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第11戦アメリカGP、ヘイデンが解説するラグナ・セカ
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インテリマーク編集部
  2008年7月19日

アメリカのカリフォルニア州における現地時間の7月18日(金)午前10時、日本時間の7月19日(土)午前2時より、夏休み前の最後のMotoGPラウンドとなる第11戦アメリカGPが、カリフォルニア州のモンテレーにあるラグナ・セカ・サーキットにてスタートしている。
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今週末のアメリカGPを終えると同時に、MotoGPシーズンは8月17日にブルノ・サーキットで初日を迎えるチェコGPまで4週間の夏季休暇に突入し、その期間中にMotoGPのレース・イベントは一切行われない。

なお、125ccクラスと250ccクラスの小排気量カテゴリーは先週のドイツGPを終えたところで一足早く夏休みに入っており、例年通りラグナ・セカで行われるアメリカGPは最高峰クラスのみでの争いとなる。ちなみにラグナ・セカに続き今年から新たにMotoGPカレンダーに加わったアメリカのサーキット、シーズン後半の9月14日には約1世紀ぶりに2輪ロードレースが行われる事になるインディアナポリスでは、小排気量カテゴリーも通常のグランプリと同様に行われる。

ここでは、先週のドイツGP以降の新着トピックやアメリカGPの舞台となるラグナ・セカ・サーキットの特徴、ニッキー・ヘイデンによるコースレイアウト解説、ならびに昨年のレース内容などを振り返り紹介する。


■アメリカGPスケジュール

MotoGPクラスのみのグランプリとなる今週末のアメリカGPタイムテーブルは以下の通り。
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7/18(金) 時差:-16時間
  10:00 MotoGP FP1  日本時間:7/19(土)02:00
  13:55 MotoGP FP2  日本時間:7/19(土)05:55

7/19(土) 時差:-16時間
  10:00 MotoGP FP3  日本時間:7/20(日)02:00
  13:55 MotoGP QP   日本時間:7/20(日)05:55

7/20(日) 時差:-16時間
  09:40 MotoGP WUP  日本時間:7/21(月)01:40
  14:00 MotoGP レース 日本時間:7/21(月)06:00

■コースレコードなど
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ラグナセカのサーキットレコード(レース中)は2007年にケーシー・ストーナーが記録した1分22秒542、ベストラップレコードは2007年にケーシー・ストーナーが決勝当日午前のウォームアップ中に記録した1分21秒975。2007年のポールポジションレコード(予選タイヤ)はケーシー・ストーナーが記録した1分22秒292。


■ホームGPを迎える米国人レギュラー3名のうちホプキンスは母国GPを欠場

今回のアメリカGPがホームGPとなるMotoGPレギュラーライダーは、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、TECH3ヤマハのコーリン・エドワーズ、カワサキのジョン・ホプキンスの3名だが、ホプキンスはオランダGPの予選中に負った左ひざと足首の骨折を現在も治療中のため、アメリカでの母国グランプリは第14戦インディアナポリスGPまでおあずけとなった。ホプキンスのレース復帰は夏休み明けとなる8月17日のチェコGPからになる予定だ。
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■カワサキはホプキンスの代役としてAMAランキング4位のハッキングを起用

なお、カワサキは今回のアメリカGPにおけるホプキンスの代役として、AMAチャンピオンを3回経験(2003年と2006年のAMA Supersportチャンピオン、2006年のAMA Superstockチャンピオン)し、昨年はAMA Superbikeの年間ランキング6位、今年もAMA Superbikeに参戦し現時点のランキング4位につけるAMAカワサキのジェイミー・ハッキングを起用する(写真下:中央はスズキのペン・スピーズ、左側はカワサキのジェイミー・ハッキング)。
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■スズキはイギリス戦に続きAMAスーパーバイクのポイントリーダーを投入

