MotoGP 速報ニュースサイト インテリマーク
最新ニュース 2007年冬季データ 2007年のMotoGP年間予定、及び各クラスのレース結果 2007年のMotoGP各クラスのポイントランキング インテリマークフォーラム/2輪ロードレースカレンダー/MotoGP天気予報/世界サーキット時計 運営/お問い合わせ
元のページに戻る
アルベルト・プーチ「思っている事しか言えない」
インテリマーク編集部
2007年8月8日

現レプソル・ホンダ・チーム全体のスポーツ・マネージャーであり、同125ccチームと250ccチームの責任者、ならびにMotoGPクラスでは今期2年目のシーズンを迎えたダニ・ペドロサのテクニカル・アドバイザーを務める人物と言えば、1980年代から1990年代にかけてスペインで最も人気の高かった元最高峰クラスのライダー、アルベルト・プーチだ。
写真
■スペインで人気を博したライダー、アルベルト・プーチの95年の事故

フォルツナ・ホンダ・ポンスのライダーとしてスペイン・グランプリで勝利を収めた彼にとっての全盛期と言えた1995年シーズン、彼のレーサーとしての運気はこの時に一変した。プーチはこの年のフランス・グランプリにおいて、ルマンがMotoGPカレンダーからしばらく外されるきっかけとなった悪名高い1コーナーでのフェンスへの激突の大事故により、左足の切断さえ心配される程の深刻な重傷を負っている。
写真
この結果、プーチは好成績が期待された95年の残りのレースへの出場をすべて断念し、その後は当時250ccクラスのライダーだった同胞のスペイン人であるカルロス・チェカが最高峰クラスの500ccにステップアップし、彼の後任を務めている。ちなみに、この年のレプソル・ホンダ・チームのライダーはミック・ドゥーハン、アレックス・クリビーレ、伊藤真一選手の3名であり、前々年のヤマハのウェイン・レイニーの事故を受けてスズキのケビン・シュワンツが意欲の低下により引退を表明、ミック・ドゥーハンは最高峰クラス2連覇を狙っていた時でもある。

■怪我の影響により、1997年にライダーとしての活動を断念

翌年の1996年にはカルロス・チェカをチームメイトに従え、不屈の精神でグランプリに復活したアルベルト・プーチだが、怪我の影響から成績には苦しみ、さらに翌年の1997年には引退を表明した。


■若手育成に傾けられた情熱とペドロサの発掘
写真
その後、プーチはそのグランプリにかける情熱を若手育成に傾け、2001年には自らがその才能を発掘したダニ・ペドロサ、トニ・エリアス、ジョアン・オリベという3名の新人スペイン人ライダーを従えてグランプリ125ccにチーム参戦し、グランプリでの争いに復帰。さらにはケーシー・ストーナー、チャズ・デイビス、フリアン・シモンなどの優秀なライダーを発掘、その育成を続けてきた。

■全世界の若者にMotoGP参戦のチャンスを与えるアカデミーを主催
写真
2005年にはMotoGPアカデミーをDORNAと共に主催し、2006年以降はレッド・ブルをそのスポンサーに迎えて昨年度の全日本125ccクラスのチャンピオンである中上貴晶選手を含む全世界の若手ライダーにその間口を広げ、彼らにスペイン選手権(CEV)などへの参戦のチャンスを与えながら、将来のMotoGPクラスを担う才能の発掘と育成にその情熱を注いでいる。
写真

■アルベルト・プーチ「思っている事しか言えない」

今シーズンの前半には師弟が揃って「今の250ccクラスはレベルが低い」とインタビューの中で述べるなど、歯に衣着せぬ発言の数々がヨーロッパのメディアに取りざたされる事の少なくないアルベルト・プーチだが、ここでは6月前半にレプソルYPFが公開したその時のインタビューのほぼ全文を紹介したい。
写真
「思っている事しか言えない」と発言するプーチはこのインタビューの中で、低年齢化が進むライダーの学業両立の難しさ、グランプリのエントリー・クラスとしての125ccクラスの紹介、伸び悩みの見える250ccクラスの現状、当時まだ改良が施される前のホンダRC212Vに乗るダニ・ペドロサの成績やMotoGPチームに関する意見、ペドロサの人物像、プーチ本人の人物像に加え、通常はあまり口にしない1995年の事故や怪我に関するコメントを残している。


