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2006年7月18日
7月16日(日)、ドイツのザクセンリンク・サーキットで、MotoGP第10戦の決勝レースが9万3千748人の熱狂的な大観衆の見守る中、快晴の青空の下で行われた。
この日は終日晴天に恵まれ、気温20度、路面温度38度、湿度17%のコンディションの中でMotoGPクラスの決勝レースが行われている。
ドイツGPが金曜日から始まってからの2日間、ディフェンディング・チャンピオンのバレンティーノ・ロッシを擁するキャメル・ヤマハ勢は、全く精彩を欠いた状態にあり、メカニックたちは改善策を模索した忙しい夜を終えてレース当日の3日目を迎えた。
■完全には解決されていない問題が露呈したヤマハ
ザクセンリンク・サーキットがロッシの最も不得意とするサーキットの1つである事も原因の1つと言われているが、それよりも大きな問題は、新型シャシーを搭載後も、YZR-M1の完全に解決しきれていない振動が、サーキットにより突如大きな問題に発展する事だろう。
ロッシやエドワーズは直接チャタリングについて今回ははっきりと述べてはいないが、同じくYZR-M1をIRTAフランチャイズ仕様(サテライト)として使用中のTECH3ヤマハも、ワークスヤマハと(恐らく)同様に、新型シャシーを導入後もチャタリングの問題に悩み続けている。ダンロップタイヤがここ数戦で大きな進化を遂げつつある今、チームの関心はタイヤの性能アップだけではなく、徐々にM1のシャシー改善に向けられつつある。
■M1の症状はル・マン仕様のシャシーを導入する以前に逆戻り?
予選を含む金曜から土曜日までの二日間にロッシたちヤマハ勢を悩ませた最大の問題は、予選タイヤ使用時のリアのグリップ力にフロントタイヤが押し出される形となってマシンが跳ねる現象であり、この問題はムジェロやカタルーニャなどの高速サーキットに照準を合わせ、ヤマハが必死の改善を済ませたばかりの問題だ。
高速サーキットと予選タイヤの組み合わせが問題のないレベルになったと公言していたキャメル・ヤマハチームだが、ザクセンリンクのような超低速コーナーの中に超高速右コーナーを含む独特のコースレイアウトでは、ル・マンから導入した予選対策は簡単に効果を生まなかったようだ。
■06年型YZR-M1に疑問を示したロッシと、奇跡を望むエドワーズ
「奇跡がなければ勝てない」と予選後に発言したコーリン・エドワーズと、「今回に限った事ではない。今後も予選では苦しめられ続ける。」と半ば06年M1の仕上がりに疑問を示す内容の発言を示したバレンティーノ・ロッシからの信頼を取り戻したいヤマハスタッフやメカニックたちが、どこまで今回のレースに向けて奇跡に近い改善をできるかが注目されるレースだ。
年間ランキングの逆転勝利を真剣にロッシが考えている今、安定して得点を積み重ねるポイントリーダーのニッキー・ヘイデンと大差のつくレースだけはキャメル・ヤマハ勢はどうしても避けたい筈だ。同時に、今回もニッキー・ヘイデンにとっては大きなチャンスが訪れた事になり、彼もこのチャンスを次戦の母国GPに向けて決して逃したくはないだろう。
■納得のいかないケーシー・ストーナーの欠場
ホンダLCRのケーシー・ストーナーは、ザクセンリンクのコース後半にある高速右コーナーの入り口で転倒し、マシンと共に高速で路面を滑りながらグラベルに突入し、その後にしばらく転がってから停止した。ストーナーは特に大きなダメージを受けた様子はなく、その場で立ち上がり自分の足でピットに向かおうとしている。
しかしながら、ザクセンリンクのチーフドクターは、ケーシー・ストーナーが転倒時に頭部へのダメージを負った可能性を考慮し、脳震盪によるレースへの影響が懸念されるとして、一切ストーナーにレース出場への許可を出さなかったようだ。
最後までその医師と掛け合ったチーム監督であるルーチョ・チェッキネロは、今回の現地医師の判断を「柔軟性を欠く納得しがたいものだ」と非難し、レース出場の決断はFIMの指定する医師により、どこのサーキットでも同じレベルの医療判断がなされるように、今後FIMには医療ルールの改訂も検討して欲しい主張している。
(ストーナー欠場に関する詳細記事はこちら)
■8番手以降が繰り上がったスターティング・グリッド
1列目ポールポジションは、MotoGPルーキーでありながら今期4回目のポールシッターとなったレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ、2番グリッドは前回のイギリスGPから導入した新型シャシーの好調な仕上がりを見せるチーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニア、3番グリッドはポイントリーダーのニッキー・ヘイデン。
