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セパン合同テスト最終日、総合トップは#69
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インテリワン編集部
  2008年1月26日

2008年最初のMotoGPクラス合同テストが、1月24日に3日目の最終日をマレーシアのセパン・サーキットで迎えた。この日は前日までの2日間と同様の晴天に恵まれたが、気温は午前中から通常よりも高めとなり、湿度52%の猛暑の中、日中の最高気温は34度、路面温度は56度にまで上昇した事から、タイヤの開発作業を兼ねて午後にレース・シミュレーションを行ったライダーたちの体力はほぼ限界状態だった様子だ。
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ここでは、熱風の中で行われたセパン合同テスト最終日の状況、ならびに全ライダーや各チーム関係者の詳細コメントなどを紹介する。


■転倒者はあったものの最終日の怪我人はゼロ

アスファルトの温度が1日を通して大きく変化する不安定な路面状況の影響もあり、初日はダニ・ペドロサが右手のひらを骨折するなど転倒者が絶えない今回のセパン合同テストだが、最終日にも深刻な怪我人はなかったものの数名の転倒者が出ている。
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■ド・プニエはこの日に2回転倒

テスト初日から2日間の連続トップタイムを記録するなど、ホンダLCRに移籍して好調のランディ・ド・プニエは、この日は2回の転倒を喫しており、そのうちの1回は2日目に転倒したコーナーで2日目と全く同じようにフロントからバランスを崩して転倒している。幸いド・プニエに怪我は全くなかったが、転倒の原因については路面温度の高さとその時に装着していたフロントタイヤの相性が良くなかったと本人は説明している。

■ロレンソはロングランの最中に転倒

また、今年度のルーキーの中で圧倒的な速さを見せ続けるフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソは、午後のレース・シミュレーション中に残り4分の1の周回数を残して転倒している。転倒の原因はコーナリング中に走行ラインを外したロレンソがバランスを崩した事だが、幸いロレンソには全く怪我はなく、ロングランを中断する事にはなったがデータは十分に収集できたとチーム側は説明した。


■以前の怪我人の状況

最終日の転倒者以外の怪我の状況としては、初日に右手に大怪我を負ったダニ・ペドロサは翌日の1月23日に手術が成功。72時間以内にリハビリを開始し、一刻も早くテストに復帰したいとの声明を発表している。
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■デ・アンジェリスとストーナーは早めに作業を終了

2日目に暴れたマシンを立て直そうとした際にタンクに右手を打ちつけたグレッシーニ・ホンダのアレックス・デ・アンジェリスは、その後の検査で靱帯を軽く痛めている事が判明しており、この日は朝から痛み止めの注射を打ってテストに参加したが、午後には痛みのため早めに作業を切り上げた。

なお、ヘレス合同テストで痛めた肩の影響により2日目は早めに作業を切り上げたドゥカティーのケーシー・ストーナーは、この最終日にも大事を取って正午過ぎにはテストを切り上げている。また、バレンシア最終戦のレースウイーク中に右手を負傷したバレンティーノ・ロッシは、この3日間を通して特にこの怪我による大きな作業への影響は訴えていない。

■エドワーズにも痛み?

それ以外では、TECH3ヤマハのコーリン・エドワーズが「身体が痛い、特に尻が」と訴えているが、歳のせいだと本人はコメントしている。


■次回のオーストラリアにフィアット・ヤマハは不参加

この3日目をもって2008年の1回目のセパン合同テストは最終日を迎えたが、次回の1月30日からやはり3日間の日程で開催されるフィリップ・アイランドでの合同テストには、フィアット・ヤマハ・チーム(ミシュランとブリヂストンの両方)を除くほとんどのMotoGPチームが参加を表明している。


■セパン合同テスト3日目最終日の走行結果(非公式タイム)

以下に、テスト最終日の走行結果を、この日の各ライダーの自己ベスト順に示す。
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1) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分00秒326(77周)
2) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 2分00秒660(27周)
3) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分00秒766(63周)
4) コーリン・エドワーズ USA ヤマハ・Tech3 YZR-M1 2分01秒179(34周)
5) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分01秒198(42周)
6) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分01秒425(48周)
7) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiR・チーム・スコット RC212V 2分01秒447(51周)
8) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハ・Tech3 YZR-M1 2分01秒745(45周)
9) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分01秒748(70周)
10) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分01秒778(62周)
11) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダ・LCR RC212V 2分01秒873(56周)
12) 中野真矢 JPN ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒032(38周)
13) アレックス・デ・アンジェリス RSM ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒198(37周)
14) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 2分02秒725(58周)
15) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分02秒978(39周)
16) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 2分02秒995(67周)
17) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分03秒030(40周)
18) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 2分03秒628(39周)
19) ニッコロ・カネパ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 2分03秒703(49周)
20) 芹沢太麻樹 JPN カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分04秒354(27周)
-) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V -分-秒-(-周)

セパンのサーキットレコードは2007年(800cc)にケーシー・ストーナーが記録した2分2秒108、ポールポジション・レコードは2006年(990cc)にバレンティーノ・ロッシが記録した2分00秒605。


■ほとんどのライダーが予選タイヤを使用

最終日にはほとんどのライダーが一度は予選タイヤを装着した様子だが、判明している範囲に限って言えば、5番手のエドワーズ、9番手のクリス・バーミューレンと10番手のロリス・カピロッシ、11番手のランディ・ド・プニエ、12番手の中野真矢選手、14番手のマルコ・メランドリは今回のタイムをレースタイヤで記録している。