■現在のレプソルでの役割やバイクレース業界の展望など

あなたのレプソル・チームにおけるスポーツ・ディレクターの役割とはどのようなものですか。
写真
125ccクラスと250ccクラスでは、ライダーの発掘ならびに組織やスタッフメンバーなどの取りまとめ、他には優秀なメカニックを探したりしています。

ホンダとチームとの関係をつなぐ役割の中では、何ができて何ができないのかの意見を述べるなど、チームの作業方針の決定ならびに将来に向けての戦略の立案を行っています。


若手ライダーたちとの仕事にかかわる前は、あなた自身がライダーでしたね。その経験がある事により、全体を見渡す立場の中では将来の方向性などを把握しやすいと思うのですが、今後のバイクレース業界はどのような進化を遂げるとお考えでしょうか。例えば時速200キロ以上の速度で走るなど、過去にあなたが20歳から22歳の間に経験した事を、最近のライダーは14歳か15歳の年齢で経験しています。世界選手権で戦うライダーの年齢層が非常に若くなった訳ですが・・・これらの状況を含めどう感じていますか。

そうですね、他の全ての業界と同じように進化は続くと思います。

多くのスポンサーが絡み、競争も激しくなり、低年齢化が進むなど、非常にプロフェッショナル(専門職的)な世界になってきました。要するに、全てがより厳格に取り扱われるようになったのだと思います。以前とは大きく変わりましたね(写真下は125ccクラス参戦中のレプソル・ライダー:左がエステベ・ラバト、右がMotoGPアカデミー出身のブラッドリー・スミス)。
写真
他の全てのスポーツと同様にバイクレースの世界も進化を続けています。レースを開始する人たちの年齢層も変わり、より若い人たちが参加してくるようになりました。最近では家族が子供をテストに連れてきますからね。この傾向により全ての開始時期が早まり、若いうちからプロとして活動するようになってきたのです。

結果として、競争のレベルは非常に過酷なものになりました。どのようなスポーツでも、まるで本当に戦争をしているような状況です。冗談でもなんでもなく、自分の目標を目指して真剣に戦うのですから、この世界は誰にとっても非常に高いレベルの争いなんです。


それらの非常に若い世代のライダーたちは学校に通う事を諦めるべきだとお考えでしょうか。また、そんなに若い年齢層が本当にレースを戦えるのでしょうか。

全てのライダーにはそれぞれに違う事情があるでしょうし、一概に言える事ではないと思います。誰かにとって良い事が、他の人にとっても良い事だとは限りません。
写真
私たちが3名の若いライダー(ダニ・ペドロサ、トニ・エリアス、ジョアン・オリベ)と共に世界選手権への挑戦を開始したのは2001年が最初ですが、私はレースの時でも彼らを学校へ通わせる事に固執していました。

しかしながら本音を言えば、スポーツ選手が結果を重視するようになれば、彼らにとって学校はあまり重要なものではなくなってくるんです。どんなに努力をしても、両立するのは非常に難しい世界ですね。なぜならこの世界は移動などが多く、簡単な事ではありません。私も大学に4年間通いましたが、途中で非常に難しい時期が訪れました。
写真
常になにか新しい事を学べる場所を確保しておくのは、非常に良い事だと思っています。ただ、理屈と現実は異なり、この業界に足を踏み入れて何かチャンスが訪れれば、プロの世界のスポーツである以上、決して片手間ではできなくなる世界なんです。

ただ、若いライダーが彼らの年齢に適した形で学校に通い続ける努力するのは、非常に良い事だと私は考えています。


生まれつきの才能がそれほど優れていない若手ライダーの場合、チームでの厳しい仕事を楽しんで頑張り続ける事ができるのでしょうか。
写真
もちろんです。非常に才能のあるライダーと同じようにはいきませんが、大きな成長を遂げる事はできます。

ただ、生まれつきの才能に恵まれたライダーは、気を抜いて取り組まない限りは、さらに飛躍的な成長を遂げます。何か特殊な事がない限り、才能のあるライダーの方が多くのチャンスに恵まれます。


