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２００８年３月３０日
ここでは、3月29日に行われたMotoGP第２戦スペインGPの予選において、本日開催の決勝レースに向けて上位４列目までのグリッドを獲得したMotoGPクラス１２名のライダーの詳細コメントを紹介する（予選全体の流れについてはこちらの記事を参照）。
■１列目
●ポールポジション）ホルヘ・ロレンソ フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1
カタールでのポールポジションとレースでの２位は夢のような気分でしたから、ここでもまたポールポジションが取れるなんて本当に驚いています。それに今回は自分のホームですから、前回よりもさらに嬉しいですね。
一番最後のタイムアタックには本当に満足です。その前に記録していたタイムもすごく良かったけど完璧とは言えなかったので、あんなにすごいラップ周回が最後にできてものすごく興奮しました。
レースに向けての走行ペースも同様にいいし、バイクとミシュランタイヤの仕上がりにはとても自信を持っています。ライバルたちもすごく強いし自分を打ち負かそうと必死になってくる筈ですが、それでも表彰台を確実に狙っていきたいですね！
チームの素晴らしい仕事ぶりに感謝しています。明日がものすごく楽しみでね。天気が今日よりもさらに良くなって素晴らしいレースが見せられる事を祈っています。
●２番グリッド）ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ・チーム RC212V
予選タイヤ装着時の調子を大幅に改善する事ができたので今日の結果には満足です。２番グリッドのような高い位置につけられるとは今回考えていませんでしたが、ここは狭いコースで１列目からのスタートがものすごく重要になるので嬉しいです。
レースに向けてはもう少し改善が必要ですし、シャシーとタイヤのいいバランスを見つけるためにまだ作業が要ります。それとレースタイヤの最終決定をまだしていませんが、状況は明確に把握できているので、全ては順調にいくと思います。
明日のヘレスの雰囲気はすごい事になるでしょうね。恐らく１３万人越えのファンがレースを見に来ると思います。ここではどのライダーも速いのでレースは簡単ではないと思いますが、とにかくいいスタートを決めてレースを最大限に有利に運べるように頑張るだけですね。
●３番グリッド）コーリン・エドワーズ ヤマハTech3 YZR-M1
少なくとも言えるのは、今回は盛り沢山な内容だったという事ですね。途中で１度は１コーナーのグラベルに飛び込みましたが、なんとか転倒は免れ、最終的には１列目を確保する事ができました。何とか今日はチームのためにも１列目を確保しておきたかったんです。TECH3のスタッフとヤマハの頑張りようはすごかったですよ。大変な仕事ぶりでした。
 セッション序盤は、リアには数周走り込んだユーズドのタイヤを使いましたが、フロントには新品のタイヤを装着しました。ただ、数周回走ってもあまりいい感触にはならなかったので、ピットに戻って新しいリアタイヤに交換したら、そこからは夢中で走れるようになりました。
それで激しく攻め込む事ができるようになりましたが、１コーナーの進入時にはちょっと頑張りすぎましたね。一度制御を失い、すぐに元に戻ったと思ったらまた制御できなくなったので、もう転倒したかと思いましたよ。ひじを地面につけて頑張りましたが、それでもバランスが戻らないので、次に腕を持ち上げてハンドルバーを引っ張り続けました。
なんとか立て直す事はできましたが、いずれにしても観客は楽しんでくれたようですね。以前にも何度か同じような経験をしたことはありますが、テレビカメラに中継されたのはこれが初めてでした。
その前の最初のアクシデントの時にはちょっと焦りましたよ。攻め込んで走っていたらホルヘ・ロレンソが前方に見えた時でしたね。彼は新しいリアタイヤを装着したばかりで、自分は１５周回を走った後だったんですが、そのまま彼に引き離されずに走ろうとしたんです。そのままバックストレートの終端に入ってブレーキをかけた瞬間、コースアウトしました。あの時は「参ったな、１０メートルも深く攻め込み過ぎた」と心で思いながら、そのままグラベルに飛び込んでましたね。
カタールに続いて１列目をまた確保できましたから、明日のレースに向けての準備はもう万端ですよ。路面温度が少し低かった午前中のレースタイヤでの走行ペースはもう少し良かったんですが、今の調子も悪くないです。
■２列目
●４番グリッド）ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ・チーム RC212V
