MotoGP速報ニュースサイト インテリマーク
RSS
新着トピック 冬季テスト MotoGPレース日程/結果 MotoGPポイントランキング 現地天候/時間等 F1情報サイト インテリワン 運営/お問い合せ
2009年冬期テスト始動!セパン初日の詳細情報
写真
  2009年2月6日

ついにMotoGPの冬期テストが解禁された。2ヶ月間の例年より長めの冬休みを経て、2009年シーズンに参戦するMotoGPクラス全チームと全レギュラー・ライダーが、年明け初となるプレシーズン・テストの場となるマレーシアのセパン・サーキットに集結、3日間のテストを2月5日より開始している。
写真

■カワサキが撤退し、参加レギュラーは全17名

12月中旬に行われたヘレス合同テストの終了以降、MotoGPバイクでの走行を一切行っていなかった合計17名のレギュラーライダーたちは、最初はマシンの感触を取り戻す事から開始し、その後に新レギュレーションに沿ったブリヂストンタイヤと各マシンのマッチングを中心としたセッティング調整などを行ったようだ。また、レギュラー17名以外にはヤマハから日本人の開発ライダーが2名参加しているので、今回のライダー参加人数は合計19名となる。

■行方の確定しないホプキンスとメランドリ
写真
なお、カワサキは1月9日に公式表明した通り、世界的な経済不況の影響により2008年シーズンを以てMotoGPでの活動を休止するため、2009年シーズンに参加するMotoGPクラスのバイクメーカーはヤマハ、ドゥカティー、ホンダ、スズキの4社となった。したがって、カワサキから2009年シーズンに参戦する予定だったジョン・ホプキンスとマルコ・メランドリの2名のライダーは実質的にシートを失っており、今年の活動の方向性は現在もまだ確定していない。


■初のシングルタイヤルール本格施行を開始

また、昨年に2009年からのシングルタイヤルール施行が決定し、ミシュランがMotoGPでの活動から撤退、公式タイヤサプライヤーがブリヂストンの1社となってコントロール・タイヤを全ライダーに平等配布するようになったのは昨年末に行われた2回のテストと今回のセパンも同じだが、FIM(国際モータサイクリズム連盟)が12月19日に発表したシングルタイヤルールの詳細に従って本格的な合同テストを行うのは、今回のセパンが初めての試みとなる。

■新ルール通りタイヤは2種類のみ、厳しい本数制限

具体的には、冬期テスト中は基本的に、今後のレースウイーク中と同様に各サーキット毎にA仕様とB仕様と呼ばれる2種類のタイヤのみが各ライダーに供給され、テスト初日の使用本数はスリックタイヤがフロントとリアのそれぞれにA仕様2本とB仕様2本の合計8本、ウェットタイヤはフロントとリアのそれぞれにスタンダードウェット各2本の合計4本に制限される。また、テスト2日目と3日目は、スリックについてはフロントとリアのそれぞれにA仕様とB仕様が混在する各3本ずつの合計6本が1日あたり各ライダーに供給され、ウェットタイヤについては基本的にフロント2本とリア2本の合計4本のスタンダードウェット使用を1日あたりの上限とし、天候悪化の状況により3日間のテスト期間を通しての1ライダーあたり最大合計8本まで追加供給が許される。

なお、A仕様とB仕様以外の新型タイヤの開発テストをライダーが担当する場合には、使用本数の制限は存在しない。


■例年のセパン通り、各ファクトリーチームは最新型プロトタイプを投入
写真
各ファクトリーのマシン投入状況だが、例年通りテスト禁止期間中に開発された最新パーツをふんだんに搭載した最新の2009年型プロトタイプが今回のセパンにも持ち込まれている。この中でも今年に最も注目されていのが、昨年までの課題だった加速性能が向上したというヤマハYZR-M1のニューマチック・バルブ・エンジン、年末よりもさらにチューニングの進んだドゥカティー・デスモセディチGP9のカーボン・ファイバー・フレームだろう。

■ホンダはサテライトマシンにもニューマチック・バルブ・エンジンを採用

サテライト勢では、ホンダは今回から全てのサテライト・チームにもニューマチック・バルブ・エンジンを供給しているが、後に記すアレックス・デ・アンジェリスの感想にもある通り、パワー特性はレプソル・ホンダ勢の2名やグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスが乗る2009年型ファクトリー・マシンとは仕様が若干異なるようだ。


