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2007年3月17日
バンカハ・アスパルのエクトル・ファウベルとガボール・タルマクシがチームメイト間で熾烈なトップ争いを演じたMotoGP125ccクラスの開幕レースにおいて、小山知良選手はKTMに移籍して初のレースを6位という高順位で終える事に成功したが、レースウイーク中は新型マシンのチャタリングが解消されずに、最後までライディングには苦しんだ様子だ。
今回小山選手や他の2名のチームメイトが抱えたチャタリングの問題は、シャシーのセッティングではなく新型エンジンの出力特性に起因するものであり、レース中はコーナーで攻めの走りをする事ができなかったようだ。
■小山選手「ちょっとパワーがありすぎ」
エンジンの加速性能と開幕レースの順位には満足している小山知良選手だが、KTMが今シーズンから導入した新型エンジンには、若干の出力過多を感じているという。
「エンジンのおかげでとても速く走れたので、他のライダーを簡単に抜く事ができました。」と小山選手。
「ただ、ちょっとパワーがありすぎて、コーナーの出口でマシンが暴れる感じでしたね。あと少しでシモーネ・コルシをとらえる事ができそうでしたが、それでも今回のレッドブルKTMに移籍して初のレースを、この結果で終える事ができたのには満足です。」
■バートル監督「新型キャブレターの調整不足だった」
小山選手の活躍により開幕戦でいいレースができた事を喜ぶKTM技術監督のハラルド・バートルは、レースウイークを通して解決できなかったマシンの問題については深刻にとらえている様子だ。
「チャタリングの問題を除けば、小山知良選手のおかげで125ccはいいレースができたと思います。」と、カタールでのレースを終えた直後のバートル監督。
「おそらく、今回のチャタリングはシャシーのセッティングではなくエンジン出力まわりの問題ですから、かなり厳しい状況だったと言えます。これから慎重に原因の究明に入りたいと思います。」
なお、バートル監督は、開幕レース後の1週間をかけてチャタリングの原因を究明し、それが新型キャブレターの調整不足だった事を3月16日に以下の通り明らかにした。
「私たちの技術進歩が続く限り、今後も125ccマシンの安定性向上を目指してマシンの開発は続けて行きます。カタールで抱えたチャタリングの問題は、やはりエンジンが原因でした。スロットルを開けた状態の時にスムーズにマシンが走らなかった事をあれから確認できています。」とバートル監督。
「どうやら新型のキャブレターにはまだジェットニードルの位置やその他の部分にもさらなる調整が必要なようです。去年のキャブレターを装着してエンジンをテストしたら今回の問題は全く発生しませんでしたからね。」
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