(グアレスキ)と一緒に電子制御まわりの調整を試みましたが、そのおかげで今日は最初から感触が良かったです。改善作業の効果をここドニントンで実感できるのは素晴らしい事ですし、もっと調子は上げられると信じています」

「電子制御系の調整内容がウェットでもここまで大きな効果を発揮するかどうかは今のところ分かりません。その場合にはリアにより荷重を置くようなセッティングが必要ですからね。ただ、いずれにしてもウェットセッティングはすでに好調なものがありますから、どちらの天候になろうとも十分戦えると思っています」

「今回はサーキットの運営側が劣悪だったここのグリップ条件をいくらか改善してくれているのが嬉しかったです。実際、何ヶ所かは去年よりもかなり良くなっていますよ。他の上塗りの舗装部分は相変わらずひどいですけど、全体的に見れば本当にいい改善作業を進めてくれたと思います」

■メランドリもドニントンのアスファルトに好印象
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また、初日を総合14番手のポジションで終えたチームメイトのマルコ・メランドリは「いつもよりは良好な初日だった。2台のバイクに似たようなセッティングを施したが、どちらもすごくいいセッティングが見つかったので、それに微調整を施しながらタイヤのテストを続けた。何かいい兆しが得られているのでとても満足している。明日もこのまま天候が保たれれば今の作業を継続できる。以前はつるつるだった数ヶ所の区間のアスファルト表面がやや粗い仕上げに変わったので路面条件が良くなったし、でこぼこも少なくなっている。グリップの感じも悪くないので、少なくともドライで走る場合には戦えると思う。去年は雨の中でものすごく滑りやすかったが、ウェットの時の路面条件は明日が雨なら確認できる筈」とコメントしており、ストーナーと同様にドニントンの新しくなった一部のアスファルトには好印象を持ったようだ。


■ドライでのドニントン・パーク攻略を急ぐブリヂストン
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なお、ドゥカティーの2名をはじめとするこの日のブリヂストン勢は、ドニントン・パークに向けてブリヂストンが開発した新しいコンパウンドをテストしている。昨年は悪天候による波乱のレース展開の中で勝利は記録したものの、ドニントン・パークは元もとブリジストンが苦手とするサーキットだ。

ブリヂストンのモーターサイクルレースタイヤ開発マネージャーを務める生方透氏は、今回のイギリスGPには5月18日と19日の2日間に行ったルマン合同テストでのデータを元に開発したタイヤを持ち込んでおり、一部のチームは新しいコンパウンド以外にもエッジグリップの向上を目的とした新しいコンストラクションも今回の初日に試したとしている。新型タイヤのドライでの耐久性については、昨年も2時間しかドライ・コンディションが得られていないので、初日のロングランの結果データを見て判断したいとの事だ。


■その他チームの状況、新型エンジンと新型シャシーのヘイデンが好調
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トップタイムを記録したドゥカティー・ワークス以外のチーム状況を以下に簡単に紹介する。


■レプソル・ホンダ、新エンジンを選択したヘイデンが2番手タイム
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カタルーニャ合同テストにおいてホンダのニューマチック・バルブ・エンジンに好感触を示し、できるだけ早く実戦で使いたいと述べていたニッキー・ヘイデンは、チームを自ら説得して今回の初日からニューマチック・バルブを選択。カタルーニャ合同テストの2日目から使用を開始していた新型シャシーにそれを搭載して午前から走行し、ストーナーに次ぐ初日の総合2番手タイムとなる1分28秒829を午後に記録した。
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ヘイデンは「スロットルを開けた時の新エンジンの挙動はやや激しいが、パワーと各チェックポイントでのトップスピードに満足」とコメントしており、新エンジンの性能を深く気に入っている様子だ。
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■従来エンジンのペドロサは再び背中を打撲

また、先週のカタルーニャ合同テストでは初日に背中を強打し、そのまま病院に運ばれる事になってしまったダニ・ペドロサだが、今回のイギリスGPは初日から無事に走行に復帰している。ヘイデンとは異なり従来型のスプリング・バルブ・エンジンを選択したペドロサは、午後に不幸にしてハードタイヤを装着してから2ラップ目に転倒を喫しており、再び痛みの残る背中に新しい打撲を負ってしまったようだ。
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幸い打撲は大した事はなく、すぐにセカンドバイクに乗り換えて今回の自己ベストである総合6番手タイムの1分29秒207を記録したペドロサは「転倒はタイヤが温まっていなかったのが原因。朝からカタルーニャの時の背中の打撲が痛かったが、よけいに痛くなった」と転倒後に語っている。
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■フィアット・ヤマハ、ロッシはグリップが得られず苦戦