■セパン合同テスト初日の走行結果

以下に、2月5日に行われたセパン合同テスト初日の走行結果を各ライダーの自己ベスト順に示す。この日のセパンの天候は朝から雲が多かったものの、路面は最後までドライに保たれ、気温は30度、路面温度は45度、湿度は79%に上った。
写真
1) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 2分01秒869(37周)
2) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 2分02秒038(34周)
3) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分02秒324(31周)
4) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 2分02秒803(55周)
5) トニ・エリアス SPA サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分02秒886(52周)
6) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分03秒088(50周)
7) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 2分03秒254(34周)
8) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分03秒312(44周)
9) セテ・ジベルナウ SPA Grupo Francisco Hernando デスモセディチ GP9 2分03秒750(54周)
10) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 2分03秒894(61周)
11) ニッキー・ヘイデン USA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 2分04秒002(60周)
12) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 2分04秒396(53周)
13) ミカ・カリオ FIN アリーチェ・チーム デスモセディチ GP9 2分04秒405(60周)
14) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 2分04秒502(34周)
15) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 2分04秒882(61周)
16) ヤマハテストライダー ヤマハ・ファクトリー・レーシング YZR-M1 2分05秒024(47周)
17) 高橋裕紀 JPN スコット・ホンダ RC212V 2分05秒098(73周)
18) ヤマハテストライダー ヤマハ・ファクトリー・レーシング YZR-M1 2分05秒140(44周)
19) ニッコロ・カネパ ITA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP9 2分05秒270(45周)

■コントロールタイヤの影響から難しい事が予想される公式記録の更新

参考までに記すと、セパンのサーキットレコード(レース中)は2007年にケーシー・ストーナーが記録した2分02秒108、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2006年にバレンティーノ・ロッシが記録した2分00秒605だが、今年のタイヤは仕様が昨年までのものとは異なり、予選タイヤも廃止された為、過去の記録と同レベルの好タイムを残す事は以前に比べて簡単とは言えず、実際のレースでは顕著にその影響が出るだろう。


■転倒者の情報、ロッシは転倒を喫したが無傷、先週の自宅での怪我も影響は最低限

初日の転倒者や怪我人の情報だが、今回はコースの路面に上塗り舗装された数ヶ所のグリップが悪く、2008年度チャンピオンのバレンティーノ・ロッシをはじめ数名の転倒者がそこで出ているが、幸い深刻な怪我人は出ていない。
写真
なお、先週に自宅でガラステーブルの上に転倒、その際に左手の薬指と左足の裏に傷を負い、それぞれ数針縫う怪我を負っているバレンティーノ・ロッシだが、1日目の状況としては激しい痛みと腫れがあるもの、走行に大きな支障が出るレベルではないとしている。


■初日の作業内容を公開している各チームのテスト状況

以下に、初日のテスト内容を公式発表しているいくつかのチームの状況、ならびにライダーコメントなどを紹介する。


■年明け初のトップタイムはカピロッシ、スズキは2名揃って好調

2009年度の年明け初の合同テストにおいて、シングルタイヤルールの下にもかかわらずセパンのサーキット・レコードをいきなり上回るトップタイムの2分01秒869を記録したのは、最新の2009年型GSV-Rプロトタイプに乗るスズキのロリス・カピロッシだった。

■カピロッシ「体調は100%万全」、バーミューレン「休暇が長くて走り方を忘れた?」

スズキはこの日の作業内容を公式発表してはいないが、カピロッシは今回の初テストに向けて「体調は100%万全。最新型バイクに乗って自身の好調さを証明したい」とのコメントを事前に残していた。

また、カピロッシのチームメイトであり、テストの前には「今年は休みが長すぎたので、バイクの乗り方を忘れてしまっているかもしれない!」とコメントしていたクリス・バーミューレンも初日から好調であり、この日の4番手タイムとなる2分02秒803を記録している。


■2番手タイムはドゥカティー、やや抑え気味に走るケーシー・ストーナー
写真
スズキのカピロッシに続くセパン初日の2番手タイムの2分02秒038を記録したのは、2008年シーズン中に再骨折した古傷の左手首を3ヶ月前に手術し、この日がその後の初ライドとなった2007年度チャンピオン、ドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。

■ストーナー「もう少し回復が進む事を期待していたが」

ストーナーはまだ左手首に力が入らず、関節がスムーズには動きにくい状態にあるため、初日はやや抑え気味の走行だったとしているが、デスモセディチGP9の新型カーボン・シャシーと新しいブリヂストンタイヤには満足できた様子だ。
写真
「午前中は腕の痛みが激しく走行が難しかった。手術からすでに3ヶ月も経過しているので、正直もう少し調子が良くなる事を期待していた。今日のタイムはそれほど悪くはないにしても、左コーナーに向けてのブレーキング時に特に手首の痛みが激しい」とストーナー。