またリズラ・スズキは、AMAスーパーバイク選手権の2006年度と2007年度のチャンピオンでり、今年の第14戦インディアナポリス GPへの出場も決定している現役米国人AMAライダーであるベン・スピーズを今回のラグナ・セカにおいてワイルドカード起用する。
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現時点のAMA2008年シーズンにおいてもヨシムラ・スズキのライダーとしてAMA Superbikeカテゴリのランキングのトップにつけるスピーズは、今年のイギリスGPにおいて怪我により欠場したカピロッシの代役ライダーを務めており、今回のラグナ・セカは2度目のグランプリ出場となる。


■ペドロサは骨折から僅か4日後のアメリカGPに出場
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一週間前のドイツGP決勝レース中に左手の人さし指と左手首を骨折、左手の中指中心に数本の腱にダメージを負ったレプソル・ホンダのダニ・ペドロサは、レース翌日の内視鏡手術後2日間の経過観察の結果、欠場が濃厚と見られた今回のアメリカGPに参加する判断を主治医のハビエル・ミール医師と共に下している。

しかしながら、事故からは4日間、手術からは僅か3日間しか経過していないため、ペドロサが本人の希望通りに予選とレースに出場できるかどうかについてはまだ不明だ。レプソル・ホンダの発表によれば、初日午前の走行後のペドロサの具合を見た上で、初日午後や翌日2日目以降のセッションに参加是非を決めるという。


■TECH3がエドワーズとの契約を1年延長
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他の新着トピックとしては、母国GPを目前にコーリン・エドワーズには嬉しい出来事があったようだ。TECH3ヤマハチームは7月17日にエドワーズとの1年契約延長を公式発表している。

シーズン序盤には来期のシートが危ぶまれているとの情報が多く報じられたエドワーズだが、今期のエドワーズは予選ではここまでの全10戦中一度も2列目以内のグリッドを逃しておらず、そのうち1列目の獲得回数は中国GPでのポールポジションを含む5回、レースでは2回のリタイアを除けば3位表彰台を2回、4位と5位と7位をそれぞれ2回ずつ獲得しており、現時点の年間ランキングは5位という安定した好調ぶりだ。

■リン・ジャービス「コーリンは2008年型バイクの開発に重要な役割を果たした」
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今回の契約延長の発表にあたり、ヤマハ・モーター・レーシングの総合責任者を務めるリン・ジャービスは「コーリンのTECH3ヤマハ内での貢献は、チームにとってはもちろんの事、ヤマハファクトリー全体にとって非常に重要なものだった。またコーリンは冬季シーズン中にも2008年型バイクの開発において重要な役割を果たしており、わたしたちと共に活動しながら、2009年にもその彼の能力を発揮してもらえる事を大変に嬉しく思う」と、今期好調のヤマハの2008年型マシン開発にエドワーズが大きく貢献してきた事を改めてアピールした。

チームメイトのジェームス・トーズランドはすでにTECH3ヤマハを今期を含む2年契約を済ませている事から、来期のTECH3のライダーラインナップは今年と同じくエドワーズとトーズランドの2名体制だ。


■ラグナ・セカ・サーキットについて
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ここでは、今週末にアメリカGPが開催されるカリフォルニアのラグナ・セカ・サーキットについて紹介する。マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ・サーキットが建設されたのは1957年の事であり、今年にインディアナポリスがMotoGPカレンダーに加わるまでは、FIMとFIA(グレード2)から認定を受けるアメリカ国内では唯一のサーキットだった。

サーキットを運営しているのは開設当初からモンテレー半島スポーツ・カー・レーシング協会だ。モンテレー半島スポーツ・カー・レーシング協会は非営利団体であり、ラグナ・セカへのイベント誘致を支援しているボランティア組織に対して、各レース・シーズン中の利益を寄付している。


■MotoGPカレンダーへの復帰はヘイデンが優勝した2005年から
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かつてラグナ・セカにおけるアメリカGPは1988年から1994年の間に6回行われ、その後の11年間はGPカレンダーから外されていたが、大改修が行われた2005年以降は再びGPカレンダーに復帰し、今年はそれから連続4年目のGP開催となる。

