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第3戦スペインGP決勝、ロッシが地元スペイン勢を抑えて優勝
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  2009年5月5日

晴れ渡る5月3日の日曜日、MotoGP第3戦スペインGPが決勝の日を迎えた。雨に悩まされた過去2戦とは打って変わり、レースウィーク中を通して好天に恵まれたヘレス・サーキットには、決勝当日は123,340人もの観客が詰めかけている。ここでは、MotoGPクラスの決勝結果と一部ライダーのコメント等を紹介する。
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■第3戦スペインGP、決勝結果
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以下に5月3日に、気温27度、路面温度45度、湿度31%のドライ・セッションとして行われたMotoGPクラスの決勝結果を示す(レース前に行われたウォームアップの結果はこちらを参照)。
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1) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 45分18秒557(27周)
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 45分21秒257(27周)
3) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 45分29秒064(27周)
4) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 45分50秒450(27周)
5) マルコ・メランドリ ITA ハヤテ・レーシング・チーム ZX-RR 45分51秒685(27周)
6) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 45分52秒685(27周)
7) コーリン・エドワーズ USA モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 45分52秒978(27周)
8) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 45分53秒182(27周)
9) トニ・エリアス SPA サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 46分01秒246(27周)
10) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 46分03秒740(27周)
11) セテ・ジベルナウ SPA グループ・フランシスコ・エルナンド デスモセディチ GP9 46分06秒749(27周)
12) 高橋裕紀 JPN スコット・レーシング・チーム RC212V 46分10秒432(27周)
13) ジェームス・トーズランド GBR モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 46分12秒240(27周)
14) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 46分12秒498(27周)
15) ニッキー・ヘイデン USA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 46分19秒794(27周)
16) ニッコロ・カネパ ITA プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 46分29秒453(27周)
-) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 38分40秒226(23周)
-) ミカ・カリオ FIN プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 20分38秒937(12周)
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ヘレス・サーキットにおけるMotoGPクラスのサーキットレコード(レース中)は今回バレンティーノ・ロッシが記録した1分39秒818、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2008年にホルヘ・ロレンソが記録した1分38秒189。

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7位のモンスター・ヤマハTech3のコーリン・エドワーズ「スタートは良かったが、1周目からトップ集団についていけるペースでは走れないことが分かった。昨日の午後のセッティングは間違った方向に行ってしまっていたので、昨日の午前中のセッティングに戻してレースに臨んだ。涼しい時にはそのセッティングで良かったが、一旦温度が上がると思うようなリズムで走行できなくなってしまった」

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12位のスコット・レーシングの高橋裕紀選手「今日の結果には満足。バイクの感触はシーズン始まって以来最高に良かった。レースではスタートは決まり最初の1周は速く走れた。その後はエリアスを交わして自分がいい位置にいるのが分かったが、レース後半になるとフロントタイヤ、リアタイヤの順に問題が発生してしまった。それでも自分の学習は1戦1戦毎に進んでいるので本当にうれしい」
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リアブレーキにトラブルが発生してリタイアとなったプラマック・レーシングのミカ・カリオ「うまくいっていたので本当に悲しい。スタート直後に3人を交わしたがリアブレーキの異常に気がついた。すぐに消えると思っていたが、状況がさらに悪くなったのでピットに入らざるを得なくなってしまった。もう一度トップ10に入れるかもしれないと思っていたので残念。原因を調査して次戦のフランスに備えたい」
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■スペインGP終了時点のポイントランキング

以下に、スペインGP決勝レース終了時点のポイントランキングを示す。
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1) バレンティーノ・ロッシ [ITA] [フィアット・ヤマハ・チーム] 65
2) ケーシー・ストーナー [AUS] [ドゥカティ・マルボロ・チーム] 54
3) ホルヘ・ロレンソ [SPA] [フィアット・ヤマハ・チーム] 41
4) ダニ・ペドロサ [SPA] [レプソル・ホンダ・チーム] 41
5) アンドレア・ドヴィツィオーゾ [ITA] [レプソル・ホンダ・チーム] 30
6) コーリン・エドワーズ [USA] [モンスター・ヤマハTech3] 26
7) ランディ・ド・プニエ [FRA] [ホンダLCR] 24
8) マルコ・メランドリ [ITA] [ハヤテ・レーシング・チーム] 23
9) クリス・バーミューレン [AUS] [リズラ・スズキMotoGP] 21
10) ロリス・カピロッシ [ITA] [リズラ・スズキMotoGP] 19
11) ミカ・カリオ [FIN] [プラマック・レーシング] 16
12) アレックス・デ・アンジェリス [RSM] [サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ] 15
13) トニ・エリアス [SPA] [サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ] 15
14) ジェームス・トーズランド [GBR] [モンスター・ヤマハTech3] 10
15) セテ・ジベルナウ [SPA] [グループ・フランシスコ・エルナンド] 8
16) 高橋裕紀 [JPN] [スコット・レーシング・チーム] 5
17) ニッキー・ヘイデン [USA] [ドゥカティ・マルボロ・チーム] 5
18) ニッコロ・カネパ [ITA] [プラマック・レーシング] 2


