|
|
第15戦、今年もタイトル決定が争われる日本GP |
|
|
|
|
2008年9月26日
2008年MotoGPシーズン第15戦目となる日本グランプリが、ついに栃木県茂木市のツインリンクもてぎサーキットにて、本日9月26日よりレースウイークの初日を迎える。
ここでは、前回のインディアナポリスGP以降の新着トピック、ならびにバレンティーノ・ロッシの2年ぶり6回目の最高峰クラス年間タイトルが確定する可能性が極めて高い今週末の日本GPの舞台となるツインリンクもてぎの特徴、昨年の日本GPにおけるMotoGPクラスのレース概況、および各ライダーの日本GPに向けてのコメントなどを紹介する。
■新着トピック、高橋選手のMotoGPクラス昇格が発表間近に
MotoGP公式によれば、現在250ccクラスで戦うJiRチームスコットの高橋裕紀選手が、来期からMotoGP最高峰800ccクラスにステップアップする事が、日本GPのレースウイーク期間中またはその直後に発表される可能性が高いようだ。
■JiRはホンダとのサテライト契約を失効、来年以降はチームスコット単独に
なお、高橋選手が4年前のグランプリ250cc初年度から所属し、MotoGPクラスを戦う元チームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾが125cc時代から所属するチーム・スコット(Team Scot)は、今年のドヴィツィオーゾのMotoGPクラス昇格に必要な参戦枠を単独チームとして獲得する事が当時困難だった事から、昨年までコニカミノルタ・ホンダ・チームとしてMotoGPクラスに参戦していたJiR(ジャパン・イタリア・レーシング)と今期は合流、JiRチームスコットという1つのチームとして2008年シーズンの活動を続けてきたが、チーム・スコットはJiRとの協力体制を来年は解消する事を今シーズン中盤には公式発表しており、逆にJiRは2009年に向けてのホンダとのサテライト契約を失効した事を本日9月26日に正式発表している。
■レプソル・ホンダ入りが噂されるドヴィツィオーゾにも何らかの動き?
この事からも、来期の高橋選手はJiRではなく、単独チームとしてのチーム・スコットから、実質的には現在ドヴィツィオーゾが所属する現場体制を引き継ぐ形でMotoGPクラスに参戦する事はほぼ間違いなさそうだ。またこの流れからも、来期のレプソル・ホンダ入りが噂されているドヴィツィオーゾに関する何らかの動きも、ホンダのホームである日本GP中に行われる可能性が高くなった。
■MotoGP日本グランプリ、レースウイーク中のスケジュール
本日9月26日から28日までの3日間の日程にて開催されるMotoGP日本グランプリのタイムテーブルは以下の通り。
●9/26(金)
09:00 125cc FP1
10:00 MotoGP FP1
11:15 250cc FP1
13:10 125cc QP1
13:55 MotoGP FP2
15:10 250cc QP1
●9/27(土)
09:00 125cc FP2
10:00 MotoGP FP3
11:15 250cc FP2
13:10 125cc QP2
13:55 MotoGP QP
15:10 250cc QP2
●9/28(日)
08:40 125cc WUP
09:10 250cc WUP
09:40 MotoGP WUP
11:00 125cc レース
12:15 250cc レース
14:00 MotoGP レース
■日本人ワイルドカードライダー
各カテゴリーに出場する日本人のワイルドカード・ライダーは以下の計11名。MotoGP最高峰クラスには、今年も全日本JSB1000クラスに出場しながらMotoGPスズキの開発ライダーを務める秋吉耕佑選手が、昨年に引き続きリズラ・スズキ・チームから3年連続の日本GP出場を果たす。
●MotoGPクラス
・秋吉耕佑 64 リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R
●250ccクラス
・高橋巧 65 バーニングブラッド・レーシング ホンダ
・富沢祥也 66 ProjectμFRS ホンダ
・渡辺一樹 67 RT森のくまさん佐藤塾 ヤマハ
・伊藤勇樹 68 DOG FIGHT RACING ヤマハ