1996年の125ccクラスデビューから数えて今回のイギリスGPが自己通算200戦目のグランプリとなるバレンティーノ・ロッシは、過去に7回の勝利記録を持つドニントン・パークで初日はセッティングに苦しんだ様子だ。
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■ロッシ「このサーキットはアスファルトが残念」

ブリヂストンタイヤで初めて走るドニントンではセッティングが決まらず午前は8番手タイムとなり、クルーのマシン調整により午後にはやや調子を取り戻してストーナーとヘイデンに次ぐ初日の総合3番手タイムとなる1分28秒909を記録したロッシは「ここは路面温度がとても低くてグリップが得られない上に、一部のアスファルトはもう完全に終わってしまっている。大好きなサーキットなだけにそれが残念で仕方がない!」と、路面の改善状況を喜ぶドゥカティー・ワークスの2名とは異なり、劣化した部分のアスファルトに対する苦言を漏らしている。「2日目は別のタイヤを試して方向転換時に速度が出せるようなセッティングの解決策を探る」とロッシはコメントを締めくくっている。
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■ロレンソ「ゆっくりでも着実に自信を回復していきたい」

また、ミシュランを履くチームメイトのホルヘ・ロレンソは、中国GPで両足のくるぶしを骨折してからは転倒が相継ぎ、前回のカタルーニャGPでは初日に頭を強打、同時に右手の薬指と小指に皮膚移植が必要な大怪我を負いレースを欠場しており、今回は右手に手術後の指を保護する特別製のプロテクターを装着してグランプリに復帰した。
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転倒後の精神的な影響もありやや自信回復に時間がかかっている様子のロレンソは、初日はやや慎重に走行を重ねて総合16番手タイムの1分30秒290を記録して2回のセッションを終えている。「今日は自分が抱えている多くの問題点に不安があったので、すごくゆっくりしたペースで作業を開始した。カタルーニャで転倒してからは一切バイクに乗っていなかったので自信も少し失っていた。だから今週の目標はそれを取り戻す事。今日の一番の目標はバイクの感触を取り戻す事と、自分の体調を確かめる事だったが、皮膚移植をした指と手のひらに痛みはあったものの、まあまあだったと思う。今日は復帰できて満足。最悪な状態からは脱出したので、明日はもっとリラックしてさらに自信を持って走れると思う。今週はゼロからのスタートなので、あわてず着実に調子を戻していきたい」とロレンソ。
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■昨年のポールシッター、TECH3ヤマハのエドワーズは4番手

イギリスGP初日の4番手タイムである1分28秒969を記録したのは、昨年はポールポジションと2位表彰台を獲得したドニントン・パークとの相性を誇るTECH3ヤマハのコーリン・エドワーズだった。

■サスペンションの調子に大満足のエドワーズ
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午前中の調子は今ひとつだったと述べるエドワーズだが、午後にはギア比を変更して格段にマシン全体の感触が上がり、さらに電子制御の数値を調整する事でグリップも良くなったという。また、エドワーズはオーリンズのサスペンションの調子に深く満足しており、「通常はバネの調整に時間がかかるが、今回は最初から感触が良く、コーナリング中のリアの接地感が良くフロントのピッチングも少ないので、ブレーキング時の調子がいいしコーナーでスピードが制限されるような感覚もない」とコメントしている。

■慣れ親しんだドニントン・パークでの苦戦を悔しがるトーズランド
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写真また、エドワーズのチームメイトであり、今回のイギリスがホームGPとなるジェームス・トーズランドは、国内戦やSBK時代から慣れ親しんでいた筈のドニントン・パークでも、MotoGPバイクでは思い通りに走れなかった事を悔しがっている様子だ。この日のトーズランドのタイムは総合8番手となる1分29秒341だった。

「カタルーニャ合同テストの時には自信があったのに、あの時仕上げたセッティングではドニントン攻略は難しい事が分かった。今日は間違った方向性で作業を進めてしまい、最終的には全く違うセッティングからやり直す事になってしまった。ただ、その後はいい方向性がつかめたので28秒台に突入できると思ったが、マシンを調整する時間が足りなかった」とトーズランド。

「去年のSBKの時とはかなり違う走り方を800ccマシンではしているので、あえて以前の走行ラインも試してみたが、今のマシンはコーナリングスピードが速すぎて全然だめだった!このサーキットはすごく良く知っているのに学習し直さないとだめみたい」


■2名揃って好調な滑り出しを見せるホンダ・グレッシーニ勢
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エドワーズに続くこの日の5番手タイムとなる1分28秒992を記録したのは、イタリアGPのレースで4位を獲得し調子を順調に上げるサンカルロ・ホンダ・グレッシーニのアレックス・デ・アンジェリスだった。また、チームメイトの中野真矢選手はダニ・ペドロサと同タイムでありチームメイトに次ぐ6番手タイムの1分29秒207を記録しており、グレッシーニ勢は2名揃って好調なイギリスGP初日を過ごす事ができた様子だ。