■優勝はロッシ「夜を徹してのセッティング変更が成功」
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土曜日の予選ではセッティングに幾つか問題を抱えていたフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだが、夜を徹しての変更作業が功を奏し、決勝当日の朝のウォームアップではタイムシート上のトップに返り咲いた。
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そして迎えた午後の決勝、2列目4番グリッドからスタートしたロッシは、オープニングラップでは順位を上げる事はできずにグリッド順と同じ4位でコントロールラインを抜けたが、続く2周目の最終コーナーでチームメイトのホルヘ・ロレンソを交わして3位に浮上した。
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その後、4周目にはヘレスのサーキットレコードを塗り替える1分39秒818を記録して、前を行くストーナーの背後0.5秒の所まで迫り、続く5周目から7周目にかけてストーナーと順位を入れ替えるバトルを繰り広げた。そして、7周目の終わりにストーナーを抜き返してそのまま差を広げると、トップを行くレプソル・ホンダのダニ・ペドロサの追撃を開始。この時点でのペドロサとの差は1.2秒。
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レース中盤はペドロサとの差をなかなか縮められなかったロッシだが、14周目から急にペースを上げてペドロサを追い上げると、残り10周となった18周目についに彼を交わして先頭に立った。その後ロッシはペドロサに順位を譲る事なくトップを快走、最終的には2位を2.7秒引き離して優勝を飾り、この勝利によってポイントリーダーに躍り出た。
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レース後のウィニングラン中にロッシは、10年前に彼がヘレスで見せた有名なパフォーマンスを再現、コース脇にあるポータブルトイレに駆け込む仕草をおどけて見せて12万人を超える観衆を沸かせた。ロッシはレース後に次のようにコメントしている。
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「レースは長かったし本当に厳しかった。スタート直後はロレンソを交わすのに時間をロスしたが、その後のストーナーとのバトルは楽しかった。序盤は自分のペースがそれほど速くなかったので、ペドロサとの差をしばらくは縮める事ができなかった。彼は本当に速かったしね。でも、自分のペースが上がってからは彼に追いついて交わす事に成功した」
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「再び優勝できて良かったし、特に自分が大好きなヘレスで勝てた事がうれしい。10年前に今回と同じヘレスで冗談でトイレに駆け込む真似をしたが、もし今日勝てたら、同じ事をしたら楽しいだろうなと思っていた。すごく気に入っていたからね!」
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「今回ここで行った変更が残りのシーズンに役立ってくれるといいと思う。重ねてみんなに感謝!」
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■2位のペドロサ「ファンのためにも勝ちたかったが、表彰台は信じられない思い」
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1列目2番グリッドからスタートを決めてホールショットを奪ったペドロサは、そのまま後続を引き離しにかかったが、その差が1.4秒以上に広がる事はなかった。それでもレース開始後17周の間はトップを譲る事なく走行したペドロサだったが、後方でストーナーを抜いてペドロサの追撃に入っていたロッシにその差を縮められ、18周目になってついに交わさる事となった。その後ペドロサは、自身のペースをそれ以上に上げる事はできずに単独2位の走行を続け、地元の多くのファンが見守る中でそのままチェッカーを受けた。ファンの前で勝ちたかったというペドロサは次のように述べた。
