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SBK第10ラウンド 好調な加賀山選手と気迫の走りのトスランド
インテリマーク編集部
2006年10月1日

MotoGPの3連戦が行われていた9月10日、ドイツのユーロスピードウェイ・ラウジッツ(旧称:ラウジッツリンク)にて、SBKの第10ラウンド決勝レースが行われた。
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この日の午前中のレース1と午後のレース2はまぶしい陽射しの下、5万1千4百人の観客の中で、両レースとも良好なドライ・セッションでの戦いが繰り広げられている。

■年間タイトルに向けてばく進中のベイリス
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今期のSBKは、今回のドイツ・ラウンドを含む残り3ラウンド(6レース)のみとなった。前回のアッセンでのレース終了後のポイントランキングは、ドゥカティーのトロイ・ベイリスが332ポイントを獲得して1位、テンケイト・ホンダのジェームス・トスランドが232ポイントで第2位、ヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手が230ポイントの第3位につけており、2位を100ポイント引き離しているトロイ・ベイリスの今シーズンの年間タイトル獲得は、各ラウンドが終了するごとにほぼ確実なものになってきている。
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■芳賀選手を抑えたいランキング2位のトスランド

写真トロイ・ベイリスのタイトル決定がいつになるかに加えて注目されるのは、僅差でランキング2位を争うジェームス・トスランドと芳賀紀行選手の戦いだ。トスランドは予てからランキング2位の確保に執念を燃やす発言をしており、シーズン序盤から安定して表彰台を獲得している芳賀選手との激しい順位争いが今後も予想される。

■トスランドは来期もSBKに参戦

なお、MotoGPチームへの移籍も噂されていたジェームス・トスランドだが、トスランドは自身のホームページで来期もSBKに参戦する事を明言している。所属チームについてだが、テンケイト・ホンダからは、これに関する公式発表は特にない。

■昨年度チャンピオンはシーズン後半も復調ならず

シーズン序盤はトロイ・ベイリスとのオージー同士での優勝争いを見せた昨年度チャンピオンのトロイ・コーサーは、クラッチを中心とした細かなマシントラブルに今期は悩まされ、シーズン中盤を前に調子を大きく落とす結果となった。
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前回のアッセンでも大きく火花を散らしてレース1とレース2の両レースをリタイアしており、これによりランキングはヤマハ・イタリアのアンドリュー・ピットに抜かれて5位(ピット:197pt、コーサー:193pt)に後退している。

■スターティング・グリッド

この日の決勝グリッドは、1列目ポールポジションはドゥカティーのトロイ・ベイリス2番グリッドはヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手3番グリッドはテンケイト・ホンダのジェームス・トスランド4番グリッドは、今期はSBKでの初優勝を経験したヤマハ・イタリアのアンドリュー・ピット
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2列目5番グリッドはドゥカティーのロレンツォ・ランチ、6番グリッドは昨年度チャンピオンであるアルスター・スズキのトロイ・コーサー、7番グリッドはクラフィ・ホンダのアレックス・バロス。8番グリッドには、シーズン後半から走りのスタイルを変えて調子を取り戻し、第7戦のチェコでは見事なダブルウインを飾ったアルスター・スズキの加賀山就臣選手が並んだ。
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■シーズンを通して予選で調子が上げられないヤマハ・フランス

ノリックことヤマハ・フランスの阿部典史選手は5列目17番グリッド、同じくヤマハ・フランスのルーキーである中冨伸一選手は7列目25番グリッドから決勝レースをスタートする。

■レース1

午前のレース1開始時の気温は20度、路面温度は31度、湿度は52%。

レース1では芳賀紀行選手がホールショットを奪い、オープニングラップをそのままリードするかに見えたが、2ラップ目の突入までに2番手と3番手につけていたベイリスとコーサーが2人揃って同時に左コーナーで芳賀選手を交わし、芳賀選手は3番手に後退した。

■序盤をリードしたのはベイリス

2ラップ目に入ると各ライダーは1列に並び、順位は先頭からトロイ・ベイリス、2番手にトロイ・コーサー、3番手に芳賀紀行選手、4番手にアンドリュー・ピット、5番手にジェームス・トスランド、6番手には9番グリッドからスタートしたテンケイト・ホンダのカール・マガリッジ、7番手に加賀山就臣選手、8番手にロレンツォ・ランチ、9番手にはアレックス・バロスが並ぶ。
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徐々に先頭の4台が後続を引き離し、先頭集団はベイリス、コーサー、芳賀選手、ピットの4人となった。ここで芳賀選手はコーサーを抜き返し2位に順位を挽回。