2列目4番グリッドはカワサキ・レーシング・チームの中野真矢選手、5番グリッドはカタルーニャの胸部打撲により、まだ完全な体調を取り戻せていないドゥカティーのロリス・カピロッシ、6番グリッドはカタルーニャで鎖骨を骨折していた事が新たに判明したフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリ。
3列目7番グリッドはカタルーニャの事故からの復帰戦が今回のドイツとなったドゥカティーのセテ・ジベルナウ、8番グリッドを予定していたホンダLCRのケーシー・ストーナーは、午前中の転倒によるダメージが懸念されるため、医師から出場許可が下りずに今回のレースを欠場している。8番グリッドに繰り上がったのはリズラ・スズキのジョン・ホプキンス。
4列目10番グリッドを予定していたコニカミノルタ・ホンダの玉田誠選手も、1つグリッドが繰り上がり3列目9番グリッドからのスタートとなり、不調のキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシが代わりに10番グリッドに繰り上がった。
■レース開始、玉田選手が最高のスタート
シグナルが消え、各ライダーが1コーナーを目指す中、好スタートを決めたのはレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ。チームメイトのニッキー・ヘイデンとロバーツ・ジュニアがこれに続いて加速する中、3列目からスタートした玉田選手は1コーナーまでに一気に5人のライダーを抜き去り、4番手で1コーナーに飛び込むという最高のスタートを見せた。
オープニングラップの1コーナーを最初に抜け出したのはペドロサ、後ろには2番手のヘイデン、3番手のロバーツ・ジュニア、4番手の玉田選手、5番手のマルコ・メランドリ、6番手のロリス・カピロッシが続く
スズキのジョン・ホプキンスがドゥカティーのカピロッシを交わして6番手に順位を上げ、それを追うようにキャメルヤマハのバレンティーノ・ロッシもカピロッシを交わして7番手に順位を上げた。カピロッシはカワサキの中野選手のひとつ手前の8番手に後退。
高速右コーナーのダウンヒル終点からの左コーナーでニッキー・ヘイデンはロバーツ・ジュニアを交わし2位に、ロッシはホプキンスを交わして6番手に浮上した。
■先頭はレプソル・ホンダライダー2名
ニッキー・ヘイデンはそのまま先頭のペドロサを交わしてトップに。
2ラップ目、先頭からヘイデン、2番手にペドロサ、3番手にロバーツ、4番手に玉田選手、5番手にメランドリ、6番手にロッシ、7番手にホプキンス、8番手にカピロッシ、9番手に中野選手が続いてコントロールラインを通過。
1コーナーで玉田選手はロバーツを交わして3番手に。メランドリも続いてロバーツを交わして4番手となり、背後から玉田選手を狙っている。
メランドリは高速ダウンヒル下の左コーナーで玉田選手のインをつき3番手を奪うが、続く最終コーナーで玉田選手がこれを奪い返し再び3番手に。
■2年連続でホームGPをあっけなく終わるホフマン
ここで地元ドイツ出身のプラマック・ダンティーンのライダー、アレックス・ホフマンが、マシントラブルにより昨年に引き続きホームレースの開始数分でリタイアした。
■玉田選手とメランドリの激しい3番手争い
3ラップ目、1コーナーでメランドリが玉田選手を抜き返して再び3番手につけた。先頭は変わらずレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンと、それを追うペドロサ。
カピロッシはジョン・ホプキンスを抜き返してロッシの背後となる7番手に浮上し、6番手のロッシはロバーツの背後に迫る。
4ラップ目、ホームストレートでダニ・ペドロサがニッキー・ヘイデンに並び掛けようとするが、ヘイデンが先に1コーナーへ飛び込む。1コーナーから順番にトップのヘイデン、2番手のペドロサ、3番手のメランドリ、4番手の玉田選手、5番手のロバーツ、6番手のロッシ、少し間が開き始めた7番手のカピロッシ、8番手のホプキンス、9番手の中野選手が低速2コーナーに向かう。
■中野選手が徐々に順位を挽回
この時、オープニンラップの1コーナーで外側に押し出されて順位を落とした中野選手は、ホプキンスを交わして8番手に浮上。
バレンティーノ・ロッシは高速ダウンヒル下の左コーナーでロバーツを交わして5番手に。
5ラップ目、逃げの体制に入りたいヘイデンをペドロサがファーステストを記録しながら追い上げている。先頭集団はトップのヘイデンから7台目のカピロッシまでとなり、8番手の中野選手が若干後方に下がっている。
■逃げるニッキーを追うルーキー
6ラップ目、快調に飛ばす先頭のヘイデンを、チームメイトのペドロサが同じハイペースで追い続ける。ペドロサの背後には3番手のメランドリが近づき、その後ろの玉田選手をターゲットに5番手のロッシがペースを上げる。