大学では何を専攻していましたか。

経済学です。


■125ccクラスについて

125ccクラスについて簡単に教えてください。
写真
若いライダーを学習させるベーシックなクラスですが、競争はとにかく激しいです。世界選手権への参戦をスタートするのに非常に良いクラスである事は間違いありません。セッティングなどと同時に、グランプリ用のバイクを学ぶ事ができますからね。

全てのライダーにとって重要なクラスだと思います。このクラスで小排気量カテゴリーを経験したライダーたちは、最高峰クラスにステップアップしてからもいい成績を残しています。これは重要な事実ですし、とてもいいクラスです(写真下はエステベ・ラバト)。
写真

スペイン国内選手権(CEV)におけるスーパーバイク系(SSやフォーミュラX)のカテゴリー出身者はグランプリでは不利だという事でしょうか?

うーん、現在では話が色々絡んできていますけどね。125ccバイクは学習に適していると私は思います。ただもちろん、ビッグ・バイクでも多くを学べる事は間違いありません。

私が言いたいのは、若い子たちがビッグ・バイクに乗って学んでみて、もしそれをうまく扱える子がいて、その子に知性と才能があるのなら、多くを習得する事も可能だという事です。


でも、そこから成功したケースはあまり多くないように思いますが・・・

アメリカ人やオーストラリア人のライダーがその例です。スペイン人では確かに前例がありませんが、いずれの方法を取るにしても優れた資質があれば大丈夫でしょう。


アプリリアやKTM、それにデルビのマシンなどと比較して、ホンダのRS125RWはどのような状況でしょうか。お聞かせ願えますか。
写真
他のメーカーのマシンほどに技術進化のないバイクです。これは誰もが知っている事でしょう。
写真
あまりメーカーが技術開発に取り組んでいないバイクですが、以前にも話した通り、チームはその事に言い訳を求めたりはしません。これが自分たちの武器である以上、これで戦うんです。
写真

■250ccクラスについて

では同様に、アプリリアやKTM、それにデルビのマシンなどと比較して、ホンダのRS250RWはどのような状況でしょうか。お聞かせ願えますか。
写真
その違いは大きいですよ。125ccクラスでは同じようなレベルの部分も何点かありますが、250ccクラスでの差の大きさは明らかです(写真上は250ccクラスに参戦中の青山周平選手とフリアン・シモン)。
写真

250ccクラスについて簡単に教えてください。
写真
このクラスはあまり高いレベルとは言えませんね。

アプリリアのライダーはもっと大差で勝利して然るべきです。ロレンソもデ・アンジェリスもそんなに速いライダーだとは思えませんね。
写真
あまりマシンの開発競争がないので、このクラスは今ひとつよどんでいて活気がありません。アプリリアがいい製品を開発し、優れたバイクを生産している事の証明にはなりましたが、その影響でライダーたちが伸び悩み気味です。


■MotoGPクラスとダニ・ペドロサについて
写真
決して無視する事のできないMotoGPクラスに関する質問をいくつかさせて下さい。現在あなたたちはマシンの性能面で不利な状況に直面していますが、ホンダはそれを克服できると思いますか。
本インタビューはホンダの新型マシンが投入される前の6月前半の内容です)

ホンダは世界でナンバー・ワンのバイクメーカーですから、当然そう願っています。しかしながら、現時点において、自分たちの希望通りのバイクが手に入っていないのは確かです。これは誰もが知っている事実ですし、ホンダもそれを認識しています。

今は改善されたものが手に入るのを待っている状態です。いずれにしても、今のバイクにはとても満足できるとは言えません。満足していませんから。


ダニの年間タイトルの可能性も視野に入れた上で、現在のMotoGPクラスの状況について教えていただけますか。
写真
私たちは、これはホンダという意味ですが、正しくない開発の方向性に沿ったまま、しばらく作業を続けてきました。