・遠藤卓実 69 SEV.spruce/PRO-TEC ヤマハ
●125ccクラス
・岩田裕臣 50 DyDo MiU Racing ホンダ
・浪平伊織 57 Honda鈴鹿レーシング ホンダ
・柳沢祐一 58 18 GARAGE RACING ホンダ
・尾野弘樹 59 BATTLE FACTORY ホンダ
・渡辺一馬 62 TEAM PLUS ONE ホンダ
■今年も本気の秋吉選手「去年の転倒前の順位より上を狙う」
昨年のワイルドカード参戦ではフリー・プラクティスの総合9位、予選では13番グリッドを獲得、決勝レースでは7位を走行中だった残り2ラップのところで無念のリタイアを喫した秋吉選手は、連続3年目となる今年の日本GP出場に向けて「もてぎでまたレースに出場できて本当に嬉しい。去年にリタイアした時のポジションよりも上の結果を狙っていきたい。ここでは2008年型GSV-Rをテストしながら大変な距離を走り込んできたので、今からレースが待ちきれない気分!」と、今年も並み居る強豪MotoGPレギュラーを相手に真剣に上位を狙ってくる構えだ。
■ツインリンクもてぎのコースレコードなど
●MotoGPクラス
サーキットレコード(レース中)は2006年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分47秒288、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2006年にロリス・カピロッシが記録した1分45秒724。
●250ccクラス
サーキットレコード(レース中)は2000年に中野真矢選手が記録した1分52秒253、ベストラップレコードは2007年に青山周平選手が記録した1分51秒327。
●125ccクラス
サーキットレコード(レース中)は2006年にミカ・カリオが記録した1分57秒666、ベストラップレコードは2007年にマティア・パッシーニが記録した1分56秒954
■ツインリンクもてぎの特徴、インディアナポリスとは異なりオーバルは立体交差
本日から日本GPの舞台となるツインリンクもてぎは、1997年に栃木県茂木市に開設されたホンダが所有する国際サーキットだ。もてぎはそのツインリンクの名称の通り、2週間前にインディアナポリスGPが開催された米国のインディアナポリス・モーター・スピードウェイと同様に、インディー・カー・レースなどの開催を目的とした外周のオーバル・コースと、MotoGPなどが開催される内側のロードレースコースという2種類の異なる国際コースを有する。
なお、オーバルコースと内側のロードレースコースがメインストレートおよび第1区間の一部を共有するインディアナポリスとは異なり、もてぎはMotoGPが使用するコースと外周のオーバルコースは立体交差の形が取られ、完全に分離している。その立体交差部分であるファースト・アンダー・ブリッヂとセカンド・アンダー・ブリッヂという2つのトンネルはツリンリンクもてぎの大きな特徴の1つであり、テレビなどでレースを観戦する場合には、コースレイアウトに詳しくない方でもこの2つのトンネルを目印にすればライダーの走行位置を把握する事は容易だろう。
■高いグリップレベルを誇る日本のアスファルト
また路面の特性については、世界から見た日本のサーキットの特徴とも言えるが、もてぎのアスファルトはヨーロッパのサーキとは比較にならないほどに表面仕上げが良くなめらかであり、非常に高いグリップレベルを誇る。
■日本で年に2回のグランプリが開催されていた当時はパシフィックGPの舞台
初のMotoGP開催は鈴鹿の代わりにもてぎが舞台となった1999年の日本GPであり、その後の2000年から2003年の4年間は鈴鹿ともてぎの両方で毎年グランプリが開催されていた。すなわち、今年のスペインやイタリアおよび米国と同様に、この間は日本でも年に複数回のグランプリが開催されていた訳だが、当時は鈴鹿が日本GP、もてぎはパシフィックGPの名称で呼ばれていた。なお、鈴鹿が年間カレンダーから外れた翌年の2004年からはもてぎが再び日本GPの名称となり現在に至っている。
■コースレイアウトは典型的なストップ・アンド・ゴー