■予選タイヤの総合トップはヘイデン、レースタイヤの総合トップはストーナー

なお、最終日に入り大きくタイムを縮めて3日間の総合トップタイムを記録したレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンと総合2番手につけたドゥカティーのケーシー・ストーナーは予選タイヤだが、ストーナーはこの日にレースタイヤでも予選タイヤの時とそれほど大きくは違わない2分0秒964を記録しており、レースタイヤでの総合トップにつけた。


■2008年第1回セパン合同テスト総合順位(非公式タイム)

以下に、セパン合同テスト3日間を総合しての順位を示す。
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1) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分00秒326
2) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 2分00秒660
3) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分00秒766
4) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダ・LCR RC212V 2分01秒139
5) コーリン・エドワーズ USA ヤマハ・Tech3 YZR-M1 2分01秒179
6) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分01秒198
7) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分01秒425
8) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiR・チーム・スコット RC212V 2分01秒447
9) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハ・Tech3 YZR-M1 2分01秒745
10) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分01秒748
11) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 2分01秒778
12) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分01秒864
13) 中野真矢 JPN ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒032
14) アレックス・デ・アンジェリス RSM ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒198
15) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分02秒579
16) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 2分02秒725
17) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 2分02秒995
18) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分03秒030
19) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 2分03秒628
20) ニッコロ・カネパ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 2分03秒703
21) 芹沢太麻樹 JPN カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 2分04秒354


■セパン最終日の各チームの状況

3日間のテストを終えての各チームの状況、ならびに関係者や全レギュラー・ライダーの詳細コメントを以下に紹介する。

■レプソル・ホンダ、総合トップタイムは標準エンジンで記録
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2008年最初のセパン合同テストにおいて、最終日の3日目に総合トップタイムとなる2分0秒326を記録したのは、初日には8番手タイム、2日目には10番手タイムを記録していたレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンだった。今回のヘイデンのタイムは2006年にバレンティーノ・ロッシが予選タイヤと990ccマシンで記録したポールポジション・レコードを0.279秒上回っている。

なお、初日の転倒により右の手のひらを骨折したチームメイトのダニ・ペドロサは、転倒前に記録していた1日目の2番手タイムである2分1秒864が3日間総合の12番手タイムとなった。
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前日の2日目にはホンダが開発中の新型ニューマチック・バルブ・エンジンでの走り込みを行ったヘイデンだが、この日は新エンジンでの作業は午前中に終え、その後標準エンジン搭載の2008年型シャシーと予選タイヤでこの日のトップタイムを記録している。

その後の作業として、ヘイデンは主にマシン・バランスの精度を追求し、様々なサスペンションのセッティングとそれに合うタイヤの組み合わせを探っている。リアのリンク調整に関してはスプリング比率により制限があったため、チームはフロント・フォークまわりの作業に多くの時間を費やしたとしている。


総合トップ)ニッキー・ヘイデン 2分00秒326 「最終日に悪くない結果」
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今日は前日までの2日間よりもかなり良くなりましたね。チームとしても期待が持てるようになったし、去年ここで走った時よりもすごく高い仕上がりになったように感じます。

午前中はニューマチック・バルブ・エンジンの検証を行い、その後は今年用のシャシーに標準エンジンを搭載したマシンに乗り換えて一般的なセッティングに集中しました。最速タイムを記録した時には予選タイヤを履いていましたが、すごく調子が良かったです。

タイムを出してからは大量のフロントタイヤのテストに着手しました。ここでの自分の弱点はコースの路面温度が上がると時々苦しむ事なので、日中の一番路面が熱くなる時を選んで膨大な量のタイヤを試し、改善作業を行っています。
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今日までずっとここではミシュランのためのタイヤテストを一切行っていなかったのでロングランを行う事にしましたが、今週の中では一番いい走りができたと思います。このサーキットでレースタイヤを履いて以前に到達した事のない2分1秒6を記録できましたからね。この長い3日間の最後には悪くない結果を残せました。この時には16.5インチタイヤを使用しましたが、何回か16インチのリアもここでは試しました。

これから向かうフィリップ・アイランドはこことはかなり特性の異なるサーキットです。長くてかなり高速のコーナーがいくつかありますし、方向転換も頻繁に発生します。あそこで一番影響が大きいのはタイヤなので、ミシュランとしっかりタイヤの作業を進める事が重要だと思っています。

他にはニューマチック・バルブ・エンジンの作業も進める事になります。ホンダの事は信頼していますから、自分たちがそれを誇れるようにしてくれる事を願っています。

今年はいいシーズンになると思いますよ。たくさんのライダーが速くて、多くのライダーがやる気に満ちあふれてます。全員がゼロからの出発を開始している今はものすごく刺激的な時と言えますね。


■タイヤ種別に関係なく今年も速いドゥカティーとストーナー
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昨年11月末のヘレス合同テストの2日目に負傷した肩から来る左腕の痛みの影響から前日の午後は早めに走行を切り上げたドゥカティーのケーシー・ストーナーは、この最終日も彼の身体にあまり負担をかけないようにするチームの配慮により、27周のみ走行して正午過ぎの12時26分に作業を全て切り上げている。

しかしながら、ストーナーは朝の走行開始直後から身体の不調を感じさせないハイペースな走りを見せており、序盤から数本の予選タイヤを試す中で今回の総合2番手となる2分0秒660をすぐに記録している。なお、ストーナーは午前中の残りの時間はレースタイヤでの作業を行っており、この時には3日間のレースタイヤでの総合トップとなる2分0秒964の好タイムも残した。

また、移籍直後からマシンの乗り換えに苦しみ、デスモセディチGP8の特性に一刻も早く慣れようとライディング・スタイルの調整や様々なマシン・セッティングを試しながら3日目を迎えたドゥカティー1年目のマルコ・メランドリは、この日は午前の走行開始直後に前日のタイムを約0.5秒縮める事に成功している。
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なお、その後メランドリはセッティングを変更し、チームのスタッフと共に現状抱えている問題への多くの解決策を試している。この結果はどれも期待するほどのものではなかったようだが、メランドリは少なくともバイクへの理解は深まったとして、今後に向けての期待感を高めている様子だ。

