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日本GP初日のトップ3はランキングの上位3名
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  2008年9月27日

2008年MotoGPシーズンが第15戦目となる待望の日本グランプリ初日を6月26日のツインリンクもてぎにて迎えている。ここでは、レースウイークに入ってからの新着トピック、ならびに初日のMotoGPクラスの結果や各チームの状況、および全ライダーのコメントなどを紹介する。
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■新着トピック、日曜日にロレンソはルパン三世のマシンで登場

アンドレア・ドヴィツィオーゾの来期のレプソル・ホンダ入り高橋裕紀選手の来期のMotoGPクラス昇格の公式発表があったこの日、フィアット・ヤマハ・チームは同チームのライダーであるホルヘ・ロレンソが、日曜日の日本GP決勝レースには、モンキー・パンチ氏(本名:加藤一彦氏)原作の漫画である『ルパン三世』のイラストが入ったマシンに乗って登場する事を発表している。
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■Fiat500のルパン三世限定バージョン発表を記念してのスペシャル企画

ヤマハ・ワークスのタイトル・スポンサーを務めるフィアット社は、同社が販売する自動車であるFiat500の限定バージョンとして、ルパン三世のキャラクターが描かれた特別モデルを2009年の後半に発売する予定だが、今回のロレンソのスペシャル・マシンはその発表を記念しての事だという。

■ルパン三世の愛用車としてアニメファンには世界的に有名な旧Fiat500

フィアットとルパン三世の関連性について疑問を持つ方のために補足すると、宮崎駿氏の監督作品である1979年の人気アニメ映画「ルパン三世 カリオストロの城」の中でルパンが愛用している車がFiat500の旧モデルだ。また、ルパン三世はその登場から40周年を記念してオリジナルビデオ作品(タイトル:GREEN vs RED)が今年に発売されているが、この中でもルパンはFiat500を愛用しており、フィアット社はこの40周年記念作品とのコラボレーション企画として特別限定モデルを発売するに至った。
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■ルパン三世仕様YZR-M1のお披露目は朝9時30分のピットレーン

なお、ロレンソが乗るルパン三世仕様のスペシャルYZR-M1は、日本GP決勝当日となる日曜日の朝9時30分、ツインリンクもてぎのピットレーンにてお披露目される。


■午前中は雨に見舞われた日本GP初日、午後はドライ路面となったがタイムは伸びず

日本GP初日の9月26日、この日はあいにくの路面コンディションとなっており、午前は雨のフルウェット、午後には雨があがり曇り空となったが、路面の一部が湿った状態のやや難しい走行条件となった事から、昨年までのサーキット・レコードに到達するMotoGPクラスのライダーはこの日には存在しなかった。
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午後のフリー・プラクティス2(FP2)では、午前のフリー・プラクティス1(FP1)においてトップタイムを記録したレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンのみインターミディエットを装着してコースに出たが、路面の乾きが速かった事から、他のライダーは全員が最初からスリックタイヤを装着している。

なお、この日の目立った転倒者はリズラ・スズキからワイルドカード出場を果たしている秋吉耕佑選手、およびサンカルロ・ホンダ・グレッシーニのアレックス・デ・アンジェリスの2名だが、特に初日のMotoGPクラスに深刻な怪我人は出ていない。


■MotoGPクラス初日FP総合結果(FP2の結果と同じ)

以下に、日本GP初日2回のフリー・プラクティスを通してのMotoGPクラス総合順位を示す。フルウェットとなった午前のFP1開始時の気温は20度、路面温度は21度、湿度は96%、ドライ宣言がなされた午後のFP2開始時の気温は21度、路面温度は22度、湿度は89%だった(各セッション個別のタイムはこちらの結果表を参照)。
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1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分48秒121
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分48秒194
3) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分48秒510
4) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分48秒770
5) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分48秒779
6) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分48秒794
7) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分48秒800
8) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分48秒945
9) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分48秒974
10) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分49秒149
11) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分49秒190
12) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分49秒197
13) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分49秒344
14) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分49秒424
15) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分49秒505
16) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分49秒664
17) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分50秒131
18) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分50秒158
19) 秋吉耕佑 JPN リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分50秒879

ツインリンクもてぎのサーキットレコード(レース中)は2006年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分47秒288、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2006年にロリス・カピロッシが記録した1分45秒724。


■初日の走行を終えてのMotoGPクラス各チーム概況と全ライダーのコメント
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日本GP初日2回のセッションを終えての各チームの仕上がり状況、ならびに各ライダーのコメントなどを以下に示す。


