|
2009年2月10日
2009年の年明け初となるMotoGPセパン冬期合同テストが、2月7日にその3日間の日程を全て終えている。ここでは、初日のテスト内容に引き続き、正式にシングルタイヤルールが初めて施行された今回のセパンでの2日目と3日目のテスト内容、ならびに一部ライダーの全作業を終えてのコメントなどを紹介する。
■初日に引き続きドライ・コンディションに恵まれた2日目のセパン
終日のドライ・コンディションに恵まれた初日に続く2日目の2月6日は、朝10時から夕方5時30分までのテストセッションが行われる中、午後2時30分には通り雨がありセッションの中断が心配されたが、すぐに天候は回復し路面はほぼ最後までドライのままに保たれた。2日目の気温は30度、路面温度は45度にまで上昇、湿度は79%だった。
■2日目は転倒の痛みに苦しむトーズランド以外の全員が初日のタイムを更新
2日目はトップタイムを記録したケーシー・ストーナーをはじめ、ほぼ全員がタイムを更新したが、TECH3ヤマハのジェームス・トーズランドだけは初日の転倒時に負った打撲などの影響からタイムを上回る事なくタイムシート上の最後尾に沈んでいる(2日目の走行結果はこちらの結果表を参照)。
■左ひざの古傷が痛むペドロサは2日間のみで作業を終了、帰国しバルセロナで治療
また、2日目に入り4番手タイムを記録したレプソル・ホンダのダニ・ペドロサは、昨年のオーストラリアGPでの転倒時に痛めた左ひざの調子が芳しくない事から最終日のテストをキャンセル。2日間のみで作業を終えてスペインのバルセロナに帰国し、翌日には担当の専門医の診察を受け、来月初旬のカタール合同テストまでは安静に過ごすよう指示されたようだ。なお、ペドロサは12月初旬にはプレスに公表する事なく左ひざの手術を受けていた事を今回明かしている。
■3日目は参加レギュラー全員がタイムを更新
ペドロサが帰国し、レギュラーライダーは16名となった3日目、この日は参加ライダーの全員が前日までの2日間のタイムを更新したため、この最終日の結果がほぼ3日間の総合順位となっている(3日目の走行結果はこちらの結果表を参照)。
■高温多湿、炎天下のセパンで3日間の総合トップにつけたのはストーナー
最終日は3日間の中で終日最も天気が良く、気温は36度、路面温度は50度に上昇。湿度は70%と不快指数の高い灼熱のセパンで多くのライダーが過酷なレースシミュレーションを実施する中、この日に3日間の総合トップタイムとなる2分01秒043を記録したのはドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。
■不評の再舗装工事、ロッシとトーズランドなどに続き3日目はヘイデンが転倒
なお、セパン・サーキットは今回から路面の一部が再舗装されているが、初日に転倒したバレンティーノ・ロッシが不満をもらしていた通り、新しくなった部分のアスファルトは極端にグリップが悪く、最終日には同様の場所でドゥカティーのニッキー・ヘイデンも軽い転倒を喫している。幸いヘイデンやロッシに深刻な怪我はなかったが、身体に痛みを訴えているトーズランドだけは帰国後に病院で検査を受ける予定だという。
■年明けセパン合同テスト、3日目の総合結果
以下に、年明け初のセパン合同テスト3日間を通してのレギュラー・ライダーの総合順位とタイムを示す。
1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 2分01秒043
2) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分01秒137
3) ロリス・カピロッシ ITA チーム・スズキ GSV-R 2分01秒262
4) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 2分01秒413
5) トニ・エリアス SPA サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分01秒560
6) クリス・バーミューレン AUS チーム・スズキ GSV-R 2分01秒666
7) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分01秒860
8) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分01秒907
9) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分01秒955
10) ミカ・カリオ FIN プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 2分02秒386
11) ニッキー・ヘイデン USA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 2分02秒497
12) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒523
13) セテ・ジベルナウ SPA Guinea Ecuatorial デスモセディチ GP9 2分02秒727
14) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 2分03秒418
15) 高橋裕紀 JPN スコット・レーシング・チーム RC212V 2分03秒474
16) ニッコロ・カネパ ITA プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 2分03秒901
17) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 2分03秒953
参考までに、セパンのサーキットレコード(レース中)は2007年にケーシー・ストーナーが記録した2分02秒108、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2006年にバレンティーノ・ロッシが記録した2分00秒605。
■セパンでの作業内容を公開している各チームの2日目と3日目のテスト状況
以下に、初日に引き続き2日目や最終日のテスト内容を公式発表しているいくつかのチームの状況、ならびにそのライダーコメントなどを紹介する。
■ドゥカティー、2009年初テストも総合トップ、今期に期待感を抱くストーナー
年明け初のセパン合同テストにおいて総合トップタイムを記録したのは、デスモセディチGP9に好感触を抱くドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。
テスト2日目に入ったストーナーは、3ヶ月前に手術を受けたばかりの回復中の左手首をかばいながら抑え気味に走ったとしながらも、リアまわりのセッティング調整に成功したGP9で2日目のタイムシート上のトップにつけ、3日目にはそのタイムをさらにコンマ4秒更新する3日間の総合トップタイムとなる2分01秒043を記録した。全ての作業を終えてGP9の可能性とブリヂストンタイヤの性能に満足したストーナーは、体調が整えばさらにいい走りができるだろうと、次回のカタールでのテストにも大きな期待感を示している。
■ストーナーのタイムを見て自身の不足感を抱くヘイデン
また、今期からドゥカティーでMotoGPクラスを戦う事になったニッキー・ヘイデンは、2日目の午前中にはユーズドタイヤを使って初日のタイムを1秒近く更新したが、その日の午後は思い通りの成果が得られず、特に硬い方のコンパウンドを使用時にリアが暴れる現象に悩まされた。なお最終日には進展が得られ、2日目のタイムをコンマ5秒更新して3日間の総合11番手となる2分02秒497を記録したヘイデンだが、ストーナーのタイムと自身のタイムを比較して、まだバイクの性能を完全には引き出せていないとの感想を抱いている様子だ。
■ストーナーのセパン最終日を終えてのコメント
今日は悪い内容じゃありませんでした。GP9で走り込んだ分、新型シャシーのセッティング改善方法への理解がどんどん深まりましたしね。それに今日はグリップレベルと新しいバイクの感触に大きな進展も得られました。
まだ手首は完全には回復していないし、最近その手術をしたばかりである事を考えれば、正直言って今回の総合トップに立てた事は夢みたいな気分ですよ。今日からは、痛み無くバイクがコントロールできるくらいには回復できるよう、自分の体調をしっかり整えていきたいですね。今なら腕のトレーニングもさらに1つ上のレベルに進められそうですし、うまくいけばカタールでの合同テストまでに状況は改善されている筈です。