この日に予選タイヤを使用しなかったメランドリのタイムは最終日の14番手、総合では16番手となる2分02秒725だった。

総合2番手)ケーシー・ストーナー 2分00秒660 「ダニの回復を祈る」
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これ以上にいい1年のスタートなんてなかったですね!肩の調子も毎日良くなっているので、これからはトレーニングもフルに再開できるようになると思います。

午前中は2回目の走行時にいきなり予選タイヤを何本か試していいタイムを残す事ができましたが、もし路面温度がもう少し上がるのを待ってから走っていれば、2分の壁を破る事はできたと思っています。実際に午前の最後にはレースタイヤでも2分0秒964を記録しましたし、これは9月に記録したコースレコードを1秒以上も上回っています。

この結果は自分たちがうまくいっている事と、バイクとタイやがさらに進歩した事の証拠です。

これでセパンをすごく幸せな気分で離れる事ができます。肩の具合も特に大きな障害にはなりませんでしたし、それに昨シーズンよりも今の自分の方が戦いに向けての強さが増している事を実感しましたからね。

可能な限りの最高のスタートを切る事ができたので、これで今シーズンの作業に集中できますから、今からフィリップ・アイランドでテストを再開するのが待ちきれません。

それとダニ(ペドロサ)には回復を祈る気持ちを送ります!あの類の怪我はそれほど彼に大きな悪影響は与えないと自分は信じています。自分も2006年は冬季テストのほとんどに参加できていませんがシーズン序盤から速く走れたので彼も同じ筈ですよ。だって今回のここでの彼は本当に見るからに強そうでしたしね。

総合16番手)マルコ・メランドリ 2分02秒725 「まだ予選タイヤを履く意味がない」
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午前はいきなり順調でしたし、ラップタイムも悪くありませんでした。それからは感触をさらに良くできるようにいくつか新しい実験を試みたんですが、それで少しタイムが落ちちゃいましたね!

結果は残念でしたが、少なくともバイクとチームの仕事の進め方への理解は毎日深まりました。自分のチーフ・エンジニアとはすごく気分よく仕事ができていますから、現在抱えている問題への解決策は必ず見つかると思っています。

今回予選タイヤは使っていません。自分の準備が整っていない時にはあまり意味がありませんからね。代わりに新型のレースタイヤを使いましたが、自分の感覚ではかなり進化しているように感じました。

とても満足しているとは言えませんが、自分が進歩できるような方法を見つけられるように頑張り続けたいです。


■フィアット・ヤマハ(ミシュラン)、ルーキーが年明けも総合3番手

ミシュランを履く側のフィアット・ヤマハ・チームに所属するMotoGPルーキー、ホルヘ・ロレンソは、セパンでのテスト最終日のこの日は予選タイヤを使用して総合3番手タイムの2分00秒766を記録している。総合トップのヘイデンとの差は僅かに0.440秒、昨年のポールポジション・レコードには0.161秒差まで迫った。

ロレンソは午前にレースシミュレーションを行い、レースタイヤでも一貫して速いタイムを記録していたが、その17周目には初日に引き続き転倒している。幸いロレンソ本人に怪我はなく、その後も夕方のセッション終了までミシュランのタイヤテストを無事に続けた。

多くのチームが1月30日から始まるフィリップ・アイランドでの合同テストに向けてオーストラリアを目指す中、フィアット・ヤマハ・チームはこの後一度ヨーロッパに戻り、2月のセパンから冬季テストを再開する予定だ。

総合3番手)ホルヘ・ロレンソ 2分00秒766 「ロングランは中断したが問題なし」
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今日も自分にとってはすごく好調な1日でしたし、3日間を通してとても励みなるテストでした。自分たちの成果にも満足です。

今朝は少し問題があり、普段よりもグリップが少し得られない感じだったので、最初はこの課題に取り組みました。その後はレース・シミュレーションを開始しましたが、予定周回数の4分の3を終えたところで残念ながら転倒しています。ラインが少し膨らんでしまい、加速しようとした時にバイクをコントロールできなくなりました。

それまでは悪くないペースで走れていましたし、転ぶまでに多くの情報を集める事はできたので、別に全てが無駄になった訳ではありませんよ。怪我はなかったのでその後もミシュランのタイヤテストを再開し、最後に予選タイヤを試しましたがすごく良好でした。ここで大きく自分のタイムを縮める事ができましたからね。

チームの仕事ぶりにもすごく満足ですし、今から次のテストが待ちきれない状態なので、今後も改善を続けられると思います。

■ダニエーレ・ロマノーリ フィアット・ヤマハ(ミシュラン側)チーム監督

ロングランの途中に転倒はありましたが、いいデータを得る事ができていますし、そこまでの彼のペースも速かったです。

全体を通して大変にいいテストができました。エンジン面にもいくつか良い進展が得られていますしね。バイクのセッティングも毎日進歩していますし、タイヤについてもいくつか良い素材を見つける事ができました。

ライダーとチームの激務に感謝しています。もちろん10日後にここで再びシーズンの開幕に向けての準備を再開できる事が楽しみですよ。


■最終日のみトップの座を逃したホンダLCR

年明けのテスト開始初日からの2日間を連続トップタイムで飾り、年末に見せたホンダならびにミシュランとの相性の良さを改めて証明したランディ・ド・プニエだが、最終日の3日目には2回の転倒を喫し、前日のトップタイムである自己ベストを上回る事なく、この日の11番手となる2分01秒873をレースタイヤで記録してセパンでの全てのセッションを終えた。なお、2日目にド・プニエが記録したトップタイムは3日間総合の4番手に位置する。