「GP9の感触は前回の2回のテストと同様にとても良い。シャシーが全く以前と異なるのでセッティングの改善を進める必要はあるが、いいスタートは切れたと思う。エンジンはパワー特性が良くなっているし、トルクもさらに上がったので、低速コーナーからの脱出が楽になった」

「ブリヂストンが持ち込んだ2種類のコンパウンドは両方ともうまく機能している。安定した性能を維持したまま走るのはやや難しい印象だが、それでも硬めの方は気に入った」

■ヘイデン「新タイヤルールのおかげで作業が効率的」

また、今年からドゥカティーに移籍した2006年度チャンピオン、昨年までレプソル・ホンダに所属していたニッキー・ヘイデンは、この日もホンダ時代と同様の精力的なテスト作業に取り組み、1日目はバイクのセッティング調整を繰り返した様子だ。初日の11番手タイムとなる2分04秒002を記録したヘイデンは、コーナー進入時のバイク特性には満足できているものの、まだコーナー脱出時の安定性には課題を抱えているという。また、ブリヂストンタイヤに完全に慣れるのには、まだ時間がかかるとの印象も語っている。
写真
「セッティングは前回のヘレスの時と同じ状態から作業を開始した。最初は自分の走行ペースをつかみたかったので、まだ今日はバイクにそれほど大きな変更は加えていない」とヘイデン。

「ブレーキング時のバイクの感触は良いし、特に高速コーナーが安定している。コーナー脱出時は車体の上下動が激しい傾向にあり、その特性にはまだ馴染めないが、それを抑えるための調整方法は考えているので、残りの2日間を通して作業したい」
写真
「新しいタイヤルールは気に入っている。今まではタイヤ関係の作業が多すぎてバイクのセッティング時間が足りなかったが、これからは2種類のタイヤを選択するだけで良いし、チームとしても仕事が進めやすい筈。硬い方のコンパウンドからはまだ性能を最大限には引き出せていないが、どちらからもいい感触が得られている」


■3番手タイムは新エンジンに期待のヤマハ、ロッシの怪我の影響は最小限

カピロッシとストーナーに続く初日の3番手タイムとなる2分02秒324を記録したのは、先週の自宅での怪我の影響が懸念されるフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだった。ヤマハのレギュラー・ライダー2名は、この日は新型シャシーの開発作業に取り組む中、シングルタイヤルール上での作業の流れに慣れる事にも集中したという。
写真
■ロッシ「新ルール下ではタイヤに優しい走り方が要求されそう」

先週の土曜日に数針縫った左手と左足の影響が心配されるロッシだが、実際に走ってみるとライディング上特に問題のないレベルだと分かり喜んでいる様子だ。ロッシは午前中に軽い転倒を喫したが特に怪我はなく、夕方には自宅で負傷した左手が腫れるのを懸念し、他のライダーよりも周回数は少なめに午後4時を前に作業を切り上げている。
写真
「手と足を縫ったにもかかわらず、今日はバイクに乗れた上に速く走れたのでとても嬉しかった。まだ痛みがあるので100%の体調ではないが、走行上は特に問題ない。また、エンジンの感触が前より良くなっているのも嬉しいし、新しいシャシーもすごく乗りやすかった」とロッシ。

「新しいタイヤルールに慣れようとしている最中だが、ここまでは悪くない感じ。ただし、タイヤへの負担をもっと下げるようなマシンの調整は必要。今は硬い方のタイヤが気に入っているが、いずれにしても今後はもっと優しい乗り方が求められそう。全員が同じ条件なのでレースは面白くなるだろうね」

「午前中はゆっくり走行していた時に軽く転倒してしまった。路面は濡れていなかったが、舗装の上塗り部分が少しグリップが悪く、特にそのうちの1箇所は全くグリップが感じられない!」

「連続周回を重ねると指が痛むし、だんだん腫れてきてしまうから、明日の体調を考慮して今日の午後は早めに作業を終えた。明日は電子制御関係に新しい調整を加えるつもり。また、エンジンはヘレスから使用していて走行距離制限をオーバーしたので、明日は新しいものと交換する予定」

■ロレンソ「エンジンまわりとシャシーの特性が良くなった」

チームメイトのロッシと同じく今年からブリヂストンタイヤを履くホルヘ・ロレンソは、この日に初めてヤマハの最新2009年型エンジンを試し、コーナー脱出時の加速性能の向上に満足したという。ロレンソのセパン初日の自己ベストは10番手タイムとなる2分03秒894だった。
写真
「仕事に戻った途端に難しい1日目だった!長い休暇の後で身体が少しさびついているような感じ。こういう状態の時はなかなか速く走るのは難しいが、バイクに関して言えば特にエンジンまわりがすごく良くなっているので満足している」とロレンソ。