■後続を抑える玉田選手
7ラップ目、ホームストレートで玉田選手がメランドリに並びかけた。1コーナーに先に飛び込んだのは玉田選手。4番手となったメランドリがそれを追う。
タイトコーナーでインを閉められないヘイデンの隙間をペドロサが狙うが、ニッキーはこれを譲らない。
高速ダウンヒル下の左コーナーでメランドリが玉田選手に並びかけるが、玉田選手は最終コーナーまでしっかりとメランドリを押さえ込んだ。
8ラップ目、先頭の7台はほぼ等間隔で1列に並んだ。先頭からヘイデン、2番手にペドロサ、3番手に玉田選手、4番手にメランドリ、5番手にロッシ、6番手にロバーツ、7番手にカピロッシが続く。
■メランドリが玉田選手の前に
メランドリは玉田選手の前を狙い続け、ダウンヒル下で玉田選手のインに入り込み3番手に順位を上げた。4番手となった玉田選手の真後ろにはバレンティーノ・ロッシだ。
9ラップ目のストレート、ペドロサがヘイデンの真横に並ぶが、ヘイデンはそのまま加速を続けて1コーナーに先頭で飛び込んだ。
ダウンヒル下、玉田選手はロッシにインをつかれて5番手に後退。玉田選手の後ろにはロバーツ・ジュニア。
最終コーナーではメランドリがペドロサの前を奪い2番手に浮上。ペドロサは3番手に後退。
■ロッシを抜き返す玉田選手
10ラップ目、1コーナーで玉田選手はバレンティーノ・ロッシを抜き返し、4番手にポジションを挽回。5番手に戻ったロッシの背後には6番手を維持して走るロバーツ・ジュニアが走行している。
ダウンヒル下でバレンティーノ・ロッシは玉田選手のインをついて再び4番手に浮上。ロッシを最終コーナーめがけて追う玉田選手、その後ろにはロバーツ・ジュニアが続く。
11ラップ目の1コーナー、メランドリはついにヘイデンのインを奪いトップに踊り出た。ヘイデンはペドロサにも交わされ、先頭の7台はトップのメランドリ、2番手のペドロサ、3番手のヘイデン、4番手のロッシ、5番手の玉田選手、6番手のロバーツ、7番手のカピロッシの順に並んだ。
ダウンヒル下でロッシはヘイデンを交わして3番手となり、序盤にトップを走行していたニッキー・ヘイデンはここで4番手まで順位を落とした。
■行き場を失うケニー
続く最終コーナー、不安定なライン取りとなったロバーツ・ジュニアが前の5人のライダーに囲まれる状態となり、行き場を失いかけたジュニアはブレーキを握るがマシンはフロントを失いコーナーめがけて左に傾いたまま転倒。
■そりゃないよケニー
倒れたKR211Vはそのまま滑走し、最終コーナーに進入しようと右前を走行していた玉田選手のRC211V左脇腹に突っ込んだ。
自身のRC211Vのあった場所に一瞬にしてすり替わったKR211Vの上に乗ったまま、2004年以来の快調な走りでトップ争いに加わり、チームからの信頼を取り戻し、コニカミノルタの期待を一身に背負って、やっとの思いで今シーズンに初めて辿り着いた先頭集団から、グラベルの中に玉田選手は飛び込んだ。
追突の衝撃で左足をKR211Vのフレームに挟まれ、グラベルに飛び込むまで玉田選手は身動きがとれなかった。
KR211Vと一緒にグラベルを跳びはねるように転がった玉田選手は苦痛を示すように左足を押さえ込んだまま動けない。
■優しいケニー、骨折は免れた玉田選手
この時、すぐにケニーは玉田選手に慌てて駆け寄り、心から申し訳ないという様子で「モンダイ(怪我)オオキイデスカ?ソレトモ、モンダイチイサイデスカ?」という内容の言葉を、あまり英語をしゃべらない玉田選手に対して、必死に慣れない日本語で話しかけている。
玉田選手はヘルメットの下で笑顔になってしまったようだ。
また、レントゲン検査の結果、幸い玉田選手の左足に骨折は確認されていない。最初に転倒したケニー・ロバーツ・ジュニアは全く怪我を負わなかったようだ。
■先頭集団は4台に
12ラップ目、ロバーツ・ジュニアと玉田選手の転倒により、先頭集団は先頭からメランドリ、ペドロサ、ロッシ、ニッキーの4名となり、少し遅れ気味のカピロッシがそれに続いた。
ロッシはダウンヒル下でペドロサを交わして2番手となり、先頭を行くメランドリの追撃態勢に入った。
■ロッシがトップに浮上
13ラップ目、バレンティーノ・ロッシはダウンヒル下でメランドリから前を奪い、ついにトップに。
ここでカワサキ・レーシング・チームのランディー・ド・ピュニエは、セテ・ジベルナウの後ろの11番手を走行中に、マシントラブルのためにリタイアした。
14ラップ目、先頭のロッシが後続を引き離そうとペースを上げ、徐々に2番手となったメランドリとの間に差が開き始める。2番手のメランドリの後ろには、3番手のペドロサと4番手のヘイデンのレプソルコンビがつけている。
レース折り返しとなる15ラップ目、ペドロサはオメガコーナーの入り口でメランドリを交わし、2位のポジションを奪い返した。