この日の午前中はミシュランタイヤのテストに集中し、その後はフレームならびにオーリンズのサスペンションのセッティング評価を行っていたド・プニエは、2日目と同じタイヤを履いて全く同じ場所で転倒している。

総合4番手)ランディ・ド・プニエ 2分01秒139 「課題は予選タイヤ」
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ここでは次のテストで開発を進める上で基本となるいいセッティングが見つかりました。

今日はミシュランが自分のために持ち込んでくれたタイヤを広範囲に試しながら、サスペンションのセッティングやフロントフォークのオフセットを変更するなどして、バイク全体のバランスが向上するかどうかを確かめましたが、午後の序盤にはフロントタイヤとの組み合わせに満足のいくセッティングが見つかっています。

レースタイヤで安定して速いタイムを記録する事ができたので、それにはとても満足しています。ただ、予選タイヤについては今後もいい感触を探っていく必要がありそうなので、それをフィリップ・アイランドで達成できればと思います。

今日は2回転びましたが無傷でした。2回目の転倒は昨日と何もかも一緒で、同じタイヤを履いて同じコーナーで転んでしまいました。フロントがいきなりつんのめる感じになったんですが、アクセルを開けていたのにすごく不可解でした。

多分路面温度の高さとフロントに装着していたソフトトタイヤの組み合わせに原因があるんだと思います。その後にピットインして別のソフトタイヤをフロントに装着したら、感触がだいぶ良くなりましたからね。

レース・シミュレーションは昨日の午後に行いましたが、結果はすごく良かったし、連日ファーステストを記録できたので満足です。


■3日間を通して順調にタイムを縮めたTECH3ヤマハ勢

TECH3ヤマハに移籍して1年目となるコーリン・エドワーズは、2日目には2番手、最終日には総合5番手という好位置で2008年最初のテストを終えている。毎年新しいバイクに乗る時にはでんぶ(尻)に痛みを訴える傾向のあるエドワーズだが、今年は水ぶくれができた事を告白しながらも、この3日間の好調さには上機嫌だ。
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また、エドワーズと同じくSBKでは2回のチャンピオン経験を持つMotoGPルーキー、ジェームス・トーズランドは、2日目の予告通り最終日には目標だった2分1秒台に突入し、昨年の11月に初めてセパンを走った時の自己ベストを2秒近く更新し、自身2度目のセパンでのテスト結果に満足している様子だ。

今回から新型YZR-M1とミシュランタイヤのテストを開始したTECH3の2名は、3日間を通してチャタリングに苦しめられたようだが、特にエドワーズは最終日にこの問題を大きく改善する事ができたとしている。

総合5番手)コーリン・エドワーズ 2分01秒179「チャタリングの問題を解消」
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今日は作業を少し遅くから開始しました。とにかく身体が痛いんだよね!歳取ったね!6週間も休んでると尻が柔らかくなっちゃうから、バイクに乗ってまた皮膚が固まるまでには時間がかかるんですよ。この3日間の走行だけで水ぶくれになってるんです。

今日もまたM1の改善がいくらか進みました。ここまでは若干チャタリングに苦しみましたが、チーフ・クルーとサスペンション技術者がフロントの調整にいいアイデアを出してくれたんです。自分は一度も試した事がないような方法でしたが、おかげで問題は解消しました。すごく単純な事だったんですが本当に調子が良くなったので、彼らには感謝しないといけませんね!

今日はタイヤを色々試しただけで、特に目新しい事はしていません。ミシュランはかなり調子を挽回していますね。今回の自己ベストは新型レースタイヤで記録しましたが、あれは素晴らしかった(phenomenal)ですよ。次はフィリップ・アイランドですが、さらに調子よくいけるといいね!

総合9番手)ジェームス・トーズランド 2分01秒745「電子制御に慣れてきた」

写真去年の11月は2分3秒5を1回記録しただけだったんです。だから今回レースタイヤで2分2秒台、予選タイヤで1秒台を出して総合8番手につけられたのは本当に嬉しいですね。

ずっとひどいチャタリングに苦しんでいて、今回はそれをなかなか解消できませんでした。このサーキットはこの類の問題に関しては世界でも最悪のサーキットだと聞かされていますから、恐らく次のオーストラリアでは苦しまずに済むかもしれませんね。

チームのここまでの仕事内容には本当に満足できています。やっとトラクション・コントロールとエンジン制御システムの感覚をつかめたので、それが上達につながりました。ただ、これは本当にしっかりと慣れておく必要がありそうですし、タイムをさらに上げていくには自信を持って扱えるようにならないとだめみたいですから、次のテストではもっと色々試したい部分です。

フィリップ・アイランドは良く知っていますし、ここよりはずっと涼しいですから、来週またテストを再開するのが楽しみです。

■エルベ・ポンシャラル TECH3チーム・オーナー
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2008年最初のテストの内容には本当に満足しました。2名のライダーの両方が毎日速くなっていったのは本当に重要な事だったと思います。新しいバイクとミシュランから提供されたタイヤのおかげで大きな一歩を踏み出す事ができました。

コーリンが簡単にいいラップタイムを出すのには本当に感銘を受けましたね。彼はレースタイヤではずっと最速のライダーだったように思いますし、これはすごくいい兆候です。

チームでものすごく多くの事を試しましたが、ヤマハが去年よりもかなりの進化を遂げているのは間違いありません。また同様に、ミシュランの努力と今回用意してくれたタイヤにはとても感謝しています。

コーリンは昨年までとの大きな違いを体感したようです。ジェームスは学習を続けていますが、その上達ぶりには本当に驚かされますね。MotoGPで学習をする時には、一歩一歩着実に進んでいく必要があります。さもないと、どういう結果が待ちかまえているかは誰もが良く知っている事ですからね。