さらにタイヤの面ではブリヂストンが大きな進化を遂げてきましたので、私たちにはそのレベルに到達できるような大きな改善が必要とされています。

チームはライダーには全幅の信頼を置いていますし、ダニに関して言えば、バイクが改良されてタイヤが少し改善されれば本来の成績が残せると考えています。これはチーム全員の確固たる共通認識でもあります。
写真
また、ホンダとミシュランの両方を信じています。彼らは現状の問題に的確に対処し、私たちが求めるものを提供してくれる事でしょう。当面の私たちにできる事は、全力で可能な限り高い結果を残しながら、その時が来るのを待つ事だけです。


ダニというライダーについて教えてください。
写真
もうかなり何度もその質問には答えてきましたが言います。ダニは驚異的にすごいライダーの1人だと思いますし、心から彼が特別なライダーであると信じています。それに、この発言を繰り返す事は、私にとって全く面倒じゃないんです。だってそう信じていますからね。

彼は特別なひらめきを持つライダーですから、必要とするバイクが手に入り、全ての状態が正しく戻るのをチームは待っているところなんです。一旦そうなれば、後はこのライダーがいれば何ができるのかを示す事ができるでしょうね。


人物としてのダニについて教えていただけますか。
写真
チームのみんなが好むタイプの人物ですね。

あまり喋らず控えめですが、これは謙虚で勤勉な彼の家族からの影響でしょう。自惚れるような事が全くないんです。

常に群衆から身を遠ざけようとしますが、これはすごく内向的で照れ屋だからです。でも、彼の友人の中では、彼はすごく人気の高い存在なんですよ。レースを離れた時はすごく物静かで、ごく普通の人です。
写真
ものすごくプロ意識は強いです。ただ、彼のレースへの独自の取り組み方を理解できる人はあまり多くはないようですね。技術的な面と仕事にかけるプロとしての意識も非常に強く、今の彼があるのはそれが理由でしょう。


■アルベルト・プーチ本人について

アルベルト・プーチご本人に関する質問をさせてください。あなたはピットで一緒に仕事をしているスタッフやライダーなど、身内の人間にはものすごく過保護だと噂されていますね。

それは知りませんが、周りの人たちをリラックスさせて楽しい気分にするようには心がけていますよ。それが自分の仕事ですし、多くの事を取りまとめていますから、周りの人たちには落ち着いた雰囲気を提供しなければいけないと思っています。
写真
以前にもいいましたが、大切なのは人間なんです。チームの価値とは、それを構成する全てのメンバーの価値だと私は考えているんです。

当然ライダーにも同じ事が言えますので、私は彼らがリラックスできる事と、本当に心配しなければならない事以外には余計な心配を与えないように心がけています。

私個人としては、誰かが私について何を言っていようとあまり気にしていません。だからもし何か私に言いたいのなら、他人に言うのではなく、直接私のところに言いに来くるべきでしょう。

私はまわりの人たちには、リラックスしていい仕事をしてもらいたいだけです。どの分野にだって自分の役割というものがあるわけですし、今の自分の役割がそれですから何の問題もありませんよ。


あなたは人物を評価する上でどんな部分に重点を置きますか。

まず第1に、私たちの活動方針を本当に信じてくれているのかどうかという点です。私は自分たちのプロジェクトを深く信頼して働いてくれているライダーやメカニックには本当に感謝しているんです。
写真
チームのメンバーを私は尊敬しています。チームに加わり、さらに活動計画に従いたいと思ってくれている訳ですから、本当に感謝しています。

この点以外には特にありませんね。あとは一般的な意見になると思いますが、誠実さと真剣さ、スポーツに向けての情熱、明朗である事、わかりやすい意見、明るい思考パターンや性格などです。最近は偽善的なものでは効果が得られませんよ。あまりにそういう事が以前には多すぎましたからね。

あまり興味をひかないごく普通の事しかお話しできていないと思いますが、私は自分の思っている事しか喋れないんです。お気に召したかどうかに関係なく、これが私の考えです。


レース以外の世界では、どんな人物に価値を見出しますか。
写真
他の人たちの意見と大して変わらないと思いますよ。非常に深い部分では誰でも同じような考え方を持っていると思います。正当に自分を扱ってくれる感じのいい人たちと、人数は多くなくとも接していたいと考えるのではないでしょうか。