■ペースが維持できなくなるカピロッシ
16ラップ目から18ラップ目にかけて、リアタイヤのグリップが落ちたというカピロッシは先頭集団から大きく後方に離されて行く。
19ラップ目、先頭からロッシ、2番手にペドロサ、3番手にメランドリ、4番手にヘイデン、1.2秒後方に5番手のカピロッシ、その2秒後方に6番手の中野選手、さらにその2.3秒後方にはチームメイトのホプキンスを交わしたリズラ・スズキのクリス・バーミューレンが続く。クリスの背後を8番手となったホプキンスが走行している。
■ロッシに食い下がるペドロサ
20ラップ目、2番手のペドロサが先頭のロッシの真後ろに食い下がるように迫っている。
21ラップ目のホームストレート、ペドロサが先頭のロッシに並びかけようとするが、ロッシは1コーナーで激しくブレーキを遅らせる。断念したペドロサはブレーキを握り、再びロッシの後ろにつけた。
■2番手に飛び込むメランドリ
ダウンヒル下の左コーナーでメランドリはペドロサのインに飛び込み2番手に浮上。先頭はイタリアン2名となった。
23ラップ目、ダウンヒル下で今度はロッシのインにメランドリは飛び込もうとするが、ロッシは最終コーナーまでのストレートで過激な加速を見せてメランドリに入り込む隙を与えない。
24ラップ目、ペドロサは1コーナーでメランドリのインをついて2番手に。3番手となったメランドリはペドロサの背後につけて抜き返しのチャンスを窺っている。
■メランドリとペドロサが熾烈な2位争い
先頭4名の順位はロッシ、ペドロサ、メランドリ、ヘイデンとなり、5番手のカピロッシはヘイデンから3秒後退した。
25ラップ目、1コーナーを抜けるまでにメランドリはペドロサの前を奪って2番手となるが、オメガコーナーでペドロサがそれを奪い返す。激しくペドロサを追う3番手のメランドリは、高速右コーナーに突入するまでにまたペドロサの前に出て2番手にポジションを戻した。
■ペドロサは4番手に後退
26ラップ目、3番手のペドロサの背後にニッキー・ヘイデンが迫る。ヘイデンはそのままダウンヒル下の左コーナーでペドロサのインをついて3番手に浮上。ペドロサは4番手に後退。
27ラップ目、先頭の4名はトップのロッシ、2番手のメランドリ、3番手のヘイデン、4番手のペドロサの順となって等間隔に走行し、全員が1分23秒台中間附近のハイペースで飛ばしている。
■メランドリがトップ、戦いはまたもイタリアン
ラスト2周の28ラップ目、1コーナーのレイトブレーキング合戦でメランドリがロッシの前を奪いトップに立った。ダウンヒル下でロッシはメランドリのインを狙うが、メランドリのブレーキングも相当に深く、ロッシは2番手のまま前に出る事ができない。
最終コーナーを4台が抜け、猛加速で逃げるメランドリが後続の3台を引き離して1コーナーを目指した。
■火花を散らすレプソル・チームメイト間の3番手争い
29ラップ目、ペドロサはオメガコーナーに向かう途中、ニッキー・ヘイデンの横に強引に並びかけようとするがヘイデンは一歩も譲らず、ペドロサのマシンはヘイデンのマシンに真横から接触。ペドロサはバランスを崩すが危うく難を逃れた。
■トップを奪い返すロッシ
ダウンヒル下の左コーナーでロッシがメランドリに並びかけ、先頭を奪い返した。慌てるメランドリは必死にロッシに食い下がるが最終コーナーではロッシのインに飛び込めない。
ファイナルラップ、1コーナーではロッシとメランドリが激しいブレーキング競争を見せ、ロッシがこれに競り勝ち先頭で2コーナーに向かう。ロッシの後ろから2番手のメランドリ、3番手のヘイデン、4番手のペドロサが続く。
■激しいブレーキング競争に入り込めないニッキー
ニッキー・ヘイデンは前のイタリアン2名に絡みたいが、各コーナーでの前の2台のブレーキングの激しさにはついていけない。
最大の抜き所の高速ダウンヒル下の左コーナーに最初に飛び込んだのはバレンティーノ・ロッシ。ロッシのイン側のドアはしっかりと閉じられ、そこに飛び込めないメランドリは外側から被せるようにロッシに並びかける。
後方では先頭と同じくフォルツナ・ホンダとキャメル・ヤマハが11番手を争っている。
■同時に激化する優勝争いと3位争い
先頭の2台は横に並びながらストレートを猛加速、最終コーナーに向かった。
最終コーナーにロッシとメランドリの2台は並びながら飛び込み、その後方ではヘイデンとペドロサの2台も真横に並んでいる。
最終コーナーの立ち上がり、加速体制に最初に入ったのはバレンティーノ・ロッシだ。ロッシは立ち上がり加速の遅れたメランドリを引き離し、コントロールラインめがけて猛ダッシュをかけた。
■キャメル・ヤマハに奇跡