セパンでの多くの周回を終え、ミシュランとヤマハに提供するたくさんのデータを収集する事ができました。フィリップ・アイランドは今回とはまた違った走行条件が期待できますから、チームの次のテストに向けての意欲は今からすごいですよ。

全体を通してチームが高いレベルの走りを見せる事ができたので素晴らしかったです。チームのメンバーは良く頑張ってくれています。


■カワサキは最終日に新型エンジンを投入

前日までの2日間を通して新型シャシーならびに新型エンジンの評価を行い、最終日の午前中にはNinja ZX-RRのベースセッティングのチューニング、午後には2名のライダーによるレース・シミュレーションを実施したカワサキ・レーシング・チームは、ジョン・ホプキンスの総合6番手タイムと3日間の作業内容に満足できた様子だ。
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なお、今回のテストに初日から参加している元全日本SBKのカワサキ・ワークス・ライダー、2003年にはモリワキ・レーシングからMotoGPへのスポット参戦経験を持ち、2007年からはカワサキのMotoGPマシン開発を担当している芹沢太麻樹選手は、2名のレギュラー・ライダーのマシンとは異なる開発中の最新型ZX-RRのシェイクダウンを今回のセパンで初めて実施しているが、このマシンのエンジン音は非常に特徴的な甲高いエギゾースト・サウンドを響かせており、現地にいた多くの人たちがこの音を聞きつけてまわりに集まってきたと、カワサキ・レーシングの公式プレスは発表している。

また、芹沢選手と共に今年もカワサキの開発ライダーとして作業を進めるオリビエ・ジャックも、3日間を通して2008年仕様のZX-RRにはいいテスト結果が得られた様子だ。

総合6番手タイム)ジョン・ホプキンス 2分01秒198 「トラクション・コントロールの性能が高い」
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ここまでの状況には満足できましたから、次回のテストに向けても高い意欲のままここを離れる事ができます。

バイクには全体的にすごく満足しました。まだ取り組むべき小さな課題は数点残っていますが、目指すべき到達点と、それに必要な事を明確に把握するができていますから、次の段階に進む準備はすでに整ったと思っています。

このバイクで初めて行ったレースシミュレーションにはすごく満足しました。トラクション・コントロールの調子がすごくいいですね。最後の方にタイヤが減ってからもグリップの低下に合わせて自分のライディング・スタイルをあまり変更する必要がないので、これはかなり期待が持てる部分ですよ。

今はフィリップ・アイランドに行くのが楽しみです。あそこのレースでは前回ランディ(ド・プニエ)の後ろを追い続ける事になりましたが、あの時のカワサキはすごく調子が良さそうだったので、今回はさらに次のレベルアップを狙いたいですね。

またカワサキのマシンで初めて走るサーキットですが、オーストラリアのテストも今回のマレーシアでの3日間と同じくらい良好な結果が得られる事を願っています。

総合15番手タイム)アンソニー・ウエスト 2分02秒579 「新型シャシーがチャタリング抑制に効果」
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今日もフロントタイヤをさらにもう何本か試しましたが、その作業を進めながらフロントの感触に自信が持てる方向になってきたので、今後の数回のテストでも同じような作業を続ける事になりそうです。

他には午後にレース・シミュレーションを始める前にエンジン・ブレーキとトラクション・コントロールのセッティングを変えてみたりもしました。

耐久走行を終えてみての印象ですが、タイヤの性能が低下してからのバイクの感触が良くなったと思います。ただ今日1つだけ問題だったのは、路面温度が朝からすでに高めだった事です。そのせいでグリップが序盤の段階から落ち始めましたからね。いつも自分は終盤に速く走れる方だし、そんな事になるとは予想もしていなかったので、すごく変な気分でした。

良かった点は改良型シャシーがチャタリングの発生を抑えてくれた事です。昨シーズンのここでのレースで苦しんだ部分が解消されたように思いますが、ただグリップの問題もあるので、来週のオーストラリアでもう一度その部分を確認してみる必要はありそうです。

正直この3日間はかなり厳しかったですよ。半端じゃない熱波と湿気が襲ってきますからね。でも、来週のフィリップ・アイランドなら条件はもっといい筈です。クリスマスに自分の祖父の家を訪ねた時にあそこの気温は40度くらいありましたが、まだましでしょう。願わくばもう少し涼しくなってくれた方がいいですけどね。

■ミハエル・バルトレミー カワサキ・コンペティション・マネージャー
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セパンの3日間を通して進歩が得られたので、全体的に満足です。2名のライダーには長い冬季休暇を終えてスピードの感覚を取り戻すいい機会になりましたし、ジョンはすぐに2008年型Ninja ZX-RRに本格的に取り組む事ができていました。

トップライダーの数人をひどい目に合わせるほどの不安定な路面コンディションにもかかわらず、ジョンはテストを通して安定した速いタイムを刻んでカワサキのエンジニアたちがこの先の何週間かに必要とするデータと、開発に向けての明確な方向性の両方を提供してくれました。

ジョンはアンソニーに対してもいい目標設定になってくれてると思います。アンソニーは来週のフィリップ・アイランドでもやるべき事がいくらかありますからね。彼はジョンほど速いタイムを残していませんが、この2日目と3日目にはタイムを縮めてきましたから、彼がホームのサーキットでさらにタイムを短縮してくれる事は間違いないと思っています。

オリビエ・ジャックと芹沢太麻樹の2名は、それぞれに課せられたテストをレギュラーの2名に匹敵する努力をもってスケジュール通りに終わらせました。彼らの働きはカワサキの今後の開発に大きく貢献する事でしょう。