「日本のエンジニアは加速性能の改善に取り組んでくれたし、それに新しいシャシーはマシンがコーナー脱出時に暴れるのを抑えてくれている。残念ながらサーキットの状態はあまり良くなく、特に2つのコーナーは横滑りが激しく危険だった。何人かのライダーが今日転んだのはそのせいだと思う」

「今日は十分に走り込んで疲れたので早めに作業を終えた。今晩はマッサージをしてもらってからしっかり寝て、明日はいい走りができるように備えたい!」
写真

■ホンダ勢のトップはサンカルロ・ホンダ・グレッシーニのエリアス

サテライト勢を含む全てのマシンにニューマチック・バルブ・エンジンを今回から投入したホンダ勢の中における初日のトップは、古巣のグレッシーニ・ホンダに今シーズンから復帰を遂げ、この日の5番手タイムとなる2分02秒886を記録したトニ・エリアスだった。

■エリアス「初日からバイクは好感触」

ドゥカティーのマシンを1年経験し、再びグレッシーニ・チームに戻ったエリアスに供給されるマシンは、サテライト勢の中では唯一となるファクトリー仕様のRC212Vだ。エリアスは初日からマシンには好感触が得られたと、以下の通り語っている。

「休暇が長かったので、まずは走行リズムが取り戻せるように周回を重ねて、新しいエンジンに慣れる事から始めようと思っていたが、今回は初日からすぐにバイクからいい感触が得られた」とエリアス。

「すぐに100%の走りをするのは簡単ではないが、バイクにもチームにも満足できている。新シーズンに向けてこのテストは非常に重要だが、自分のモチベーションは非常に高まっている」

■デ・アンジェリス「ワークスマシンとは異なる特性に理解が必要」

年末のヘレス合同テストでは、昨年に中野真矢選手が使用していたワークス仕様のRC212Vに乗り、エンジンパワーに大満足していたアレックス・デ・アンジェリスだが、それと比較して今回から投入された2009年仕様のサテライトマシンには、やや不満の色が隠せない様子だ。デ・アンジェリスのこの日のタイムは12番手タイムとなる2分4秒396だった。

「今日は走行リズムを取り戻すまで時間が少しかかった。ヘレスの時は中野のバイク(2008年型ワークスマシン)で走れたが、今回のマシンとはパワー特性とシャシー性能の面がだいぶ異なるので、自分の走り方に合わせられるよう理解を深めていく必要がある。特にコーナーで自分の思うようなスタイルが取れないので、今はスロットルを開けるのが難しい状態」とデ・アンジェリス。


■レプソル・ホンダ、初日は時間をかけてゆっくり調整
写真
ホンダ勢の中でのトップタイムをグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスにこの日は譲る事になったホンダ・ファクトリー、レプソル・ホンダのワークス・ライダー2名だが、セパン初日は揃ってタイムを気にせず、マシンの微調整や走りの感触を取り戻す事を重視して作業を進めている。

■ドヴィツィオーゾ「まだ改善は十分に進みそう」

セパン初日の6番手タイムとなる2分03秒088を記録したMotoGPルーキーのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、この日の午前中にはマシンのポジショニングなどの基本セッティングに取り組み、午後はシャシーのセッティングとタイヤまわりの微調整に集中し、50周回のうちの44周目に自己ベストタイムを残している。
写真
「バイクに乗れるのを楽しみにしていたので今日は作業を再開できて嬉しかった。ここセパンはサーキットも高い温度条件も大好きなので楽しく過ごせている」とドヴィツィオーゾ。
写真
「まだバイクから好感触が十分には得られていなかったので、午前中はポジションの調整に多くの時間を費やし、色々なセッティングを試した。最終的にはいい解決策が見つかり、バイクの感触が良くなったので、午後はシャシーの調整を繰り返しブリヂストンタイヤに合うセッティングを探り続けた。タイヤは十分な性能と安定性を確保しているが、まだそれを自分たちは完全に使い切れてはいないので、この作業が今はとても重要だと思う。十分に改善の余地がある事は把握できたので嬉しい」
写真
■ペドロサ「バイクの構成要素の全てを1つ残らず改善したい」

