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2006年10月6日
イルモアについては、詳しくご存じない方も多いかもしれない。
2006年MotoGPシーズンの残り2戦への出場が決定し、来期のフル参戦もほぼ確定の状態にあるイルモアは、近年の世界グランプリに出場を表明した最も新しいチームだ。
MotoGPに詳しい方なら、500cc時代にエストリルで優勝した経験を持つギャリー・マッコイについてはご存じだと思うが、このチームがMotoGPに参戦するのは今回が初めてになる。ここでは、イルモアの800cc参戦までの経緯について少しご紹介したい。
イルモア・エンジニアリングは1983年に、当時コスワース・エンジニアリングの社員だったマリオ・イリエンと故ポール・モーガンによって設立されたプロジェクトだ。2人はロジャー・ペンスキーの協力を得て、1986年から1993年にかけてインディー・カー・シリーズを制覇したインディーV8エンジンの開発に、その才能を発揮している。
その後、イリエンとモーガン、およびペンスキーとジェネラル・モータース(シボレーの親会社)の4者は、それぞれが均等な権限を持ってイルモア・エンジニアリングを運営する事となり、イリエンは設計、モーガンは製造と会社の商業利益を担当した。
1994年にイルモアは、アメリカの代表的なレースイベントであるインディー500の世界で、かつてない最強のエンジンを開発しており、ペンスキーとドライバーであるアル・アンサー・ジュニアは、ポール・トゥ・ウインを獲得している。
イルモアはF1の世界でも輝かしい経歴を持つ。1998年と1999年にミカ・ハッキネンのマシンを担当し、2年連続の年間タイトルをメルセデスのエンジンにもたらした。
なお、ポール・モーガンは、2001年にホーカー・シー・フュリー(第二次大戦初期に活躍した戦闘機)を操縦中に悲劇的な死を遂げ、現在の経営者はイリエンのみとなっている。
イルモアは今年の7月にメルセデスとの契約終了に合意しており、長年の会社の野望の1つだったMotoGPへの参戦を、MotoGP公式サイト(motogp.com)のPodcast配信記事内で表明するに至った。現在は800ccへの切り替え時期であり、初参戦に適したタイミングと言えるだろう。
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