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豪快なコースレイアウトのトルコ、不安を隠せないカピロッシ
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2006年4月21日
3週間の長い休息を経て、再びMotoGP世界チャンピオンシップはトルコのイスタンブールサーキットで再開する。好調なスタートを切ったイタリアンチームのドゥカティー・マルボロは、これから気分良くイスタンブールに旅立つところだ。
イスタンブール市の南西62kmはアジア側のボスポラス海峡に面している。ボスポラス海峡はアジアとヨーロッパの境界である。
現在ポイントランキングを2位から5ポイント引き離してトップに立つロリス・カピロッシにとって、イスタンブールサーキットは走行経験の無い初めてのサーキットとなる。
去年はイスタンブールサーキットの建設が完了した年であり、当然MotoGPの年間スケジュールに組み込まれた最初の年だった。カピロッシは昨年のフィリップ・アイランドのフリー・プラクティス中に大転倒を喫し、右肺の中を出血するという大怪我を負った為、次戦だったトルコGPをキャンセルしている。この時の代役はブリヂストン・テストライダーの伊藤真一選手が務めている。
イスタンブールサーキットはトルコの山腹に位置し、起伏に富んだコースレイアウトが特徴だ。丘側をバンクとして利用した高速コーナーや、時速260km/hを出した直後に飛び込まなければならないスリリングなシケインもある。低速セクションと高速セクションのメリハリが激しく、バイクのセッティングには何らかの妥協が必要となるメカニック泣かせのサーキットらしい。
他の主要ライバルたちは既に走行経験があるという、ロリス・カピロッシにとっては不利なイスタンブールで、ここまでの好調な走りをどこまで維持できるかが注目される。実際にカピロッシ本人も不安が隠しきれていないようだ。テレビで昨年のレースを何度も見直して学習したという。
「チームも自分もいい状態ですよ。」とカピロッシ。
「バイクにもタイヤにも凄く自信があります。まだ先の長いタイトル争いである事はわかっていますが、今年が自分たちにとっていいシーズンになる事は間違いありません。」
「ドゥカティーとブリヂストンはこのポジションを得るために頑張り、また更に上を目指してカタールGP後のテストを行いました。それに今回どうしても彼らの助けが必要です。私はトルコのコースを全く知らないんですから!」
「去年はオーストラリアで怪我をして、トルコGPの最中は自宅に戻っていました。あれからトルコのコースをなんとか理解しようと、テレビで多分20回は去年のレースを見直しています。」
「私にはトルコはいい感じのサーキットに思えます。最近のF1主体に作られたいくつかのサーキットは小さなコーナーばかりが連続してバイクレースにあまり適していませんが、トルコをテレビで見る限りでは、ちょっと荒っぽい判断かもしれませんが、高速コーナーがあり、アップダウンも結構あって面白いサーキットだと感じました。」
カピロッシのチームメイトのセテ・ジベルナウは、開幕戦をマシントラブルによりリタイアしたが、第2戦となった前回のカタールでは4位とまずまずの成績を残し、ブリヂストンタイヤが苦手とする砂の多い路面でも熟成度を増した事を証明した。カタールはどうしても完走したかったと言うセテ・ジベルナウだが、今回の目標は完走ではなく勝利だろう。
セテは昨年のイスタンブールでのポール・シッターである。カタールGP翌日のテストでは悩みのチャタリングの問題もほぼ解決しており、前向きな発言が目立つようになった。ちなみに、彼の昨年のレース結果は4位だった。
「カタールのレースウィークを通していい仕事が出来ましたから、トルコGPは本当に楽しみにしていますよ。翌日も調子が良くて凄く楽しいテストが出来ましたから。」とセテ。
「チャタリングの問題は前回のレースで解決しましたし、さらに進歩もしましたからトルコでも使えると思います。このままいけば、いいレースウイークが過ごせるような気がしますね。」
「イスタンブールのコースレイアウトは悪くないですよ。ちょっと跳ねる路面ですが、とても楽しめます。ライダーとバイクに挑んでくるような難しいコーナーもいくつかありますしね。」
「コース終盤の超高速右コーナーは凄いですよ。アップヒルでバンクしているのを5速で突撃するんですからね。バイクの調子が良ければ面白いコーナーです。バイクの高い安定性が要求されますし、さらにスリーウェイ・シケインのようなきついコーナーでは操舵性も求められます。」
「要するに、全ての点で優れたバイクが要求されるコースです。バランスのいいバイクならコース全体を速く走れるでしょうね。」
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