■加賀山選手が後方から順調な追い上げ

3ラップ目から4ラップ目にかけて、加賀山選手は前を行くトマガリッジとスランドのテンケイト・ホンダ勢を立て続けに交わし5番手に浮上。第2集団を抜け出した加賀山選手は、先頭集団の最後につける4番手のアンドリュー・ピットを目指し、トップのベイリスを上回る速度で先頭集団にゆっくりと近づく。
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■ベイリスが突如転倒、トップは芳賀選手に

6ラップ目、トップを走行していたベイリスが突然グリップを失い転倒、草の上を滑走していく。すぐにベイリスはマシンを起こしてレースに復帰したが、順位は21番手まで下がった。同じ頃、7番手のアレックス・バロスがマガリッジの背後に迫り、前をうかがっている。バロスから逃げるように5番手のトスランドと6番手のマガリッジが揃って加速していく。
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7ラップ目、2番手から先頭の芳賀選手を抜きにかかったコーサーが芳賀選手の横に並びかけるが、勢いの余ったコーサーはコーナーを大回りし、芳賀選手は悠々とその横を通り抜けトップをキープ。
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17番グリッドからスタートしたノリックは15番手を走行。

■テンケイトの2台に迫るアレックス・バロス

この時の順位は、先頭集団にトップの芳賀選手、2番手のコーサー、3番手のピット。先頭集団まで一気に迫った加賀山選手が4番手。第2集団は5番手のトスランド、6番手のマガリッジ、7番手のアレックス・バロス。
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10ラップ目に入ると、先頭集団には加賀山選手が加わり4台体制となった。芳賀選手、コーサー、ピット、加賀山選手が隙間のない1列を形成して前を急ぐ。7番手のバロスはテンケイトの2台の隙をうかがい続けているが、簡単には前に出られない。

■加賀山選手は3番手に

写真11ラップ目、加賀山選手はピットから前を奪い3番手に浮上。

13ラップ目、バロスがついにマガリッジを捕らえて6番手に順位を上げた頃、ベイリスはポジションを16番手まで回復し、ポイント圏内の16番手を行くノリックの真後ろに迫った。

15ラップ目、先頭の芳賀選手の真っ赤なマシンの後方で2台の黄色いスズキが前を奪い合っている。加賀山選手は2番手のコーサーに並びかけようとするが、簡単にはコーサーの前には出れない。アンドリュー・ピットは前の3台のペースにはついて行けなくなり徐々に後退していく。

■次々と集団を交わしていくベイリス

16ラップ目、ノリックを交わしたベイリスはそのままフォギー・ペトローナスのスティーブ・マーチン、ステルリガルダ・ベリック・ドゥカティーのルーベン・ザウス、アルスター・スズキのマックス・ノイキルヒナーを交わし、続いてレジス・ラコーニ、フォンシ・ニエト、クリス・ウォーカーのカワサキ勢3台を一気に抜いて9番手に浮上。
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ベイリスの前にはチームメイトのロレンツォ・ランチが8番手を走行している。

■トップ集団は3台に

20ラップ目、芳賀選手がアルスター・スズキの2台を従える形で、3台によるトップ集団が形成される中、バロスに追われていた5番手のジェームス・トスランドが左コーナーを曲がりきれずにグラベルに直行。これによりトスランドは、順位を8番手のベイリスの後方となる9番手まで下げる事になった。
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9番手のベイリスはランチの前を狙うが、ランチも簡単には譲らない。

21ラップ目、2番手のコーサーは先頭の芳賀選手の横に並びかけ、そのままコーナーの進入を奪おうと試みるが、芳賀選手はとっさにどこまでも深くブレーキングを行い、それに慌てたコーサーは芳賀選手に前を譲る形を取った。

