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フィアット・ヤマハが2年目発足の公開式典を実施、その体制と経緯
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インテリワン編集部
  2008年1月19日

今年はバレンティーノ・ロッシのチームメイトとして昨年度の250ccチャンピオンであるホルヘ・ロレンソが加わり、その2名のライダーがそれぞれにミシュランとブリヂストンという異なるタイヤメーカーを使用するなど、ロッシのタイトル奪還の行方に加えて何かと今シーズンも話題の多くなりそうなフィアット・ヤマハ・チームだが、同チームは1月18日に2008年MotoGPシーズンに向けての初の公開式典を実施している。
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■フィアット・ヤマハが2年目スタートの公開式典を実施

今年は結成から2年目のシーズンを迎えるフィアット・ヤマハ・チームは、2008年シーズンに向けての出発を祝う式典を、1月18日の現地時間の正午近くよりフィアット社の本拠地であるイタリアのトリノにて盛大に行った。

■会場はフィアット社のテストコースを屋上に持つ巨大建造物

今回の公開式典の会場となったのは、1923年から1982年まではフィアットの大規模な工場施設であった事が知られ、現在はショッピング・モールや会議センターなどの複合レジャー施設に生まれ変わっているイタリアはトリノの街に位置するリンゴット・カンファレンス・センターだ。この日の会場の司会進行役はイタリアのテレビ司会者として有名なシモーナ・ベントゥーラ。
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巨大な建造物として世界的に有名なこのカンファレンス・センターは、フィアット社の工場であった名残として屋上に巨大な自動車用テスト・コースが存在するという独特な施設となっており、この日にはフィアット・ヤマハのイメージ・カラーである青色と白色のデザインが式典の会場となった内部を埋め尽くしている。
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■ステージに並ぶ2台の2008年型YZR-M1

会場のステージ上には2台のYZR-M1が展示されており、1台はヤマハでの活動5年目となるバレンティーノ・ロッシの46番車、もう1台は今年にMotoGP最高峰クラスでのルーキーイヤーを迎える新ライダー、ホルヘ・ロレンソの48番車が並べて配置された。ここで目に付くのが2台のマシンの足下の違いだ。
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■2台のマシンの足下の違いが示す複雑な体制と経緯

今年のフィアット・ヤマハ・チームは何かと複雑な体制となる。昨年の2007年シーズンは厳しいタイヤ持ち込み本数の制限がレギュレーション内に制定され、このルールへの適応が遅れた王者ミシュランがMotoGP参戦6年目のブリヂストンに大敗を喫し、ミシュランユーザーだった王者バレンティーノ・ロッシが苦戦したのはこのタイヤルールが原因であり、MotoGPのレースの醍醐味を失うものだとする意見が一部には大きく取りざたされた。
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■タイヤ騒動に揺れた2007年、ブリヂストンを手にするまでの道のり

この流れは今年の2008年シーズンからはタイヤメーカーを1社に限定するルールを施行しようとするDORNAの動きにまで発展する騒ぎとなったが、最終的には昨シーズン終盤にDORNAのCEOであるカルメロ・エスペラータがタイヤ供給量の増大に難色を示していたブリヂストンに働きかけ、最終的にはブリヂストンがヤマハの要求に応じて今年のロッシにタイヤを供給する事が決定した事により、DORNAはタイヤメーカー一本化の案を取り下げている。
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この2007年に問題提議の多かったタイヤルールについては、ミシュランへの負担を軽くするよう2008年は持ち込み本数の拡大や事前テスト許可の特例が設けられ、騒ぎは一応の沈静化を見せて現在に至る。

■結果として1チームにブリヂストンとミシュランが共存
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話を元に戻すと、この騒動を経てヤマハはバレンティーノ・ロッシの望み通り、昨シーズンを制覇したブリヂストン・タイヤをロッシ用にのみ確保する事には成功したが、経験のないブリヂストンを使用する事へのリスク回避などチーム内の思惑が他にあるとしても、事実としてヤマハはホルヘ・ロレンソ用にはブリヂストン・タイヤを確保していない。