もてぎのコースの全長は4,801メートル。最長ストレートは762メートルと近代サーキットとして見ればそれほど長くはない。コースレイアウトは8つの右コーナーと6つの左コーナーから構成されており、2速または3速ギアを用いる中低速のコーナーが複数のロングストレートを結ぶという、典型的なストップ・アンド・ゴーの特徴を持つサーキットだ。
■もてぎで必要とされるセッティング
ルマンに代表される他のストップ・アンド・ゴーのサーキットと同様に、バイクのセッティングには激しいブレーキングと加速を実現する上で必要な優れた安定性の実現が要求され、フロントとリアのバランスとサスペンションセッティングが重要になる。
また、ロングストレートに向けてのコーナーからの強力な脱出加速が要求されるもてぎでは、990ccマシン時代よりも排気量が少なくなった現在の800ccマシンでは、エンジンの加速性能を最大限に得られるよう、完璧なエンジン制御システムのデータ調整が必要だ。
■タイヤの消耗が激しいもてぎで圧倒的強さを誇る4連覇のブリヂストン
急加速とハードブレーキングを繰り返すコースの特性上、もてぎはタイヤには厳しいサーキットだが、言うまでもなくもてぎは日本のタイヤメーカーであるブリヂストンのホームであり、日本GPでは特に圧倒的な強さを近年は誇っている。
ブリヂストンがMotoGPへの本格参戦を開始してから今年で7年目になるが、もてぎでは2004年から昨年の2007年までの4回連続して優勝を獲得しており、2004年はホンダのRC211Vにブリヂストンタイヤを装着した玉田誠選手が優勝、その翌年の2005年から2007年までの3年間はドゥカティー・デスモセディチにブリヂストンタイヤを装着したロリス・カピロッシが3連覇を達成している。
■昨年の日本GPレース概況、決勝レース当日のみの悪天候
ここで簡単に2007年シーズンのMotoGPクラスにおける日本GPの概況を少し振り返っておこう。昨年の日本GPは初日のフリー・プラクティスと2日目の予選は終日の晴天に恵まれたが、決勝当日となる最終日の午前はウォームアップ・セッション中の雨天に見舞われている。
■レースは大波乱のフラッグ・トゥ・フラッグに
続く午後、決勝レースの開始直前に雨はやんだものの、路面が湿っていた事からレースはウェット宣言の下でスタート。それに並行して各チームのスタッフが路面が乾いた場合に備えてピット前にドライ・セッティングを施した乗り換え用マシンを用意して待機するという、例外なく大波乱が発生しているフラッグ・トゥ・フラッグのルールがこの年の日本GPには適用された。
■ロッシの前でチェッカーを受ければ年間タイトルが決まるストーナー
シグナルが消えると同時にホールショットを奪ったのはポールポジションからスタートしたレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ。2番グリッドからスタートしたロッシは出遅れて8番手に後退、ペドロサの背後の2番手には5番グリッドからスタートしたグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアス、3番手には3番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、さらにその背後の4番手には明らかにジャンプスタート(フライング)をしたカワサキのアンソニー・ウエスト、5番手にはロッシの前でチェッカーを受ければ初の年間タイトルが決まるドゥカティーのケーシー・ストーナーが続いた。
ペナルティーを待つ身のウエストが3ラップ目にはトップに立ち、4ラップ目にはウエストの背後に2番手のストーナー、3番手にはグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリ、4番手にはカワサキのランディ・ド・プニエがつけてブリヂストン勢が上位を占める。
■序盤に出遅れたロッシは12ラップ目にストーナーの前に
ロッシが後方からの追い上げを開始する6ラップ目付近になると乾いた走行ラインが見え始め、序盤にポジションを落としたライダーが次々とピットに戻りマシンをドライ用に交換。ほぼドライになった路面でのウェットタイヤの不調に苦しむストーナーのインを12ラップ目にはロッシが奪う
■マシン交換のタイミングを逸した上位ライダー