■トップタイムはストーナー、ドゥカティーライダー4名が揃ってトップ10入り

日本GP初日2回のフリー・プラクティスを通しての総合トップタイムである1分48秒121を記録したのは、昨年はツインリンクもてぎで初の年間タイトルを決めたドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。なお、この日はチームメイトのメランドリが1分48秒945の総合8番手につけた他、アリーチェ・チームの2名も6番手タイムと9番手タイムを記録しており、ドゥカティーのマシンに乗る4名が公式セッションにおいて初めて揃ってトップ10入りを果たすという好調さを見せている。
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■左手首の痛みはやや回復傾向

2003年に手術を受けた左手首の骨がミサノで突然剥離してからは、その痛みに苦しみ続けているストーナーだが、ここまでに痛みは回復傾向にある事から、この日のストーナーは包帯を巻かずに終日走行しており、体調が許せば2日目以降も包帯はつけない予定だという。

■ストーナー「リアのグリップ不足解消に時間を使いすぎた」
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「午前のウェットの時はリアのグリップが得られずに苦しんだが、その原因がよく分からなかったので、午後に入ってからはセッティングを正しくする事に時間を費やし、最終的には納得できるレベルの感触を得られた」とストーナー。

「今日は主に新しいタイヤを試して走ったが、リアがひどくスピンしてブレーキング時には大回りになっていたので、その調整に費やした時間を明日は取り戻す必要がある。だから晴れてくれると有り難いけどね!」

■メランドリ「初日は順調、このまま様子を見ていきたい」
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「電子制御系の準備が完全ではなかったので午前中は多くの問題を抱えていたが、午後に状況は大きく良くなった。まだやるべき事は残るにしても初日は順調だったのでこのまま様子を見ていきたい」とメランドリ。

「少なくとも日曜日のレースはドライになりそうだが、本当にそうなればタイヤ選択にはすでにいくつかの案がある。バイクの調整にはまだ時間がかかりそうだが、とりあえず初日の内容については満足できた」


■レプソル・ホンダ、ペドロサはドライの2番手、ウェットではヘイデンがトップ
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トップのストーナーとは0.07秒差の総合2番手タイムとなる1分48秒194を記録したのは、ブリヂストンタイヤを装着して2戦目を得意のツインリンクもてぎで迎えたレプソル・ホンダのダニ・ペドロサだった。ペドロサは午前のウェットではブリヂストンのレインタイヤのテストに集中、その時点の順位は19人中の18番手と低迷していたが、午後に入り路面が乾燥してからは一気に速いペースでの走行に切り替え、今回の総合2番手タイムを記録している。
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また、チームメイトのニッキー・ヘイデンはペドロサとはほぼ逆の状況となり、午前のウェットでは前回のインディアナポリスGPで使用したセッティングを流用してトップタイムを記録したが、ドライになった午後には7番手にポジションを下げている。ヘイデンのこの日の自己ベストタイムは1分48秒800。

■ペドロサ「まだブリヂストンの限界域を研究中」
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「今日の午前の走行条件は本当に難しくて少し苦しんだが、午後には状況が全て好転した。路面が乾いてからレースに向けての作業を開始してからは、何種類かのタイヤを試す中でバイクのセッティング改善が進んだ」とペドロサ。

「グリップもいい感じになってきたが、この路面に最適なタイヤの組み合わせを見つけるのにはもう少し時間がかかりそう。理由は、まだ自分がブリヂストンタイヤの限界域をしっかり把握しようとしている最中だから」

「感触はどんどん良くなってきているので、このまま必死に作業を続けて最高と言えるベースセッティングを見つけたい。今回のレースは自分たちにとってものすごく重要だしね」

■ヘイデン「インディアナポリスで使ったウェットセッティングは好調だったが」
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「午前中のセッティングはインディアナポリスの時とほとんど同じだったので、バイクもらタイヤもとにかく全てが本当に好調だったしすごく速く走れた。でも、週末の残りはどうやら晴れそうな雰囲気だね」とヘイデン。

「午後に入ってからの調子は今ひとつだった。少し湿った部分が残っていたので最初の1周目はインターミディエット(標準レインタイヤ)で走ったが、スリックに履き替えた途端に路面状況はさらに良くなった」