ここまでの全てのテストをトップタイムで終えていますし、GP9はいいバイクだと思います。ただ、だからと言って気を抜ける訳ではありませんよ。今後もしっかり作業に励んでいくつもりです。今回はどっちの種類のコンパウンドでも同じようにいいタイムを記録できましたが、個人的には硬めのタイヤの方がすごく気に入りました。
シングルタイヤルールの施行が始まりましたが、ブリヂストンタイヤの性能に悪影響が及ぶような事は今のところなさそうですね。彼らは今まで通り本当にいい仕事をしてくれていますよ。
■ヘイデンのセパン最終日を終えてのコメント
2日目からコンマ6秒も今日はタイムを縮められましたから、最終日は朝から正しい方向性が得られた感じです。
午後の序盤は2コーナーで軽く転んでしまいましたが、正直言って今回のアスファルトの再舗装はあまりうまくいっていない感じがします。今週に入り他にも何人かがあそこで捕まっていますしね。幸い自分は無傷でしたが。
当然ながら、今回はもっとやれると信じていましたから、このラップタイムには満足できていません。ただ、いずれにしても今後も前向きにいきますよ。タイムは毎日更新できましたし、次のテストに向けて必要なデータも十分に収集できましたしね。
ケーシーがすでにあれだけ速いという事は、バイクの性能はすでに高い証拠ですから、今の時点で明るい点は彼がすごい速さで走れている事ですね。また、チームも自分と同じくらいに結果を出そうと必死に頑張ってくれていてるので、それもすごく嬉しい点です。
自分の最初の2区間のタイムはそれほど悪くないんですが、第3区間と第4区間でかなりタイムをロスしています。その中でもコーナー脱出時が一番最悪で、バイクが不安定になり挙動の予測がつかないんです。
ブリヂストンタイヤは本当に安定していますね。今回は自分にとってドゥカティーのマシンでの初のフルレース周回でしたが、タイヤ寿命に関して何の問題も発生しませんでした。
■フィアット・ヤマハ、総合2番手は新型マシンの仕上がりに満足のロッシ
ケーシー・ストーナーに次ぐセパン合同テスト3日間の総合2番手につけたのは、最終日に2分01秒137を記録したフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだった。
2日目に入ってからは、スロットルを早めに開けられるようにするために新しい電子制御システムの調整に取り組み、期待通りの効果が得られるようになったとするロッシは、今回のテスト直前に自宅のガラステーブルに倒れ込んで負傷、数針縫う事になった左手と左足の傷は痛んだとしながらも3日間を通して走行ペースは落ちず、2日目の午後には初日のトップタイムをマークしたスズキのロリス・カピロッシと並んで数周回のバトルを楽しんでいる。
最終日も2日目に引き続き電子制御まわりのチューニングに取り組んだロッシは、自宅で負った怪我が悪化する事を恐れ、楽しみにしていたレースシミュレーションを今回は延期したが、2日目の自己ベストをコンマ5秒上回る好調な走りを最後には見せ、2009年仕様のYZR-M1の高い仕上がりに深い満足感を示した。
■エドワーズに負けて落ち込むロレンソは3日目に自信を回復
また、今期からブリヂストンタイヤを初めて経験するホルヘ・ロレンソは、初日と2日目にはタイヤの感覚をつかむのに苦戦、2日目のタイムシート上で同じくブリヂストンタイヤを初めて経験するTECH3ヤマハのコーリン・エドワーズに順位を上回られた事に落ち込んでいたが、チームメイトのロッシと同様の早いタイミングでブレーキがかけられるようにマシンを調整し、同時にコーナリングスピードを高められるよう自身のライディング改善にも取り組んだ結果、最終日の3日目にはブリヂストンタイヤでの走行リズムをつかむ事に成功し、22周回のロングランの中で2日目のタイムを1秒以上縮めて自信を取り戻した様子だ。ロレンソの3日間の総合順位とタイムは8番手となる2分01秒907だった。
■ロッシのセパン最終日を終えてのコメント
今年はいいスタートを切る事ができましたから、すごく満足してセパンを離れる事ができます。今回はすべてがうまくいきました。バイクの調子はとても良かったし、(自宅のガラスで負傷した傷跡の)痛みも少なく、体調は日増しに良くなりました。