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「今回は本当に優勝したかったが、厳しいレースになると分かっていた。バレンティーノはレースウィークを通してものすごく強かったし、彼はレースでは速いからね」
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「スタートはうまくいって前に出れたので、その後は自分のペースで走る事に集中して様子を見ようと思った。もちろん自分の為にもチームやファンのためにもここでは勝ちたかったが、表彰台に乗れた事は本当にうれしいし、今回の結果には驚いてもいる。ヘレス公式テストも含めて冬の間にあまりテストができなかったし、金曜日のセッションでは苦戦したからね。だから今日は良い結果を出せて本当に良かった」
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「チームや自分と一緒に頑張ってくれたみんなに感謝したい。マシン性能を自分たちが望むレベルまで引き上げるのに、これまで本当に苦労してきたので今日の表彰台は信じられない思いだ」
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■3位のストーナー「ロレンソが背後に迫った時は"もう終わりだ"と思った」
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3番グリッドからスタートしたドゥカティーのケーシー・ストーナーは、スタートを決めると先頭を行くペドロサの後ろにつけ、そのまま5周を2位で走行した。続く6周目、後ろから差を縮めてきたロッシに交わされたストーナーは、7周目には1コーナーで一度ロッシを抜き返すが反撃もここまで、再びロッシに交わされると後ろについて行くことはできず、その差を開けられてしまう。
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その後ストーナーはずっと3位の位置を走行していたが、レース序盤ではストーナーから4秒遅れの4位を走行していたフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソが、後半になって徐々にストーナーを追い上げて残り5周となる23周目にはその差を0.9秒まで縮めてきていた。しかし、ストーナーのすぐ背後に迫った24周目にロレンソは惜しくも転倒、ストーナーは3位を守りきってチェッカーを受けた。
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「ヘレスで初めて表彰台に上がってから今回の表彰台まで長い時間がかかった。過去には何度もチャンスがあったが、不運が重なったりミスをしたりして叶わなかったので、今回は本当に最高の気分。今日は全く神経質にならずにレースに臨めた。正直に言って表彰台に乗れるとは思ってなかったからね。ダニやバレンティーノやホルヘが自分たちよりペースがいいのは分かっていたので、セッティングでは少しギャンブルをしてみたが、それがうまくいったと思う。チームにはお礼を言いたい」
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「スタートは良かったし序盤はダニについていけたが、その後は幾つかのコーナーでフロントを失い始めた。バレンティーノが迫って来た時は何とか順位を守ろうとしたが、2度目に交わされた時に彼の後ろについていく事を決めた。そうすればダニの所までたどり着けるかもしれないからね。でも残念ながらその辺りからフロントの感触が頻繁に悪くなって、特にある特定の場所では毎周転倒しそうになった」
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「ホルヘがすぐ後ろに迫ってきた時には"もう終わりだ"と思ったが、何とかプッシュし続けて少なくとも最終ラップまで戦えるようにしたいと思った。転倒のリスクがどんどん高くなってきていたので、もう後退せざるを得ない所まで来ていたが、その時ホルヘが問題を解決してくれた!自分の幸運が信じられない気持ちだったが、チームのみんなが週末を通してものすごく頑張ってくれた事が報われたと思った。今日のレースではこれ以上は望めない結果を出せた。まだほんの3戦目にすぎないが、カタールで優勝した時よりもうれしい」
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■4位のド・プニエ「楽しんで走れる時は自分は本当に速い」