13ラップ目にはトップに立ったメランドリ、2番手のロッシ、3番手のストーナー、4番手のペドロサ、5番手のエドワーズの5名を残し他の全員がマシンをドライ用に交換。15ラップ目にはランキング上位3名のストーナー、ロッシ、ペドロサのみがウェットタイヤで走行し、完全にこの3名はマシン交換のタイミングを逸した形となってしまった。
■ペドロサはマシン交換を目前に転倒しリタイア
15ラップ目の最後、マシンをウェット用に交換しようとピットレーン入り口を目指していたペドロサが最終コーナーで無念の転倒。左足の親指に大きなダメージを負った事からレースをそこでリタイアしている。
■突如猛烈なペースでトップに躍り出たカピロッシ、ロッシは2番手からコースイン
マシン交換を終えたロッシが2番手のポジション、同様にストーナーが6番手のポジションからコースに復帰した16ラップ目、ここで順位は完全に一変しており、はるか彼方の単独トップに立ったのはもてぎでの3連覇を狙うドゥカティーのロリス・カピロッシだった。その後はド・プニエが2位を単独走行、大きく離れた後方ではエリアスとダンロップTECH3ヤマハのシルバン・ギントーリが激しい3位争いを見せる。
■タイヤに違和感を感じたロッシがスローダウン、再びピットに戻り15番手に後退
ストーナーの1つ手前でチェッカーを受ければストーナーの年間タイトル成立を阻止できるロッシだったが、スリックタイヤの温まりが悪くコース復帰直後にスローダウンを開始、見る間に6番手のストーナーの手前の5番手にまでポジションを落とし、16ラップ目の最後には再びピットに戻ってしまう。ロッシが感じた違和感はタイヤの仕様上の問題であり、特に他の欠陥がマシンに一切見つからなかったためロッシは再びコースに復帰するが、ポジションは15番手に大きく後退した。
■秋吉選手が無念の転倒を喫する中、余裕の勝利は日本GP3連覇のカピロッシ
レース終了間際に7番手の好位置を走行していたリズラ・スズキのワイルドカード・ライダーである秋吉耕佑選手がメカニカル・トラブルにより悔しいリタイアを喫した後、トップでチェッカーを受けたのは、この年の不調により日本GP3連覇は絶望的と見られていたドゥカティーのロリス・カピロッシだった。カワサキのランディ・ド・プニエは自己最高位の2位を獲得。グレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスはギントーリとの激しい3位争いを制して表彰台を獲得した。
■ロッシよりも上位でチェッカーを受けたストーナーが年間チャンピオンに決定
6位を獲得したドゥカティーのケーシー・ストーナーは、フィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシが13位でチェッカーを受けた事から、シーズン3戦を残して2007年度年間チャンピオンの座にここで輝いている。
日本勢では、TECH3ヤマハの玉田誠選手が12位、アレックス・ホフマンの突然の解雇を受けてプラマック・ダンティーンから急遽出場した伊藤真一選手が15位、コニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手が16位、2002年のカワサキ・デビュー戦以来となるグランプリ出場をカワサキから再び果たした柳川明選手が17位で完走。先に記した通り日本勢の中でトップにつけていた秋吉選手は22ラップ目の残念なリタイアとなった。
■今週末の日本GPに向けての各ライダーのコメント
雨の影響から大波乱のレース展開となった昨年の日本GPだが、今週末のツインリンクもてぎも天候はやや不安定になる見込みだ。ここでは日本GPプレビューの最後として、本日から初日を迎える日本GPに向けての各ライダーのコメントを現在のランキング順に紹介する。なお、今週末に向けてのコメントを公式発表していないTECH3ヤマハの2名(ランキング7位のコーリン・エドワーズとランキング12位のジェームス・トーズランド)は除く。
■表彰台に乗れば2年ぶりのタイトル奪還が決まるロッシ「今回はもてぎで決めたい」