先頭でチェッカーを受けてこの激戦を制したのは、レースウイーク中に全く不調から脱出できていなかった筈の、キャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ。惜しくも優勝を逃したものの、最後までドッグファイトを見せつけたフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリは2位でコントロールラインを抜けた。
メランドリと約0.1秒差でポイントリーダーのニッキー・ヘイデンは3位、ダニ・ペドロサはチームメイトから0.041秒差で惜しくも表彰台を逃して4位フィニッシュ。
5位はドゥカティーのロリス・カピロッシ。その0.3秒後方まで迫ったカワサキ・レーシング・チームの中野真矢選手は、ザクセンリンクでの目標としたトップ6入りを達成した。
続いてリズラ・スズキのクリス・バーミューレンが7位、左腕に力が入らない事でレースウイーク2日目を苦しんだドゥカティーのセテ・ジベルナウは8位、TECH3ヤマハのカルロス・チェカは9位でドイツGPを終えている。
■マシンに謝るロッシ
予選後はマシンに不信感を持ったというバレンティーノ・ロッシは、ヤマハYZR-M1に謝るかのように、走りながらマシンを全身でくるむように抱きしめている。
ロッシはパルクフェルメでは空中を高く飛んでスタッフの中に飛び込んだ。2位となったメランドリも、レース内容には満足といった様子の笑顔を見せている。
笑顔を絶やす事のないイタリア人2名の横には、ホームGPを来週に控えたポイントリーダーの自信ありげな表情が見える。
■ダンロップタイヤに明るい兆し
ダンロップタイヤを履くTECH3ヤマハのカルロス・チェカは、レース全体を通して終始中間的なポジションを走り、ペースを崩すことなくレースを完走している。これはMotoGP用のタイヤ開発および改善に今期から本格的に乗り出したダンロップタイヤ勢にとっては、やっと前半戦で苦しみながら努力のレースを続けた事が結果に反映され、今後のさらなる改善にも期待が持てる状況になりつつある。
チェカはトップのバレンティーノ・ロッシから17秒遅れでレースを終えており、シーズン序盤の分単位に近かった遅れではなくなっている。
また、チェカのレース中の自己ベストは1分23秒097であり、これは今回のレース全体のファーステスト記録から0.424秒しか離れていない。
■活気を取り戻すコニカミノルタ陣営
前戦まで「マシンや技術パッケージに問題はない。ライダーが本当の実力を予選とレースで発揮できるように支援を続ける」という発言が続いていたコニカミノルタ陣営だが、バレンティーノ・ロッシを抜き返し、不幸にしてメランドリとの3位争いの最中にケニー・ロバーツ・ジュニアからの突き出しにあい、足をマシンに挟まれたまま最終コーナーから押し出された玉田選手を賞賛している。
コニカミノルタのチーム責任者のジャンルカ・モンティロンは、レース後に以下のコメントを発表している。
「やっとうちのライダーの実力を見ることができました。」とモンティロン。
「いいスタートをして先頭集団の中に入り、チームにいい成績を持ち帰ろうという意欲に満ちあふれてましたね。本当にチームには励みになりましたし、みんなの士気を一気に高めました。」
「レーシング・アクシデントは仕方ありませんよ。でも、すごいチャンスを逃したのは本当に残念でした。」
「いずれにしても、私たちは今回の結果に失望はしていません。ラグナ・セカでは今回の活躍が1回きりじゃない事を改めてお見せできる自信がありますよ。」
■各ライダーのコメント
以下にレース後の各ライダーのコメントを示す
優勝)バレンティーノ・ロッシ ITA キャメル・ヤマハ
チームと自分にとって信じられないようなレース展開でしたね。
まず何よりも先に、自分のM1に謝らなきゃいけません。昨晩は彼女(M1)を疑って関係がこじれてたんです!
でも、今回も彼女は自分に誠実でした。これについてジェレミーとメカニック全員に感謝すると同時に大きな借りができましたね。
昨晩はこのレースに勝てるとは思っていませんでしたが、午前のウォームアップと、さらにレース直前の午後に変更を加えたら、今日のM1はかっ飛びマシンになってました。コースのいくつかの部分でものすごく速かったです。
ミシュランともいい仕事ができましたね。レース序盤には自分のリズムが優勝をかけて戦えるレベルだとすぐに分かりました。
トップに立ってからは、他のライダーよりも自分の方が0.2秒から0.3秒速い事を知っていましたが、逃げ切るのにはまだ十分とは言えませんでした。ダニやニッキー、それにマルコとのバトルは避けられませんでしたが、どれも最高の戦いだったと思います。
レース終盤のマルコはとても強かったですね。マルコには声を大にして祝福の言葉を贈りたいです。自分は有り難い事に最終コーナーでいいライン取りができたので勝つ事ができました。
イタリアは先週サッカーで世界チャンピオンになりましたし、今日は自分も勝ちました。ドイツはイタリアにとっていい国ですね!