■加賀山選手が2番手まで浮上、ベイリスは再びコースアウト

22ラップ目、ついに加賀山選手はチームメイトのコーサーを交わして2番手に浮上し、先頭を行く芳賀選手の追撃態勢に入る。

同じ頃、ランチを抜きに入ったベイリスはコーナーを曲がり切れずに草むらを直行し、大きくコースをショートカットしてコースに戻った。運良く順位は9番手のままだが、ベイリスは今回のレース1で2回のコースアウトを喫してしまった。

■芳賀選手の後ろを奪い合うアルスター・スズキの2台
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23ラップ目、先頭の芳賀選手の後ろでは2台のスズキがデットヒートを繰り広げている。コーサーは再び加賀山選手に並びかけて一瞬だけ2番手を奪うが、すぐに加賀山選手がそれを奪い返す。ヤマハ・イタリアの芳賀選手の真後ろを、2台のアルスター・スズキが横一列に並ぶように追走を続ける。

■加賀山選手がついにトップに

コーサーを抑えた加賀山選手は、そのままタイヤを激しく暴れさせながらついに芳賀選手から前を奪って先頭に立った。最終ラップに先頭で飛び込んだのは加賀山選手、2番手の芳賀選手、3番手のコーサーがそれに続く。

■後続を寄せ付けない加賀山選手の最終ラップ

最終ラップに入ると、加賀山選手はマシンを一気に加速させ、芳賀選手とコーサーを引き離しにかかった。加賀山選手について行けなくなった芳賀選手とコーサーは2番手を奪い合い、必死に外側から被せようとするコーサーを芳賀選手が全てのコーナーで抑え続けた。

■レース1を制したのは加賀山選手
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最初にチェッカーを受けて優勝を飾ったのはアルスター・スズキの加賀山就臣選手。ヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手はポジションをコーサーから守りきって2位表彰台を獲得。アルスター・スズキのトロイ・コーサー3位でチェッカーを受けた。

4位はヤマハ・イタリアのアンドリュー・ピット、5位はクラフィ・ホンダのアレックス・バロス、6位はテンケイト・ホンダのカール・マガリッジ。

ドゥカティーのトロイ・ベイリスは最終コーナーでチームメイトのロレンツォ・ランチを交わし、7位でチェッカー受けた。テンケイト・ホンダのジェームス・トスランドは失意の9位に終わっている。

ヤマハ・フランスの阿部典史選手中冨伸一選手16位17位となり、両者ともポイント獲得を逃した。

■レース2

午後のレース2開始時の気温は23度、路面温度は37度、湿度は40%。

レース2のホールショットを奪ったのは芳賀選手だ。芳賀選手の後ろには、2番手のトスランド、3番手のベイリス、4番手のコーサー、5番手の加賀山選手、6番手のアンドリュー・ピット、7番手のマガリッジ、8番手のバロス、9番手のランチが長い列を作って並んだ。

■トスランドが芳賀選手からトップを奪いレースをリード
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写真オープニングラップ序盤、すぐにトスランドは芳賀選手を交わしてトップに立つと、レースのリードを開始。

2ラップ目、芳賀選手は1コーナーでトスランドからトップを奪い返すが、2コーナーまでの折り返しの途中ですぐにポジションをトスランドに奪い返されてしまう。ベイリスは2番手となった芳賀選手のインに飛び込もうとするが、接触の危険を避けてすぐに後方の3番手に下がった。

4ラップ目、先頭のトスランド、2番手の芳賀選手、3番手のベイリス、4番手のコーサーがトップ集団を形成していく。後方には加賀山選手、ピット、マガリッジ、やや遅れたバロスがそれに続く。

■コーサーにジャンプスタートのペナルティー
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5ラップ目に入り、突然ラコーニとコーサーに対してジャンプスタートのピットスルー・ペナルティーが提示される。動揺したのかコーサーは徐々に先頭集団から離れ、加賀山選手に交わされ5番手に後退。

■芳賀選手は3番手に

6ラップ目、芳賀選手がベイリスに交わされ、先頭を行く3台の順位はトスランド、ベイリス、芳賀選手の順に。
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8ラップ目に加賀山選手はハイペースで先頭の3台に近づき、先頭集団はトスランド、ベイリス、芳賀選手、加賀山選手の4台となる。バロスはマガリッジを交わして加賀山選手の後方5番手に浮上。
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■必死にトスランドを追う2番手のコーサー