■3年間続いた大規模な改修工事

ラグナ・セカは2年前の2005年に200万ドル(約2億4千万円)の費用を投じて改修され、MotoGPカレンダーへの復帰を果たしたが、 MotoGPクラスの安全面を考慮して翌年の2006年にはさらに500万ドル(約6億円)の大規模な追加改修が行われている。
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この2006年の最も大きな改修となったのが1コーナー周辺であり、ライダー安全委員会がGP復帰初年度の経験から最も不安を抱いたという1コーナーのランオフエリアは丘の側面が削り取られて以前よりも拡張され、かつてその位置に存在したメディア・センターは撤去、代わりに最新のホスピタリティー施設がそこに用意された。

■全ライダーから一斉に苦言を呈された2年目の舗装工事

また1コーナーのみではなく、この時にランオフエリアの拡張は3コーナー、4コーナー、6コーナー、それと7コーナーにも施されており、6コーナーには両サイドにランオフエリアが加えられ、7コーナーからコークスクリューにかけての丘の高さも若干削られている。アスファルトも全面的に再舗装がなされた。
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■アスファルトは2007年に再び新品に

さらにその翌年となる昨年の2007年には、前年に不評だったアスファルトを改めて舗装し直すなどの工事に100万ドルが投資されており、昨年までの3年間で合計800万ドル(9億7千万円)が費やされている。なお、これらの費用のほとんどはヤマハが出資しているという。


■灼熱地獄と化す真夏のラグナ・セカ
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カリフォルニアの砂漠地帯にあるラグナ・セカは、この時期には気温が40度近くまで上昇する事は珍しくなく、日程が昨年と全く変わらない今年も晴天に恵まれた場合には耐久レースさながらの灼熱地獄のレースとなる可能性がある。

■路面温度が高すぎて予選タイヤが機能しなかった2006年

熱で路面が柔らかくなるなど、アスファルトが劣悪だった2006年の予選は気温が38度、路面温度は65度近くまで上昇した事から予選タイヤが正常に機能しないという事態に各チームが追い込まれており、2005年のポールタイムを上回るライダーは一人も現れなかった。ちなみにその悪条件の中でポールポジションを獲得したのは、SBK時代にラグナ・セカではダブル・ウインを達成した悪条件の帝王、リズラ・スズキのクリス・バーミューレンだった。
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ちなみにクリス・バーミューレンは昨年の予選では3位、レースでは2位表彰台を獲得しており、2007年はオープニングラップ中のアクシデントによりリタイアする事になったが2005年と2006年にアメリカGP2連覇を達成している地元ニッキー・ヘイデンと同様に、ラグナ・セカを非常に得意とするライダーの1人だ。


■コースレイアウトの特徴

11のコーナーを持つ全長3,602メートルの小さなコースは、広々とした地形の上に構築されており、観客がレースを見るのには理想的な地形のサーキットとされているが、マシンを調整するメカニックにとってはまったくセッティングによるごまかしが効かないシビアなサーキットだと言う。
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ラグナ・セカは迫力ある流れの良いコーナーの数々を短いストレートで接続したレイアウトのサーキットであり、ニッキー・ヘイデンが得意とする上り勾配の加速エリアなどでは走行中に前輪が浮いてしまうため、効率的にマシンをスピードに乗せるためには慣れと、ある種のこつが必要とされる。

■あまり高速ではないがテクニカル
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あまり高速ではなく、ロングストレートが少ない事から、特性としては前回のドイツのザクセンリンクに近いサーキットとして分類されるラグナ・セカだが、タイヤへの負担は左ロングカーブばかりが連続するザクセンリンクほどではないようだ。

■有名なコークスクリュー「Turn8」

コースのどの部分でも激しいバトルが展開されるナグナ・セカのレイアウトの中でも、最も迫力があり有名なのが、アップヒルの高速ストレートの終端に突然現れる「コークスクリュー」と称される下り勾配の激しいクランクコーナー、2006年公開のMotoGPドキュメンタリー映画のタイトルにもなった「Turn8」、すなわち8コーナーだ。
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■アメリカ人トップライダーのみが知るシークレットライン