2位)マルコ・メランドリ ITA フォルツナ・ホンダ
すごいバトルでした。ドニントンでは上位を争う戦いでしたが、ここドイツではずっと優勝争いでしたからね。最初はペドロサといい戦いをして、その後はバレンティーノとの争いでした。
自分と同じくらいファンの人たちも楽しんでくれたと思います。とても面白かったですよ。
何度もロッシを追い抜こうとしましたが、ドアを毎回しっかりと閉じられました。ここ最近のレースはいつも上位を争えますから、これは今後に向けてのいい兆しだと思います。
チームは最高の仕事をしてくれていますので、この調子をずっとこのまま維持する必要があります。チームとホンダ、それにミシュランに感謝しています。
3位)ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ
今日はいいバトルだったので本当に楽しかったです。みんなすごく乗れていて激しい走りでしたし、誰も一歩も譲りませんでした。
まわりが激しいバトルをしていたので、レース終盤にはトップに出られるチャンスがあると思ってました。
最終ラップでは、マルコがダウンヒルの最後のイン側に入っても、多分ドアを開けてくれるだろうと思ってました。
3位ですから完全に満足できるとは言えません。ここは自分にとって得意なサーキットですし、今日は勝ちにいけると思ってましたからね。でもバトル自体は楽しかったですよ。
他のライダーもすごい走りをしていました。自分のチームの全員にはとても感謝しています。コーナーの出口で今日は十分な速度は得られませんでしたが、その他の部分ではバイクの調子は最高でした。
今はホームに戻るのが本当に楽しみですし、ポイントリーダーとしてラグナに行けるのを誇りに思います。あそこでは絶対に25ポイントを取りに行きたいです。
4位)ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ
先頭集団の4人全員にとっていいレースでしたね。でも残念ながら自分はその中で最後の4位ですから、当然少しは落ち込んでいます。
ダウンヒルの最後のコーナー以外では速く走れたんですが、あそこでかなりタイムをロスしました。
今後は抜き所をもっと有効活用できるようになりたいです。今回のレースでは抜かれないように注意しながら他のライダーを抜こうとしましたが、十分とは言えませんでした。
自分は他のライダーよりも本当は速かったと思います。でもトップに出る事はできなくて、本当の自分の速さを見せつける事ができませんでした。
ただ、今シーズンここまでは調子よく来ましたし、今日の自分の走りについても大部分は満足です。
5位)ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティー・マルボロ
すごく固いタイヤを選んでいたので、最初の数周は激しく攻めて走る事ができませんでしたが、先頭集団の中でペースを維持する事は簡単でした。
中盤に差し掛かってから、周回ごとにリアタイヤの性能が下がり、終盤に向けては中野からポジションを守るのが精一杯でした。
調子は悪くなかったので残念ですね。ただ、去年9位で終わった時に比べれば進歩は大きかったと思います。ドニントンの時よりもタイヤの調子はだいぶ良くなりました。まだ先頭のライダーについて行くのには十分とは言えませんが。
まだシーズンの残りは長いですが、年間タイトルを狙う上ではポイントをだいぶ落としてしまいましたし、挽回は厳しくなってきました。でも、不可能ではないと信じますし、決して諦めません。
ラグナもまた厳しいレースウイークになりそうですが、それが終われば後はトップレベルのスピードで戦えるサーキットが多くなります。
6位)中野真矢 JPN カワサキ・レーシング
1コーナーにはアウト側から進入しましたが、全員がイン側に激しく飛び込んで行くのが見えたんです。1コーナーでのクラッシュには巻き込まれたくないので、そのまま大きく回り込む事にしました。
コーナーを曲がりながらトップ集団のライダーを追いかけようとしましたが、イン側になかなか戻れず順位をそこで落としてます。
レースの序盤は右コーナーでプッシュできない問題がいくつかあってタイムを落としてしまい、先頭集団と同じペースを維持する事ができなくなってました。
中盤に差し掛かってもまだ先頭集団のバトルが遠くに見える位置だったので、自己ベストタイムで追いかけましたが、差を詰めるにはもう距離が開きすぎてましたね。
終盤はロリスを捕らえて5位に上がれると思ってました。でも真後ろにつけて抜き所をうかがっているうちにレースが終わってしまったって感じです。
フリー・プラクティスの間は問題山積みでしたので、それを思えば今日の結果には満足できます。年間ランキングもトップ10に戻れたのも嬉しいですね。
7位)クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ
初めてのザクセンリンクで7位が取れてとても嬉しいです。
金曜日にはちょっと苦しみましたし、攻略が難しいサーキットだと個人的には思いました。それにコースレイアウトもスズキのマシンとは相性が良くなかったと思います。
いいスタートができたので、距離をおいてバレンティーノについて行こうと頑張りました。彼はコース前半のコーナーがとても速いので、そのおかげで順位をいくつか挽回できたんですよ!
セテ・ジベルナウを交わしてからは、ジョンの後ろに迫りました。ジョンはすごく速かったんですが、バックストレートの最後で彼を交わす事ができたので、その後は先頭グループを追いかける事だけに集中しました。
ここでタイヤの調子が少し落ちました。自分がこのサーキットは初めてという事もあり、他のチームと同じように準備が進められなかった事が原因です。
今週を通してのチームの必死の頑張りには深く感謝しています。全てをいい方向に持っていくのは決して簡単じゃなかった筈ですよ。自分がいい結果を取れたのは彼らのおかげですし、彼らも努力のかいがありましたよね!
