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ポルトガルGP予選 ペドロサが許してもストーナーは罰金 |
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2006年10月15日
10月14日に行われたポルトガルGP予選での1列目争いは熾烈を極めた。セッションの大半をタイムシート上のトップタイムで過ごしたのはホンダLCRのケーシー・ストーナーだ。
今回の予選の終盤、このストーナーとレプソル・ホンダのダニ・ペドロサとの間でトラブルが発生している。
■レースタイヤで40分間トップの位置を守ったストーナー
予選開始から15分、ストーナーは1分37秒531を記録してトップに立っており、その2番手につけていたのはレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ、3番手はキャメル・ヤマハのコーリン・エドワーズ。
20分が経過し、ケーシーがさらにペースを上げて1分37秒403を記録した頃、キャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシが3番手につけている。この時点の順位はトップからストーナー、ペドロサ、ロッシ、玉田選手、それにレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンだった。
■ダンロップタイヤとチェカの今期一番の活躍
後半の残り20分、ダンロップタイヤを履くTECH3ヤマハのカルロス・チェカが急激なペースアップを見せて2番手タイムを記録したが、この時に1分37秒066を記録していたケーシー・ストーナーのタイムを上回る事はできなかった。
この5分後にストーナーからトップのポジションを奪ったのは1分37秒065を記録したニッキー・ヘイデンだが、すぐにロッシがヘイデンのタイムを大幅に上回る1分36秒627を記録して暫定ポールに立った。
■ポールを取りに行くペドロサ、驚異的なペースのロッシ
残り10分、ロッシから暫定ポールの座を最初に奪ったのは、直後に1分36秒569を記録したダニ・ペドロサだ。しかしながら、ロッシはさらに1分36秒200という驚異的なタイムをマークし、今回のポールポジションを確実なものとした。
セッション終了の直前、日曜日のレースでは確実にランキング2位のロッシの前でチェッカーを受けたいポイントリーダーのニッキー・ヘイデンが1分36秒549をマークして暫定2位につけたが、チェッカーが振られた直後にロッシのチームメイトのコーリン・エドワーズが1分36秒478の2番手タイムを記録してコントロール・ラインを抜けている。
■トップ2のキャメル勢に続くレプソル勢2名
この結果、ポルトガルGPの決勝レースの1列目は、ポールポジションにはバレンティーノ・ロッシ、2番グリッドにはコーリン・エドワーズ、3番グリッドにはニッキー・ヘイデンの順位が確定した。
■最終アタックでポール奪還を狙ったペドロサに悲劇
ダニ・ペドロサはチームメイトに続く4番手タイムで予選を終えたが、彼は最後の会心のタイムアタックを棒に振っている。
ロッシがポールタイムを記録した後、ペドロサは激しい走りで区間タイムを次々と更新しながら順調に最終区間へ突入し、間違っても1列目から外れる事はない走りを見せていた。
しかしながら、前方を走るケーシー・ストーナーは、背後のペドロサに気がつかずに片足を出してスローダウンし、それを避ける以外に方法がなくなったペドロサは、会心のタイムアタックの中断を余儀なくされている。
■誠実なストーナー
直後にペドロサは、バイクの上で何度も後ろを振り返りながら、治まらない怒りを身体を震わせながらストーナーに向けてぶつけている。全く悪気のなかったストーナーは事態の深刻さを把握し、ピットに戻るとすぐにレプソルのピットを訪れ、ペドロサに謝罪をした。
■ペドロサが許してもストーナーは罰金
ストーナーの誠実な態度をペドロサは受け入れ、怒りの表情を笑顔に変えた。この結果、幸いにも2人のルーキーの間にわだかまりが残る事はなかったが、競技審議委員会はストーナーの行為を「危険走行行為」とみなし、彼に1000ドルの罰金を科している。
■ペドロサ「何も問題ない」
普段はメディアに対して見せる事のないような激しい怒りを、タイムアタック中断時にはあらわにしたダニ・ペドロサだが、その後のストーナーの真摯な行為に心を打たれたペドロサは、予選では普通に起こる出来事なので今は何も問題はないとコメントしている。
「今日のプラクティスもいい調子でした。レースタイヤでも何回かいいラップタイムが刻めました。」とペドロサ。
「予選の結果は2列目の最上位ですが、これはすごくいい結果だと思います。タイムアタック中に他のライダーが多くて本当の最速ラップは記録できませんでしたが、それは普通にあることですからね。」
「同じような状況は過去にバルセロナでも一度ありましたから、特に今回の事に不満を言うつもりはありません。」
「ミスした事を伝えに、自分たちのガレージにまで来てくれたストーナーの行為を本当に嬉しく思いました。彼は深く謝罪してくれましたし、今は何も問題ありません。」
「明日は先頭集団で戦えるように、いいスタートがしたいですね。」
■ストーナー「罰金はフェアじゃない」
ペドロサのタイムアタックを妨害してしまったケーシー・ストーナーは反省しきりだが、競技審議委員会が下した罰金1000ドルの決定には不満を漏らしている。
「完全に自分がミスを犯しました。だからダニのところに行って謝罪してきたのですが、自分には1000ドルの罰金がいまだに科せられています。これはフェアじゃありませんよね。」とストーナー。
「タイムアタックの後の周回でダニや他のライダーたちに、あんなに早く追いつかれるとは思ってもいませんでした。ですから自分が間違った行為をしていたのは理解しています。ただ、今までに一度も走行に関する問題で罰を科せられた事はないのに、今回のたった1回のミスで罰金ですよ。」
「その話を忘れれば、他の事は全てうまく行きました。ちょっとセッティングに変更を加えてからは、このコースを気分良く走れるようになりましたので、今はリラックスできていますし、プレッシャーも感じていません。」
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