ラグナ・セカがMotoGPカレンダーに復帰してからの2年間、ニッキー・ヘイデンをはじめとするアメリカ勢は、ストレートからコークスクリューにかけてのライン取りのノウハウをあまり他のライダーに見せなかったと言われており、ラグナ・セカの走行経験が少ないライダーにとって、速度を落とさずに効率的なラインを取るのは非常に難しく、地元出身ライダーのみが知るシークレットラインが存在するという。


■ラグナ・セカを走る上で求められるセッティング
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ラグナ・セカで必要とされるセッティングは、連続コーナーに適応できるシャシーの安定したバランスと、縁石の少ないコーナーに自信を持って飛び込める不安感のないフロントの構築だ。また、マシンを傾けた状態で十分なトラクションが得られるようにする必要がある事から、ブレーキング時のサスペンションの安定性も不可欠となる。


■ニッキー・ヘイデンによるコース解説
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今回の母国アメリカGPに向けて、昨年と同様にニッキー・ヘイデンがラグナ・セカのコースレイアウトを解説しているのを今年もレプソルYPFが公開しているので、ここにその全文を紹介する。今年のヘイデンのコース説明は昨年以前よりも詳細だ。


写真■メインストレート

「ここは右曲がりのストレートと呼ばれています。厳密にはストレートじゃありませんからね。微妙にカーブがかかっているので、MotoGPのレースでは一番のファイティング・ゾーンと言えますし、すごく変わったストレートである事は確かでしょう・・・」

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写真■1コーナー

「下りのカーブになっていて、ギアは5速を使います。バイクはほとんど空中に飛びだそうとする感じになり、両方のタイヤが地面から浮いてしまうので、一度マシンの挙動が安定するまでしばらく待ち、それから再び加速体制に入る必要があります」

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写真■2コーナー

「ここではギアを2速に落としますが、パワーはできる限り温存します。ほとんどスロットルは開けすぎのような状態ですね。それからコントロールを失わないようにバイクを内側に寄せてから、パワーを最小限に落とします」


写真■3コーナー〜4コーナー

「この部分は注意が必要です。特にオープニング・ラップですが、路面がすごくフラットなコーナーなので、フロントタイヤが十分に温まっている事を確認しなければいけません。また、次のコーナーに備えてうまく通り抜けておく必要があるので、ここで大きくタイムをロスする事は許されません」
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写真■5コーナー

「見た目よりもすごく高速なコーナーです。次のストレートにうまく流れをつなげる上でも重要な場所です」



写真■6コーナー

「6コーナー直前のブレーキングエリアは追い抜きポイントです。上り坂につながるので速度を保ちながらうまくやる事が重要ですし、さらに見通しの全くきかないもう1つの坂も続くのでそれに備えておく必要もあります」


写真■7コーナー

「7コーナーでのブレーキング時にはバイクの荷重配分が全く変わってしまうので、少し不安定な状態になります。中央は小さな斜面になっているので、そこでバイクが落ち着くのを待ってから次の坂で再び加速しますが、この下り坂は世界で最もすごいコーナーにつながる重要な場所です」


写真■8コーナー(コークスクリュー)

「こんな場所は世界中のどこにも他にはありませんよ。ここから最後のコントロール・ラインまでは色んなものが目まぐるしく通り過ぎていきます」

「地面が目の前から突然消えますから、その時にはうまく着地する事と、目が素早い動きについていける事を願うしかありません。また、バイクが左側に傾こうとするのでここでは体力もいるんです。全ての筋力を使ってバイクを右側に戻さなければいけませんからね」
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写真■9コーナー(レイニーコーナー)

「コークスクリューに挑戦するのはすごく楽しいですよ。でも、このサーキットで一番自分が好きなのは多分このコーナーです。下り坂ですが少しだけよじれているので、マシンのパワーをその中の全てのカーブで最大限に活用できるようなライン取りを心がける必要があります」


写真■10コーナー

「最終コーナーにつながっているのでここも非常に重要です。追い抜きに最適な場所ですし、正しいラインで最終コーナーに進入できるよう、うまく通り抜ける必要がある部分です」