今回バイクに施したかった全ての作業項目を終わらせる事ができました。セッティングの状態も、走行リズムもとても良くなったと思います。ラップタイムもかなり良かったので、本当にいいスタートになりましたね。
ロングランは行いませんでしたが、特に必要なかったと思っています。自分が怪我さえしてなければ走る事はできたでしょうが、この状況で無理はしない事にしました。ただ、怪我の具合は切り傷だけですから回復が早く、毎日のように調子は良くなっていますから、それほどここでのラップタイムに怪我の影響は出ませんでした。それに次回のカタールまでに体調は完璧に戻る筈ですよ。
今日は硬い方のブリヂストンタイヤでの最速タイムを記録できましたから、バイクの調子は悪くないですね。何点か改善を進めるべき点はまだ当然ありますが、今年からテストの回数が減りますから、今の段階でいい性能を維持できている事はとても重要だと思います。
冬期休暇中にしっかりトレーニングを積んできても、年明け最初のテストはだいたい苦労するものですから、今回の結果にはすごく満足です!去年のドーハの開幕レースではマシンが仕上がらず十分な戦いができていませんでしたから、次回のカタールでのテストがどうなるか興味深いですね。今からすごく楽しみです。
■ロレンソのセパン最終日を終えてのコメント
最終日はブリヂストンタイヤでも自分が速く走れる事を確認できたのですごく満足です。この3日間の年明けテストのうち、今日が最高の1日だった事は間違いありません。何より気温32度の高温下(午後は36度まで上昇)でのロングランが経験できて、22周回を連続して最後まで走り切れましたからね。
走り終わった時にはかなり疲れましたが、結果は素晴らしかったと思いますよ。リズムよく走れていたし、2分1秒9の自己ベストラップを記録したのはロングランの終盤ぎりぎりでした。このタイムは昨日のタイムと比べて1秒も速いし、本当に大きな進歩でした。
まだ今後もかなりの走り込みと時間が必要ですが、今回はチームの全員がセッションの終わる直前まで必死に頑張ってくれました。来月のカタールでもっといい結果を得るためにも、このまま頑張り続けたいと思います。
開幕レースまでもうそれほど時間は残っていませんから、このまま改善を続けながら、今日と同じ方向性で作業を続けていきたいですね。
■ホンダ勢のトップはグレッシーニ・ホンダのエリアス
サテライトを含む全チームがニューマチック・バルブ・エンジンを今回から供給されているホンダ勢のトップは、アリーチェ・チームにおける1年のドゥカティー・ライダーとしての経験を経て今期からホンダに復帰し、サテライト勢の中では唯一ファクトリー仕様のマシンを供給されているグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスだった。エリアスは最終的に総合タイムシート上でレプソル・ホンダのファクトリー・ライダー2名のタイムを上回り、この3日間の総合5番手タイムとなる2分01秒560を記録している。
2日目に入り最新型のファクトリーマシンに慣れたエリアスは初日のタイムをコンマ5秒削り落とし、3日目には今回の自己ベストをさらにコンマ7秒更新した。
■2日目以降は新型マシンの特性をつかんだデ・アンジェリス
また、チームメイトとは異なりサテライト仕様の2009年型マシンで今年度を戦うアレックス・デ・アンジェリスは、最初は違和感を若干抱いていた新型マシンから2日目には好感触が得られるようになり、初日のタイムをコンマ8秒更新。続く最終日にはさらにタイムを1秒更新し、まだ完全に思い通りに走れるセッティングには仕上がっていないとしながらも、新型マシンに必要な作業の方向性はつかめたので満足だと述べた。デ・アンジェリスの最終的な総合順位とタイムは12番手となる2分02秒523。
なお、デ・アンジェリスは2009年型サテライトRC212Vに対する印象として、「ロングストレートでは非常に速く走れるが、低速域でのパワーが不足気味」とコメントしている。
■エリアスのセパン最終日を終えてのコメント
毎日改善が順調に進み、とても満足できました。今回はまったく新しいマシンでの作業にもかかわらず、初日の本当に序盤からバイクに好感触が得られていましたしね。
まだサーキットでの多くの走り込みは必要ですが、今の自分たちの作業の方向性は正しいと思っています。ガレージ内の雰囲気もいいし、ここは本当にいいチームですよ。