先頭のトスランドを、2番手のベイリスがタイヤを滑らせながら必死に追っている。

10ラップ目、ピットスルーのペナルティーを受け、レースに復帰したトロイ・コーサーは19番手を走行。完全に先頭集団に加わった4番手の加賀山選手の後方には、5番手のバロス、6番手のマガリッジ、7番手のロレンツォ・ランチ、8番手のフォンシ・ニエト、9番手のクリス・ウォーカーが走行している。

■芳賀選手はベイリスを交わして2番手に

14ラップ目に芳賀選手はベイリスを交わして2番手に浮上し、先頭集団はトスランド、芳賀選手、ベイリス、加賀山選手の順となった。15ラップ目にベイリスが芳賀選手のインに飛び込もうとするが、芳賀選手はこれをブレーキングで抑え、ベイリスを前には出さない。
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■後方から先頭集団に近づくバロス

15ラップ目、アレックス・バロスが先頭の4台に近づき、トップ集団が5台体制に連なりつつある中、加賀山選手は先頭3台のペースについて行けなくなり、徐々にバロスの方へ後退して行く。
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18ラップ目、バロスは加賀山選手を交わして4位に浮上した。

■バロスが突然の転倒

19ラップ目、先頭集団がトスランド、芳賀選手、ベイリスの3台となり、これに近づこうとしたバロスが突然の転倒を喫してリタイアした。特に大きな怪我の情報はないが、バロスは痛みに耐えかね、アスファルトの上に座り込んでしまう。バロスの転倒リタイアにより、加賀山選手は再び4番手に。
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■全く隙を見せないトスランド、背後から必死に追う芳賀選手

20ラップ目、先頭で気迫の走りを続けるトスランドに芳賀選手が並びかけて一瞬前に出るが、トスランドは全く動じる様子を見せずに芳賀選手と並走したままコーナリングを続ける。折り返しを抜けて最初に次のコーナーに飛び込んだのはトスランドだ。

22ラップ目の1コーナーで芳賀選手はブレーキングを深くまで遅らせてトスランドに並びかけるが、トスランドは全く動じる事なく外側から半ば強引に被せるように芳賀選手を抑え込んだ。

23ラップ目、先頭をなかなか奪えない2番手の芳賀選手は、トスランドの背後に迫りプレッシャーを与え続けた。その様子を観察するかのように、芳賀選手のすぐ後ろの3番手をベイリスが走行している。

■芳賀選手の追撃を全てかわす気迫のトスランド
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最終ラップ、再び1コーナーをトスランドと芳賀選手が奪い合うが、今回のトスランドは芳賀選手に並びかけられる事なく1コーナー入り口を守りきった。その後、2台は意地をぶつけあうようにペースを上げ続ける。

3番手のベイリスは、既に先頭の2台に絡む事は諦めた様子だ。

芳賀選手は各コーナーでトスランドに並びかけるが、レース2のトスランドは、まるで芳賀選手の存在を無視するかのようにラインを崩さず、付け入る隙を与えない。

■トスランドが開幕戦以来の優勝、芳賀選手は惜しくも2位

レース2を制したのは、最終コーナーで芳賀選手を抑えきったテンケイト・ホンダのジェームス・トスランド。トスランドの優勝はカタールでの開幕第1戦以来の事だ。
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2位は0.21秒差の僅差でチェッカーを受けたヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手。ドゥカティーのトロイ・ベイリスは芳賀選手から2.8秒遅れでチェッカーを受け、3位表彰台を獲得した。

4位はアルスター・スズキの加賀山就臣選手、5位はテンケイト・ホンダのカール・マガリッジ、6位はドゥカティーのロレンツォ・ランチが獲得している。

ジャンプスタートのペナルティー後に再スタートしたアルスター・スズキのトロイ・コーサー14位、ヤマハ・フランスの阿部典史選手中冨伸一選手14位17位だった。

■すぐにでもタイトルを決めそうなベイリス、芳賀選手はランキング2位に

ドイツ・ラウンド終了時点のポイントランキングは、トロイ・ベイリスが357ポイントで変わらずトップ。

芳賀紀行選手は270ポイントとなり再びランキングの2位に浮上。ジェームス・トスランドは今回のレース1での9位が響き、264ポイントでランキングは3位に後退した。

ランキング2位の芳賀選手との差が87ポイント、ランキング3位のトスランドとの差が93ポイントに開いた残り2ラウンド(4レース)の現段階において、ドゥカティーのホームレースとなる次回のイモラが、ベイリスのタイトル獲得の舞台となる可能性は非常に高いと言えるだろう。

