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BSB第12戦 ドゥカティー勢にプレッシャーを与える清成選手
インテリマーク編集部
2006年10月2日

MotoGPが3連戦中の9月17日、イギリスのシルバーストーン・サーキットでブリティッシュ・スーパーバイク選手権(BSB)の第12ラウンドの決勝レースが行われた。
(10月1日に行われたBSB最終戦のレース内容は近日中にお伝えします。)
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今期全13ラウンドのBSBも、このシルバーストーンでの第12ラウンドを含む残り2ラウンド(4レース)のみとなり、年間タイトルの候補は既に3人のライダーに絞られている。

■ポイントリーダーは復調したドゥカティー勢

現在のポイントリーダーはエアウェーブ・ドゥカティーのレオン・ハスラム(352pt)、ランキング2位はハスラムのチームメイトのグレゴリオ・ラビラ(337pt)。今期のシーズン前半はこのドゥカティー勢が圧倒的とも言える強さを誇り、シーズンの中盤以降に若干の不調には苛まれたものの、残り2ラウンドを前にしてランキングのトップと2位に返り咲いている。
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■ドゥカティー2名とライトルを争う清成選手

ランキング3位はHMプラント・ホンダの清成龍一選手(326pt)だ。清成選手は開幕ラウンドのレース2で優勝を飾り、彼のBSB3年目における年間タイトル獲得の可能性に期待が高まったが、シーズン序盤は予選結果に苦しみ、レースでの優勝をドゥカティーのグレゴリオ・ラビラに奪われ続けるという時期が続いた。
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■運にも見放されたシーズン序盤の清成選手

開幕4ラウンドが終了した時点には、ランキングトップだったラビラに74ポイントの大差を開けられてのランキング3位となり、2006年のシリーズチャンプの可能性が危うい状況に清成選手は陥っている。予選でやっとポールポジションを獲得した5月の第5ラウンドとなるモンデロパークはレースが雨で中止となるなど、運にも見放された感が当時はあった。
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■6ラウンド目から勝敗が逆転

しかしながら、清成選手は第6ラウンドのレース1でドゥカティーの2名を抑えてシーズン2度目の優勝を飾り、ここから今期の快進撃を開始した。第7ラウンドのスネタートンではダブルウインを飾り、第8ラウンドのノックヒルのレース1でも優勝を飾っている。

第8ラウンドのレース2で清成選手はDNFを喫した事から、ランキング1・2のドゥカティー2名とのポイント差を大きく縮める事はできなかったが、オールトンで開催された第9ラウンドでは再びダブルウインを飾り、ポイントリーダーのグレゴリオ・ラビラにこの時期に転倒が相継いだ事も助けとなり、ついに清成選手は今期初めてポイントリーダーの座についた。
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2度目のダブルウインを飾った第9ラウンド終了時点のポイント差は、清成選手が274ポイントのランキングトップ、レオン・ハスラムが269ポイントのランキング2位、グレゴリオ・ラビラが260ポイントのランキング3位だった。

■トップに立つ清成選手の逃げ切りを許さなかったドゥカティー勢

清成選手は第10ラウンドのクロフトでのレース1にも勝利し、そのまま最終戦まで優位を保つかに見えたが、天候が大きく崩れたレース2での5位が響き、310ポイントで依然ランキングトップの清成選手に、レース2で勝利を手にしたハスラムが3ポイント差の307ポイントまで迫り寄る結果となった。
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ランキング3位のラビラも292までポイント獲得数を挽回した事から、前回キャドウェル・パークで開催された第11ラウンドは、清成選手にとってドゥカティー2名とのタイトル争いを最後まで有利に運ぶ為の正念場だったと言える。

■落としてはいけない前戦を落とした清成選手

しかしながら、清成選手の前戦の難しい路面コンディションとなったキャドウェルでの結果は3位とDNFという最悪な結果に終わり、ランキングもシーズン序盤並に復調したドゥカティーの2名に一度に交わされ、残り2ラウンドを前にトップに立ったハスラムと26ポイント差の3位に後退している。
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今回のシルバーストーン戦は、トップのままシーズン終了を迎えたいドゥカティー勢と、土壇場での再逆転を狙うホンダの清成選手の、それぞれの年間タイトルへの可能性をつなぐ重要なレースとなる。