誰にでも自分の属する集団があり、最終的には親友や家族に行き着くんだと思います。私にとって重要なのはそれらの人たちですね。その他には全く関心がありません。

私の精神構造は非常に単純なんです。人生を難しいものにしたくはありませんからね。


人物のどんな部分を嫌いになりますか。

誰にでも好きになれない部分はあるでしょう。正直言って、そういう話題にはあまり頭と時間を使いたくありませんけどね。
写真
自分と何か関係のある人物の場合、その人について知りたくなりますし、その良い面と悪い面の両方をそのまま受け入れます。それ以外の細かい事はあまり気にしません。

ただ、1つ嫌いになる部分をあげるとすれば、それはプロ意識の欠如です。これだけは全く好きにはなれませんね。多くの場合、そういう人物は本人がそれを自覚していない事が問題なんです。

非常に由々しきことですが、身近にもプロ意識がどれだけ低いかを自覚していない人たちはたくさんいます。


バイク関係以外の人生も楽しんでいますか。

もちろんです。
写真

バイク以外の趣味はなんですか。

自転車です。時間を見つけては自転車で走っています。


マウンテンバイクよりはロードですか?

そうですね。


■1995年のルマンでの事故の影響など

足の怪我の事があるとは思いますが、レース用のバイクに乗って戦いたいと思う事は今でもありますか。それとも、それはもう過去の事でしょうか。
写真
戦いたいとは思いませんね。どう考えてもすでにそんな年齢ではありません。ただ、バイクは今でも好きですよ。実際、冬季シーズン中はいつもバイクに乗っていますし、仲間と一緒に走って楽しく過ごしています。

モトクロスやスーパーモタードにも乗ります。まだ結構できるんですよ。冬は本当に良くバイクに乗っていますね。今でも練習をたくさんしますが、レースを目指すのであれば十分とは言えないでしょう。それほどレースに出て走りたいという願望はもうありませんしね。

レースをしたければ今の組織で頑張ればいい事です。チームの一部として動き、ライダーたちにベストを尽くしてもらえばいいんです。プラクティスの時や他のセッションでも、彼らと常に密接であろうとするのはこれが理由です。


アルベルト・プーチが自らRC212Vに乗ってマシンをテストするような場面は将来的にあるのでしょうか。ご自身ではやってみたいと思いますか。
写真
もちろんやってみたいですよ。でもできないんです。以前にもテストしてみないかと言われた事はあるんですが、左足に問題があり無理でした。

自分のレース人生の最後のシーズンには、メカニックたちが右足でギアを変えられるようにマシンを設計してくれましたが、そんな特別なクラッチを自分が10周走るテストのためだけに用意するなんて事はあり得ませんよ。

ただ・・・そうですね、バイクのテストはしてみたいです。
写真

あなたがNSR500に跨り、勝利に向けて走る姿を写した1995年のスペイン・グランプリの写真を見た時に、どのような気持ちになりますか。

まったく人生とは恐ろしく奇妙なものだなと思います。それにつきますね。あの事件は最高と言える全盛期の真っただ中で起こりました。

ただ、あれはすでに過去の出来事です。世界では多くの人々に悪い出来事も起こっていますが、それらの事件をいつまでも繰り返し話し続ける人はいないでしょう。
写真
本音を言うべきですか?そうですか・・・時速275キロで壁に激突したのに、足一本の損傷で済んだんですから、これはかなり特別な助かり方をしたんだと思っています。心の奥深くで思い続けているのはそんなところです。

カピロッシやバロス、それにチェカのような自分と同世代のライダーが走っているのを見ると、確かに考えさせられますよ。自分は7年も前からレースができなくなっているんですからね。
写真
でもその一方では、人生とはギブ・アンド・テイクなんだなとも思いました。いい事が起きれば、悪い事だって起こるんです。だから人生としてみれば、結果としては幸運だったと思っています。あの事件の発生状況を考えれば、もっと最悪な結果になっていてもおかしくなかった訳ですからね。


関連記事

元チャンピオンが語る2007年MotoGP上半期の感想
小排気量カテゴリー4ストローク化への動きと意見

最新のニュース一覧へ 元のページに戻る
インテリマーク - Copyright (c) IntelliMark All Rights Reserved. -
UA_ZOZOTOWN
ZOZOTOWN