今の勢いを次のフィリップ・アイランドに持ち込むつもりです。あそこでは2名のレギュラーが揃ってタイムシートの上位に上がってくるのが楽しみですね。


■ソフトタイヤの特性理解を急ぐフィアット・ヤマハ(ブリヂストン)
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ブリヂストンを履いての2度目のテストとなる年明けのセパンでの合同テスト最終日を迎えたフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、他の多くのライダーたちと同様にこの日の午後には21周回のレース・シミュレーションを行っている。

シミュレーションの最中、気温が34度を超えたためにロッシは途中の1周回は休息のためにいったんペースを落としているが、それ以外は全体的に見て昨年よりも速いペースでロングランを終える事ができたようだ。

この日の全48周回の中で、ロッシは2日目に引き続き予選タイヤを試して総合7番手タイムの2分1秒425を記録しているが、レースタイヤでの走行時と比較して期待するほどの効果が得られなかったとするフィアット・ヤマハ・チームは、今後はブリヂストンの予選タイヤについての理解を深め、最大限に性能を引き出すための作業がまだ必要だと説明している。

総合7番手)バレンティーノ・ロッシ 2分01秒425 「さらに多くの走り込みが必要」
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全体のバランスから見てこの3日間のテストはとても良好でしたし、かなり多くの分野についての作業に取り組む事ができました。

ニューマチック・バルブ・エンジンのテストも行いましたが、これにはいい感触が得られていますし、何より昨年のレースの時よりもトップスピードが改善されています。ここまでのエンジンの開発状況には満足できていますよ。耐久性と全体の性能面をしっかり確認するには、さらに可能な限りの長距離を走り込む必要があるとは思いますが。

ブレーキングと加速まわりの新しい電子制御系パーツに関する作業も続けていますが、新しいシステムはバイクのコントロールを以前よりも楽にしてくれますし、ミスを減らしてくれます。

それにもちろん、ブリヂストンタイヤ関係の作業もたくさん行いましたし、ここではかなり期待できる点がいくつか見つかっていますが、予選タイヤを履いた時の性能改善を行う必要はありますね。ソフトタイヤを装着した時にどうやってバイクのセッティングを最適化できるのかを理解していく必要がありますから、この作業を次回のテストでも続けるつもりです。

今週はブリヂストンに多くの情報を提供する事ができましたから、次回のテストで一緒に作業を進められるのが楽しみです。

最後にはいいレース・シミュレーションを終える事もできました。全体的なペースは去年のレースの時よりも良くなっていましたからね。シミュレーションの中盤に少しだけスローダウンしたにもかかわらずです・・・ものすごく暑かったんですよ!いずれにしても早く終わりたかったので、そのまま最後まで走り続けましたが、結果にはとても満足でした。

自分たちにとってはいいテストになりました。今は次のテストが楽しみです。

■ダビデ・ブリビオ フィアット・ヤマハ(ブリヂストン側)チーム監督

テストは最後まで順調でした。ヤマハが冬の間にものすごく頑張ってきたのは明白ですから、深い感謝の気持ちをエンジニアの方々全員に伝えたいと思います。

チームに関係する誰もが、様々な課題や昨年に抱えていた弱点に対する解決の糸口をつかんだ様子です。今後の全てのテストでも、今回と同じように多くの進展が得られるよう願っています。

バレンティーノのレベルはどんな時でも常に高いですが、今回はまだ長い冬休みを終えての最初のテストですしね。彼がいつも通りにさらなる進化をこれから遂げ続けていくのは間違いありませんよ。

今は10日後に再びここに戻ってテストを再開するのが楽しみです。


■JiRチームスコットはロングランの結果に満足

テスト3日目のJiRチーム・スコットは、レース・シミュレーションを通して得られる2008年型のシャシーを搭載したRC212Vとミシュランタイヤのデータ収集と、MotoGPルーキーのアンドレア・ドヴィツィオーゾがマシンの感触をより高められるようにするためのセッティング作業を続けている。

この日の午前中にはミシュランと共に様々なコンパウンドとタイヤ形状を評価し、予選タイヤ装着時には総合8番手となる2分01秒447を記録したドヴィツィオーゾは、高い気温の中で行った午後のレース・シミュレーション走りきって厳しいセパンでの3日間の作業を全て無事に終える事ができた様子だ。

総合8番手)アンドレア・ドヴィツィオーゾ 2分01秒447 「ライディング・スタイルを変更」
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セパンでの3日間のテストの最後にレースシミュレーションを行いましたが、これは今週の激務を締めくくる上ではいい方法でした。

写真昨日はバイクのリアの振動に苦しめられましたが、今日は走行を始める前に少しだけマシンに調整を加えたおかげでハンドリングがだいぶ良くなりました。これはかなりの改善だったと思います。

ロングランの結果はすごく興味深いものでしたね。マシンのセッティング以外にも自分のライディング・スタイルをコーナリング中に普段よりも大きく身体を落とすように変更してみたんですが、これのおかげでセパンでずっと苦しんでいたチャタリングが若干解消されました。

ロングランの前に試したタイヤは予選タイヤも含めてすごく感触が良かったです。特に16インチのリアタイヤが良かったですね。今日のセッションの一番最後に予選タイヤをもう一度試しましたが、その時にはタイヤの性能を最大限に引き出す事はできませんでした。

昨年のレース中のデータと今回の自分たちのシミュレーションを比較しても決してペースは悪くないので、この結果はかなりの期待感につながりました。フィリップ・アイランドではさらに大幅にバイクの調子を上げたいですね。早く文句のつけようのないレベルの完璧なセッティングを見つけたくて仕方がありません。

