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ドゥカティー首脳陣がデスモセディチGP8の技術情報を説明
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インテリワン編集部
  2008年1月10日

マルボロ主催の冬季オリエンテーションであるプレス・スキー・ミーティングをイタリアのスキー・リゾート地のマドンナ・ディ・カンピリオにおいて1月7日から開始しているドゥカティー・マルボロ・チームは、3日目の1月9日に同チームがMotoGPの2008年シーズンを戦う新型マシン、デスモセディチGP8の技術的な改善部分について、その詳細を明らかにした。

■ドゥカティー・コルセCEOがデスモセディチGP8の技術情報を説明
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スキー・ミーティング2日目のケーシー・ストーナーとマルコ・メランドリの記者会見に引き続き、3日目となる1月9日の会場にはドゥカティー・コルセのCEOであるクラウディオ・ドメニカリがプレスの前に姿を現した。


■2007年シーズンを振り返って

ドメニカリCEOは、新型マシンのGP8に関する技術説明の前に、念願だったMotoGPでの年間優勝を成し遂げた2007年シーズンを戦ったデスモセディチGP7について、話の冒頭で簡単に振り返っている。
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チームの誰にとっても素晴らしかった2007年シーズン

「ここに来る事にはとてもわくわくさせられましたね。この何年間かを通してすでに恒例のイベントとなりましたが、今年は以前とは全く異なる気分ですよ」とドメニカリCEO。

「2007年シーズンは自分たちのライダーとバイク、それにタイヤが出した成績に関して特別な気分を味わう事になりましたし、チームの全員の誰にとっても素晴らしいシーズンでした」

ストーナーはGP7の性能を完璧に使いこなした
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「GP7は申し分のない高い性能に仕上がっていましたし、マシンは常に高いレベルの戦闘力が発揮できる状態に管理されてきました。また、1年間を通しての信頼性も非常に高いものでしたが、シーズンを要約してしまえば、ケーシーはこれらのマシンの能力を完璧に自分にものにしていたと言えます」

「また、ブリヂストンタイヤもわたしたちとの2005年から始まった提携の中で努力を費やし、そのかいあって耐久性能などの面で大きな進歩を遂げ、この結果ミシュランとの差を縮める事ができた訳です」


■2008年の新型マシン、デスモセディチGP8の改善点
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ここからドメニカリCEOは、2008年モデルのデスモセディチGP8に話を移し、GP7からの改善点などについて以下の通り説明した。

「2008年のバイクは2007年モデルの進化形マシンです。それ以外に何か他の方針などあり得たでしょうか?以前のバイクには大変に些細な問題点しか見つかりませんでしたからね」

シャシーを軽量化、リア・サスペンションはジオメトリを変更

写真「ただ、改善は全ての分野にわたり検討しました。シャシーのセッティングに関しては、昨年に数回発生した非常に小さなチャタリングも解決できるように、新しいフレームにはねじれと柔軟性に関する硬度の最適化計算がなされ、軽量化を実現しています」
(写真右は一緒にスキー・ミーティングに参加しているフェラーリF1チームの代表であるステファノ・ドメニカリとの合同会見の1シーン)

「リアのサスペンションのジオメトリに関しても、ある特定のサーキットにおいて特別な走行条件の時にのみに発生していたポンピング(共振)現象を抑えられるように改善を加えています」

エンジンは低燃費のまま出力を上げる事に成功

「エンジンの改善には2つの分野に取り組みました。まず1つ目はさらなる性能の向上です。フリクション(摩擦)を最小限に抑えられるようにいくつかの調整を加え、燃費を悪化させる事なくさらにもう少し出力が上げられるようにした事を紹介しておきます。これを達成する過程において、わたしたちは特に中速域のより完璧と言えるエンジン・レスポンスを実現する事と、ピークパワーについてもさらに長時間耐えられるようにする事に取り組みました」

市販車への技術反映を考慮し、電子制御の分野を細部に渡って改善

「2つ目は電子制御の分野です。今回わたしたちはセンサー類に若干の調整を加え、アクチュエーター(機械駆動部)の細かな部分の見直しも行っています。わたしたちがレースに参加している最大の理由は、市販の公道用バイクに開発した技術を反映する事にあります。これはバイクの安全性をより高め、さらにライディングを楽しめるようにする事が目的ですが、電子制御の技術はその点に大変に重要な役割を果たす分野なのです」

「その例がわたしたちの新型1098Rです。トラクション・コントロールはドゥカティーのレース用バイクに使用している器材をそのまま使用しており、安全性と高いマシン性能の両立を実現可能にした世界で最初のバイクです」
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■スポンサーや技術パートナーの役割

またドメニカリCEOは、ドゥカティーがMotoGP最高峰クラスでの目標を達成するまでに、いかにスポンサーやテクニカル・パートナーが重要な役割を果たしてきたかを強調する。

フィリップ・モリス(マルボロ)との契約は最底でも2011年まで

「これらの目標に到達する事を可能にしてくださったフィリップ・モリス(タイトル・スポンサーのマルボロ)に対して深い感謝の気持ちを表明したいと思います。彼らの支援なくしてここまでの目標達成は困難でした。わたしたちの提携は2011年まで続く契約になっていますが、このおかげでわたしたちは仕事を進める上で必要な心のやすらぎを得る事ができているのです」

シェル石油、サンディスクとも契約を更新
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「またちょうど今日、わたしたちにとって非常に重要なテクニカル・パートナーであるシェル石油との契約を更新致しました。彼らは燃費性能の面で、わたしたちが選手権の規約範囲内で力を発揮するために重要な役割を果たしてくれています」
(写真上下はシェル石油との契約更新の調印式)
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フィリップ・モリスとシェル石油以外にも、ドメニカリCEOはイタリアの電話会社であるアリーチェ(Alice)、2009年までスポンサー契約を更新したフラッシュメモリーの大手企業であるサンディスク(San Disk)、イタリアの無停電電源装置のメーカーであるリエロUPS(Riello UPS)などに対しても、この場で感謝の言葉を述べている。

大手電力会社もドゥカティーのスポンサーに参入

また、最後にドメニカリCEOは、1月7日に正式にイタリアの電力会社であるエネル社(Enel)がドゥカティーMotoGPチームのビッグ・スポンサーになった事をつけ加え、MotoGPの世界に初めて大手電力会社が参入した事の意義深さを述べると同時に、深い歓迎の気持ちを表明して会見を結んだ。

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