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2009年5月3日
MotoGP第3戦となるスペインGPが、5月2日(土)に予選の日を迎えている。ここでは晴れて風の強い一日となったレースウィーク2日目の予選結果と、1列目と2列目を獲得した上位6人を含む一部のライダーのコメントなどを紹介する。
■次戦フランスGPからMotoGPクラスの全セッションが45分から60分に拡張
2009年シーズンよりコスト削減の一貫として、全クラスにおける初日午前のフリープラクティスの廃止や、MotoGPクラスの各セッションの時間短縮が実施されており、MotoGPクラスの各ライダーからはレースウィーク中のセッション時間が短すぎるとの声が多く上がっていたが、スペインGP2日目となった5月2日、イベント主催元であるドルナは次戦となる第4戦フランスGPからレースウィーク中のタイムスケジュールを変更する事を発表した。
今回の変更により、MotoGPクラスについては初日と2日目の全セッションが45分から60分に拡張される。また、125ccクラスについては初日のFP1、250ccクラスについては初日のFP1と2日目のFP2についてセッション時間が拡張される事となった。以下に変更後のレースウィーク中のタイムスケジュールを記す。
●金曜日
125cc FP1 12:40-13:40
MotoGP FP1 13:55-14:55
250cc FP1 15:10-16:10
●土曜日
125cc FP2 09:00-09:40
MotoGP FP2 09:55-10:55
250cc FP2 11:10-12:10
125cc 予選 13:00-13:40
MotoGP 予選 13:55-14:55
250cc 予選 15:10-15:55
●日曜日
125cc WUP 08:40-09:00
250cc WUP 09:10-09:30
MotoGP WUP 09:40-10:00
125cc レース 11:00
250cc レース 12:15
MotoGP レース 14:00
■スペインGP、MotoGPクラスの予選結果
以下に5月2日に気温26度、路面温度39度、湿度32%のドライ・セッションとして行われたMotoGPクラスの予選結果を示す(土曜日の午前中に行われたフリー走行2の結果はこちらを参照)。
1) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分38秒933
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分38秒984
3) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分39秒415
4) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分39秒642
5) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分39秒806
6) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分39秒862
7) コーリン・エドワーズ USA モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 1分39秒926
8) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分39秒966
9) トニ・エリアス SPA サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分40秒112
10) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分40秒185
11) マルコ・メランドリ ITA ハヤテ・レーシング・チーム ZX-RR 1分40秒381
12) セテ・ジベルナウ SPA グループ・フランシスコ・エルナンド デスモセディチ GP9 1分40秒440
13) 高橋裕紀 JPN スコット・レーシング・チーム RC212V 1分40秒599
14) ジェームス・トーズランド GBR モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 1分40秒670
15) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分40秒796
16) ニッキー・ヘイデン USA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分40秒953
17) ミカ・カリオ FIN プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 1分41秒238
18) ニッコロ・カネパ ITA プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 1分41秒253
ヘレス・サーキットにおけるMotoGPクラスのサーキットレコード(レース中)は2008年にダニ・ペドロサが記録した1分40秒116、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2008年にホルヘ・ロレンソが記録した1分38秒189。