■デ・アンジェリス「ニッシンのブレーキ性能が効力を発揮」

この日はバイクに乗った瞬間から感触が良く、朝から激しく攻め込む事ができたと述べるアレックス・デ・アンジェリスは、午前中にはトップのケーシー・ストーナーに次ぐ2番手タイムを記録していた。

上機嫌のデ・アンジェリスは、「過去の2レースを通して改善は大きく進んでいたが、ドニントンでも速く走れるとは予想していなかったのですごく嬉しい。バイクの感触には満足。予選までにさらに改善を進める自信がある。ブリヂストンの一貫した性能には満足しているし、写真特にニッシンのパワフルなフロントブレーキが気に入っている。このサーキットではそのブレーキがすごく役に立っている。心配なのは明日の天気だけだが、以前のウェットのテストの時には速く走れていので心配ない」とコメントしており、カタルーナニャ合同テストで非常に気に入っていたブレーキ・パーツがドニントンで大きな効果を発揮している事を明かしている。

■中野選手「チームの本来の実力を予選でも示したい」

よりアグレッシブな走りを目指し、マシンのセッティングを自身のライディング・スタイルにもっと合わせようと試みる中野真矢選手は「今日は自分の走りとバイクの感触の両方に満足できた。2種類のリアタイヤを試したが、どちらが自分のライディング・スタイルとバイクに合うかはまだ検討する必要がある。予選は天候に左右されそうな雰囲気だが、全力で高い位置のグリッド獲得を狙ってチームの本来の実力を示したい」とコメント。


■AMAチャンピオンを迎えたリズラ・スズキ
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ロリス・カピロッシのカタルーニャGPレース中の怪我により、今回のイギリスGPにはカピロッシの代役としてAMAチャンピオンのベン・スピーズが加わり、レギュラー・ライダーのクリス・バーミューレンと共に、リズラ・スズキにとってのホームGPであるドニントン・パークでの走行を披露している。ちなみにカピロッシはアドバイザーとして今回のドニントン・パークのピットスタッフの中に混ざっている。

■スピーズ「ドライの時間がもっと取れれば戦えるレベルになる」
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初めて乗るMotoGPバイクで、過去に一度も経験した事のないドニントン・パークで総合17番手の1分30秒766を記録したこの日のスピーズは、合計2時間のセッションの大半をコースレイアウトの攻略に費やした様子だ。午後には午前の自己ベストを1秒更新する事に成功したスピーズは、2日目以降はさらにタイムを上げていく自信があるという。
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「こんなに低い順位は経験した事はかつてないが、今回の目標を考えれば初日の内容には満足できている。このバイクで走るのは今回が初めてだし、ドニントンも経験した事がないので、現実的に考えれば悪くないタイムだったと思うし、ペースもまあまあだと思う。もっとドライの時間が取れれば戦えるレベルに到達できると思う。セッションのたびに毎回1秒ずつ削っていければ大丈夫だね。バイクにはだいぶ慣れて感触が良くなってきたので、今必要なのはコースレイアウトをもっと学習して攻略する事。明日はもっと上達すると思うので、中間グループあたりの順位を狙いたいね!」とスピーズ。

■バーミューレン「GSV-Rは確実に進化している」
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また、昨年のイギリスGPでは3位表彰台を獲得したクリス・バーミューレンは、総合9番手タイムとなる1分29秒410をもって初日の作業を終えている。午後のロングランの中でこの日の自己ベストを記録したバーミューレンは「バレンシアで学んだ事の多くを試したが、ここではかなりそれが役に立っている。午後は20周回以上走ったがペースは一貫していたし、その中で今回の自己ベストを記録する事もできた。このタイムは去年の予選タイムよりも速いし、GSV-Rは大きく進化したと思う!明日はエンジンとシャシーの両面でもっと改善が進むようにしたい。もっとペースは上げられる筈」と2日目以降に向けての期待感を示した。


■フロントの感触に不安を抱えるド・プニエ
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ホンダLCRのランディ・ド・プニエは、この日の総合10番手となる1分29秒433を記録しているが、まだマシンのフロントの接地感に納得がいかない様子だ。

「午前中に抱えていたトラクションの問題は午後に解消したが、いずれにしてもコーナー進入時のフロントにまだ自信が持てない。午前の状況に比べれば午後はタイムも縮んだし良くはなっているが、まだ調整が必要。フロントの問題さえ解消できればコンマ何秒かは直ぐに削れると思うが、明日は天気がさらに悪くなりそうなので、その場合はウェット用のセッティングをする事になる。どちらの走行条件になってもレースでいいペースが維持できるようにタイヤのテストを特にしっかりやっておきたい」とドプニエ。