写真■11コーナー(最終コーナー)

「ここで必要なのはとにかくブレーキ、ブレーキ、そしてブレーキです。また同時に、リアタイヤがちゃんと地面に接地している事を確認しなければいけません。路面がでこぼこしている上に長い間ブレーキをかける必要があるので、恐らくこのサーキットの中では転倒者が一番多い部分でしょうね。多くのライダーがこのカーブの餌食になりますが、自分もここでは何度か転んだ経験があります」

「ここを通り抜けたら、後はバイクを直立に戻してフロントタイヤをしっかり地面に接地させながら加速します。坂を全て下ったら再び1コーナーです」
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■去年のレース概況
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最後に昨年のレース内容を振り返っておこう。予選以外ではミシュランに全くいい所がなく、ブリヂストン勢が圧勝したのが昨年2007年シーズンのアメリカGPだった。この頃から、結果的には昨年末に立ち消えとなったタイヤワンメイク化への動きや、今年からブリヂストンに履き替えたバレンティーノ・ロッシのミシュランに対する不信感ともとれる発言が目立つようになる。


■レースウイークを通してブリヂストンに歯が立たなかったミシュラン
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昨年のアメリカGPはレースウイークを通してブリヂストン勢のレースタイヤが好調であり、予選タイヤではレプソル・ホンダのダニ・ペドロサが2番グリッド、そのチームメイトのニッキー・ヘイデンが4番グリッドを獲得したものの、レースウイーク中の3回のフリー・プラクティスの総合タイムのトップはケーシー・ストーナー、2番手はリズラ・スズキのクリス・バーミューレン、3番手は同じくリズラ・スズキのジョン・ホプキンス、4番手はグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリであり、当時この4名は全てブリヂストンユーザーだった。
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残る予選結果としては、ポール・ポジションはドゥカティーのケーシー・ストーナー、3番グリッドはリズラ・スズキのクリス・バーミューレンが獲得している。


■レース開始直後にアメリカGP最大の波乱、優勝候補2名が脱落
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レース開始と同時にホールショットを奪ったのはペドロサ。その背後にはヘイデンとストーナーがつけたが、やや右に膨らんだヘイデンのラインにクロスする形でやや大回りに膨らみかけたホプキンスが接近、2コーナーに向けてマシンを倒し込んだヘイデンと斜め後方のホプキンスが接触した。

この事故によりヘイデンはブレーキ・ケーブルにダメージを受け後にリタイア、ホプキンスはピットインしてのマシン修理を余儀なくされるという、母国レースにおいて優勝を狙うアメリカ人2名が最後尾に後退する波乱のオープニング・ラップとなってしまう。

■グリップが得られずに後退を続けるペドロサ以下ミシュラン勢
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その後はストーナーがペドロサを交わしトップを独走。2番手のペドロサの背後には3番手のバーミューレン、4番手にはロッシが続いたが、グリップが得られないペドロサは4ラップ目にはバーミューレンにも交わされて3番手に、その背後ではロッシがグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリに交わされて5番手に後退。
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■ロッシ「これじゃまるで別カテゴリー」
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ペドロサはさらに後退を続けてメランドリにも交わされ、やはりグリップが全く得られないロッシとのポジション争いの末に5番手となった。ロッシはブリヂストン勢とのタイヤ性能差について「まるで別のカテゴリーと戦っているようだった」とレース後に述べている。


■優勝は10秒のリードを余裕で保ったストーナー、ブリヂストンが表彰台を独占
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結局レースはケーシー・ストーナーが10秒リードを保ち優勝。2位表彰台はクリス・バーミューレン、3位表彰台はマルコ・メランドリが獲得した。4位はバレンティーノ・ロッシ。5位はダニ・ペドロサ、6位は当時カワサキのランディ・ド・プニエ。7位は同じくカワサキのアンソニー・ウエスト。8位はダンロップタイヤを履くTECH3ヤマハの玉田誠選手だった。
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