土曜日の予選で2列目5番グリッドを獲得したLCRホンダのランディ・ド・プニエは、決勝当日の午前のウォームアップでもタイムシート上の7位を記録してその好調ぶりを伺わせた。午後の決勝では、スタート直後にはグリッド順と同じ5位を走行。途中ドヴィツィオーゾに交わされたものの、ドヴィツィオーゾのミスにより再び5位に浮上すると、そのままの順位で単独走行を続け、レース終盤にロレンソが転倒した事により最終的に4位でチェッカーを受けた。
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レース終了後に、今回の結果に大喜びのチーム・オーナーのルーチョ・チェッキネロや、ほかのチームスタッフからピット前で祝福の出迎えを受けたド・プニエは、ホームレースとなる次戦のフランスGPを控え次のようにコメントした。

「自分にとってもチームにとっても完璧なレースウィークだった。自分は楽しんで走れる時には本当に速いので、今日はそれをみんなに見せる事ができたと思う。今日のバイクは自分がルーチョのチームに来て以来、最高のバイク。乗りやすく楽しかった」
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「スタートはうまくいき、ドヴィツィオーゾに交わされてからは自分の順位をキープする事に集中した。数周後に彼がミスをしたので5位に復帰して、最終的には4位になれた。プレシーズン中はヘレスでは少し苦戦していたから、今週の結果には本当に満足。正直に言ってシーズン残りもこのペースをキープできれば自分たちは高い結果を狙えると思うが、今は地に足をつけてルマンではゼロからスタートする気持ちで臨まないとね。すべてのレースでできる限り多くのポイントを取りたいと思う。素晴らしい仕事をしてくれたチームには心からお礼を言いたい!」
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■6位のカピロッシ「グリッド上でタイヤ交換しなければならなくなった」

2列目スタートのリズラ・スズキのロリス・カピロッシは、スタート直前にリアタイヤに問題を抱えてグリッド上でのタイヤ交換を余儀なくされた。このタイヤ交換の影響により、レース開始後はタイヤに熱が入るまでに2周かかり、3周目には9位まで順位を落としている。
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その後は、ハヤテ・レーシングのマルコ・メランドリ、モンスター・ヤマハTech3のコーリン・エドワーズの3人で何度も順位を入れ替えるバトルを繰り広げ、レース終盤まで5位を巡る攻防が続いた。途中、グリップ不足により大きくふくらんだカピロッシは一時7位に後退したが、最終ラップにはエドワーズと激しい抜き合いを行って最終コーナーで6位に立つと、そのままフィニッシュした。今回の結果に不服な様子のカピロッシは次のように述べている。
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「この結果には少しいらだちを感じる。タイヤに問題が発生したのでグリッド上でタイヤを交換しなければならなくなり、スタート直後に幾つか順位を下げてしまった。新しいタイヤを履いたので最初の2周は思うように走れなかったが、タイヤの状態が安定してからは激しくプッシュして、マルコとコーリンに追いつき、一度は彼らを抜く事に成功した。その後はグリップがかなり早い段階で低下してしまったので再び抜き返されたが、何とか頑張って事態を解決しようとトラクション・コントロールを調整してみた所、結果的にはいいセッティングを見つける事ができたので二人について行けた」
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「残り3周の所でコーリンとマルコに追い抜きを仕掛けて交わす事に成功したが、ブレーキをかけるのが遅すぎてふくらんでしまい、彼らにまた抜き返された。最終ラップでは再びコーリンを抜いたが、マルコを捕まえるにはもう時間切れだった」
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■8位のドヴィツィオーゾ「ミスが無ければロレンソについていけた」

3列目からスタートしたレプソル・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、レース開始後の2周目に6位まで順位を上げた。続く3周目には5位のド・プニエに接近し、内側から彼を交わそうとしたがその時は失敗。ド・プニエとの接触をギリギリで避けたドヴィツィオーゾは、5周目に再度ド・プニエにアタックして今度は見事彼を交わして5位に浮上した。そのまま4位のロレンソを追いかけようとしたドヴィツィオーゾだったが、8周目に8コーナーでリアを滑らせ、コースを外れてグラベルに突入。転倒は免れたものの16位でレースに復帰する事になった。その後はドヴィツィオーゾは順位を着実に一つずつ上げて最終的に8位でコントロールラインを抜けた。ドヴィツィオーゾはレース後に次のようにコメントした。
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「スタートはあまりよくなかったが順位はいくつか上げる事ができたし、もしミスをしなかったらロレンソについていけたと思う。5位を走っていた8周目に8コーナーへの進入時にリアを失い、もう少しで転倒する所だった。幸いレースには復帰できたので16位から8位まで順位を上げていった」
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「今日は思うように速く走れなかった。まだバイクのセッティングが100%ではなかったからね。バイクの性能を生かし切れなかったので、今日の結果は残念に思う。ダニのレースは素晴らしかった。彼はバイクの性能を最大限に引き出して戦ったと思う。彼に祝福の言葉を贈りたい」
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■9位のエリアス「これ以上はどうしようもなかった」

自身のホームレースとなったグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスは3列目9番グリッドからレースをスタートして高い順位を狙ったが、レースウィーク中よりも上昇した路面温度に悩まされ、結局グリッド順と同じ9位でフィニッシュした。エリアスは地元でもっといい結果を出したかったと次の様に述べた。
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「今日はもっといいレースができると思ったが叶わなかった。レースの間ずっとリアのトラクション不足に悩まされていたので、ファンのみんなには、これ以上はどうしようもなかったと誓える」