■各ライダーのコメント

以下に、レース終了後の各ライダーのコメントを示す

加賀山就臣選手(RACE1:1位、RACE2:4位)

写真レース1は激しいレースでしたから、勝った直後はもう最高の気分でしたね。

15ラップが過ぎたあたりで、ノリ(芳賀選手)がすごいラップタイムを出してきたんです。全力を出し切ってもあの時は3位が精一杯でした。抜くのはかなり難しかったと思います。

最後の5ラップに入ると彼のペースが徐々に落ちてきて、チャンスが来たと思いました。チームメイトのトロイとノリを交わして優勝できましたからね。あれはすごいバトルですから本当に楽しかったですよ。

レース2では同じタイヤを選択したんですが、全く挙動が違ってちょっと変な感じがしていました。最初の数周でフロントのグリップがほとんどなくなり、ラップタイムが上がらなくなって先頭集団から引き離されています。

だいぶたってから少しフロントの感触が少し良くなってきて、それからまた先頭集団を追いかけましたが、すでに手遅れでした。

バイクのセッティングは両方のレースで何も変えていませんので、タイヤの挙動が全く異なった原因は良くわかりません。

芳賀紀行選手(RACE1:2位、RACE2:2位)

写真昨日は手首を痛めてしまい大変でしたから、今日の結果には満足です。

医者から鎮痛剤をもらってからは、両方のレースを楽しめるようになりました。何回かいいバトルもありましたしね。

最初のレースはリードできましたが、最後の5周でフロントタイヤが終わってしまい、ユキ(加賀山選手)に抜かれた後はどうする事もできませんでした。

レース2では何点かセッティングを変更して、すごくいい走りだったジェームスとも戦えるようになりました。彼を抜く事はできませんでしたね。

でも、結果には満足ですし、ここまでいい結果を残せるようにしてくれた全ての医療スタッフの方々にお礼が言いたいです。

ジェームス・トスランド(RACE1:9位、RACE2:1位)

レース1の後は落ち込みましたね。金曜日や土曜日と温度が違ったので特別なタイヤを選んだんですが、全く的外れでした。
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それで自分たちが前に試したタイヤに戻したんですが、レース2が始まった瞬間には自分が歓喜の声を上げているのに気がつきました。

残りは2ラウンドでレースは4回のみとなりましたが、今のランキングはノリ(芳賀選手)と僅差の3位です。今年はノリと1年を通して戦えるすごいシーズンを過ごしていますが、そろそろ表彰台の真ん中に乗ってもいい頃だと思ってました。カタールの第1戦以来ですからね。

チームのお陰ですし、本当に感謝しています。また頂点に立つ事ができて最高です。

トロイ・ベイリス(RACE1:7位、RACE2:3位)

写真前にも言いましたが、何が起こるか分からないのがレースです!

レース1ではスタートがうまくいって、全ては計画通りに進んでいました。いい感じで差が開き始めたので、0.75秒くらいまでさらに広げたいと思っていたんですが、そこで縁石に接触してフロントを失ったんです。

些細な出来事でしたが、あの瞬間には決して起きて欲しくなかった事の1つです。それでも起きる時は起きるんですよ。

レース2のジェームスの勝利に脱帽します。すごくいいレース運びでしたし、レースをリードする事で全てをコントロールしていましたね。

自分はレース2では少し注意深く走っていました。フロントタイヤだけはレース1の時とは変えたんですが、リアを同じのにしたらグリップがなくなって、ひどく苦労していたんです。

最終的には、優勝を狙うよりも3位でレースを終える方が安全だと思いました。本当は優勝がしたかったんですけど、かなり難しかったですね。

今週はレースウイークを通して少し苦しみましたが、まだポイント差は安全圏内ですから、今は次のイモラの事を考え、それに備えるだけです。

トロイ・コーサー(RACE1:3位、RACE2:14位)

レース2のスタートの時にトラブルが起きるまではいいレースウイークだったんですけどね。さらにタイヤにも問題が生じて思い通りに走れず、気分は最悪です。
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レース1ではバイクの調子が良くて、タイヤも同様に快調でした。もう長いこと遠ざかっている気分でしたから、久しぶりの表彰台はいいもんですよ。今はいい結果が本当に必要な時ですし、レース2でも表彰台は大丈夫だと思っていました。