■デ・アンジェリスのセパン最終日を終えてのコメント
最終日はかなり大きな進歩が得られましたから、それがとても嬉しかったですね。走行ペースも良くなりましたし、バイクからもいい感触が得られるようになりました。
今回はバイクのセッティングとタイヤのテストに集中しました。2009年型パッケージは今までとは異なる作業の方向性が必要なようですが、それでも正しい方向性は見いだせたと思っています。
意欲は十分に高いですよ。上位タイムのライダーたちとの差を縮めるにはまだ多くの作業が必要なのは間違いありませんが・・・でも今は次のカタールでのテストが楽しみで仕方がありません。
■レプソル・ホンダ、ペドロサは左ひざ不調のため最終日のテストをキャンセル
セパン合同テスト2日目、レプソル・ホンダの2名のライダーはそれぞれにサスペンション、電子制御システム、エンジン、その他の最新パーツをブリヂストンタイヤの特性に合わせてセッティングする作業に集中。マシンのチューニングを繰り返す中でダニ・ペドロサは、昨年10月のオーストラリアGPで負傷した左ひざに不調を訴え、初日のタイムをコンマ5秒近く更新して2日目の4番手につけたところで早めに作業を切り上げ、3日目のテストをキャンセルしそのままバルセロナに帰国している。冒頭にも記した通り、ペドロサは昨年の12月初旬にその左ひざの手術を受けたばかりだった。
帰国したバルセロナでの精密検査後、次回のカタールでのテストまでは左足に負担をかけないよう指示されたペドロサの今回の総合順位とタイムは、7番手となる2分01秒860だった。ペドロサは2日目までに必要なテスト作業は全て済ませたとしており、マシンの改善も大きく進んだとの印象を持った様子だ。
■ワークスマシンへの理解を深めたドヴィツィオーゾ「まだトップとの差は大きい」
その一方、初日にはマシンのポジションを改善し、バイクから好感触が得られるようになったとするアンドレア・ドヴィツィオーゾは、2日目にはファクトリー仕様RC212Vにさらに深く慣れる事に集中し、シャシーの評価を続ける中、まだ問題点がいくつか解消されていないなりにも満足のいくタイムが出せたようだ。
チームメイトのペドロサが帰国した3日目には初日のタイムを2秒縮める好調な走りを見せ、マシンへの理解がさらに深まった事を喜ぶドヴィツィオーゾは、それでもトップライダーたちとの差を縮めるにはまだ今後も多くの作業が必要だと改めて認識したという。ドヴィツィオーゾの3日間を通しての順位とタイムは総合9番手の2分01秒955だった。
■ペドロサのセパン2日目を終えてのコメント
作業を終えて満足です。特に今回はシャシーとサスペンションの調整をしながら、タイヤとマシンの相性を探りましたが、今日はバイクがとても快適に感じましたね。序盤の周回からとても速く走れましたし、おかげで予定していた全てのテスト作業をバイクに施す事もできました。
今年は基本的には去年の進化系マシンなのでバイクの特性自体は良く分かっていますから、全く未知のバイクが供給されたた昨年の時点よりも有利な状況と言えるでしょうね。今回は次回のカタール合同テストまでに改善を進めておいて欲しい点をリストアップしておきました。
明日はレースシミュレーションを予定していましたが、今日は連続走行だと5〜6周回しか走れない体調だったので、明日にフルレース周回を走り込むのは無理だと判断し、最終日のテストはキャンセルする事にしました。
昨シーズン中の10月にフィリップ・アイランド戦で左ひざを負傷して以来ずっと調子が悪く、実は今年の12月初旬には精密検査と手術を受けたんです。あともう少しだけ休息の時間を取れば大丈夫だと思いますよ。
■ドヴィツィオーゾのセパン最終日を終えてのコメント
今回はバイクのセッティングに集中し、特にシャシーを重点的に調整しながら全体の様子を見ていきましたが、おかげで3日間を通して多くの事を理解できたと思いますし、すごく自信もつきました。
マシンをブリヂストンタイヤに合わせるにはまだ多くの作業が必要ですが、それが今後に向けての非常に重要な部分になります。エンジンに関して言えば、もう少しスムーズな出力特性を得られるようにしたいですね。
最終日はとても暑くて、2ヶ月もの冬期休暇を終えた身体には体力的にかなり厳しかったです。でもロングランでは連続11周回を走り込んで、マシンとタイヤの理解を深めながら多くのデータを収集しました。