■スターティング・グリッド

写真シルバーストーンでの第12ラウンドの予選で1列目ポールポジションを獲得したのはランキング2位につけるドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ、2番グリッドはそのチームメイトでありポイントリーダーのレオン・ハスラム。3番グリッドはランキング3位、HMプラント・ホンダの清成龍一選手、4番グリッドはシーズン後半の活躍が目立つレッドブル・ホンダのジョナサン・レア

2列目5番グリッドは今期のSBKに2回のスポット参戦を果たし、ポールポジションを獲得したバージン・モバイル・ヤマハのトミー・ヒル、6番グリッドはHMプラント・ホンダのカール・ハリス、7番グリッドはストバルト・モーター・スポーツ(ホンダ)のマイケル・ルター、8番グリッドにはリズラ・スズキのシェーン・バーンが並んだ。

■レース1

5月に開催され、トミー・ヒルがポールポジションを獲得したSBKのシルバーストーン戦とは異なり、この日のシルバーストーンは雲は多いものの、ドライ・コンディションに恵まれている。

■ホールショットの清成選手からトップを奪うハスラム

レース1のオープニング・ラップでホールショットを奪ったのは、3番グリッドからスタートしたHMプラント・ホンダの清成龍一選手だ。
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すぐにポイントリーダーであるドゥカティーのレオン・ハスラムは清成選手から前を奪い、レース序盤から逃げ切りの体制に入るべく、トップをハイペースで走行して後続の引き離しにかかった。

■序盤からハイペースで逃げるハスラム

2ラップ目が終わる頃、先頭のハスラムは2番手の清成選手を0.5秒引き離すが、清成選手はハスラムにそれ以上の差を広げられる事なく追走を続ける。周回が重なるごとに先頭の2台は後続のライダーたちを引き離し、5ラップ目に入る頃に先頭の2台は、後方3番手を走るドゥカティーのグレゴリオ・ラビラを5秒近く後方に追いやった。

3番手のラビラの後方には、4番手につけるレッドブル・ホンダのジョナサン・レア、5番手にストバルト・モーター・スポーツのマイケル・ルター、6番手にHMプラント・ホンダのカール・ハリスが続く。
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6番手のカール・ハリスの後ろにはストバルト・モーター・スポーツのマイケル・ラバティーと、リズラ・スズキのシェーン・バーンが続いたが、バーンは5ラップ目に転倒を喫し、リタイアしている。

■レースはハスラムと清成選手のマッチレースに

レースが完全にハスラムと清成選手によるマッチレースとなった6ラップ目、サーキット・レコードを記録しながらハスラムを追い上げる2番手の清成選手はトップとの差をゆっくりと詰め始める。

■ハスラムが痛い転倒

8ラップ目に大きなアクシデントが発生する。激しくプッシュし過ぎたハスラムは突然の大クラッシュを喫し、本人に幸い怪我はなかったものの、レース継続は不可能となった。清成選手とは1レース分のポイント差でランキングトップに立っていたレオン・ハスラムにとっては、厳しい終盤戦でのノーポイント・レースとなってしまった。
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この結果、清成選手はハスラムを交わす事なくトップに立ち、順調にハイペースでの走行を続けている。この時、2番手となったグレゴリオ・ラビラは清成選手の後方6秒を走行している。

■レース1は清成選手が優勝、ランキングトップはラビラに

そのままトップを維持し続けたHMプラント・ホンダの清成龍一選手は、最終ラップまでに後続を11秒引き離しての圧倒的な勝利をレース1で収める事に成功した。清成選手の優勝はこれで今期8回目だ。

清成選手に続いてチェッカーを受け、2位表彰台を獲得したドゥカティーのグレゴリオ・ラビラは、この時点でチームメイトのハスラムを抜いてランキング・トップに返り咲いている。

3位表彰台は、最終ラップまでにジョナサン・レアとマイケル・ルターを交わした清成選手のチームメイトであるHMプラント・ホンダのカール・ハリスが獲得した。

■レース2

この日は昼から夕方にかけても天気は崩れる事なく、レース2もドライ・セッションとなった。

■再び序盤から逃げるハスラム

レース2のオープニングラップを制したのも、レース1では痛いノーポイントを喫したドゥカティーのレオン・ハスラムだ。2番手につけてハスラムを追うのはHMプラント・ホンダの清成龍一選手。スタートに出遅れたグレゴリオ・ラビラは、2ラップ目までに3位まで順位を挽回し、清成選手の背後に迫った。