「バイクの調子はドライでもいいが、最高とは言えない状態。自分はここではドライの時に少し苦しむ傾向があるみたい。まだやるべき事がいくつか残っているし、セッティングには完全に満足できていない。バランス的に感触が悪く、コーナー進入時と脱出時の両方でサスが波打つ感じ」

「チームにはこれから情報を色々提供するので、明日はもう少し順調にいく事を願っている」


■フィアット・ヤマハ、タイトルに向けて順調なロッシ、ドライに苦しんだロレンソ
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今回の決勝レースにおいて表彰台に乗れば自動的に2年ぶりの年間タイトルが決まり、ストーナーが今回優勝を逃した場合には4位でも同様の結果となるフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、この日は午前のウェットでは2番手タイム、午後のドライではランキング2位のストーナーとランキング3位のペドロサに次ぐ初日総合3番手タイムの1分48秒510を記録している。

また、ブリヂストンを履くロッシとは異なり、ミシュランタイヤで今シーズンを戦っているチームメイトのホルヘ・ロレンソは、午前中はインディアナポリスで苦手意識を克服したというウェット・コンディションでの好調な走りを見せて4番手につけていたが、午後のドライでは低温路面の影響からどのスリックタイヤを試してもグリップが得られず、初日の総合結果は1分49秒505の15番手タイムとなった。

■ロッシ「午後はフロントのグリップに問題」
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「今日の午前のフルウェットではいいセッティングといいブリヂストンのウェットタイヤが見つかり、最初からとても速く走れた。ただ、午後のドライではいくつか問題を抱えてしまい、ストーナーとペドロサの方が自分よりも速く走れていた」とロッシ。

「今はちょっとフロントのグリップが不足している。ここの路面はM1の特性とは相性があまり良くないので、いつもとても苦労する。今の段階では低速コーナーに課題があり、少し苦しんでいる状態」
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「いずれにしても総合3番手にはつけているので、それほど大げさな問題ではないし、明日には改善が進む事は間違いない。残りの2日間は天気が良くなるといいね!」

■ロレンソ「ドライではドニントンやアッセンの時のような雰囲気」

「いつもならウェットよりもいドライの時の方が調子がいいので、今日は奇妙だった。まったくその逆の状況だったからね!」とロレンソ。

「午後は何が原因なのかあまり把握できてはいないが、コーナー進入時にリアのグリップが十分に得られず、速く走るための自信がつかめなかったし、少しドニントンやアッセンの時のような雰囲気を感じた。」
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「今もチームとミシュランが共に頑張っているし、今日は多くのデータを収集する事ができたので、明日は改善の方向性が見つかる事を期待している。また、このサーキットに合わせて自分のライディング・スタイルを調整する必要がある事も十分に承知している」

「いずれにしても明日はもっと温度条件が上がりそうなので、自分たちにとっては都合がいい筈」


■ミシュラン勢のトップはJiRチームスコットのドヴィツィオーゾ
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強豪ワークスライダー3名に次ぐ初日の総合4番手タイムの1分48秒770を記録したのは、この日に来期のホンダ・ワークス入りを発表した現JiRチームスコット所属のアンドレア・ドヴィツィオーゾだった。

この日にドヴィツィオーゾは、午前のウェット・コンディションを利用して、日曜日の決勝レースが雨になった場合を想定したレイン用のレースセッティングを行っている。なお、ドヴィツィオーゾは夏休み中に左腕の一部に軽度の骨折を負っているが、特にここまでの走りにその影響は出ていない様子だ。

■ドヴィツィオーゾ「脱出加速時の性能が他のチームと比較して不足」
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「今日の天候は不安定であまり良くなかったが、作業は最初から順調だった。午前のウェットでは何本か異なる種類のタイヤを試し、午後はまだ少し路面に湿った部分はあったがスリックタイヤを使用した」とドヴィツィオーゾ。

「午後には新しいフロントフォークを試したが感触は良かったので、そのままの形で明日も作業を進めていきたい。天気は不安定だったがロングランもしっかりできたし、手の調子もいい。ただ、低速コーナーからの脱出加速性能については、まだ他のチームのバイクと比べて不足していると思う」

「明日の天候もまだはっきりしないので、このまま様子を見ていきたい」


■初日はややセッティングに苦しんだリズラ・スズキ勢
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MotoGPスズキの開発ライダーであり、全日本JSB1000に出場中の秋吉耕佑選手が3年連続となる日本GPのワイルドカード出場を今回果たしているリズラ・スズキ・チームだが、初日はロリス・カピロッシを除いてマシンのセッティングにやや苦しむ傾向にあった様子だ。