若干進歩はありましたが、午後はまわりの多くのライダーが速くなる中、自分は期待していた程のいいリズムがあまり得られなかったので、明日はちょっと荒っぽい走りが必要になりました。
午前のウォームアップを使ってもっと改善を進める事が絶対です。上位に抜け出すには、自分もバイクも、その他の全てにおいてもっと速さが必要ですからね。特に路面のがたつく所でのフロントの調子を上げたいです。タイヤの組み合わせについては今でもそれほど悪くはありませんが。
予選の時はあまり納得のいくラップ周回はできていませんが、バイク自体の性能はもう少し高く感じていました。フロントには以前に使っていたものとは違うタイヤを使用したんですが、あれが路面のコンディションに合っていなかったんでしょうね。
今日はミシュランの予選のリアタイヤはすごく良かったです。この結果で見るよりずっと性能は高かったので、ミシュランには本当に感謝しています。
明日のレースは楽しみですね。ヘレスはいつも信じられないような体験ができますし、明日も間違いなくそうなると思いますよ。コースに出て早くあの感覚を味わいたいですね。
●５番グリッド）バレンティーノ・ロッシ フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1
今回の目標は１列目でしたし、恐らく1分38秒台を出して２番グリッドの確保は可能だったと思いますが、残念ながら最後のタイムアタック中に電気系のトラブルが発生して中断せざるを得なくなりました。これは不運でしたね。
これは本当に残念な結果ですし、１列目を獲得できていた方が良かったに決まっていますが、いずれにしてもそんなに大きな差がある訳ではありません。２列目もそれほど悪い位置じゃないし、明日は高いレベルで戦えると思っています。
レースに向けてのペースは大丈夫ですし、もう少し調整を加える事でさらにタイムは縮まると思います。ただ、今回はかなりの僅差ですよね。
ロレンソを祝福します。レースタイヤで彼と同じくらいの速さで走れるのかどうかは分かりませんが、いずれにしろ明日の彼を抑えるのは並大抵ではないでしょうから、どうなるか様子を見ていきたいですね。
レースタイヤ選択の最終決定はまだです。明日の温度がどのくらいになるか確認する必要がありますからね。でも、すごく白熱したレースになるのは確実ですし、今からすごく楽しみですよ！
●６番グリッド）ランディ・ド・プニエ ホンダLCR RC212V
この結果には満足です。午前のフリー・プラクティス中に加えた小さな調整が効果を発揮したおかげで速く走れるようになり、レースタイヤでのバイクの感触も驚くほど良くなりました。
エンジン・マッピングとシャシーのセッティングを調整して課題だったリアのトラクション不足も解消しましたし、おかげでレースタイヤでのペースは昨日の段階よりもコンマ４秒速くなりました。
予選タイヤの感触も上がていましたが、予選のセッション中盤にはコース上の混雑に苦しみました。予選タイヤでの最終アタックの時にはタイムを更新しようと頑張りましたが、１コーナーへの進入時にミスをして転んでしまいました。
いずれにしても、２列目確保は今回の目標でしたし、明日のレースにも自信があります。
■３列目
●７番グリッド）ケーシー・ストーナー ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8
ここではあまり調子良く作業が進んでいません。今日の午前のフリー・プラクティスの時には初日の最初のセッションと同じくらいに十分な速さが得られていたのに、それ以上には改善が進まず本当に残念でした。
本当なら予選はもっといい結果が狙えた筈です。最初は調子よく周回を刻めましたが、残念ながらフロントのセッティングが完璧ではなくコーナーを曲がる時に大回りになり、コンマ何秒かをロスしました。あれさえなければ２列目は狙えたと思いますよ。
レースではもう少し調子を上げていきたいです。走行ペースもリズムもすでに悪くありませんが、まだ十分と言えるレベルには到達できていません。他の多くのライダーも自分と同じような状況に陥っていると思いますし、その全員が同じ問題に苦しんでいる筈ですので、レース当日にはどこまでやれるか様子を見ていく必要があります。いずれにしても、もう少し何とかしますけどね！
●８番グリッド）ジェームス・トーズランド ヤマハTech3 YZR-M1
カタールで１列目を獲得していただけに今回は残念でしたが、体調も悪かったんです。言い訳はしたくありませんが、身体の調子が完璧とは言えませんでした。１列目との差がたったコンマ３秒なのに８番グリッドという結果はちょっと悔しいですよ。このコンマ３秒は自分の体調の悪さが原因ですからね。