この日は新タイヤルールに則ったブリヂストンタイヤのテストから着手し、長い冬期休暇を経ての自分の走行リズムを取り戻す事に集中したというダニ・ペドロサは、44周回のうち33周目に初日の8番手となる2分03秒312を記録している。
写真
「前回のヘレス合同テストの時から2ヶ月が経過しているので、バイクの感触をつかみ走行リズムを取り戻す事が今日は重要だった。長い休暇だったので、今日はバイクに乗るのがとても楽しみだった」とペドロサ。

「今の最優先事項は新しいブリヂストンタイヤの特性にバイクを合わせる事なので、今日はマシンとタイヤのマッチングを考えて最良と思えるセッティングを探った。この3日間の目標は、開幕戦に向けてバイクの全ての要素を1つ残らず向上させておく事」
写真

■プラマック・レーシング、カリオの才能に期待、カネパはまだ慣れが必要

今年はMotoGPルーキー2名を抱えるプラマック・レーシング(アリーチェ)は、今回のセパン合同テストではラップタイムは重視せず、ライダーたちにマシンの改善を効率的に進める上での仕事の流れを学習してもらう事を最優先にしたいとしている。この日のミカ・カリオの自己ベストは13番手タイムとなる2分04秒405、ニッコロ・カネパの自己ベストはタイムシート最後尾の19番手タイムとなる2分05秒270だった。
写真
■カリオ「まさに自分のやりたい作業の進め方ができた」

プラマック・レーシングは、ミカ・カリオのセッティング能力の高さには感銘を受けており、ガレージに戻る度にセッティング改善の方向性を明確に示してくれたと今回発表している。カリオ自身も初日の仕事の手順と成果には以下の通り満足できている様子だ。

「最初の数時間はいくつか難しい問題に直面したが、午後には改善が進んでいい走りができるようになった。今回はかなり詳細な部分にまでひとつひとつ焦点をあてながら作業を進めたが、まさにこれが自分のやりたかった調整の方法だった」とカリオ。

「現時点ではあまりラップタイムは気にせず、バイクの感触を自分のものにする事を何よりも最優先にしている。残りの2日間はうまくいくと信じている」
写真
■カネパ「課題は高速ストレートでのトップスピードがカリオより15km/h遅い事」

また、チームはカリオの能力に満足する反面、ガレージの反対側にいるニッコロ・カネパについては、他のライダーと同等の走行ペースに慣れていく必要性があると発表しているが、カネパが1年以上レースを経験していなかったハンデも考慮に入れたいとしている。なお、セパンのコースレイアウト後半にある2本の高速ストレートにおいて、カネパのトップスピードはカリオよりも時速16キロ遅く、本人とチームはこの部分の解決に2日目は取り組みたいという。

「当然ながら、初日のラップタイムと順位には満足できていない。前回ここでのテストで走った時には3日間を通してもっといいラップタイムだったし、確かあの時は2分3秒7を記録していたので、今回の3日目が終わるまでにどうなるか様子を見ていきたい」とカネパ。

「ラップタイムとデータを見る限り、コースの前半ではチームメイトと変わらない走行リズムを維持できているのに、後半の2本のストレートと最終コーナーで大きくタイムを落としてしまっている。その時のトップスピードがミカよりも時速16キロも遅いので、恐らくバイクに座るポジションを改善する必要があるんだと思う。このサーキットではそういう部分が大きくタイムに影響してしまう」


■ホンダLCRはサスペンション・セッティングに集中

2009年度はホンダ移籍2年目のシーズンに挑むホンダLCRのランディ・ド・プニエは、この日は最新型RC212Vサテライトマシンの新型パーツとブリヂストンタイヤの調整作業に集中し、特にサスペンションセッティングとタイヤの開発作業に集中した様子だ。この日のド・プニエの自己ベストは初日の15番手タイムとなる2分04秒882だった。

■ド・プニエ「エンジンブレーキの問題は解決したが、まだ多くの調整作業が必要」

「かなり厳しい初日になったが、十分に満足できた。午前中はラップタイムを気にせず、新しいバイクのセッティングのみに集中したが、サスペンションやタイヤまわりなど、調整が必要な部分がとても多く、特に最初はエンジンブレーキにかなり苦しんだが、クルーが解決方法を見つけてくれたので、その後は思い通りに走れるようになった」とド・プニエ。

「タイヤの調子は良いが、まだ多くの調整作業が残っている。いずれにしても、初日は作業がとてもはかどったので、このまま作業を続けてバイクがもっと自分のライディング・スタイルに合うようベースセッティングの調整に取り組んでいく予定」

この記事に関連する記事
  ロッシが左手の薬指と左足の裏を数針縫う怪我
最新のニュース一覧へ 元のページに戻る
MotoGP速報ニュースサイト インテリマーク