最初に何が起きたのか今でも良く分かりません。いつもよりずっとスタートを長く待たされる感じがして、まわりの多くのライダーたちが動き出したのでそれに合わせてスタートしたんですが、自分はジャンプスタートを取られてしまいました。

ピットスルーのペナルティーは自分にとって災難でしたが、どっちにしてもレースは苦しむ運命にあったようです。最初からタイヤにトラブルを抱えていましたからね。

1ラップが終わった時点でリアタイヤのグリップが無くなり、1ラップ目の後半はストレートに戻るところで危うくハイサイドをするところでした。バイクもタイヤもレース1と同じ状態でしたから、何が起きたのか良くわかりません。

とにかくがっかりしています。とても不満ですし、すごく残念です。

アンドリュー・ピット(RACE1:4位、RACE2:DNF)

レース1の時は、他のほとんどのライダーたちと違うタイヤを選んでいたんです。そのタイヤは10ラップを過ぎたくらいで終わってしまい、4位に甘んじるより他に方法がありませんでした。
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ちょっとギャンブルに出たんですが、温度が昨日より上がっていたので、他より有利にレースが運べるかもしれないと思ったんです。

レース2では少しセッティングに変更を加えて、他のみんなと同じタイヤを選びました。加賀山を抜いて先頭集団を追いかけている時はかなり行けると感じましたが、ステップ(足のせ)が縁石に触れて重心が後ろに流れてしまい、そのまま転びました。

すぐにレースに復帰しようとはしましたが、ハンドルバーが折れていたんです。

本当に残念でしたが、バロスとコーサーがあまりポイントを取らなかったのでダメージは最小限で済みました。イモラでは調子を取り戻しますよ。

アレックス・バロス(RACE1:5位、RACE2:DNF)

レース1では高速コーナーで問題を抱えていたので、レース2に向けてマシンを調整し直しました。トスランドとマガリッジにもしばらく抑えられていましたし、2人を交わすのは大変でした。
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レース2でバイクの調子が少し良くなったので、ラップごとに前のライダーを一人ずつ交わしていきましたが、ベイリスが最後のシケインの部分でコースアウトした時に彼はコース上に草を少し残していったんです。

それに乗り上げて、一時的にフロントが滑ったところで突然タイヤがグリップを取り戻してしまい、ハンドルバーから放り投げられました。自分はミスをしていなかったので残念です。

カール・マガリッジ(RACE1:6位、RACE2:5位)

写真今回のレースウイークは今シーズンで最高の出来だったと思います。それに自己最高位のシングル・フィニッシュができて大満足です。

レース1ではセッティングにあまり満足していませんでしたが、今日は安定した走りができたと思います。

今年の残り2ラウンドで表彰台に乗ってランキングを上げるのが楽しみです。


阿部典史選手(RACE1:16位、RACE2:11位)

写真レース1では小さなトラブルがいくつも出てしまい、走るのが難しい状態でしたので、ポイントすら取れませんでした。

レース2までにバイクのバランスを変更し、リアを高めに設定したおかげでレース1の時よりはだいぶ調子が良くなりました。

ラップタイムも良くなり、最後までその調子を維持できたのにはとても満足です。


中冨伸一選手(RACE1:17位、RACE2:15位)
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このコースは好きですが、正しいセッティングを見つけるのは無理でしたね。路面にくぼみが多くて、タイヤがスピンばかりしていました。

レース1とレース2の間にセッティングを変更しましたが、目立った効果は得られていません。

■レース順位表およびポイントランキング

以下にユーロスピードウェイの全順位表、およびポイントランキングを示す。

■SBK ユーロスピードウェイ レース1(24周)