8位)セテ・ジベルナウ SPA ドゥカティー・マルボロ
今の体調を考えれば今日の結果は満足できます。
いい仕事ができたと思いますし、今できる事は100%やり切れたので、この厳しいレースウイークを支援してくれたチームとドゥカティーとブリヂストンに感謝します。
これから地元に戻って、来週のレース出場までにやれる事がないか、自分のバルセロナの外科医に相談をしてくるつもりです。肩に痛みはありませんが力が入りません。多分これは神経の炎症です。
レースの最初から肩にまったく力が入りませんでしたから、ブレーキングが一苦労でした。
ブリヂストンがいい方向性を持ってすごく頑張ってるので、自分は早く体調を戻さなければいけません。いい形でシーズンの終わりを迎えられると思いますよ。
9位)カルロス・チェカ SPA TECH3ヤマハ
自分たちにとって今日は本当にいい結果になりました。とても嬉しいです。
トップとの差も今期なかった程に縮まりましたので、チャタリングを抱えていた事や17ラップ目からエンジンに問題が発生していた事を考えれば、また新たな明るい進展があったと言えます。もちろん言い訳をしようしている訳ではありませんよ。
全体的に安定して走れましたし、スピードも問題ありませんでした。
今年最初のレースではトップから59秒離されていましたが、今回は17秒です。おかげで他のライダーと順位を争えるレベルになりましたから、これは大きな進化です。
今日は本当に満足しています。
今後はヤマハがチャタリングの問題やエンジンについて協力してくれる筈です。タイヤはどんどん良くなってきましたが、シャシーについてはワークスチームと同様に苦しんでいます。これはヤマハ全体の問題だと思いますので、タイヤが異なる自分たちもヤマハと一緒にこの問題を解決していかなければなりません。
ただ、自分たちは今後も真剣に作業を進めますので、これまでの4レースと同様に進化を続ける事ができるのはきっと間違いないでしょう。
10位)ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ
10位は嬉しくありません。しかしこのコースは昔っから一度も自分には優しくしてくれないよね。
スタートは良くも悪くもないと言った感じでしたが、最初の2つのコーナーで順位を2つくらい上げることができて、先頭集団に近づきました。
コース前半のいくつかのコーナーではマシンをうまく走らせるのに苦しみましたが、リズムが掴めてからは調子が良くなってきました。
シンヤにくっついて行って、6位に順位を上げる事を狙ってましたが、残念ながらそれはだめでしたね。
言い訳はないです。もっといい結果が欲しかったけど、今の自分の視点はもう来週のラグナ・セカだけです。
またいい走りをしたクリスに祝辞を。良くやった!(great job!)
11位)トニ・エリアス SPA フォルツナ・ホンダ
今回の目標はレースを完走する事でしたから、この体調で獲得できた結果には満足するべきでしょうね。
8周目あたりから痛みがひどくなって、これを忘れる唯一の方法はとにかく激しく走る事だけでした。この状態で、特にここみたいに負担の激しいコースでレースをするのは本当に大変です。
新しいエンジニアとの最初のレースでした。まだやるべき事は多く残っていますが、お互いにとても良く理解し合えたと思います。
ラグナ・セカもまた身体に負担の厳しいサーキットですから、それまでに少し身体を休めておきたいです。
12位)コーリン・エドワーズ USA キャメル・ヤマハ
何か言う事なんかある?
ここじゃ自分は遅かったと思うだけです。今週はみんな自分のために何かしようと常に必死でしたが、自分たちがバイクを改善できる事は全くありませんでした。こんなペースは今までに一度もなかった事です。
バレンティーノも同じ状況だったのに、なんか700回目の奇跡を実現したみたいですね。もう偉大なチャンピオンには脱帽するしかありません。
午前中にはいくつかセッティングを変更しましたが、感触があまり良くなかったので昨日の状態に戻しました。それが理想的じゃない事くらいは分かってはいましたよ。
最初の数周は大丈夫でしたが、トニ・エリアスを交わすのに苦労して、抜いてからは2人揃ってどんどん後退してます。そこからは単にバイクを最後まで走らせ続けるためだけの戦いになり、それ以上はどうしようもありませんでした。
とりあえず完走だけはしました。
13位)ジェームス・エリソン GBR TECH3ヤマハ
嬉しいって言えたら幸せでしょうが、現実はそこからかけ離れています。
レース全体を通してひどいチャタリングに悩まされました。バイク全体のバランスはとても良かったのですが、コーナーの進入ではチャタリングのせいであまり速く走れませんでした。傾けられないので思い通りのスピードが出せないんです。
タイヤはいい調子でしたが、自分は希望通りのタイムが出せませんでした。
レースの序盤はコーリンと他の連中が見えて、10周くらいは彼らに近い距離をキープしましたが、チャタリングが発生して状態がどんどん悪くなり、ほとんどコースのどの区間でも問題が出るようになってきました。
完走はどうしてもしたかったので、それができたのは嬉しいです。ポイントを自分にもチームにも持ち帰る事ができましたからね。でも、自分が落ち込んでる中で喜べる点はそれくらいだったってのが正直な気持ちです。