■3ラップ目に清成選手がトップに

3ラップ目までにトップ集団は先頭のハスラム、2番手の清成選手、3番手のラビラの3台体制となり、この周回に清成選手はハスラムから前を奪ってトップに躍り出た。
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3秒後方の第2集団には、リズラ・スズキのシェーン・バーン、レッドブル・ホンダのジョナサン・レア、HMプラント・ホンダのカール・ハリスが続く。
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■ランキング1位と2位を争うドゥカティー間の戦い

清成選手が先頭でプッシュする中で、ハスラムとラビラは2番手のポジションを奪い合っている。6ラップ目にラビラはチームメイトのハスラムを交わすと、1.2秒前方を走る清成選手を目がけて猛チャージを開始した。

ここでハスラムは前方の2台を追う事を断念し、ペースを落として安定走行に入る。

■ラビラは猛チャージを続けるが・・・

10ラップ目にラビラは清成選手の0.4秒後方まで辿り着いたが、11ラップ目以降も清成選手のペースは落ちる事なく、ラビラは追いつく事ができない。
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■清成選手が今期3度目のダブルウイン

再び先頭の2台の差は開き始め、15ラップ目が過ぎると1ラップごとに1秒ずつ清成選手はラビラを後方に追いやり、最終ラップまでに11秒の差を開いてHMプラント・ホンダの清成龍一選手は今期9勝目となるダブルウインを飾った。

レース1に続いて2位でチェッカーを受けたのはドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ

レース2では手堅い走りに徹したドゥカティーのレオン・ハスラムは、3位表彰台を獲得してシルバー・ストーンでの12ラウンドを終えた。

■最終ラウンドを前にラビラと清成選手が1ポイント差に

今回の2レースの結果、ランキングのトップはドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ(377pt)となり、ダブルウインを決めた清成選手(376pt)はハスラムを抜いてランキング2位に浮上した。清成選手とトップのラビラとのポイント差は僅かに1ポイントだ。

レース1でのDNFの影響により、ドゥカティーのレオン・ハスラム(368pt)はラビラと清成選手に抜かれてランキング3位に後退している。

写真■清成選手「全てうまくいった」

清成選手は、ダブルウインを飾ったレース2の後で、以下の通りコメントしている。

「次戦までに2回分のポイント差を挽回するためにも、今日はどうしても2連勝する必要があったので、今回の勝利はとても重要でした。全てがうまくいって本当に良かったです。」と清成選手

「チームがすごく頑張ってくれて、バイクのセッティングもタイヤも完璧でした。今は最高の気分ですし、ブランズハッチに行くのが楽しみです。」

僅差の争いのまま、ランキングトップの3名は10月1日の最終ラウンドをブランズハッチで迎えている。

■BSB第12ラウンドの結果(上位10名)

以下にBSB第12ラウンド、シルバーストーンの10位までの結果を示す。

−BSB第12戦シルバーストーン レース1−

1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 28m48.614s
2, Gregorio Lavilla (Ducati) +11.416s
3, Karl Harris (HM Plant Honda) +12.184s
4, Jonathan Rea (Honda) +13.990s
5, Michael Rutter (Honda) +18.184s
6, Tommy Hill (Yamaha) +28.185s
7, Ben Wilson (Suzuki) +30.342s
8, Dean Thomas (Kawasaki) +31.885s
9, Glen Richards (Honda) +33.456s
10, Peter Hickman (Kawasaki) +54.065s

−BSB第12戦シルバーストーン レース2−

1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 28m47.618s
2, Gregorio Lavilla (Ducati) +5.202s
3, Leon Haslam (Ducati) +8.027s
4, Shane Byrne (Suzuki) +9.945s
5, Jonathan Rea (Honda) +10.354s
6, Karl Harris (HM Plant Honda) +15.541s
7, Michael Rutter (Honda) +18.240s
8, Dean Thomas (Kawasaki) +30.051s
9, James Haydon (Suzuki) +30.393s
10, Ben Wilson (Suzuki) +30.661s

−ポイント・ランキング−

1, Gregorio Lavilla (Ducati) 377pts
2, 清成龍一 (HM Plant Honda) 376pts
3, Leon Haslam (Ducati) 368pts
4, Shane Byrne (Suzuki) 224pts
5, Karl Harris (HM Plant Honda) 218pts
6, Jonathan Rea (Honda) 216pts
7, Tommy Hill (Yamaha) 161pts
8, Michael Rutter (Honda) 158pts
9, Michael Laverty (Honda) 157pts
10, Glen Richards (Honda) 115pts


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