「自分たちの走行ペースはカタールではトップから2秒遅れだったが、前回のもてぎでは1.5秒遅れに縮まり、今回は1秒遅れだった。次戦ルマンではそれを1秒以内にしたい」

また、エリアスのチームメイトのアレックス・デ・アンジェリスは、予選の転倒により5列目15番グリッドからのスタートを余儀なくされたが、さらに決勝当日の朝にはひどい風邪をひいていたという。クリニカ・モバイルで治療を受けたものの、100%ではない体調でレースに臨んだデ・アンジェリスは14位でチェッカーを受けた。今回のチームの結果を受け、チーム・オーナーのファウスト・グレッシーニは次のようにコメントした。
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「本当に失望しているし怒りも感じているので、今はレースについてコメントする気にならない。今やるべき事は今回の結果については全部忘れて前を向く事。ルマンでは事態が良くなることを望む。これ以上悪くはなりえないけどね!」


■15位となったヘイデン「17周目に自己ベストを記録したのは問題」

レースウィーク中にはセッティングに苦しみ、また過去2戦における転倒の影響から体調が万全でないドゥカティーのニッキー・ヘイデンは、6列目16番グリッドからスタートすると最終的に15番手でチェッカーを受け、1ポイントを獲得した。ほとんどのライダーがフロントにはハード・コンパウンド、リアにはミディアム・コンパウンドのタイヤを選択していた中、ヘイデンとプラマック・レーシングのニッコロ・カネパとミカ・カリオの3人は、ドゥカティーのマシン特性に合わせてリアにソフト・コンパウンドのタイヤを装着してレースに臨んだ。レースではそのソフトタイヤでもうまくいかなかったとヘイデンは次の様に語った。
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「元々身体にはきついレースになると心配していたが、思っていたよりもっと事態は悪くなってしまった。レース開始直後はカタールの時と同様に燃料が満タンの状態に苦しみ、オープニングラップでミスをしてしまった。本当は幾つか順位を上げるつもりだったのに、実際には落としてしまった。何とか順位を挽回しようと思ったが、バイクのセッティングの何かが良くなかった。固めのコンパウンドは自分のバイクには合わなかったので柔らかい方を選択したが、今日はそれすら熱が入るまでは機能しなかった。17周目にレース中の自己ベストタイムを記録した事は明らかにチームと取り組むべき課題。データを見て次戦に向けて対策を考えたい」
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■残り4周で転倒してリタイアとなったロレンソ「自分は常にベストを尽くして戦いたい」

予選で見事トップタイムを記録し、ホームレースをポールポジションからスタートしたフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソだが、レース当日は路面温度が上昇した事からグリップ不足に悩まされた。レース翌日の5月4日は22歳の誕生日を迎えるロレンソは、レースの大半を単独4位で走行していたが、終盤になってストーナーとの差を縮め、表彰台に上がるチャンスが見え始めた。ストーナーの後ろ0.5秒まで迫ったロレンソのピットは興奮にわいたが、残りわずか4周となった24周目にロレンソはフロントを失って転倒、そのままグラベルに突入した。慌ててマシンを起こし再スタートを試みたロレンソだったが、フットペダルとスロットルにダメージを負い、そのまま無念のリタイアとなった。ピットに戻る途中で拳を振り下ろして悔しさをあらわにしたロレンソは、次のようにコメントした。
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「本当に悲しい。自分は週末を通してずっと速かったしポールポジションも取れたのに。今日は温度が上昇して自分たちのセッティングでは昨日までと同じ走りができなかった。今の時点では理由は分からないが、この事は転倒した事よりもずっと残念」

「4位になれていたらそれほど悪くはなかったと思うが、自分のホームでファンを目の前にしたら、誰だってアドレナリンが上昇するだろうし限界まで頑張ると思う。自分は表彰台に手が届くかもしれなかったんだからね。おそらくもっと穏やかにそれほど激しく攻めずに走った方が良かったのだろうけど、常に自分はベストを尽くして戦いたい。結局ミスをしてすべてが水の泡になってしまったが・・・」
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「ルマンのレースが近いので、今回の事は忘れる努力をして明日の朝は前向きな気持ちで目覚めたいと思う。自分に会いに来てくれたすべてのファン、チーム、家族、みんなに申し訳なく思う」

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