こうして今回のステージには、ミシュランとブリヂストンのそれぞれ異なるロゴをつけた2台のYZR-M1が並ぶ事になった。


■内部に2つのチーム体制を持つ事になったフィアット・ヤマハ
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タイヤ・サプライヤーが異なった以上、ロッシとロレンソにはそれぞれ別のチーム体制が必要と判断したフィアット・ヤマハ・チームは、昨年とは異なり各ライダーごとに別々の内部体制を今年は設けている。ブリヂストンを履くロッシ側のチーム監督は昨年のフィアット・ヤマハ・チーム全体の監督を務めたダビデ・ブリビオでありこれに変わりはないが、ヤマハは昨年度のコーリン・エドワーズのチーフ・エンジニアを務めていたダニエーレ・ロマノーリをもう1名の現場責任者に昇格させており、ミシュランを履くロレンソ側のチーム監督として配置した。
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このブリビオとロマノーリによる2体制を統括するのは、ヤマハ・モーター・レーシングの責任者であるリン・ジャービス氏に並ぶ権限を持つフィアット・ヤマハ・チームの総監督、中島雅彦氏だ。


■ヤマハとフィアットの首脳陣が語る2008年シーズンへの期待

この日の公開式典にはこれらチーム責任者の全員ならびにフィアット社の重役が出席し、ロッシとロレンソのチーム体制、ならびにブリジストンとミシュランの2体制である事を改めて説明している。

■リン・ジャービス氏「ミシュランとブリヂストンに感謝」
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ヤマハ・モーター・レーシングの責任者を務めるリン・ジャービス氏は今回の発表の場において、「今年も再びタイトル・スポンサーのフィアット社と強力な提携関係を続けられる事を大変に喜ばしく思う」と前置きし、以下のコメントを続けた。

「今回の最も重要と言えるチーム内の変化は、ホルヘ・ロレンソがバレンティーノ・ロッシのチームメイトとして参加する事。今年のわたしたちの目標は年間タイトルを奪還する事であり、これがチームの最も経験豊かなライダーであるバレンティーノのミッションである事は言うまでもない」とジャービス氏。

「しかしながら、(冬季テストを通して)経験値を上げてきているホルヘにもまた上位で戦ってもらいたいと思っている。チームには世界タイトルを連覇したライダーが2名揃う事になった。自分たちの野心的な目標を実現するチャンスは十分にあると感じている」

2名のトップライダーへの期待感を述べたジャービス氏は、チームの公式スポンサーとの提携状況の説明、ならびに今年のタイヤ・サプライヤーであるミシュランとブリヂストンの2社に対する感謝の言葉で以下の通りコメントを締めくくった。
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「フィアット社との提携と同様に、AIA社ならびにACER社との公式スポンサー契約も2年目になる。また、新しい公式スポンサーとしてソーラー・エネルギー会社のKERSELFが加わる事と、わたしたちがすでにこの先2年間の契約に合意した事を喜んでここに紹介したい。他にも新しいパートナーとして、ヤマハが高性能潤滑油のブランドとして所有しているYAMALUBE(ヤマルーブ)が加わっている」とジャービス氏は続ける。

「それらに加え、すでに誰もが知っている事だが、今シーズンわたしたちはミシュランとブリヂストンの両方と一緒に仕事を進めていく。彼らへの感謝を述べると同時に、他の公式スポンサーやサプライヤーの方々のここまでの揺るぎない支援にも感謝を申し上げたい」


■システィーノ氏「MotoGPを通した世界規模のブランド浸透」

また、この式典に出席したフィアット・ブランドの最高責任者であるロレンツォ・システィーノ氏は、ヤマハとの2年目のコラボレーションの意義を以下の通り説明している。
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「フィアット・ヤマハ戦略は、発足当時から現在までに大きなメリットをわたしたちフィット社にもたらしてくれている。チームは若くて躍動感に溢れており、常にその成功を約束されている。MotoGPは自分たちのターゲットとする市場に大変に近い部分にあり、そのブランド露出度はイタリアだけではなく世界的なものとなる。ヤマハとの新しいシーズンが素晴らしいものになる事を楽しみにしたい」とシスティーノ氏。