日曜日のレースにおいて表彰台を獲得すれば他のライダーの順位に関係なく2年ぶりの年間タイトルが確定、ケーシー・ストーナーが優勝しなければ4位でも同様の結果となるフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは「2005年も同じ状況だったが、その時には転んでしまい次のマレーシアGPまで年間タイトルが決まらなかった。それに去年はここでタイトルの可能性を失ったので、ヤマハにとって重要なもてぎで今年は勝ちたい。ただ、あまりチームとしてプレッシャーを感じないように、普段のレースと変わらない気持ちで挑むつもり」とコメント、日本GPでのタイトル確定に向けて意欲を示した。
■ランキング2位のストーナー「過去は振り返らず先を見るのみ」
2003年に左手首に受けた古傷がミサノ初日に悪化し、過去2戦は痛みとの戦いだったランキング2位につけるドゥカティーのケーシー・ストーナーは、昨年は念願だったMotoGP最高峰クラスのチャンピオンに輝いた日本GPを前に「もてぎにはいい思い出と悪い思い出の両方がある。一番最高だったのは去年に年間タイトルを決めた時だが、いつも通り自分は過去の事よりも常に前を見ていたい。ハードブレーキングと加速を繰り返すサーキットであり、流れの良い区間があまりないので、もてぎはバイクよりも自動車レースに向いているという印象が常に自分にはあるが、いずれにしても面白いコースだし、自分たちのバイクとタイヤとの相性はいいと思う。手首はここ数週間を通して回復してきた感じなので、早くバイクに乗って最近のレースよりも上の結果が狙いたい」とコメント。ちなみにロッシとの87ポイント差については、インディアナポリスGPの終了直後に「今はもう来シーズンが楽しみ」と述べており、すでに気持ちは来シーズンにある事を明かしている。
■ランキング3位のペドロサ「日本のファンはサインをもらった時の喜び方がすごい」
ミサノでのレース終了後に突然ミシュランからブリヂストンにタイヤをスイッチし、前回のインディアナポリスGPではそのデビュー戦とニューマチック・バルブ・エンジンでの初レースを経験、現在はロッシとストーナーに次ぐ年間ランキング3位につけるレプソル・ホンダのダニ・ペドロサは、大好きという発言が毎年目立つお気に入りのツインリンクもてぎでの戦いに向けて「インディアナポリスは色々な気象条件に見舞われながら多くの種類の作業を行ったので自分たちにとって重要だった。前回集めたデータをホンダのホームでいい結果に結びつけたい。日本GPにはかなりの自信を感じている。もてぎは路面が良くグリップレベルが高いし、路面にがたつきも少ないのでとても好きなサーキット。コース中間にある丘の一番高いところまで続く上り坂の区間が特に気に入っている。パドックの雰囲気も普段とはすごく違う。日本人はサインをもらった時の喜び方がものすごいね!」とコメント。
■ランキング4位のロレンソ「ヤマハの工場見学が楽しみ!」
ミサノと前回のインディアナポリスにおいて連続表彰台を獲得し、怪我に泣いた中国GP以降の不振を完全に振り払った様子の現在ランキング4位につけるフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソは「日本は素晴らしい国だし、習慣がヨーロッパとは色々異なるので、いつもあそこに戻るのは楽しみ。また今回はレースの前にヤマハが磐田の工場に連れていってくれるので、それも本当に楽しみにしている。ヤマハに所属してほぼ1年になるけど、工場を訪れた事はまだ一度もないからね」と述べており、ファクトリー・チームの本拠地訪問を楽しみにしている様子だ。
■ランキング5位のドヴィツィオーゾ「初めて走った時からもてぎは好感触」
ドゥカティーに移籍するニッキー・ヘイデンと入れ替わる形で、2009年のレプソル・ホンダ入りがシーズン序盤から噂されているものの、来期に関する明確な情報は現時点において浮上していない現在ランキング5位につけるJiRチームスコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、MotoGPクラスにステップアップしてから初めて迎える今回の日本GPに向けて「もてぎは初めて走った時から好感触が得られているし、ここでは常にいい走りをしてきた。ここまでの数レースはいい結果を残しているので、今回も同様の結果が狙える筈。それにもてぎはホンダのホームなので高い結果を残す事が重要」と述べ、得意とするもてぎでの戦いに自信を示している。
■ランキング6位のバーミューレン「ランキング5位以上を狙い真剣に戦う」