1.
加賀山就臣 [JPN] [Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [39分57秒421]
2.
芳賀紀行 [JPN] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [39分58秒660]
3. トロイ・コーサー [AUS] [Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [39分58秒857]
4. アンドリュー・ピット [AUS] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [40分06秒146]
5. アレックス・バロス [BRA] [Klaffi Honda] [Honda CBR 1000RR] [40分06秒396]
6. カール・マガリッジ [AUS] [Winston Ten Kate Honda] [Honda CBR 1000RR] [40分11秒225]
7. トロイ・ベイリス [AUS] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [40分20秒990]
8. ロレンツォ・ランチ [ITA] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [40分21秒267]
9. ジェームス・トスランド [GBR] [Winston Ten Kate Honda] [Honda CBR 1000RR] [40分24秒638]
10. フォンシ・ニエト [SPA] [PSG-1 Kawasaki Corse 2] [Kawasaki ZX10R] [40分26秒133]
11. クリス・ウォーカー [GBR] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [40分26秒964]
12. レジス・ラコーニ [FRA] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [41分27秒290]
13. マックス・ノイキルヒナー [GER] [Alstare Eng. Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [40分28秒696]
14. スティーブ・マーチン [AUS] [Foggy Petronas Racing] [Petronas FP1] [40分32秒204]
15. ルーベン・ザウス [SPA] [Sterilgarda - Berik] [Ducati 999F05] [40分34秒431]
16.
阿部典史 [JPN] [Yamaha Motor France-Ipone] [Yamaha YZF R1] [40分43秒760]
17.
中冨伸一 [JPN] [Yamaha Motor France-Ipone2] [Yamaha YZF R1] [40分55秒648]
18. クレイグ・ジョーンズ [GBR] [Foggy Petronas Racing] [Petronas FP1] [40分56秒720]
19. カーチス・ロバーツ [USA] [Team Pedercini] [Ducati 999RS] [41分10秒288]
20. ジョシュア・ブルックス [AUS] [Team Bertocchi Kawasaki] [Kawasaki ZX10R] [41分14秒199]
21. Didier Van Keymeulen [BEL] [MGM - TTSL Racing] [Yamaha YZF R1] [41分18秒077]

--リタイア
ロベルト・ロルフォ【23周】[ITA] [Team Ducati SC - Caracchi] [Ducati 999F05] [39分24秒316]
Jiri Drazdak【19周】[CZE] [Pro-SBK Racing] [Yamaha YZF R1] [33分07秒756]
ミッシェル・ファブリツィオ【15周】[ITA] [D.F.X. Treme] [Honda CBR 1000RR] [25分40秒566]
Stefan Nebel【13周】[GER] [Kawasaki Docshop Racing] [Kawasaki ZX10R] [22分46秒636]
マルコ・ボルチアーニ【9周】[ITA] [Sterilgarda - Berik] [Ducati 999F05] [15分57秒839]
ビットリオ・イアンヌッツォ【7周】[ITA] [Celani Team Suzuki Italia] [Suzuki GSXR1000 K6] [12分40秒697]
ピエールフランチェスコ・キリ【6周】[ITA] [D.F.X. Treme] [Honda CBR 1000RR] [10分39秒253]
イヴァン・クレメンティ【0周】[ITA] [Team Pedercini] [Ducati 999RS] [-分--秒---]


■SBK ユーロスピードウェイ レース2(24周)

1. ジェームス・トスランド [GBR] [Winston Ten Kate Honda] [Honda CBR 1000RR] [39分58秒796]
2.
芳賀紀行 [JPN] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [39分59秒006]
3. トロイ・ベイリス [AUS] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [40分01秒852]
4.
加賀山就臣 [JPN] [Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [40分06秒192]
5. カール・マガリッジ [AUS] [Winston Ten Kate Honda] [Honda CBR 1000RR] [40分10秒449]
6. ロレンツォ・ランチ [ITA] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [40分20秒182]
7. フォンシ・ニエト [SPA] [PSG-1 Kawasaki Corse 2] [Kawasaki ZX10R] [40分25秒416]
8. ミッシェル・ファブリツィオ [ITA] [D.F.X. Treme] [Honda CBR 1000RR] [40分25秒532]
9. ルーベン・ザウス [SPA] [Sterilgarda - Berik] [Ducati 999F05] [40分28秒224]
10. クリス・ウォーカー [GBR] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [40分28秒340]
11.
阿部典史 [JPN] [Yamaha Motor France-Ipone] [Yamaha YZF R1] [40分28秒575]
12. スティーブ・マーチン [AUS] [Foggy Petronas Racing] [Petronas FP1] [40分37秒259]
13. クレイグ・ジョーンズ [GBR] [Foggy Petronas Racing] [Petronas FP1] [40分44秒055]
14. トロイ・コーサー [AUS] [Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [40分44秒718]
15.
中冨伸一 [JPN] [Yamaha Motor France-Ipone2] [Yamaha YZF R1] [40分57秒189]
16. ビットリオ・イアンヌッツォ [ITA] [Celani Team Suzuki Italia] [Suzuki GSXR1000 K6] [40分57秒429]
17. ロベルト・ロルフォ [ITA] [Team Ducati SC - Caracchi] [Ducati 999F05] [40分58秒829]
18. イヴァン・クレメンティ [ITA] [Team Pedercini] [Ducati 999RS] [41分03秒654]
19. レジス・ラコーニ [FRA] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [41分04秒621]
20. Stefan Nebel [GER] [Kawasaki Docshop Racing] [Kawasaki ZX10R] [41分04秒945]
21. Didier Van Keymeulen [BEL] [MGM - TTSL Racing] [Yamaha YZF R1] [41分07秒091]
22. Jiri Drazdak [CZE] [Pro-SBK Racing] [Yamaha YZF R1] [41分25秒712]
23. ジョシュア・ブルックス【23周】[AUS] [Team Bertocchi Kawasaki] [Kawasaki ZX10R] [40分19秒549]