■2008年シーズンに向けてのロッシとロレンソのコメント
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最後に、この式典で2008年シーズンへの抱負を語ったヤマハ・ワークスのレギュラー・ライダー2名、最高峰クラス5連覇の経験を持つ元MotoGP連続王者のバレンティーノ・ロッシと、250ccクラス2連覇のホルヘ・ロレンソのコメントを紹介する。

■年末のテストでブリヂストンに好感触を抱いたロッシ
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2007シーズン最終戦のレースウイーク中に右の手のひらを骨折し、その後の年内3回の冬季テストのうち最初の2回をキャンセルしたバレンティーノ・ロッシは、その3回目となる11月末最後のヘレス合同テストには姿を見せ、骨折がまだ回復していない右手を氷で冷やしながら、初のブリヂストン・タイヤでの走行を披露している。

ロッシはその3日目には患部の痛みが悪化して走行を断念したが、初日には18人中の3番手タイム、2日目には2番手タイムを記録しており、いきなりブリヂストン・タイヤに好感触を示すコメントを当時に発表していた。

■ロッシ「重要な1年、目標は勝利しかない」

来週の1月22日から再会する冬季テストを前に、今回新しいマシンの横に姿を現したロッシは、「またレースを始められる日が近づいてきて嬉しい」と述べ、以下の通り続けた。
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「今年は自分たちにとってすごく重要な1年になる。どんなに厳しい作業が待ち受けていようとも目標は勝利しかない」とロッシ。

「冬季シーズンを通して全員は本当に真剣に頑張っている。それに自分たちのバイクの調子はものすごくいい。もちろん、まだ多くの仕事をこなしていく必要はあるが、チームの誰もがやる気に溢れているし、ここがベストチームである事は良く分かっている」
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また、バレンシアの最終戦で負った怪我の様子については「まだ完璧ではないが、手の調子はだいぶ良くなった。来週のセパンからまたバイクに乗れるのが今から楽しみ」と述べており、来週からのテストには問題なく参加する事を表明している。
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■MotoGPマシンへの高い適応能力を見せるロレンソ

250ccクラスの2連覇を達成し、今年からロッシの新しいチームメイトとなるスペイン人ライダーのホルヘ・ロレンソは、2007年シーズン終了直後から参加している3回の冬季テストにおいて、その実力をいかんなく発揮している。
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初めてMotoGPマシンでの走行を経験したバレンシア合同テストでは18人中の総合4番手、次のセパン合同テストではポジショニングのパーツが間に合わなかった事やライディング・スタイルの改善に取り組んだ事もあり10人中の8番手となったが、年末最後のヘレス合同テストでは並み居る最高峰クラスの先輩ライダーたちの多くを抑えて18人中の総合3番手タイムを記録した。この3回のテストを通してのロレンソの走り込みの多さと集中力、ならびにマシンへの素早い適応能力は、チームの首脳陣たちにも大きな期待を抱かせている様子だ。

■ロレンソ「ロッシと同じガレージなんて光栄」
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「このバイクやチームのメンバーたちと一緒にここに来る事ができて本当に嬉しい!」と述べるロレンソは、年末の3回のテストを振り返り「まだ開発作業は長い道のりだが、毎回バイクに乗るたびに進歩が得られている。特に一番最後のテストはすごく調子が良かった。今シーズンに向けて本当に気持ちが高鳴っている」と、今後のプレシーズン・テストに向けての高い意欲を示している。

また、使用するタイヤは異なるものの、チームメイトとなるバレンティーノ・ロッシについてロレンソは「それにバレンティーノとガレージを共有できるなんて自分にとっては本当に光栄な事。彼はこのスポーツに関わる人物の中で最も優れた才能を持つ人物である事は疑いようがない」とコメントし、会見を締めくくった。

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