昨年までに日本GP3連覇を果たしているロリス・カピロッシは、この日は終日マシンのセッティング調整に取り組み、何度もバイクに変更を加えた後のFP2最後のタイムアタックにおいて総合5番手タイムとなる1分48秒779を記録。
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カピロッシのチームメイトのクリス・バーミューレンは、初日は十分なグリップを得る事ができずに総合16番手となる1分49秒664。秋吉選手は転倒の影響などから正しいセッティングの方向性が得られず、初日の最後尾となる19番手タイムの1分50秒879を記録するにとどまった。
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■カピロッシ「日本GP4連覇は今回難しいかも?」

「午前中のウェットでは少し苦労したが、午後の終盤には満足のいくいいセッティングが見つかったのでそんなに悪い状況じゃなかった」とカピロッシ。
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「午後の路面状況は100%完璧とは言えなかったが、それでもスリックタイヤを1時間通して試す事ができたし、多くの調整をバイクに施す事もできた」

「コースに出る度に小さな進歩が毎回得られている。ただ、順位は悪くないにしても、上位のライダーから大きくタイムは引き離されているので、ここで100%の走りが引き出せるようにまだ頑張り続ける必要がある」

「今回はスズキにとって特別なレースだし、自分にとっても3連覇を達成した大好きなサーキットだが、4連覇の達成はかなり難しいかもしれない。でも、無理とは言い切れないよね?」

■バーミューレン「セッティングに正しい方向性が得られていない」
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「午前のウェットではリアのグリップが得られずにすごく苦労した。午後のセッション開始までにスタッフが改善に向けて必死にバイクの調整を行ってくれたが、午後に路面が乾いてスリックタイヤを装着してもウェットの時と同様の問題がバイクに発生してしまった。実際のところ、セッティングに正しい方向性が得られていない状況だと思う」とバーミューレン。

「ただ、いくつかアイデアはあるし、今日は重要なデータも収集できたので、2日目以降はもっと調子が上がる筈。明日は順位を飛躍的に挽回できるように攻め込んでいきたい」

■秋吉選手「転倒と不安定な路面コンディションが作業に悪影響」
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「今日はバイクにいくつか問題を抱えていた。おまけに転んでしまったせいもあり、バセッティングを正しい方向に持って行く事ができていない」と秋吉選手。

「思い通りにグリップ性能を引き出すことがあまりできていない。エンジン・ブレーキとエンジン・マッピングの調整をこれから大きく修正し、不安定さを解消していく必要はあるが、明日にはクルーが問題を解決してくれる事は間違いないので、これから大きな進歩が得られる筈!」


■2名揃ってトップ10入りを果たしたアリーチェ・チーム

ドゥカティー・ライダー4名がトップ10入りを果たした日本GP初日、この中でデスモセディチに乗るアリーチェ・チームのシルバン・ギントーリは総合6番手タイムの1分48秒794、チームメイトのトニ・エリアスは9番手タイムの1分48秒974を記録しており、2名は揃って2日目以降のセッションに向けても高い自信を示している。

■ギントーリ「最近のいい成績が来期のシートにつながる事を願う」
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「今日はウェットでもドライでも十分に戦えるいい走りができた。今週末残りの2日間に向けても自信が持てる状態」とギントーリ

「自分がライディング・スタイルを調整しなければならない第3区間を除けば、このサーキットではすごく速く走れている。間違いなく自分たちのバイクはここでいい戦いができると思う」

「過去の何レースかを通して自分の成績はかなり上がっているので、これが来期もいいバイクでレースができる結果につながる事を期待している」

■エリアス「完全ドライならもっと速く走れそう」
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「今日はウェットでの自分の走りが大きく進歩したので満足。自分にとってそれはかなり重要な事だった」とエリアス

「路面が乾いてからはいくつか問題を抱えてしまい、まだ改善の余地は大きく残る状況だが、順位的には悪くないし、上位のライダーからそれほど大きく離されてはいない。明日の天気は良さそうだし、良好なドライだったらさらにタイムは改善できると思う」


■ホンダLCR、右手首に軽度の骨折が判明しているド・プニエ
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ミサノでの転倒時に痛めた右手首の再検査をCTスキャンで受け、レントゲンでは検出できない程度の小さなひびが骨に入っている事が判明したホンダLCRのランディ・ド・プニエは、この日は痛み止めを打って走行し、午前はベースセッティングの調整、午後にはミシュランのリアタイヤのテストを実施する中、初日のフリー・プラクティス総合10番手タイムとなる1分49秒149を記録している。

