バレンシア初日 ベイリス「このバイクに乗ってたわ」 ２００６年１０月２８日 ドゥカティー・マルボロ・チームのロリス・カピロッシは、１０月２７日に行われたMotoGPの2006年シーズン最終ラウンドの初日、総合トップタイムとなる1分32秒220をマークした。 ■レースタイヤと予選タイヤの両方で好調なカピロッシ この日のロリス・カピロッシの自己ベストタイムは、翌日の予選に向けてブリヂストンの予選タイヤをテストした時に記録したものだが、レースタイヤでも1分33秒072の好タイムを午後のフリー・プラクティス２では記録している。 初日のレースタイヤにおけるトップタイムはレプソルホンダのニッキー・ヘイデンが記録した1分33秒019であり、カピロッシは予選タイヤでは総合トップ、レースタイヤでもヘイデンに次ぐ２番手という好調なレースウイークの滑り出しを見せた。 ■初のブリヂストンを使いこなすベイリス また、前回のポルトガルの事故で怪我を負ったセテ・ジベルナウの代役として、１年ぶりにMotoGPシーンに復帰したミスター・ドゥカティーことトロイ・ベイリスは、初めて履くブリヂストンタイヤと２年ぶりのデスモセディチにもかかわらず、初日から総合１０番手の好位置につけた。ベイリスのこの日のベストタイムは1分33秒433。 カピロッシとベイリスの２名は、今回持ち込まれた最新のブリヂストンタイヤの性能には高い満足度が得られたという。 ■カピロッシ「できる限りの事をやってシーズンを終えたい」 初日に試した予選タイヤとレースタイヤの両方に満足がいったというロリス・カピロッシは、今年のデスモセディチの開発経験は、来期の800ccマシンになってもそのまま活用する事ができると述べ、今後の活躍への自信を示している。 「今日は調子良く働く事ができて満足です。チームはとても機敏な動きを見せてますよ。」とカピロッシ。 「午後にはセッティングを根底から変えてみました。今のバイクの状態はこのサーキットで十分戦えるレベルにあります。」 「今期は学ぶ事の多いシーズンでしたね。デスモセディチのセッティングに必要な事を良く理解できるように、すべてのコースで細部にわたって注意を払いました。GP7（来期の800ccマシン）のシャシーは今のGP6にそっくりですから、今年に学んだ内容の全ては、今後の活動に役立つ重要な事ばかりです。」 「今回ブリヂストンが持ち込んだ新しいレースタイヤにはとても満足です。１５周回をそのまま同じタイヤで行って、耐久性に何の心配をする事もなくレースタイヤでの自己ベストを記録しました。」 「今シーズンは色んな種類の予選タイヤを試す中で方向性を見失う事が多かったので、今日１日の結果は、例えこのコースで自分の期待したタイムではなかったにしても、喜べるものだと思います。」 「ここでのチームメイトとしてトロイを迎える事が出来て嬉しいです。自分に出来る限りの事をやってからシーズンを終えたいですね。」 ■ベイリス「このバイクに乗ってた事を思い出した」 2004年以来のデスモセディチでMotoGP出場を果たしたSBKチャンピオンのトロイ・ベイリスは、初めてのブリヂストンタイヤでいい走りができた事に満足している。 「初めてのブリヂストンで、こんなにいいスタートが切れてとても嬉しいです。まだ予選タイヤは使っていませんので、なかなか乗れてると思いますよ。」とベイリス。 「最初に走り出した時はスーパーバイクとの違いをかなり感じましたが、２〜３周走ってるうちに、前にこのバイクに乗っていた事を思い出しました。もちろん2004年の時点からはいくつかの点で変わっていますが、気分良く乗れるまでにそれほど時間はかかりませんでした。まだ完全な状態からは少し離れていますけどね。」 「アーニー（ベイリスのスーパーバイクでのチーフクルー）も自分もブリヂストンの事を良く知らないので、どのくらいの温度でフロントがうまく機能するのか最初は分かりませんでしたが、明日に向けてはいくつかのアイデアが浮かんでいます。」 「ロリスは午後にセッティングをいくつか変えた事でいい効果が得られたようです。そのおかげで、今自分たちがやるべき事も見えています。怪我をしたセテの代役として私はここに呼ばれた訳ですから、いい仕事をしておきたいです。自分のできる事を全てやるだけですけどね。」