チャタリングについては、何年も同じような問題は解決してきているカルロスに相談しました。彼が言うには、コーナーへの進入時にスピードを維持しようとすると問題が大きくなるので、まずブレーキをできる限りきつくかけて、それから惰性で流れるように進入した方がいいそうです。そうしないとチャタリングが起きる事を彼はよく知っていますからね。
そういう乗り方できるように、今は自分のライディングスタイルを改造中です。だってバイクがチャタリングを起こした状態で、脳から「惰性にまかせた走りをしろと」信号を出されてから切り替えているようでは手間取って転びそうですからね。
だいぶその走り方にも慣れてきましたし、自分にもできる事が分かりました。今年はだんだんフラストレーションが溜まってきてますので、来週のラグナ・セカでは流れが異なるように本当に期待しています。
どれだけもっと上達したいか言葉では言い表せません。もっとペースは上げられる筈なんですよ。
14位)ホセ・ルイス・カルドソ SPA プラマック・ダンティーン
プラクティスの時よりも若干いいリズムでレースを終えました。
残念ながら、レース中盤から終わりにかけてはリアのグリップに少し問題が出てしまい、コーナーへの進入がとても難しくなってしまいました。
全力で可能な限り安定して走れるように心がけ、最終的に2ポイントがとれて本当に嬉しいです。
これは重要な得点ですから、レースウイーク中に頑張ってくれたチームにとても感謝しています。特に金曜日は転倒してバイクを深刻な状態に壊してしまいましたからね。
DNF)ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング
スタートで順位をいくつか落としましたが、オープニングラップで激しく抜き返してセテ・ジベルナウの真後ろまでポジションを戻し、7位を争ってバトルしました。
バイクの調子がとても良くて前の集団との差も徐々に詰まってきましたが、バイクが突然止まってしまい、リタイアする以外にありませんでした。
10位以内に入れそうだったのですごく残念です。ただ、バイクに対して今回とても自信持てるようになったのはいい事でしたね。きっと来週のラグナ・セカではこの自信が役に立つと思います。
今回の事はもう忘れて、気持ちを次のレースに集中させます。すぐ7日後ですからね。
DNF)玉田誠 JPN コニカ・ミノルタ・ホンダ
今回はクラッシュするまでは本当に楽しめました。
ケニー・ロバーツ・ジュニアがイン側からぶつかって来た時には殆ど自暴自棄になってました。あそこまではすごくいいレースができてましたからね。
スタートが良くて、一気にポジションを5つ挽回して1コーナーでは4位につけました。先頭集団のペースではコーナリングに何も問題は起きませんでしたし、ロッシとメランドリを交わしたらいいアピールができるなと思いました。
ケニーのミスにはいい結果を奪われちゃいましたね。すごく速いバイクに仕上げてくれていたコニカミノルタ・ホンダチームのスタッフには本当に申し訳ないです。
グラベルに転がっていたらケニーが「大きな問題になりましたか、それとも小さい問題ですか」という内容をあんまりうまくない日本語で尋ねてくるので、笑いをこらえるのは無理でした。
病院でレントゲン検査を受けましたがどこも折れてないし、ひざの調子は大丈夫です。怪我は心配いらないレベルだと思いますから、ラグナ・セカは出場できますよ。
DNF)ケニー・ロバーツ Jr USA チーム・ロバーツ
転んだ時は先頭集団について行こうという場面でした。ブレーキで玉田の下に入り込んだ時はまわりが取り囲まれた状態になってたんです。
ニッキーが外側から近づいていたので、みんなを押し出したくないのでイン側によせてブレーキをかけたら思いのほか長くブレーキを握ってしまい、フロントを失ってしまいました。
今日はすごく激しいレース展開でしたね。玉田まで一緒に掃除してしまった事を本当に残念に思います。彼にそう話したら僕の事を怒ってないと言ってくれました。
DNF)アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン
本当にがっかりです。
スタートがうまくいって、エリアスやエドワーズ、それにド・ピュニエと一緒に走ってましたが、ピットボックスからの情報を見る限りそのまま同じペースで走れそうでした。
異なるタイヤを履く他のライダーたちと今回初めてレースができそうだったのでとても残念です。不幸にしてバイクに問題が発生し、そのままリタイアしました。
ここ2年間、ザクセンリンクではいつも本当に運がありません。2年分のレースを合計しても2周しか走ってないんですから。
母国の観衆の前でいい走りが本当にしたかったので、大変に悲しいです。
欠場) #27 ケーシー・ストーナー AUS ホンダLCR
ウォームアップで小さなミスをして転びましたが、全く怪我はありません。心身ともに健康ですから問題なくレースができる状態でしたし、精密検査の結果にもそれははっきりと表れていました。
だからサーキットの医師がレースを許可してくれなくて本当にがっかりです。HRCが提供してくれた新型シャシーを使ってプラクティスでもいい走りができていましたから、高いポイントが取れるチャンスだと思ってました。
全く残念ですが、今は来週のラグナ・セカに気持ちを改めて集中させる事しかできません。
アメリカに行くのは初めてですが、きっといいところ(cool!)でしょうね。
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