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2006年5月25日
イタリアのニュースエージェンシーであるANSAは、バレンティーノ・ロッシが予ねてからの噂である2007年からのF1行きを否定し、今後もMotoGPで走り続ける事を発表したと現地時間の5月24日に報じた。続けてイギリスのBBCやヨーロッパの多くのニュースが一斉にこの内容を報じている。
バレンティーノ・ロッシはANSAに対して公式コメントを発表している。以下にその内容を引用する。
「フェラーリの親しい人たちがF1に挑戦する機会を与えてくれました。技術的な観点からもそうですし、人間関係の観点から見ても素晴らしい経験になり、多くの偉大な人たちとお会いする事もできました。」とロッシ。
「フェラーリの社長であるルカ・ディ・モンテゼーモロ、並びにフェラーリ・チームの責任者のジーン・トッドに、これらの機会を与えて頂いた事に対して心から御礼を申し上げます。」
「自分はモーターサイクル界でやるべき事がまだ残っていると信じています。今の仕事は自分にとって刺激的であり、今後もしばらくはMotoGPに留まります。」
ANSAによれば、フェラーリはロッシのこの声明をモナコのモンテカルロで承諾しており、これについてジーン・トッドは「彼にF1のテストの機会を与える事ができたのは自分たちにとっても喜ばしい事でした。彼が発揮して見せたF1への才能と適応力、並びに思慮深い人間性には深く感銘を受けています。」とコメントしたようだ。
また、イタリアの有名ロードレースサイトであるGPoneは、今回ロッシがMotoGPに留まる事を決めたきっかけは、今年始めにバレンシアで行われたF1合同テストにロッシが参加した際に4輪関係者たちから受けた冷ややかな待遇ではないかと報じている。
ロッシに対してF1の世界が決して歓迎ムードでは無くむしろ閉鎖的であり、自分が移籍するのに十分な環境が整わないとロッシは感じたのではとGPoneの記事は説明している。
確かに、ロッシと仲の良いフェラーリのミハエル・シューマッハを除いて、ロッシのMotoGPからのF1移籍に対する反発の声は以前から大きかった。同郷のジャン・カルロ・フィジケラを始め、現フェラーリのフェリペ・マッサなどは「4輪のフォーミュラ経験のないパイロットが突然F1に来ても難しい。」、「F1は趣味でやる程度のものではない」とする意見をロッシのF1移籍への噂に対してコメントしていた。
あからさまにロッシの4輪転向を非難していたフェルナンド・アロンソとの確執は今や有名だが、おそらくF1界のこうした風潮を誰よりも敏感に感じていたのはバレンティーノ・ロッシ自身である事は間違いないだろう。ただし、これが本当の今回のロッシの決断の理由であるとする証拠はどこにも無い。
現在までの歴史上、2輪と4輪の最高峰クラスの両方を制したチャンピオンは、1964年にフェラーリで30歳の時にタイトルを獲得したジョン・サーティースだけだ。
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