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テスト二日目、セパンサーキットは朝から快晴に恵まれて一気に気温が上昇した。各チームは大きなトラブルもない様子でそれぞれ順調にメニューを消化する。夕方4時過ぎには雨となり、ほとんどのチームはそれを区切りとしてテストを終えたものの、大きな注目を集めるダニエル・ペドロサはウェットテストのためにコースインしていった。
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■より静かになったヤマハエンジン カワサキは大クラッシュ |
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ほとんどのライダーが昨日よりもタイムを縮めたこの日、上位陣のライダーは01秒台に入れてきたのに対して、“KR211V”のケニー・ロバーツがこの日に記録したベストタイムは、初日の3秒80よりやや落ちる4秒07だった。とはいっても、ドゥカティサテライトよりも良いタイム(A・ホフマン 04秒40、カルドソ 06秒70)であることを考えれば、チームロバーツが苦労し続けてきた過去数年よりも今シーズンの彼らは明らかに高いポテンシャルを持っている、といえそうだ。
04年シーズンまでV5エンジンで参戦していた頃のオリジナルフレームにRC211Vのエンジンがすっぽり収まってしまった、という事実にも驚かされるが、このKR211V用の『年代物』フレームは、ホンダ製フレームと比較して明らかに剛性面で劣るように見える。それでも初乗りでこれだけのタイムが出てしまうということは、ひょっとしたら、その柔軟性(?)が、予想以上にいい方向に作用しているのかもしれない。
ところで、コースサイドでマシンの挙動などを見ていると、06年仕様のドゥカティは、コーナーエントリーの自由度などでライダーの狙うラインをトレースできるよう、更にエンジンブレーキマネージメント等の電子制御システムを進化させてきたようだ。昨シーズンは開幕前にこの部分で失敗し、前半戦で大きく出遅れてしまったが、今シーズンは昨年後半以来の順調さをうまく積み上げているように見える。その証拠に、テスト2日目のタイムはドゥカティ勢のワンツーフィニッシュ(S・ジベルナウ 2'01.66、L・カピロッシ 2'01.83)となっている。
また、スズキも今年度仕様は昨シーズンよりも明らかにパワーアップを果たしている様子で、トップスピードもなかなかのレベルに達しているようだ。J・ホプキンスは総合6番手となる02秒57を記録している。
パワーが増大するごとにどんどん排気音も大きくなっていくスズキと対照的に、チャンピオンマシンのヤマハは、他と比較して明らかに静かな排気音だが、さらに面白いことには、この数年は毎年新型が導入されるたびに一層マイルドな音へと変化していくような印象もある。
ホンダ勢も、総じて順調のようだ。レプソルホンダが仕様違いのスイングアームを試すなど、各チームが精力的にメニューをこなしている。
カワサキは、24日に関する限り、クラッシュの激しさでは一番だった。ランディ・ド・ピュニエが午後に激しい転倒を喫し、コースは一時赤旗中断となった。ライダーには影響がなかったものの、マシンはほぼ全損状態となってしまったようだ。
(1月24日 マレーシア・セパンサーキット 取材/文・写真 西村章)
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