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2006年8月17日
ドゥカティーやリズラ・スズキをはじめとするブリヂストン・タイヤを履くチームにとって、明日8月18日から開催されるチェコGPの舞台となるブルノは、ミシュラン勢と戦う上で期待の持てるサーキットだという。
■ブリヂストンが得意とするブルノ
ブルノは高低差が激しく、上り下りの多いサーキットとして知られ、前輪と後輪の両方に加重が多くかかる事から、タイヤの耐久性が大きくレースを左右する要素の1つとなる。
ブリヂストンタイヤを履いたドゥカティーのロリス・カピロッシは昨年のブルノでの予選では1列目3番グリッドを獲得、決勝では2位表彰台を獲得しており、さらに開発の進んだ今年のブリヂストンタイヤを履くライダーたちにとって、これは今年のレースに期待をつなぐ結果と言える。
また、ドゥカティーと同様にブリヂストンタイヤを履くリズラ・スズキ勢は、今シーズンは予選とレース前半では好調な走りを見せているものの、未だに目標の表彰台は獲得できていない。シーズン中の表彰台獲得を狙うスズキ勢は、ブルノに向けて、エンジンとシャシーの新型パーツをいくつか導入する事を予定しており、さらに今週の日曜日に向けてブリヂストンが提供してくれるレースタイヤにも期待を寄せているようだ。
ここでは、明日の8月18日から開催されるチェコGPに向けてのドゥカティーとリズラ・スズキの公式コメントを紹介する。
■鈴鹿8耐でのブリヂストンの勝利を称えるドゥカティー
ドゥカティーのMotoGPプロジェクト・マネージャーであるリビオ・ズッポは、2005年にブリヂストンとドゥカティーがブルノともてぎ、およびセパンでは好成績を収めた事を振り返り、今回のブルノを含め、今シーズンの終盤に予定されているサーキットではチームがいい戦いをできる筈だと述べている。
またズッポは、「ブリヂストンが先月の鈴鹿8耐で表彰台を独占するという最高の勝利を味わった事を聞き大変に嬉しいです。これは彼らの素晴らしい技術力と実力の証明ですし、私たちにとっても、今シーズン残りのレースに向けての大きな励みとなりました。」とコメントし、ブリヂストンの内外での活躍を称えている。
尚、夏休み中に左肩の再手術を受けたドゥカティーのセテ・ジベルナウは今回のブルノには欠場し、現プラマック・ダンティーン・チームのレギュラー・ライダーであるアレックス・ホフマンが、今期のアッセンとドニントン・パークに引き続きジベルナウの代役として出場する事が決定している。ジベルナウは9月10日のマレーシアからレースに復帰する予定だ。
■カピロッシ「ブルノはブリヂストンと相性が良い」
ドゥカティーのロリス・カピロッシも、ラグナ・セカまでは苦手なサーキットが続くが、それが終わればドゥカティー・チームが得意とするサーキットが増えるとコメントしていた。
また、苦手なだけではなく、カタルーニャの大クラッシュに巻き込まれて肺などの内臓系トラブルを本人は抱えていただけに、休息期間となった夏季の休暇を終えた直後のブルノは、カピロッシにとっては待ちに待ったグランプリだ。
ロリス・カピロッシは、セテ・ジベルナウの今回の欠場を残念とコメントした上で、昨年は2位表彰台を獲得したブルノを、ブリヂストンにとって相性の良いサーキットだと語り、レースができるのが楽しみだとコメントしている。
「セテが今回のレースを欠場する事になり本当に残念ですが、彼が残りのシーズンに向けて、完全な体調でレースに挑めるようになる事を願っています。」とカピロッシ。
「ラグナの後、イングリッドと私はマイアミで数日間過ごしました。その後はサルディーニャに滞在し、自宅のあるモナコに戻りました。今は休息が取れてリラックスもできましたので、レースに向けての準備は万全です。」
「ブルノは本当に大好きなので、今回のレースはすごく楽しみです。高速コーナーがあってアップダウンの激しい古いタイプのコースですが、低速すぎるサーキットやタイトすぎるコースに比べると、とても楽しんで走る事ができるんです。」
「また、ブルノは自分たちのタイヤとの相性もとてもいいんです。去年のブルノはブリヂストンと自分たちにとって、いいレースをできるようになった最初のサーキットですから、今年も同じ活躍ができる事を期待しています。」
「他のどのサーキットも同じですが、ブルノは特にマシン・バランスが重要となるコースです。いくつかのコーナーは上り坂か下り坂になっていますからね。また、上り坂のストレートもありますから、強力なエンジンパワーも必要です。」