レプソル・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾ「3列目からのスタートとなって残念。2列目を獲得できると思ったが、タイムアタック中に第4区間でフロントを失ってしまい、もう少しで転倒するところだった」
スコット・レーシングの高橋裕紀選手「とても満足。2日間ずっといい天気だったので良かった。今日は風が強かったが、風は雨ほど問題ではない。今朝はいいセッティングを見つけて午後に少し調整を加えた。ロングランをする十分な時間はなかったが、単独走行中に出したベストラップが実際のペースだと思う」
ドゥカティーのニッキー・ヘイデン「午前中はだいぶ調子が上がったと思ったが、午後には感触が全く違ってしまった。高速コーナーですごく不安定になって走行ラインが維持できない。午前と午後の違いは午前の方がずっと気温が低かったという事だが、今日のように何も触っていなくてもバイクの感触が全く変わってしまう」
ポールポジションのフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソ「自分の母国で再びポールポジションが取れてすごくうれしい。このサーキットで走るのはスペイン人ライダーにとっては格別な事。昨日は幾つか問題を抱えていて少し心配だったが、チームのおかげで今日はすべてが解決して思い通りの走りができた。すごく快適は状態なので、レースでもこの調子が続くといいと思う。明日は最高の位置からスタートできる。みんなのタイムが接近しているので厳しいレースになると思うが、過去2レースのように表彰台を目指して戦える自信はある。明日はもう少し風が弱まってほしい!」
1列目2番グリッドのレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ「昨日から大幅に改善が進んでフロントーローからスタートできるのでうれしい。1列目スタートは常に重要な事だが今回は特に自分のホームレースだからね。今日の午後は風がとても強くて安定したラインで走行するのがすごく難しかったが、自分のペースは良かったし自信を持ってレースに臨める。レースに向けたセッティングにはまだ幾つか調整が必要だが、今週ここまでの進歩には満足」
「明日は大切な一日になる。たくさんのファンが自分とチームを応援してくれているので、彼らのためにも本当に良い結果を出したいと思う。もてぎの時のようにスタートを決めたい!」
1列目3番グリッドのドゥカティーのケーシー・ストーナー「今まで自分たちのバイクはこのサーキットでは本当に調子が良くなかったので、冬期テスト期間中とこのレースウィーク中の2日間は、少なくとも良い結果を狙えるマシンには仕上げようと懸命に作業を行ってきた。今朝の走った感触は本当に良かったし、タイムシート上のトップでは無かったが自信も持てた。午後には強い風が吹いてしまって残念。自分たちのバイクは風が強いと不安定になる傾向があるし、昨日のフロントの問題もあったので自信をさらに深めるには至らなかった」
「今回の目標は2列目の確保だったので、フロントローになれて思いがけないボーナスをもらった気分。ここ2年間は自分のホームレースになるとどうもうまくいかなかったが、スペイン人やイタリア人のライダーはホームでは特別な力を発揮するみたいだ。ダニとホルヘに対する応援はすごいし、二人とも調子が良いので明日は高い結果を狙ってくると思う。ものすごく楽しみだ!」
2列目4番グリッドのフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ「今日は幾つか問題を抱えてしまい、ちょっと残念。実際にあまりいい日ではなかったし、強い風が吹いてさらに難しくなった。昨日は最初からとても速かったので、引き続きその状態を維持できるといいと思ったが、今日はバイクの感触が少し悪くなり思うように走行できなかった。現時点でのレースセッティングには満足していないので、状況を把握して改善するための懸命な作業が必要。これから長い会議をして解決策を見つけ、明日のウォームアップで試したい」
2列目5番グリッドのLCRホンダののランディ・ド・プニエ「レースセッティングに関しては、エンジンマッピングを調整して出力伝達が良くなったので満足。予選セッションの最後の数周はソフトタイヤでタイムアタックしたが、風が強くて難しかった。1ラップを完璧に走り切るのは簡単な事ではないし、風の影響で小さなミスが幾つかあったが2列目になれてとてもうれしい。チームが頑張ってくれたおかげでバイクは徐々に良くなった。明日の目標はトップ6に入る事。2列目スタートだしマシンの仕上がりも良いのでチャンスだと思う」
2列目6番グリッドのリズラ・スズキのロリス・カピロッシ「昨日のフリーは2番手で今日の予選は6番手だったが、昨日より今日の方がずっと良い一日。今朝のセッションでバイクのセッティングに関してはすごく改善が進んだ。3つの異なるセッティングを試してみて、その中の一つがタイヤの温存に一番いいと分かった」
「今日の午後は、太陽は輝いていたが風がとても強くて難しいセッションとなった。それでも全体的な結果には満足しているし、レースの準備も万端。2列目スタートは今年3回目だが、今回はフロントローからのタイム差はとても小さい。レースではスタート直後から激しく戦って、レース終盤までタイヤを持ちこたえさせたい」
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