■ド・プニエ「痛み止めを打ったら大丈夫だった」

「今日はドライのセッションが1回しかなかったから、誰にとっても難しい1日だったのは明白。午後に入ってもまだ路面にはいくつか湿った部分が残っていたので、アスファルトの感触をしっかり得られるようになるまでには少し時間がかかった」

「最終的にいいベースセッティングは見つかったが、もう少しシャシーとエンジン・マッピングの調整を明日も行う必要がある。ただ、午後のセッション後半に2回のロングランを行った時のリアタイヤの調子はとても良かった」

「明日の予選に向けては自信が持てる。手首の調子は100%とは言えないが、いずれにしても今日は自分の体調の限界域をしっかり把握できたし、痛み止めを使用してからは思い通りに走れるようにもなった」


■新型サスペンションの調整に苦しんだサンカルロ・ホンダ・グレッシーニ勢
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日本でのホーム・グランプリを迎えた中野真矢選手と、チームメイトのアレックス・デアンジェリスのサンカルロ・ホンダ・グレッシーニ所属の2名は、この日は日本GPに向けてショーワが持ち込んだ新型フロントフォークなどのサスペンションを試したが、不安定な路面条件の影響から終日そのセッティングに苦しみ、午前のウェットでは6番手タイムを記録したもののドライ路面となった午後にはチャタリングに見舞われた中野選手が初日の総合11番手となる1分49秒190、デ・アンジェリスは最後尾から1つ手前の総合18番手タイムとなる1分50秒158を記録して、日本GP初日2回のセッションを終えている。

■午後はチャタリングに見舞われた中野選手「明日は自信がある」
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「今日のフリー・プラクティスは午前がウェットで午後がドライという変なコンディションだったが、ウェットでのバイクの感触は良く、ドライでも走行ペースをすぐにつかむ事ができた」と中野選手。

「レースに向けて何種類かのタイヤを試した。天気予報によれば日曜日はドライになりそう。午後のセッションを通してセッティングの調整を行ってから感触はさらに上がったので、バイクには自信が持てる」

「順位的には今日の結果はあまり良くないが、明日は自信がある」

■デ・アンジェリス「セッティングを元に戻すかこれから検討」
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「今日はショーワが今回のもてぎに向けて用意した新しいサスペンションをテストしたが、気象条件の影響から正しく作業を進める事が難しく、かなり状況は厳しかった」とデ・アンジェリス。

「午後にはいくつかセッティング上の問題が発生している。このサーキットはブレーキング・エリアが多いが、走る度に走行条件が変わる不安定なコンディションだったので、それを攻略して速く走れるようにするための正しいセッティングの方向性が見つかっていない」

「これから技術者たちと一緒に今日のデータを確認して、明日も同じ方向性で作業を進めるべきか、マシンを元の状態に戻すべきかを検討するつもり。新しいパーツの開発作業に集中する時は常に忍耐が必要」


■カワサキが木曜日に持ち込んだ改良型エンジンに好感触を示すホプキンス
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前日の木曜日にファクトリーが持ち込んだ改良型エンジンをこの日に初めて試したカワサキのジョン・ホプキンスは、シャシーのセッティング調整とブリヂストンのレースタイヤ選択を午後に行う中で出力特性がよりスムーズになったという新しいエンジンに好感触を示し、初日の総合12番手タイムとなる1分49秒197を記録している。

また、ホプキンスのチームメイトのアンソニー・ウエストは、午前のウェットではタイムシート上の8番手につけていたが、ドライとなった午後にはグリップ不足とコーナリング時の安定性に問題を抱え、最終的には午後の自己ベストである1分50秒131が初日の総合17番手となった。

■ホプキンス「初日の状況は悪くないので明日の予選では上位を狙う」
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「午前のウェットではあまり進めるべき作業がなかった。特に今週末の残りはドライになるとの予報だったので、午前中はウェット用セッティングの調整作業をするに留めている」とホプキンス。

「午後の路面はまだ若干湿った部分はあったが、最初からスリックタイヤを装着して走り、レースに向けて持ち込んだ全てのタイヤの評価を行った。また、今回から提供された改良型エンジンも同時に使用している。以前のエンジンと大きな違いはないが、すでに少し特性がスムーズになった気がしている」