■歓喜するホフマン
今シーズンのアッセンとドニントンでもセテ・ジベルナウの代役を務め、その時は良い成績が収められずに落ち込むコメントを発表していたプラマック・ダンティーン・チームのアレックス・ホフマンは、ドゥカティーから与えられる事になった今シーズン3度目のワークス・チームとしてのレース出場を喜んでいる。
アレックス・ホフマンは、セテ・ジベルナウの早期の回復を願うとしながら、今回のドゥカティーからの代役出場に関して以下の通りコメントを発表した。
「ファクトリーのドゥカティー・チームから、もう一度出場するチャンスを頂けた事を非常に嬉しく思います。ドゥカティーとプラマック、ならびにダンティーンと全てのスポンサーに、この機会を頂けた事を感謝いたします。」とホフマン。
「セテが厳しい状況にある事を本当に気の毒に思います。彼が一刻も早く回復することを切に願っています。」
■リズラ・スズキ、目立つホプキンスと安定して速いクリス
好調のリズラ・スズキ勢も、明日から開催されるチェコGPに向けてブルノに集結する。
リズラ・スズキのエース・ライダーとして活躍するジョン・ホプキンスは、今期のレースでは6回のトップ10入りを果たしており、予選では自身のMotoGP経歴初となるポールポジションも獲得している。また、現時点のホプキンスのポイント獲得数は、彼がMotoGPに参戦してからの最高年間ポイント獲得数を既に越えており、この事からもホプキンスの今年の躍進ぶりがうかがえる。
また、ホプキンスは昨シーズン中に、過去に転倒などで負った古傷に埋めてあった多くの金属片を全て大手術で取り去っており、MotoGPシーズンを快調な生身の身体で戦うのは今年が初めての事だ。
SBKからMotoGPに移籍し、今期からルーキーとしてリズラ・スズキ勢に加わったクリス・バーミューレンは、初年度から2回のポールポジションを獲得している。大雨となったトルコと、灼熱の路面となった前回のラグナ・セカでのポール獲得は、どんな悪条件でも安定してリズムとペースを維持できる彼の力の証明だろう。
ラグナ・セカのレースでは、トップを独走していたにも関わらずマシンに燃料系トラブルが発生し、大きく順位を後退するという残念な結果に終わったが、経験済みのサーキットでは速く走るライダーである事を見せつけている。
今年のバーミューレンは初めてのコースを焦る事なくマイペースで学習しており、2年目の活躍が期待できる大物ライダーだ。ブルノはポールポジションを獲得したラグナ・セカやトルコと同様に、バーミューレンにとっては経験済みのサーキットでもある。
■デニング監督「エンジンとシャシーの新型パーツをブルノから投入」
今期中の表彰台獲得を狙うリズラ・スズキ勢は、990cc最後の年である今期の終盤に向けて、夏休み中に大幅なマシンの改善を進めたようだ。
リズラ・スズキ・チーム監督のポール・デニングは、現在の成績に満足する事なく、スズキがエンジンとシャシーの新型パーツをブルノに向けて多く導入する準備を進めている事を表明しており、さらに高い目標に向けてチームが再始動したとコメントしている。
「チームの全員がブルノでのレースを楽しみにしています。夏休みのおかげで全員がリフレッシュできましたしね。」とデニング監督。
「ジョンとクリスの2人は真剣にトレーニングを続けていますし、再始動に向けての意欲も高まっています。2人とも休暇の前の状態と変わらないまま、これからの戦いに挑むつもりでいます。」
「今年のスズキは、過去のシーズンと比較して高い成績を収めていますが、リフレッシュされたファクトリーの面々はさらに上を目指しています。私たちは今回、エンジンとシャシーの新型パーツを多くブルノに持ち込んでおり、いくつかはレース用に、いくつかはテスト用に使用する予定です。」
「今でも表彰台は諦めていませんし、これから戦うサーキットのいくつかはリズラ・スズキのバイクに適している筈です。そこでは優位に立てると思っていますし、ブルノもそのうちの1つです。」
「ライダーはトルクと加速力を上り坂で求めますが、ブルノは完全にパワーだけが求められるサーキットではありません。バイクのバランスを確実にしなければいけないサーキットです。」
「今年のここまでの勢いを今回もお見せしたいとチームは意欲を高めていますし、最高のグランプリになって欲しいですね。」
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