■ルカ・モンティロン JiRチーム・スコット・ディレクター

2008年の最初のセッションを終えて言えるのは、チームは非常に順調だと言う事ですね。予定の作業を計画通りに全て終わらせる事ができました。

チームの全員がホンダ、HRC、ならびにミシュランと共同しての相乗効果を発揮していましたし、これはわたしたちにとって非常に満足度の高いものです。全員が激務をこなしたおかげで、レース・シミュレーションを非常に速く安定して走る事ができていました。

この良い流れのまま今後も一緒に作業を続けたいと思いますし、今は来週のオーストラリアでのテストが楽しみです。このセパンで着手したバイクの開発作業を、来週はさらに前進させられると思いますからね。

■ジャンニ・ベルティ JiRチーム・スコット・テクニカル・コーディネーター

写真今回のレース・シミュレーションはバイクが実際のレースの時にどのような挙動を示すのかを調べる上で最高の機会になりました。特にこういう50度辺りまで温度が上昇したグリップの得にくい路面を攻略する必要がありますからね。

そういう難しい走行条件だったにもかかわらず、アンドレアは安定したリズムで走る事ができていましたので、次のテストではさらなる改善を期待できるようになりました。

これから改善を進めなければならない課題の1つは予選タイヤです。こういった柔らかいコンパウンドの性能をどうやって最大限に引き出すかを、一歩一歩着実に学んでいく必要があると思います。

今回アンドレアは自己ベストを0.6秒更新する事ができましたから、オーストラリアでは今の方向性のまま作業を推し進め、次のステップに進みたいと思います。



■リズラ・スズキ、すでに完成度の高い新型エンジン

暑くて厳しいセパンでの3日間のテストを通して、リズラ・スズキ勢は新型エンジンを含む2008年シーズンに向けての全てのパーツのテストと評価を予定通りに完了したとしており、来週のオーストラリア合同テストに向けての作業の方向性も明確に定まったとしている。
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リズラ・スズキは2008年型シャシーに今回初めてスズキが持ち込んだ最新仕様のエンジンを搭載してのテストを行ったが、クリス・バーミュレーンとロリス・カピロッシの2名は揃ってこの新エンジンの性能の高さに感銘を受けた様子だ。

前日までの2日間にブレーキ部品ならびに他の電気系やメカニカル系パーツのテストを綿密に行った2名は、最終日のこの日はタイヤのテストに焦点をあてたレース・シミュレーションを実施しており、コース脇で見守るスズキ・ファクトリーの技術者たちに多くの情報を提供する事ができたようだ(写真下は開発ライダーの青木宣篤選手)。
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クリス・バーミューレンは午後のレースシミュレーションの中、昨年のレース時とほぼ同じ走行条件と言える最も暑い時間帯に3日間の総合10番手タイムとなる2分01秒748をレースタイヤで記録し、同様に新チームメイトのロリス・カピロッシもレースタイヤ装着時にバーミューレンに次ぐ11番手の2分01秒778を記録している。

なおリズラ・スズキ・チームは、今回もし2名が予選タイヤを履いていれば総合4番手と5番手には入っていただろうと見積もっているようだ。

総合10番手)クリス・バーミューレン 2分01秒748 「去年よりちょっと速い」
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最初の2日間に集中的なテストを行った後でロングランとレースシミュレーションを新しいGSV-Rでできたので、今日は本当に良かったです。

日中の一番暑い時だったので走行条件はかなり厳しいものでしたが、セパンで過去に記録した中でも最も早い自己ベストを今日は出す事ができたのですごく嬉しかったです。これはバイクの信頼性と耐久性能が去年のレベルに達した証拠ですし、おまけにちょっと速くなってますからね!

ブリヂストンはリアタイヤの性能がさらにアップしたものを提供してくれましたので、今後はフロントタイヤの解決策を一緒に探りたいと思っています。

これからオーストラリアに飛んでテストの作業を引き続き行いますが、最初のレースまでにはまだやる事が山ほどあります。でも、間違いなく今回はいいスタートが切れたと思いますよ。

総合11番手)ロリス・カピロッシ 2分01秒778 「前からこのチームにいたみたい」
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テストでスズキのバイクに乗るのは今回でまだ4回目ですが、感覚的にはもう自分が昔からここのファミリーの一員として長いこと活動してきたような気分ですね。

バイクは毎回良くなっています。それにこのバイクのどんな部分がいいかだけではなく、逆にどこが良くないかについても常に学習していますよ!

バイクは本当に調子がいいし、乗っていて好感触が得られます。ハードブレーキングの時の感触なんか本当に素晴らしいし、どんどん自分の中で自信が膨らんでいく気がしています!

次はオーストラリアに向かう事になります。あそこは以前からスズキにとっては難しいコースですが、ファクトリーがチームに提供してくれている開発中やテスト中のパーツがあれば、今までよりもずっと高いレベルで走れるようになると信じています。

今日はロングランを行いましたが、3月から実際にレースが始まった時の事を想定する上で、レースの距離を完全に走りきった場合にバイクがどういう挙動を見せるのかを経験できて良かったです。

■ポール・デニング リズラ・スズキ・チーム監督
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今回のテストはとても良好でしたから、新しいシーズンをいい形でスタートする事ができています。クリスとロリスは初日から飛ばして膨大な量の作業をこなしてくれました。

スズキはバイクに素晴らしい手の入れ方をしてくれたようですね。特に新しいエンジンは、まだ明らかに改善すべき分野がいくつもある今の状態にもかかわらず、すでに最高の走行ペースに迫っています。

また、ほとんど7週間も現場から離れていた筈のクルーたちの仕事ぶりも素晴らしかったと思います。テスト開始直後から疲れ知らずのまま昼も夜も関係なく働いてくれましたからね!