昨年の年間ランキングと同じ6位に現在つけているリズラ・スズキのクリス・バーミューレンは「去年のもてぎではスタート時にエンジンストールしてしまったが、いいレースができた。今年は気分も乗っているし、高い結果を狙う自信がある。ランキングではトップ5から離されてしまっているが、もっと順位を上げられるよう今シーズン残りのレースを真剣に戦っていきたい」と、アンドレア・ドヴィツィオーゾとの12ポイントの差を日本GPを含む残りの4戦で削り取る構えを示した。
■ランキング8位のヘイデン「長年世話になったホンダにいい結果を」
夏休み中に負った怪我からの事実上の復帰戦となった前回の地元インディアナポリスでは今期の不調を払拭する2位表彰台を獲得、現在はランキング8位につけるニッキー・ヘイデンは、ホンダのライダーとして迎える最後の日本GPに向けて「インディの時の勢いをもてぎでも維持できるかどうか楽しみ。ホンダには長年お世話になったので、彼らにもっと表彰台をプレゼントできれば最高だね。初めてもてぎに来た2003年はセテ、バレンティーノ、それと誠(玉田選手)と争って3位表彰台を獲得したので、すごく自分とは相性のいいサーキットだと思った。その翌年以降はあまりいい走りができていないんだけどね」とコメントしている。
■ランキング9位の中野選手「表彰台が目標、間違いなく調子は取り戻す」
今年はワークスバイクを獲得した夏休み明けのブルノ戦でホンダでの自己最高位となる4位を獲得、2008年シーズンにおける日本人唯一のMotoGP最高峰クラスライダーとしてもてぎでのホームグランプリを迎える現在ランキング9位につけるサンカルロ・ホンダ・グレッシーニ・チームの中野真矢選手は「友人や家族の前でレースをできるのが今から楽しみで仕方がないし、いい走りをしたいという気持ちがすごく高まっている。もてぎは熟知しているので表彰台を狙っていくし、この目標を隠したいとは思わない。今期の最高位はブルノの4位だが、日本GPはさらに上の結果を残す絶好のチャンス。新しいバイクをここまでの3レースで使用したが、バランスがとてもいいのでもてぎの特性には必ず合う筈。ミサノとインディアナポリスはあまりうまくいかなかったが、もてぎで調子を取り戻せるのは間違いないと思う!」とコメント、最高峰クラスにおける4度目の表彰台獲得に向けて意欲と自信を示した。
■ランキング10位のエリアス「全てが順調。あとは晴天を期待するのみ」
今シーズン序盤はドゥカティーのマシンへのスイッチに苦しんだものの、夏休み明けのブルノとミサノでは2戦連続して表彰台を獲得、現在の年間ランキングの10位につけ、来期はグレッシーニ・ホンダへの復帰が噂されるアリーチェ・チームのトニ・エリアスは、3位表彰台を獲得した昨年の日本GPを振り返り「去年は面白くて楽しいレースだったので、今年も引き続き表彰台を獲得できれば最高だと思う。最近はドゥカティーのマシンはどんなサーキットでも調子がいいし、自分のコンディションも申し分ないので、今は日本でのレースウイークを通して太陽に恵まれる事を祈るのみ」とコメントしている。
■ランキング11位のカピロッシ「今年は日本のファクトリーだからさらに頑張る」
昨年はドゥカティーのライダーとしてもてぎ3連覇を達成し、今年はリズラ・スズキに移籍して初の日本GPを迎える事になった現在ランキング11位につけるロリス・カピロッシは「もてぎでは過去3年間勝利しているのでまた戻って来られて嬉しい。今年は日本のファクトリー・チームで走るのでさらに頑張ってベストを尽くしたいと思う。前回のインディアナポリスは散々だったがもう忘れた。シーズン残りを全ていい結果で終える上で、もてぎはその最初のレースとして最適」とコメント。
■ランキング13位のギントーリ「去年はエリアスに負けたが今年は2名で表彰台を」
昨年の日本GPでは現在のチームメイトであるトニ・エリアスとの表彰台争いをダンロップタイヤで演じるという活躍を見せ、現在はランキングの13位につけるアリーチェ・チームのシルバン・ギントーリは「去年はフィニッシュ・ラインで敗れてしまった。逆に今年はフィニッシュ・ラインで彼を打ち負かせるよう願っているが、シーズン終盤戦の中で一緒に表彰台に乗れたらさらに嬉しいと思う。今年のここまでの結果を見る限り不可能ではない筈だし、なんとか実現したい」と述べ、今年はアリーチェ・チームの2名が揃って表彰台圏内に入っての戦いができる事を願った。