■カワサキ、まだ痛みに苦しむホプキンス
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前回のカタルーニャGP初日のフリー・プラクティスでハイサイドを起こし、強打した背骨の尾てい骨近くにひびが入っている事が後に判明したカワサキのジョン・ホプキンスだが、この日は患部の痛みにもかかわらず親族が多く住むイギリスのファンの前に姿を現し、ブリヂストン・タイヤの組み合わせを何種類も試す中で11番手タイムの1分29秒441を記録している。

■ホプキンス「ギアチェンジの時に左足を持ち上げるのがつらい」
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先週のカタルーニャでのレース中は息が吸えない程の痛みに苦しんだホプキンスは、今回のイギリスでの初日を終えて「体力的に厳しいサーキットなので背中の怪我が辛い。タイトなカーブで方向転換しながらギアをシフトする時に左足を持ち上げるのが厳しい状態。マシンについては、まだシャシーを調整する必要はあるが、カタルーニャ合同テストの時のいい結果があるので期待はできる。今日はドライのレースタイヤを何種類か試したが、明日の天気は今のところどうなるか分からない。今晩もマシンに少し調整を加えるが、調子はもっと上げられると思うし、予選に向けて頑張るつもり」とコメントしており、まだ身体の痛みには苦しんでいるものの、2日目以降のポジションアップには意欲を示している。

■開幕当初からの問題を解消し歓喜のウエスト
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また、カタルーニャGP直後に日本に飛んで徹底的にカワサキのスタッフと共にマシンのセッティングを見直してきたアンソニー・ウエストは、今期の指定席と化していた最後尾付近のポジションから今回のイギリスGPでは脱出し、チームメイトのホプキンスに次ぐ総合12番手タイムの1分29秒441を記録した。

■ウエスト「やっと本当に問題を解決した!」

冬季シーズン中からの課題として抱えてきたリアのトラクションに関する問題の解消をドニントンで再確認したウエストはこの日のセッションを終えて大きく自信を回復しており、予選ではトップ10圏内に復帰する事を目標にするという。天気予報によれば、2日目の予選はウエストが本来得意とするウェットだ。
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「長い間苦しんできたリア・トラクションの問題をやっと本当に改善できたと言えそう。日本のテストでもうまくいっていたが、その成果をここで証明する事ができた。走行ペースも他のライダーからそれほど引き離されていない。新しいセッティングは以前よりもウイリーが発生しやすいが、今までのコーナー脱出時の問題に比べればずっと対処は簡単。まだコーナー出口に向かう過程に改善の余地はあるが、リアのグリップは大きく良くなっているし、以前のようなホイールスピンもなくマシンがちゃんと前に進んでくれている。まだやる事は多いが、明日は予選タイヤを装着した時にも同じ効果を期待している。間違いなく正しい方向性を取り戻せたと思う」とウエスト。


■JiRチーム・スコット、2日目以降に期待するドヴィツィオーゾ
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初日は総合の13番手となる1分29秒718が自己ベストとなり、2回のフリー・プラクティスの順位がやや低迷気味に終わったJiRチーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾだが、チームはこの日にペースを上げられなかった問題点はすでにつかんでおり、2日目以降は心配ないとドヴィツィオーゾはコメントしている。
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「タイムシート上の順位には当然満足できていないが、すでに解決策は見つかっているので兆しは明るい。明日はもっと速く走れるようになる筈だし、レースペースも良くなると思う。リアの安定性をもっと高めて、コーナリング速度が上げられるようにバイクのバランスを正しくしていく必要がある」とドヴィツィオーゾ。


■低温路面に苦戦中のアリーチェ・チーム

イギリスGP初日は低い路面温度に苦しんだというアリーチェ・チームの2名のライダーの総合順位とタイムは、トニ・エリアスが15番手の1分30秒268、シルバン・ギントーリが18番手タイムの1分30秒931だった。

■午後にラジエーターが破損するトラブルに見舞われたエリアス
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トニ・エリアスは午後にラジエーターの一部に穴があき、オイル等がもれた事から走行時間を大きくロスする不幸に見舞われているが、セッション残り数分のところでコースに復帰した直後に今回の自己ベストタイムを記録しており、翌日はドライならさらに上の順位が狙えるとコメントしている。

「バルセロナのテストの時の路面温度はもっと高かったので、今回は低い温度に苦しんだ。今日の結果には満足できないが、明日は天候さえ今日と同じなら予選はもっと上の位置が狙える」とエリアス。

■ギントーリ「進展なし」
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また、午前から午後にかけて特に大きな進展が得られなかったというシルバン・ギントーリは、「午前はいいベースセッティングを見つけたが、その後は期待通りに進まなかった。高速コーナーではマシンの方向転換が難しい状態。もっと機敏に動けるようにバイクのバランスを正しくする必要がある」とコメントしている。

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