全体的にはいい作業を進められたと思います。チームの全員がやる気に満ちあふれていましたしね。
■プラマック・レーシング、カネパはギア比を調整し初日の問題を解消
プラマック・レーシングのMotoGPルーキー2名のセパン合同テスト3日間の最終的な順位とタイムは、ミカ・カリオが総合10番手となる2分02秒386、ニッコロ・カネパがレギュラー・ライダー最後尾17番手のジェームス・トーズランドの1つ手前となる総合16番手の2分03秒901だった。
初日にトップスピードがカリオより16km/h遅い事を問題視していたカネパとチーム・スタッフは、2日目にはギア比を調整してその問題を解消、初日に比べてマシンのセッティング状況は大きく改善されたとしている。
■最終区間を除けばストーナー以外のドゥカティーライダーと遜色のない走り
チームの発表によればカリオとカネパは、第1区間から第3区間までの間はストーナーを除く他のドゥカティー・ライダーと比べて遜色のない走行ペースを維持できているとしており、最終日にはコーナー脱出時のバイクの挙動がよりスムーズになるようセッティングの改善に取り組んだ様子だ。
なお、プラマック・レーシングは3日目のライダーコメントを公表していないため、ここでは2日目の作業を終えた時点のミカ・カリオとニッコロ・カネパのコメントを紹介する。
■カリオのセパン2日目を終えてのコメント
2日目に入っても初日に抱えていた問題が解消できず、それがかなりの障害となってタイムをいくらかロスしました。いずれにしても、技術的な面では多くの種類の作業に取り組む事はできましたけどね。
初日はいいスタートが切れていたので、正直もっといい結果を期待していました。今は最終日の天気がこのまま良くなる事を祈るばかりですね。その際には可能な限り多くの周回数を走り込むつもりです。
■カネパのセパン2日目を終えてのコメント
2日目に入ってからは状況が少し改善されるようになりました。全体のギア比を小さめにする事で、最後の2本のロングストレートでのトップスピードも改善されましたしね。ただ、まだ何かが足りていない感じは否めないので、最終日にはもっと速く走れるようにセッティングをつめたいと思っています。
バイクの感触はだいぶ良くなりましたよ。今後はチームのエンジニアと一緒に他のライダーたちのデータを分析して、どうしていまだに自分がミスを犯しやすいのか、その点の理解を深めていく予定です。
2日目の終盤にはロリス・カピロッシの背後についたまま数周を走りきる事もできるようになりましたが、その際、いくつかのコーナーの中で自分が彼とは異なるラインを取っている事が分かりました。最終日にはその点に気をつけて、どのくらいタイムが削れるか確認していきたいですね。
■ホンダLCR、3日間を通してマシンから好感触が得られないド・プニエ
初日に引き続きホンダLCRのランディ・ド・プニエは、サテライト仕様の最新型RC212Vの学習を続ける中、カワサキ時代には慣れ親しんだブリヂストンタイヤのテストとサスペンションのセッティングに2日目と3日目の終日を費やしたが、今回の作業を全て終えてもまだマシンとタイヤのどちらにも自信が持てない状況が続いているとコメントしており、今は思い通りのライディングが難しいとしている。
ド・プニエは3日間を通して何種類もの異なるセッティングを試したが、昨年までのようには思い通りにコーナー進入ができず、それ以上激しく攻め込むと転びそうになるのでフラストレーションを感じるという。ただし、新型マシンはエンジンの性能が上がっているので、その部分については将来に向けて期待感を抱いている様子だ。
■ド・プニエのセパン最終日を終えてのコメント
最終日にラップタイムは改善できましたが、自分にとってまだ十分とは言えない状況です。去年のここでのテストの時はタイムシート上の総合4番手でしたしね。ただ、色々調整すべき事項はまだ山ほどありますが、今回の年明け初のテストでは、次回のカタール公式テストに向けて重要なデータを収集する事はできました。
3日目の午前中には進展が見られたで、午後にはさらにタイムを縮められると思っていましたが、途中でブレーキに問題が発生してしまい、おかげで予定の終了時刻から1時間も前に作業の終了を強いられました。
少なくとも2日目よりは良好な結果だったと言えますが、いずれにしてもバイクの調整にはまだ時間が必要です。
|