 ちょっとでも体調を崩して今回みたいに気分が悪くなるだけで、簡単に８位までポジションが落ちてしまうくらい僅差の戦いである事を、この結果が示しています。
昨日よりも体調は若干良くなっているので、明日のレースの時にはもっと身体が回復する事を祈っています。今回のように大量の薬を一度に飲んだ事は以前には一度もありませんでした。
この体調ですから明日は辛いレースにはなるでしょうが、チームのスタッフが頑張ってくれているので、バイクの調子がさらに良くなる事だけは間違いありません。上位のグリッドにつけなかったのでチームには悪く思いますが、タイムはすごい僅差です。トップのホルヘは信じられないようなタイムでしたが、その後ろの２番手から１３番手までのタイムは１秒以内ですからね。
自分が今までに経験した全てのレースカテゴリの中で、ここまでの接近戦は見たことがありません。何ともすごいレベルの戦いですよ。
明日のレースに向けてのセッティングにはいい方向性がつかめていますが、ここではタイヤの性能が不可欠になるでしょうね。自分たちはタイヤの耐久性能を最大限に引き出せるように努力しているところです。理由は、今回の路面温度は前回のテストの時よりもかなり上がっているからです。１年のこの時期の路面温度としては通常よりもだいぶ高いし、本来であればもう少しタイムも縮まったでしょうが、条件は誰にとっても同じですからこれは仕方ありません。
コーリンは今回も自分たちのパッケージの能力をアピールしましたが、自分は体調の不良が高くつきました。いずれにしても、コーリンが見せた力は本物ですよ。
●９番グリッド）ジョン・ホプキンス カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR
今日は３列目を確保できたので、それなりには満足できました。実を言うと今回の自己ベストは、高速ロングカーブへの進入時にフロントを失った時のものなので、本当の自分の最速ラップじゃないんです。実際はもっと速く走れた筈ですよ。
一度ひじを地面に擦りましたが、何とかバイクを立て直す事ができたので、その後はパワーを抑え気味に安定したラップ周回を心がけて走りましたしね。
レースに向けてのタイヤ選択はちょっとしたギャンブルになります。ここではテストの時間が不足したせいで、あまり多くの周回を走行できていませんからね。ただ、ブリヂストンがタイヤの選択にも力を貸してくれているので自信はあります。
マシンのセッティング状態はいい感じですし、怪我の具合もかなり良くなりましたから、明日はスタート直後に前へ出られるよう頑張り、いい位置でチェッカーを受けられるように戦うつもりです。
■４列目
●１０番グリッド）ロリス・カピロッシ リズラ・スズキMotoGP GSV-R
グリッドの位置だけ見ればそんなにいい結果とは言えませんが、今日のレースタイヤでの走りにはとても満足できています。今日はレースタイヤを履いたブリヂストン勢の中では、トップではなかったとしてもトップレベルでしたからね。
明日は４列目からのスタートになるのでレースは大変でしょうが、それでもバイクの感触がここではすごくいいので今はかなり楽観的ですよ。明日はもちろんいい結果を狙って全力で頑張ります。
●１１番グリッド）中野真矢 サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V
予選中にバイクの感触が大幅に良くなりました。今日の午前のプラクティスや昨日に比べれば、走り始めから激しく攻め込む事ができるようになったと思います。
３列目や４列目の確保が簡単じゃない事は分かっていましたが、４本目の予選タイヤで激しく攻め込んで走る事ができて１１番グリッドをなんとか確保できたので今回は満足ですね。
トップ集団からまだいくらか遅れを取っているのは事実ですが、少なくとも第２集団で走れるとは思っていますし、それが明日の目標です。
●１２番グリッド）クリス・バーミューレン リズラ・スズキMotoGP GSV-R
予選中もレースタイヤでは好調でしたし、今回はブリヂストン・タイヤとバイクをうまく機能させる方法をいくつか見つける事ができたと思っています。走行ペースはいい感じですし、予選中にも大幅にペースを改善する事ができました。まだまさらに改善は進む筈ですよ。
今日は予選タイヤでもいいラップタイムを記録しましたが、トップタイムのライダーたちには追いつけませんでした。これはまだ予選タイヤまわりの作業が必要な証拠ですし、過去の何戦かを見ても同じ事が言えますよね。
レース用のセッティングにはすごく満足できていますが、残念ながらスターティング・グリッドが４列目なのでスタートを頑張る必要があります。
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