--リタイア
アレックス・バロス【18周】[BRA] [Klaffi Honda] [Honda CBR 1000RR] [30分01秒285]
カーチス・ロバーツ【11周】[USA] [Team Pedercini] [Ducati 999RS] [19分27秒239]
ピエールフランチェスコ・キリ【5周】[ITA] [D.F.X. Treme] [Honda CBR 1000RR] [8分53秒023]
アンドリュー・ピット【3周】[AUS] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [5分05秒527]
マックス・ノイキルヒナー【2周】[GER] [Alstare Eng. Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [3分53秒071]


■ポイントランキング

1. トロイ・ベイリス [AUS] [Ducati] 357
2.
芳賀紀行 [JPN] [Yamaha] 270
3. ジェームス・トスランド [GBR] [Honda] 264
4. トロイ・コーサー [AUS] [Suzuki] 211
5. アンドリュー・ピット [AUS] [Yamaha] 210
6. アレックス・バロス [BRA] [Honda] 186
7.
加賀山就臣 [JPN] [Suzuki] 177
8. クリス・ウォーカー [GBR] [Kawasaki] 134
9. ロレンツォ・ランチ [ITA] [Ducati] 133
10. フォンシ・ニエト [SPA] [Kawasaki] 127
11. ミッシェル・ファブリツィオ [ITA] [Honda] 117
12. ルーベン・ザウス [SPA] [Ducati] 103
13. カール・マガリッジ [AUS] [Honda] 97
14.
阿部典史 [JPN] [Yamaha] 93
15. レジス・ラコーニ [ITA] [Kawasaki] 84
16. ロベルト・ロルフォ [ITA] [Ducati] 64
17.
中冨 伸一 [JPN][Yamaha] 33
18. マックス・ノイキルヒナー [GER] [Ducati] 22
19. ファビアン・フォーレ [FRA] [Suzuki] 19
20. スティーブ・マーチン [AUS] [Petronas] 19
21. セバスチャン・ジンバート [FRA] [Yamaha] 18
22. ピエールフランチェスコ・キリ [ITA] [Honda] 16
23. トミー・ヒル [GBR] [Yamaha] 13
24. マルコ・ボルチアーニ [ITA] [Ducati] 9
25. イヴァン・クレメンティ [ITA] Ducati] 7
26. ビットリオ・イアンヌッツォ [ITA] [Suzuki] 6
27. クレイグ・ジョーンズ [GBR] [Petronas] 3
28. Harry Van Beek [NED] [Suzuki] 2
29. ロレンツォ・アルフォンシ [ITA] [Yamaha] 2
30. ホセ・ダビィ・デ・ヘア [SPA] [Honda] 2
31. ジョシュア・ブルックス [AUS] [Kawasaki] 1
32. ジャンルカ・ナンネッリ [ITA] [Honda] 1


■マニュファクチャーズ・ポイント

1. Ducati 376
2. Yamaha 339
3. Honda 328
4. Suzuki 320
5. Kawasaki 196
6. Petronas 19


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