■ランキング14位のデ・アンジェリス「もてぎは得意、特にトンネルの後が好き」
MotoGPクラスでのルーキーイヤーとなる今年のランキングは現在14位、グレッシーニ・チームとの来期契約を既に済ませているサンカルロ・ホンダ・グレッシーニ・チームのアレックス・デ・アンジェリスは「もてぎはテクニカル・サーキットだし自分の好み。トンネルを越えた後の高速複合コーナーが得意なので、250cc時代はあそこで何回も追い抜きに成功している」と、ツインリンクもてぎへの好感触を語っているが、「ただ、低速コーナーからの脱出には激しい加速が必要なので、自分が楽に戦えないのは明らか」と、マシン性能の観点からかレースは楽ではないとの見解を追加している。
■ランキング15位のメランドリ「シーズンをいい形で締めくくれるよう頑張りたい」
今年は初めて乗ったデスモセディチGP8との相性に苦しみ、来期のカワサキへの移籍を発表した後の現在はランキングの15位につけるドゥカティーのマルコ・メランドリは、「もてぎは悪いサーキットじゃないし、自分にとってはとても好きな場所。コースレイアウトはあまり一般的とは言えず、流れが悪く典型的なストップ・アンド・ゴーだが、路面がものすごくいいので走っていて楽しい。残りの4レースも簡単にはいかないと思うが、なんとかいい走りを見せてから今シーズンを終えたいと思っている。もてぎはドゥカティーが去年に3連覇を達成しているので、自分の状況が好転する事にも期待したい」とコメント。
■ランキング16位のド・プニエ「やっぱり骨が折れてた」
2戦前のミサノでのオープニングラップ中の転倒時に右手首を痛め、その翌日の合同テストには痛みをこらえて参加、前回のインディアナポリスGPにも出場していた現在ランキング16位につけるホンダLCRのランディ・ドプニエは、その後に受けた再検査では、やはり本人が当初に思っていた通り骨折していた事が判明している。「ミサノで転倒した時に痛めた右手首のレントゲン検査を改めて受けたが、痛みはひどいものの大きな問題は見つからなかった。インディアナポリスの時には薬で痛みを抑えていたが、その時からもう一度再検査を受けようと思っていた。少しだけ骨にひびは入っているが、クリニカ・モバイルのおかげでシーズンの残りは大丈夫そう。去年はここで2位を獲得しているし、大好きなサーキットなので、今週はマシンをレースに向けてしっかり仕上げていきたい」とド・プニエ。
■ランキング17位のホプキンス「もてぎは不運の流れを断ち切るチャンス」
カワサキでの初年度となる今期は、シーズン序盤のマシントラブルならびに左ひざの骨折など重度の怪我に苦しみ、現在のランキング17位につけるカワサキのジョン・ホプキンスは、昨年は10位だった日本GPのレースを振り返り「もてぎは自分にとってあまり運の良いサーキットとは言えない。自分のベスト・シーズンだった去年でさえ最悪の内容だった。ただ、今年は怪我に苦しんだ不運の流れをここで変えるチャンスかもしれない。実際ここではいつも楽しいし、ファンの人たちや雰囲気などの全てがとてもいい。コースレイアウトも気に入っている。それにここはカワサキにとって第2のホームだから(チームの本部はオランダ)ここで順調に過ごす事ができれば嬉しい。今は主に来期のマシン開発に集中しているから、今シーズン残りのうちにいい結果が出せたら最高だね」とコメントしている。
■ランキング18位のウエスト「アメリカでしっかりトレーニングしてきた」
華々しいMotoGPクラスでのデビューイヤーとなった昨年とは一変し、今期はプレシーズン中に陥った不調から脱出できず、そのまま常にタイムシート上の最後尾付近で1年を過ごす事になった現在のランキング18位につけるカワサキのアンソニー・ウエストは、「今週末も楽に過ごせるとは思っていないが、ここはカワサキの第2のホームでもあるので、いい結果が残せるよう願っている。インディアナポリスGPが終わってからアメリカでしばらく過ごし日本に来るまでに多くのトレーニングをこなしてきたので、あとは作業を開始してから様子を見るのみ」と述べた。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|