「いくつかのヘアピンを曲がる時と、そこからの脱出加速がまだ思い通りにできていないので、今回は特にシャシーのセッティングに集中する必要があったが、多く走り込んだタイヤでセッションの終了直前に今日の自己ベストを記録する事ができたので、状況は明るいと思う」

「今晩はセッティングを何ヶ所か変更する予定だが、それほど今の順位はひどくないので、予選では好位置を狙う自信がある」

■ウエスト「進展はまだ何も得られていない」
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「午前中はウェットだったし、午後にも路面は完全には乾かなかったので、今日のこのサーキットの走行条件は理想的とは言い難かった」とウエスト。

「不安定な気象条件が作業を難しくした。これから大きく順位を挽回するためには、まだ多くの改善作業が必要な状態。コーナーへの進入に苦労している上に、コーナーからの脱出時にはリアのトラクション不足に悩んでいる」

「路面がすごく滑りやすく感じる。シャシーのセッティングを色々変更したが、ラップタイムを大きく改善できるような進歩はまだ何も得られていない。今晩はデータを分析しながら作業を進めるので、明日にはもっといい感触が得られる事を期待している」


■TECH3ヤマハ、タイヤの感触に憤慨するエドワーズ、もてぎを学習するトーズランド
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今シーズン序盤の好調さが中盤戦以降なかなか取り戻せないTECH3ヤマハの2名だが、マシンの仕上がりには満足しているもののリアタイヤの感触に憤慨するコーリン・エドワースが初日総合13番手となる1分49秒344、初のツインリンクもてぎでのコース学習を進める中で大きくマシンの感触を改善するサスペンション・セッティングを見つけたというジェームス・トーズランドが総合14番手となる1分49秒424を今回の日本GP初日に記録している。

■エドワーズ「頑張れば頑張るほど順位が落ちていく」
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「あんまりいい1日じゃなかったね。走り始めて最初のうちはタイムシート上のトップにつけていたし、しばらくは調子が良さそうに思えて感触も悪くなかったが、すぐに他のライダーたちが速くなってきてあっという間に順位が落ちてしまった」とエドワーズ。

「リアタイヤを数本試したが、特に何も目立った効果が得られなかったのが今回は問題。今の段階で一番いいと思えるリアを装着しても、他のライダーたちと戦えるレベルじゃない」

「今日のセッション終盤には6周回ほど予選モードで走り好タイムを狙ったが、どうしても49.3秒台の壁を越えられなかった。リアの接地感が全然得られていない。フロントタイヤは素晴らしいが、リアのスピンが激しすぎる。これでいったいどうやってリアのトラクションを得るの?って感じ」

「今日もセッティングはいくつか調整したが、バイクの感触は素晴らしい。これ以上良くしようとも思わないくらいにね」

「もっといいタイムを出そうと自分にプレッシャーをかけ続けたが、今日は頑張れば頑張るほど順位が落ちていったので、ちょっとフラストレーションがたまっている。これからチームスタッフとしっかり検討し、解決策を見つけていくつもり。ヤマハのためにどうしても日本でいい結果を残したいので、全く諦める気はない」

■トーズランド「サスペンションのセッティング変更に成功した予感」

写真「今朝は完全に失敗。正直に言えば、ここまでの何レースかを通してずっといくつかひどい失敗をしている。ミサノでの結果は良かったが、あれは全周回を通して安定したラップタイムを記録できたからに過ぎない。要するに、他のライダーが安定していない時には6位に浮上できるって事だね」とトーズランド。

「本当にフラストレーションのたまる状況だが、ただ、今回はいつもとは大きく異なるサスペンションのセッティングを試した結果、感触が突然良くなり驚いている。

「レース周回の半分近いの距離を走ってもバイクの感触が良く、今回の調整のおかげでブレーキング時の安定性とコーナー進入時のリアタイヤの接地感も増した。過去の数レースを通してずっとこの問題を解決できずにいたので、タイムシート上の順位を無視すればとてもいい結果だった」

「初めて走るサーキットでのドライの走行時間が今日は限られたが、自分はレイン・コンディションの中でコースレイアウトを学習する事はそれほど苦にならない。あまりスピードが出ないおかげで路面のでこぼこや走行ラインをしっかり学び取る事ができるからね」

「今日の作業の中で不足していたのはドライのセッティングを行う時間だけ。今シーズンは1年を通して雨に見舞われてきたので、ずっとその点に苦しんでいる」

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