まだ今後に向けて多くの作業が待ち受けていますが、全員が超やる気(super-motivated)に満ちあふれていますし、これからも最善をつくして作業に集中していきたいと考えています。わたしたちにはいいベース・パッケージと素晴らしい2名のライダーがいますからね。

わたしたちの目標はレースまでに可能な限り強くなる事だけです!


■グレッシーニ・ホンダはチャタリングを一部解消

グレッシーニ・ホンダ・チームは、この日はセパン特有のチャタリングを減らす事を目的にタイヤ探しを行っており、最終的には路面温度が高温になりすぎない時に限り若干の解決策を見出す事ができたとしている。
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中野真矢選手は、この日はブリヂストンの新型タイヤのテストを実施していたが、途中で路面温度が52度の高温に達したため作業を数時間中断し、午後の遅くに再びコースに復帰している。この影響から、中野選手はこの日に予定していたレース・シミュレーションを行う事はできなかったようだ。

中野選手はその後に予選タイヤを試しているが、高温のアスファルトの影響もありレースタイヤでこの日に記録していたタイムを上回るには至らず、3日間の総合の13番手タイムとなる最終日の2分2秒032はレースタイヤでのタイムとなった。

また、中野選手のチームメイトのアレックス・デ・アンジェリスは、2日目に暴れたバイクの挙動を立て直そうとした際に右手首の靱帯を痛めており、この日は痛み止めの注射を打って最終日のテストに参加し、午後は痛みのために早めに作業を切り上げている。

この日にデ・アンジェリスはNissinのブレーキ・エンジニアと一緒に制動力と電子制御のバランス調整に取り組んでおり、最良の設定値を見つける事ができた様子だ。

総合13番手)中野真矢 2分02秒032 「ブレーキを思い通りに扱えるようになった」
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今日は自分たちの作業の方向性が正しいかどうかを確認するために、ブレーキとタイヤの組み合わせをテストしました。

去年のヘレス合同テストの3日間に試したNissinのブレーキを今回はセパンで試しましたが、最終的にいい感触を見つける事ができたのですごく満足です。自分の思い通りにブレーキをかける事ができるようになり、性能もすごく安定していました。

今日は予選タイヤも試しましたが、レースタイヤで記録していた自己ベストを更新するには至っていません。

カタールの開幕戦に向けて作業は進行中です。まだ多くのやるべき事が残っていますが、ホンダとブリヂストンからいいサポートを受けているので満足できています。

総合14番手)アレックス・デ・アンジェリス 2分02秒198 「午後は手首が痛んだ」
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ドクターに痛み止めの注射を打ってもらったので、午前中は手首の調子が良く全てが順調でしたが、午後に入ってからは痛みがひどくなったので、そこで作業を切り上げました。

今日はエンジン・ブレーキング・システムの調整作業に取り組み、エンジン・ブレーキのかかり方を少し弱めました。昨日はちょっと滑り方が大きすぎましたからね。他にははシートの位置を高くしています。このおかげでチャタリングは少し減りましたが、まだ完璧と言える状態ではありません。

Nissinの技術者とも一緒に作業を行いましたが、ブレーキ性能の高さには本当に驚かされますね。ここでの作業内容にはすごく満足していますが、手首の状態については別です。

今は自分の一番好きなサーキットのフィリップ・アイランドに行けるのが楽しみです。セパンとはかなり特性の違うサーキットですから、このバイクについて来週はもっと多く学べると思います。


■アリーチェ・チーム、GP8のエンジンパワーには満足
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トニ・エリアスが17番手、シルバン・ギントーリが19番手と、2名のライダーの総合順位は連日低めとなったアリーチェ・チームだが、チームは3日間を通して着実に改善が進んだという今回のテストには満足ができたとしている。

GP8に乗って初のテストを終えたトニ・エリアスは、バイクのパワーは気に入っているので後はいいセッティングとライディング・スタイルを見つけるのみとコメントし、シルバン・ギントーリは体調の良さをアピールしている。

総合17番手)トニ・エリアス 2分02秒995 「必要なのはセッティングとライディング・スタイル」

今日も進歩が得られたので満足ですが、タイムの方はもっと縮める必要がありますね。

まだ多くの作業は必要ですが、自信はありますよ。バイクはすごくパワフルで本当に気に入っていますから、今必要なのは正しいセッティングとライディング・スタイルを見つける事だけです。

他のチームはこれまでに多くの回数のテストをこなしてきたと思いますが、自分たちにとっては実質今回が初めてですしね。これからまたさらに3日間のテストが続きますからこれからが正念場です。

フィリップ・アイランドは最も美しくて難しいサーキットですから、どんな結果になるか楽しみです。

総合19番手)シルバン・ギントーリ 2分03秒628 「体調は良好」
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3日間連続の高い気温はあまり楽とは言えませんが、アリーチェ・チームの全員が全力を尽くして本当に頑張ってくれています。

今日はレース・シミュレーションを完了する事ができたので満足です。21周を連続して走りましたが、去年よりもペースを上げる事ができましたしね。バイクの反応もすごく良かったです。

暑い中での作業は大変ですが、自分の体調はいいですよ。

■ファビアーノ・ステルラッキーニ アリーチェ・チーム・テクニカル・ディレクター

午前中はかなり安定したタイムが出せていたので、これにはかなり満足しました。ライダーたちのタイムシート上の順位を見ても、2名がバイクに対しての自信を深めてきた事が分かると思います。

しかしながら、彼らがデスモセディチGP8の性能を最大限に引き出せるようになるには、もう少し時間がかかりそうですね。

今日はパッケージの細部に渡り作業を施し、何本か新しいリアタイヤもテストしました。その他には今回初めて新しいフロントフォークも試しましたが、装着してすぐにコンマ何秒かを縮める事ができたので、これには大変満足しています。

ただ、まだ多くのやるべき作業が残っているのは事実です。

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